訪問看護フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは

公開日:2020年05月15日

訪問看護フランチャイズの費用は、加盟する本部だけでなく、雇用者の職種や人数、訪問手段などによっても大きく変わります。

そこで今回は、訪問看護のフランチャイズを始めるために必要な加盟金や店舗関連費、車両費などの開業資金(初期費用)、人件費や賃貸料、水道光熱費などの運営資金を詳しくご紹介。
訪問看護フランチャイズでの独立・開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

訪問看護フランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安

訪問看護フランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)

訪問看護フランチャイズに必要な運営資金

訪問看護フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション

訪問看護フランチャイズの関連記事

訪問看護フランチャイズ開業と運営に必要な資金の目安

訪問看護フランチャイズの開業に必要な資金の目安は、約1,630万円です。
この費用は、開業資金(初期費用)と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
広いスペースや大きな設備投資が不要なので他の業種より開業資金(初期費用)が低めですが、看護師などの雇用が必要のため、人件費などの運営資金が高めであることが特徴として挙げられます。

<開業資金(初期費用)の目安>

項目 金額
加盟金 200万円
店舗関連費
(物件取得費・内装工事費・設備費など)
100万円
車両費 150万円
会社設立費 25万円
求人・宣伝費 50万円
合計 525万円

<運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合>

項目 金額
人件費 840万円
賃貸料 60万円
水道光熱費 24万円
車両関連費
(ガソリン代・駐車場代)
96万円
消耗品費 24万円
ロイヤリティ 60万円
合計 1,104万円

※売上が月間400万円ほどの事業所と仮定し、各項目を計算しています。

以下で一つずつ項目を解説していきます。

訪問看護フランチャイズ開業に必要な資金(初期費用)

訪問看護フランチャイズの開業に必要な資金(初期費用)には、加盟金や店舗関連費、車両費などが挙げられます。
訪問看護ならではの費用もあるので、開業前にしっかり確認しておきましょう。

加盟金

訪問看護フランチャイズの開業に必要な加盟金は、200万円程度です。

フランチャイズ本部などによって金額はさまざまで、加盟金が発生するところが多い傾向にあります。

開業前研修費などが含まれた金額が設定されているケースもあるので、詳細までしっかり確認しておくと安心です。

店舗関連費(物件取得費・内装工事費・設備費など)

訪問看護フランチャイズの開業には、店舗関連費がかかります。

独立した事務所を新規に取得するのか、または既存の事務所に併設するのかなど条件に寄っても変わりますが、費用の目安は100万円程度です。

広いスペースや大きな設備は必要ありませんが、事務を行う場所と利用者用の相談室は、部屋やパーテーションで区切るなどして分ける必要があります。

車両費

訪問看護フランチャイズには、移動のための自動車や自転車などの車両が必要です。

自動車または自転車のどちらを選ぶのか、自動車のなかでも軽自動車・普通自動車などの種類や購入・リースなどの取得方法によっても費用が大きく変わりますが、150万程度は準備しておいたほうが良いでしょう。

もちろん、既に所有している車両を使用できる場合には、開業時の費用が抑えられます。

会社設立費

訪問看護フランチャイズを開業するには、法人格を有することが条件となるので、株式会社・有限会社・NPO法人などの法人登記が必要です。

定款認証と必要書類の作成が完了したら、法務局で手続きを行います。株式会社の設立の場合にかかる費用の目安は、20~25万円です。

難しそうな手続きにも感じますが、フランチャイズに加盟すれば開業に必要な手続きに関する不安や疑問も気軽に相談できるので安心です。

求人・宣伝費

訪問看護フランチャイズの開業には、看護師などの求人や開業する訪問看護事業所の存在を知ってもらうための宣伝が必要不可欠です。

利用する媒体や期間などによっても異なりますが、50万円程度で見積もっておくと良いでしょう。

訪問看護フランチャイズに必要な運営資金

訪問看護フランチャイズに必要な運営資金は、主に以下の6つです。

  • 人件費
  • 賃貸料
  • 水道光熱費
  • 車両関連費
  • 消耗品費
  • ロイヤリティ

訪問看護フランチャイズの運営資金では、人件費が大きな割合を占めます。人件費に比べるとその他の運営資金は少なく済みますが、想定より多めに準備しておくと安心です。

人件費

雇用する看護師や保健師、理学・作業療法士などの人数、年齢、経歴などによっても変わりますが、1ヵ月あたり売上の60~70%が目安です。

その他、事務員を雇用する場合や賞与支給を予定している場合にはその点も考慮したうえでのシミュレーションが必要となります。

賃貸料

訪問看護フランチャイズでかかる賃貸料は、1ヵ月あたり売上の5~10%程度です。

事務所の立地や広さなどによっても変動しますが、利用者の自宅や施設に訪問するビジネスなので、他の業種より抑えることができる運営資金だと言えます。

水道光熱費

利用者の受付や相談窓口、従業員用のスペースとして事務所を使用するので、水道光熱費も毎月発生します。

使用する程度にもよりますが、1ヵ月あたり売上の約2%と考えておくと良いでしょう。

車両関連費(ガソリン代・駐車場代)

訪問看護フランチャイズに欠かせない移動手段となる、車両に関する費用も忘れてはいけません。

自動車を使用する場合は、1ヵ月あたり3%程度のガソリン代や駐車場代がかかると考えておきましょう。もちろん、自転車の場合はこれよりさらに費用を抑えることが可能です。

消耗品費

消耗品費には、消毒液やアルコール綿、ガーゼなど訪問看護に必要なもの、コピー用紙など事務に必要なものが挙げられます。

1ヵ月あたり2%程度で見積もっておくと良いでしょう。

ロイヤリティ

訪問看護フランチャイズでは、ロイヤリティの支払いが発生します。

加盟する本部によってさまざまですが、1ヵ月あたり売上の3~10%くらいが目安です。

訪問看護フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション

埼玉県を拠点に訪問看護サービスを展開する「メディナス」の場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
(必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。)

今回は、1ヵ月あたりの売上高が約409万円の店舗をモデルに算出しています。

  • 総粗利益高
    397万円
    =409万円(売上高)ー12万円(ロイヤリティ)

  • 店利益
    76.6万円
    =397万円ー320.4万円(賃貸料や人件費、水道光熱費など)

訪問看護ビジネスでは、特に人件費が高くなる傾向にあります。
ですが、利用者の状態に応じたサービスの提供や事業所の体制に対して報酬が加算される制度があるので、人件費をうまくコントロールすることができれば着実に売上を伸ばしていくことが可能です。

また、独自の助成金・補助金制度を設けている自治体もあるので、活用してみるのも良いかもしれません。

開業資金や運営資金のことなど、さまざまな疑問や不安を解消したうえで開業するためにも、複数のフランチャイズ本部を比較検討し、最適な本部を見極めましょう。

訪問看護フランチャイズの関連記事