ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業・運営に必要な資金とは
公開日：2021年03月10日
ネットカフェ・漫画喫茶をフランチャイズで始めたいと考えたとき、まずはどのような費用がどのくらいかかるのか気になりますよね。
今回は、ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業・運営に必要な資金を、初期費用と運営資金に分けてご紹介します。
開業前の参考として、ぜひご活用ください。
目次
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業と運営に必要な資金の目安
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業に必要な資金（初期費用）
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業と運営に必要な資金の目安
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業に必要な資金の目安は、約6,000万円です。
この費用は、開業資金（初期費用）と運営資金3ヵ月分を合算した金額で、あくまで目安の一つです。
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの場合、開業資金では店舗関連費、運営資金では人件費が大きな割合を占めています。
＜開業資金（初期費用）の目安＞
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 加盟金 | 200万円 |
| 店舗関連費 （物件取得費・内装工事費・設備費など） |
3,500万円 |
| 保証金 | 100万円 |
| 資格取得費 | 4万円 |
| 初期商材購入費 | 700万円 |
| 研修費 | 130万円 |
| 合計 | 4,634万円 |
＜運営資金の目安 ※3ヵ月分用意した場合＞
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 人件費 | 420万円 |
| 賃貸料 | 294万円 |
| 仕入れ資金 | 399万円 |
| 水道光熱費・通信費 | 126万円 |
| 広告宣伝費 | 42万円 |
| ロイヤリティ | 63万円 |
| 合計 | 1,344万円 |
※100坪程度の複合カフェ、月の売上を700万円と仮定し、各項目を計算しています。
以下で一つずつ項目を解説していきます。
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業に必要な資金（初期費用）
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業に必要な資金（初期費用）には、
- 加盟金
- 店舗関連費
- 保証金
- 資格取得費
- 初期商材購入費
- 研修費
などが挙げられます。
加盟する本部によって異なるのは、加盟金や保証金、研修費です。店舗関連費や初期商材購入費に関しては、店舗の規模や取り扱う商材などによって変動します。
加盟金
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業に必要な加盟金は、200万円程度です。
複合カフェを展開するフランチャイズ本部においては、200万円で設定しているところが多くあります。
加盟金には本部のノウハウやサポート提供に大きく関わってくるので、詳細までしっかり確認するようにしましょう。
店舗関連費（物件取得費・内装工事費・設備費など）
店舗が必要なネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズでは、物件取得費や内装工事費、設備費などの店舗関連費が必要です。
店舗の規模や立地などの条件にもよりますが、100坪程度の複合カフェの場合は約3,500万円くらいが目安となります。
また、設備費に関してはブースや書棚、インターネット設備、厨房設備をはじめカラオケ・ビリヤード・ダーツの設備など、提供するサービスによって必要な設備や費用が大きく変わる点も覚えておきましょう。
保証金
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズに加盟するにあたり、保証金の支払いが必要な場合があります。
本部によって異なりますが、金額は100万円程度です。
保証金が0円という本部もありますが、契約条件が厳しくないかなど細かく確認する必要があるでしょう。
資格取得
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズを開業する場合、資格取得費として約4万円確保しておきましょう。
主な資格には
- 営業許可
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
が挙げられます。
営業許可
飲食物を提供するネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業には、営業許可の取得が必須です。
ネットカフェ・漫画喫茶の営業許可は「飲食店営業」または「喫茶店営業」のどちらかを選択することになりますが、食事やアルコール類を提供する場合には「飲食店営業」を選ぶようにしましょう。
営業許可は開業する地域の保健所で申請でき、地域によって異なりますが、2万円程度の手数料がかかります。
また、0～6時の時間帯にアルコールを提供する場合は「深夜酒類提供飲酒店営業」の申請（手数料0円）も必要です。
食品衛生責任者
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズで食品を扱う場合には、「食品衛生責任者」の資格が必要です。
お店を開業する地域の食品衛生協会で実施されている講習会を受けて取得します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 講習時間 | 6時間 （・衛生法規：2時間・公衆衛生学：1時間・食品衛生学：3時間） |
| 受講料 | 1万円 |
※東京都の場合
防火管理者
一定以上の広さや収容人数のネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズを開業する場合、「防火管理者」の配置が義務付けられています。
甲種と乙種と種類が分かれており、店舗の規模によって異なるので、フランチャイズ本部にどちらの種類の資格が必要なのかを事前に確認しておくと安心です。
| 種類 | 講習時間 | 受講料 |
|---|---|---|
| 甲種 | 10時間（2日間） | 8,000円 |
| 乙種 | 5時間 | 7,000円 |
初期商材購入費
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの開業には、初期商材購入費が700万円程度必要です。
主に必要なのはマンガとパソコンですが、こちらも店舗の規模や提供するサービスによって変わります。
想定より費用がかかってしまったということがないように、必要な数や商材の種類は事前にしっかり決めておきましょう。
研修費
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズを開業する場合、研修費が必要になります。
加盟する本部によって異なり、60万円で設定しているところや200万円必要なところもあります。
店舗経営のノウハウなどを学ぶ研修や従業員育成のための研修になるため、特に未経験でネットカフェ・漫画喫茶を始める場合は、研修制度が充実しているフランチャイズ本部を選ぶと安心でしょう。
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズに必要な運営資金
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズに必要な運営資金には、
- 人件費
- 賃貸料
- 仕入れ資金
- 水道光熱費・通信費
- 広告宣伝費
- ロイヤリティ
が挙げられます。
それぞれの費用が毎月どのくらい発生するのか、こちらでしっかり確認してみてください。
人件費
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの運営には、接客や調理、清掃などのための人件費がかかります。
雇用する人数や形態にもよりますが、1ヵ月あたり売上の20～27％くらいと考えておくと良いでしょう。
基本的にセルフサービスの店舗が多いため接客のために大人数を雇用する必要はありませんが、ほとんどのネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズは24時間営業を行っているため深夜手当が別途発生します。
雇用状況によっては運営資金の中でも割合が高い費用になるため、十分な雇用計画が必要だと言えるでしょう。
賃貸料
店舗を構えて運営するネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズでは、毎月売上の約14～19％の賃貸料が発生します。
立地や店舗の規模によって大きく変動するため、利益を圧迫しないようできるだけ抑えておけると安心です。
仕入れ資金
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズは、運営資金として食品などの仕入れ資金が必要です。
仕入れの量や種類にもよりますが、1ヵ月あたり売上の10～19％程度かかることが想定されます。
一般的な飲食店と比べてネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの場合は軽食が中心となるため、毎日の仕入れも少なく済むのが特徴的です。
水道光熱費・通信費
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの運営には、1ヵ月あたり売上の約4～6％の水道光熱費・通信費が必要です。
こちらも提供するサービスによって異なりますが、シャワールームを設置する場合は水道代が通常よりかかってしまう場合もあります。
利用客や状況によって大きく変動するため、多めに見積もっておくと安心です。
広告宣伝費
継続的な集客を行うために、ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの運営には広告宣伝費も必要です。
1ヵ月あたり売上の2～3％程度かかりますが、広告宣伝の手段や頻度などによっても変動します。
ロイヤリティ
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズの運営資金には、本部に支払うロイヤリティも含まれます。
本部によってさまざまですが、毎月売上の3％で設定しているところが多いようです。
ロイヤリティが少ない、または0円のフランチャイズ本部が気になってしまいがちですが、その分ほかの費用が高く設定されているといったケースもあるため注意しておきましょう。
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズのキャッシュフローシミュレーション
全国各地に複合カフェを展開する「自遊空間」の場合、キャッシュフローシミュレーションは以下の通りです。
（必ずしも当てはまるわけではないので、参考程度にしておいてください。）
今回は、郊外型店舗（営業面積180坪、客席117席）、1ヵ月あたりの売上高が約800万円の店舗をモデルに算出しています。
総粗利益高
720万円
＝800万円（売上高）ー80万円（原材料費）営業利益
91.4万円
＝720万円ー484.5万円（家賃や人件費、水道光熱費など）－144.1万円（減価償却費）
ネットカフェ・漫画喫茶フランチャイズは物件取得や設備導入など初期にかかる費用が高めですが、マンガやパソコン、カラオケなどの設備は一度導入すれば毎月新たに仕入れる必要がないため、ランニングコストが抑えやすい業種でもあります。
店舗の立地や規模、提供するサービスによっても利益の出しやすさが異なるため、ノウハウだけでなく実績も豊富なフランチャイズ本部を選ぶことが、ネットカフェ・漫画喫茶の安定経営につながると言えるでしょう。
自分に合ったフランチャイズ本部を選択できるよう、複数から比較検討することをおすすめします。
