中小企業の資金調達法(4)フランチャイズにおけるノンバンクからの開業資金調達について

公開日:2015年03月24日

「ノンバンク」と言えば、カード会社や消費者金融会社等広い意味で使われていますが、今回は銀行や国民金融公庫以外でFC(フランチャイズ)を含む開業資金の融資を行っている会社が一体どういうものなのかご案内したいと思います。

記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

「ノンバンク」と聞かれ、どの様な事が思い浮かばれますか?
「商工ローン問題」の様な高金利で取り立てが厳しいものとお考えになられる方が多いのではないでしょうか。確かに一昔前のノンバンクは出資法上限の年利率29.200%近い金利での融資が行われていました。主に中小零細企業の急な入金ズレがあった際に手形決済資金等の「カンフル剤」としての銀行には出来ない役割を担ってきていたわけです。しかし、長期で利用する際は当然、利息負担額が高くなって、収益をすぐ圧迫してしまい経営内容が悪化してしまう可能性が高いものでした。

そういった中、消費者金融大手会社が貸金業法違反により、法改正の気運が高まり平成18年12月国会で上限金利が引き下げられる貸金業規制法改正案が成立した訳です。(施行はまだ先ですが)ノンバンク各社は収益構造の見直しを差し迫られ、まだ過渡期ではありますが、従来の金利帯よりも低い融資プラン(年利率8%位~15%位)がかなり開発されてきました。従来であれば事業実績の無い新規開業資金の融資は行わない会社が多かったわけですが、最近ではいろいろな開業資金融資商品(無担保無保証など)が販売されています。フランチャイズ開業資金の調達手段として検討できるようになってきたともいえます。

目次

ノンバンクについて

渡邊 太(わたなべ・ふとし)

ノンバンクについて

フランチャイズ加盟開業資金に関しては、しっかりとしたフランチャイズのビジネスモデルが確立されており、全くの独自開業よりも審査が通りやすい傾向が多々あります。また、加盟金、保証金、物件取得費はリースが使えない項目であり、フランチャイズで独立・起業・開業を行う際には、現金で用意する必要が出てきます。自己資金や公的金融機関で調達出来れば一番いい訳ですが、国民金融公庫などは、やはり時間が掛かるものであり、審査も用意する書類も多く期待した審査結果が出ない事もあります。

例えば、ノンバンクで自己資金の足りない分を補いオープンにこぎつけます。その後は当然事業実績を積む事が出来る訳で、その実績により公的金融機関での融資が受けられやすくなります。融資が受けられたら、ノンバンク借入分を清算してしまえばいいわけです。

ノンバンクも監督官庁の指導が厳格化され、法を逸脱する事があれば、厳しい行政処分が待ち受けているわけで、常識外れな事はされません。ただ、各社もし自己資金が足りないという事情がおありになれば一度検討してみてはと思います。

契約条件がかなり異なりますので、解らない事があれば納得いくまで、担当者に聞く事が大切です。もしフランチャイズで独立・起業・開業される際に自己資金が足りないという事情がおありになれば、一度検討してみてはと思います。

渡邊 太(わたなべ・ふとし)

ファーストステージ株式会社 代表取締役

フランチャイズ本部業務経験もあり、現在では店舗出店での資金・設備・情報のトータルサポート支援を手がける。特にリース会社との取引が多く、設備のリースコーディネイトや内装での割賦取引の提案を行なう。

関連するタグ