フランチャイズの物件開発ノウハウ(2)気に入った物件のとり方

公開日:2015年03月24日

今回は、FC(フランチャイズ)で独立・起業・開業される際の「気に入った物件のとり方」をお知らせ致します。

店舗を探された方であれば大方経験があると思われますが、「折角めぐり会えた物件が、他の出店希望者と競合し契約できなかった・・」というとき、これほど、気持ちが落ち込むことはありません。しかし、需要と供給において圧倒的に供給側が多い店舗不動産業界においては、日常当たり前のように起こっております。特に立地がよければよいほどこれは競合が多くなるのは必然です。

私たちも数件店舗展開をしていることから、取れなかった時の落胆の仕方は正に「ガックシ」と肩を落とします。取りたいときの物件は「何としてもあの場所で商売をしたい!」と必要以上に燃えてくるものです。

目次

物件の取り方3つのポイント

物件の取り方3つのポイント

優秀な不動産営業マンが担当した際は、物件を採る方策をひとつひとつ指南してくれますが、そんな優秀な営業マンは極めて稀です。そこで、出店申し込みが競合した場合の「物件のとり方」です。

さて、ここまできたら次は具体的な「フランチャイズ業態、フランチャイズ選び」に入っていきます。今回は、その合理的な方法をお伝えします。弊社が、フランチャイズビジネスの初心者の方に対し、ご提案する検討方法は次のとおりです。

記事提供:フランチャイズタイムズジャパン

  • 1) 出店企画書の提出

    中小企業の場合は、出店申込書の他に「どのような事業への想いで」、具体的に「どのような業態であるか」を書面にてまとめたものを提出することが、極めて重要です。私も、フランチャイズ出店の申し込みする際は、相手に自分のことを知っていただく目的のもと、商売に対する想いから始まり、家族構成やら身の回りのことやらを詳細に書き込みます。また、業態の紹介については、既存店舗、イメージ店舗のカラーコピーなどで、視覚で訴えることも重要です。

  • 2) 誰がキーマンかを探す

    皆様ご存知ないと思われますが、キーマンは大家さんであると思いがちですが、大半は不動産会社です。 当然、最終決定権は大家さんが持ちますが、その決定に際し、不動産会社が大家さんに出店申込者を説明する説明のしかた如何に関わることが大きい為です。この不動産会社のキーマンに対し、大家さんの不安事項、希望事項を聞き出し、ひとつひとつ攻略することが重要です。

・ 臭いを気にしておられる場合は、排気ダクトの位置や消臭装置の設置などを提案する

・ 外装や看板を気にしておられる場合は、外観パーツの提示をする

このように根気をもって、ひとつひとつ次のような提案をすることがポイントです。

  • 3) 現金
    聞こえは悪いですが、「現金を積む」ことを指します。 1,2はいわゆる情に訴え、最後のダメ押しになりますが、直接的な「利」を提示することが、現実には大きなポイントになることが多々あります。

「現金をどこに積めばいいか?」ですが、それは物件毎に異なり、不動産会社へ支払うケースと、賃貸条件を上乗せするケースのいずれかは、キーマンとのコミュニケーションから推し量ります。

希望物件の獲得ポイントの大きくは「キーマンと接点が持てるか」に尽きます。出店申込書の提示の後、特に貸主側へアピールしたいことは、行き違いの無いよう、全て書面にて提示することも忘れずに、出来ることは全て手を打ちます。後は「縁」しかありません。皆様がご希望の物件に出店できることをお祈り致します。

  • 土井 恭一(どい・きょういち)
    株式会社ABC店舗 代表取締役
    数少ない「店舗不動産」専門会社。仲介営業業務に人を主体としないITを主体とした物件紹介システムを構築展開し、スピーディーに大量の店舗物件情報を 提供する。主に飲食店の居抜き店舗物件を取り扱う。