貯金200万円から夫婦で独立!ECサイト運営とYouTubeの2本柱で理想の生活を実現

最終更新日:2023年04月03日

飲食店や修理屋、スクール講師など、独立にはさまざまな選択肢があります。「できれば今流行りのビジネスに挑戦したい」という方も多いことでしょう。

今回取材した「さいとう夫婦」は、“ECサイト運営”と“YouTuber”という時代の流れに乗った2つのビジネスを展開しているお2人です。「独立して後悔はない」と語るタローさんとはるぴんさんに、黒字化するまでの苦労や具体的な開業資金、収入などを詳しく伺いました。

目次

ECサイト運営とYouTuberの2本柱で事業を展開

車中泊の動画がバズる!YouTubeで“夫婦のアウトドア”を投稿して注目

ECサイト運営で年商2,000万円超え!気になる開業資金は?

「お金が貯まってから」ではなく、まずは一歩踏み出してみて良かった

資金がどんどん減る不安を乗り越えて…今では「夫婦で独立して後悔はない」

まずは「最初の一歩を踏み出すこと」が大切

ECサイト運営とYouTuberの2本柱で事業を展開

ECサイトの運営に加えて、YouTuberとして活躍中のさいとう夫婦。YouTubeのチャンネル登録者数は5万人を超え、アウトドア好きの方々から根強い支持を集めています。

現在の仕事内容を教えてください。

タローさん「主に2つあり、1つは株式会社リフシーのEC事業です。アメリカや西海岸風のインテリア雑貨を、楽天やAmazon、Yahooショッピングで通販するインターネットショップを運営しています。

もう1つは、『脱サラ さいとう夫婦』というYouTubeチャンネルの運営です。YouTubeやInstagramでインフルエンサーとして活動しており、最近は企業からお仕事をもらうことも多いです」

従業員を雇ってECサイトを運営しているのですか。

タローさん「従業員は雇っていません。たとえば楽天のショップではすでに倉庫を借りており、倉庫のスタッフさんが発送をしています。商品の在庫を倉庫に備蓄しておいて、注文が入ったらスタッフさんが発送など諸々の作業を対応するシステムです」

仕入れは、ご夫妻お2人で対応しているのでしょうか。どのように仕入れているのかお聞きしたいです。

はるぴんさん「仕入れは私が担当しています。アリババというオンライン・マーケットサイトを見て、売れそうなものや新しそうなもの、大きな家やアメリカンスタイルに合いそうなものを探しています」

タローさん「私は、販売ページの制作や商品の写真撮影、お客さんの受注システムの管理などを担当しています。もともと妻とは同じ会社で働いていて、私がECサイトの制作部、妻がバイイング(仕入れ)の部署にいたので、その経験を活かして役割分担しました」

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そもそもなぜYouTubeを始めたのでしょうか。

タローさん「2019年2月にYouTubeを始めました。ECサイト運営を通じてアウトドアブームが来ていることを感じていたこと、さらに芸人のヒロシさんがキャンプ動画をYouTubeであげていたことがきっかけです。「雑貨を取り入れたゴージャスなキャンプをすれば“映える”のでは?」と考えて始めました」

2人ともYouTubeには前向きだったのでしょうか。

はるぴんさん「私はもともとYouTubeをあまり観ていなかったので、そこまで乗り気ではありませんでした。ですが、人前に顔を出したくないわけでもないですし、実際に始めてみると楽しかったです」

タローさん「当初はECサイトのお店のためにYouTubeを始めたのですが、視聴者が全然いませんでした。そこから、商品を見せるというよりキャンプの様子を映すように意識したところ、動画を観てくれる人が増え始めたのです。

動画の方向性を変えるきっかけとなったのが、「10日間の車中泊旅の準備」の動画。この動画がバズったことで、商品を見せるのではなく、夫婦のキャンプや旅を見せるほうが需要があるんだなと気づきました」

動画編集はどちらが担当されていますか。

タローさん「もともと自分で全て対応していましたが、今はカットやテロップを外注さんに任せることが多いです」

ECサイト運営で年商2,000万円超え!気になる開業資金は?

会社員時代、タローさんは営業の仕事で年収900万円、はるぴんさんも年収400万円を稼いでいたといいます。安定した収入を得ていたお2人ですが、開業資金に余裕があったとは言えない状況だったそうです。

独立する上でいくら開業資金が必要だったのか、そしてどのくらい利益が出たのでしょうか。

タローさん「ECサイト運営で独立した時の開業資金は、貯金200万円と融資400万円の合計600万円です。この開業資金は、仕入れ費と出店費に使いました。あまりにも開業資金が少なく、銀行や創業支援センターの担当者に怒られたことを覚えています」

独立当初の年収についてお聞きしたいです。

タローさん「初年度は大赤字ですね。半年ほど利益は0円でした」

半年間赤字の状態を乗り越え、現在のECサイトの年商はどのくらいになったのでしょうか。

タローさん「2,000万円〜3,000万円です。以前はもう少し良かったのですが、やはりコロナ禍で下がりましたね。一番良かったときで4,000万円ほどです。コロナ禍ではYouTubeやInstagramのほうが順調だったので、インフルエンサーとしての活動に力を入れていました」

YouTubeの収益もお聞きして良いでしょうか。

タローさん「明確な数字はお伝えできません。ただ、広告収入や企業案件は会社の売り上げとして計上しているので、私たちの給料は大きく変わっていません」

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「お金が貯まってから」ではなく、まずは一歩踏み出してみて良かった

今ではECサイトだけで2,000万円〜3,000万円の年商があるとのことですが、貯金200万円の状態から独立するのは怖くなかったのでしょうか。

タローさん「そうですね。たとえば「500万円貯めたら会社を辞めよう」という考え方も悪くはありませんが、あまり時期を遅らせても良いことはないと思っています。

お金はありませんでしたが、あのタイミングで踏み出して良かったです。もちろんお金が必要なのは間違いないので、融資を選択肢に入れるという考えは必要でした」

はるぴんさん「このコロナ禍からも分かる通り、周囲の状況は常に変わっていて、商品のニーズも全て変わっています。自分の案を温めすぎてしまうと、いざ挑戦しようと思ったときには、時期を外してしまうこともあるのではないでしょうか」

そもそも2人とも、なぜ独立したい気持ちが強かったのでしょうか。

タローさん「会社員では、経営など会社の主軸に携わる仕事ができません。それでは「自分のやりたいことにチャレンジできないな」と思ったのが一番の理由です」

はるぴんさん「私が独立したかった理由は、長く続けられる仕事をしたいと思っていたからです。たとえば出産で会社を長期間休んだ場合、復帰後に自分のポジションが確保されているとは限りません。自分が評価される場所で、家庭を持ちながら満足できる形で働きたいと思っていました」

資金がどんどん減る不安を乗り越えて…今では「夫婦で独立して後悔はない」

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脱サラで苦労したことを教えてください。

タローさん「独立当初は赤字が続き、どんどんお金が減っていきました。私はネガティブなので、お金がなくなったときの最悪のパターンを想像してしまうのですが、妻は私とは違い「お金がなくなったときにまた考えれば良い」という考え方。お金が減るのに加えて、2人の考え方が合わないこともあり、夫婦の空気は最悪でした」

赤字が続いたとき、はるぴんさんはどう感じていたのでしょうか。

はるぴんさん「どんどんお金が減っていくので、心配した夫が「Uber Eatsの配達や、確実にお金が得られるバイトをしようか?」と言ってくれました。ですが、私はバイトに頼るのではなく、ビジネスで収益化する仕組みを作ることが大切だと思っていました。

半年後に黒字になったときは、もうお金がなくなる寸前だったので、収益が出たのを見て一人でひっそりと泣きましたね」

では、お2人とも、独立して後悔はなかったということでしょうか。

タローさん「ありません。独立当初はやはりECサイトを大きくしたい気持ちが大きかったですが、今は自分たちが食べるお金を稼いで、スローライフができれば良いという考え方に変わってきています」

はるぴんさん「私も後悔は全くありません。生活の一部において、自分のやりたいことをできている満足感があります。夫と一緒に起業できて本当に良かったです」

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まずは「最初の一歩を踏み出すこと」が大切

黒字化するまでの不安と戦いながら、紆余曲折さまざまな苦労を乗り越えてきたお2人。夫婦で寄り添うコツとして、タローさんは「無理矢理でも一緒にいること」と話します。嫌なところがあっても、一緒にいることでそれが普通になり、今では全く苦にならないとのこと。

脱サラしたい方へ一言お願いします。

タローさん「私自身、お金の心配もあり、脱サラしたいと思いながら何年もダラダラとサラリーマンを続けていた時期がありました。ですが、最も腰が重たいのは一歩踏み出すとき。最初の一歩さえ踏み出してしまえば、自分で勝手に進んでいきますから。

会社を辞めるのは勇気が必要ですが、その踏み出すタイミングさえ大切にすれば、あとはもう自分でやっていくだけ。結局、勇気が大切ですかね」

取材の最後に「自分が挑戦したいことに対して、ぶれないビジョンを持つことが大切」と語るお2人。脱サラを夢見ている方は、さいとう夫婦の独立エピソードを参考にしてみるのも良いかもしれませんね。

公開日:2022年11月09日