漁師になるには?登録者数55万人超の人気YouTuber「はまゆう」が語る脱サラ・独立

最終更新日:2023年03月31日

農業や漁業など、自然を相手にした仕事での脱サラに憧れる方は少なくありません。

今回取材したのは、チャンネル登録者数55万人超の人気漁師YouTuber「はまゆう」さんです。漁師になるまでの期間や方法、開業資金、収入などを徹底取材しました。

また、YouTube運営や魚を活かした商品の開発・販売、居酒屋経営などそのほかの事業についても詳しく伺ったので、ぜひチェックしてみてください。

目次

登録者数55万人超!漁師YouTuber「はまゆう」として活動するまで

YouTubeを伸ばすコツは「視聴者が求めるものを知る」こと

商品の開発・販売と飲食店経営など複数のビジネスを展開

漁師の開業資金・収入は?儲かるためにはどうすべき?

コネ無しで漁師になるには…組合加入や資格取得について

「失敗してもまたやり直せる」後ろ盾を準備してから脱サラしよう

登録者数55万人超!漁師YouTuber「はまゆう」として活動するまで

2022年12月現在、チャンネル登録者数が55万人を超える人気YouTuberの「はまゆう」さん。漁業や魚料理を中心とした動画で、多くのファンを獲得しています。そんなはまゆうさんですが、一体どのような流れで漁師になり、そしてYouTubeを始めたのでしょうか。

漁師になったきっかけを教えてください。

はまゆうさん「曽祖父の代から家が漁師で、自分も漁師になりたいと幼少期から思っていました。それで水産系の高校に通ったのですが、高校はすぐに退学しています。その後、比較的危険が少ないとされる建て網漁を祖父のもとで覚え、それから徐々に難易度の高い漁へ挑戦していきました」

それは何歳くらいの話でしょうか。

はまゆうさん「17歳~20歳の頃ですね。独立したのが23歳~24歳のときなので、6年ほど修行しました。本来であれば、もっと早く独立できると思います」

独立が遅れた理由は何かあったのでしょうか。

はまゆうさん「漁師の世界には「見て盗め」という風習があるんですよね。教えるという行為は、労力がいりますから。なので、仕事をしながら新たな仕事を覚えていくしかありませんでした。これから漁師になる方は、しっかりと教えてもらうことができれば、2~3年で独立できると思いますよ」

後半はこちらから

YouTubeを伸ばすコツは「視聴者が求めるものを知る」こと

YouTubeを伸ばすコツは「視聴者が求めるものを知る」こと

YouTubeの運営についてお聞きしたいです。チャンネル開設から3年半で登録者数が55万人超えはかなり成功されていると思いますが、そもそもなぜYouTubeチャンネルを始めたのでしょうか。

はまゆうさん「もともと自分で何か始めたいなと思っていて、そのときにちょうど漁師の方のYouTubeチャンネルを見ていたのがきっかけです。自分で何かを成し遂げて、一つの形にしたいという思いで始めました」

なるほど。編集は外注ですか。

はまゆうさん「今は基本的に外注です。最初は右も左も分からないまま自分で調べながら撮影し、それから悪い点をどんどん改善していきました。あとは協力者を見つけるなど、基本的にはほかのビジネスと全く同じプロセスです。

3時間かけて撮影し、7時間かけて編集した動画が50回も再生されず、お金だけがどんどんと消える。自分でもよく心が折れなかったなと思いましたね」

すごいですね。なかにはYouTubeを始めても上手くいかない人が多いですが、長く続けるコツなどはありますか。

はまゆうさん「チャンネルを開設していろいろな動画をアップしていくと、自分では面白いと思っていなかった動画の再生数が予想外に伸びることがあります。その伸びたコンテンツに注力して、その枠から外れない動画を作ることが大切ではないでしょうか。

視聴者さんが何を求めているのかを知り、求められたものに応えていくこと。動画のジャンルは、自分がやりたいことの中からまず探すのが良いと思います」

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商品の開発・販売と飲食店経営など複数のビジネスを展開

はまゆうさんは、漁師とYouTube以外にも複数の事業をされていますよね。

はまゆうさん「あとは、商品の開発・販売と飲食店の経営ですね。商品は、たたきセットとマナガツオの味噌漬けなどを、全部委託で作ってもらっています。

商品には自分で獲った魚だけでなく、父や兄、市場の魚を仕入れたり、あとは実家の海苔を使ったりしています。信用が一番だと思っているので、質の悪い魚は一切使っていません」

飲食店はどのようなお店を経営されていますか。

はまゆうさん「期間限定で居酒屋を経営していて、バイト5人と社員1人で回しています。お店は黒字で、12月にもまた新たな出店を予定しています」

商品の開発・販売も居酒屋の経営も、経営者としての知識や考え方が必要だと思います。経営については、どのように学んだのでしょうか。

はまゆうさん「自己啓発書を読んで、実務をこなしながら学びました。すべて独学です。行動力があるので、まずは挑戦するよう意識していました」

漁師の開業資金・収入は?儲かるためにはどうすべき?

漁師にYouTuber、商品の開発・販売、居酒屋経営など、複数のビジネスで成果を出しているはまゆうさん。そのなかでも、会社員にはなかなか想像しにくい「漁師の開業資金や収入」について詳しく伺いました。

開業資金について教えてください。

はまゆうさん「開業資金は400万円です。船は知り合いの漁師さんから買ったので、50万円以下で済みました。かなり安く済んでいますが、一般的に古くて汚い船に乗ると修理代が高くつくので、ある程度綺麗な船をある程度の金額で買ったほうが絶対に良いです」

なるほど。収入についてもお聞きしたいです。

はまゆうさん「年収は水揚げで700万円くらいで、そこから経費が引かれます。儲かっている漁師さんだと、水揚げで1000万円くらいでしょうか。

これから漁師を始めたい方は、魚があまり獲れない海で漁を始めると痛い目を見るので注意してください。漁師はそれほど簡単に儲かるものではないので、儲かっている漁師さんがいるところで働くのが良いと思います」

漁師の運営資金はどのくらいでしょうか。

はまゆうさん「漁や船の規模によって全く違います。安く済まそうと思えば100万円台で済むし、大きい船であれば数千万円や数億円という漁師さんもいます。油や網、冷蔵庫、長靴、手袋、合羽、包丁など諸々の費用がかかりますから。ただ、国からの補助などもあるので、組合に入って情報を集めるのが良いです」

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コネ無しで漁師になるには…組合加入や資格取得について

コネ無しで漁師になるには…組合加入や資格取得について

はまゆうさんは曽祖父の代から家が漁師だったとのことですが、家が漁師ではない外部の人はどうすれば漁師になれますか。

はまゆうさん「はじめに、漁を始める権利を得るために組合へ加入します。どこかの漁師に弟子入りして、それから組合へ加入するという方法も良いでしょう。自治体によっては漁師募集のプロジェクトを実施していることがあるので、それに応募するのも一つの方法です」

組合に入らないと漁師にはなれないのですか。

はまゆうさん「組合に入らず漁をすることも制度上は可能ですが、現実的には無理だと思います。市場からの仕切りなどは全て組合が行っているので、どこかの組合に入らなければいけません。

組合ごとにルールが全然違って、集めたお金で冷蔵設備を作って共有するところもあります。みんなで協力してお金を出し合っていこうという風習です」

組合への加入はほぼ必須なんですね。そのほかに、何か資格の取得などは必要ですか。

はまゆうさん「船舶免許のほかに、無線を使う場合は無線通信士が必要です。どちらも簡単に取得できると思いますよ」

「失敗してもまたやり直せる」後ろ盾を準備してから脱サラしよう

17歳から漁師をしているはまゆうさんですが、実は20歳の頃に漁師を辞めようと小豆島を出たことがあるそう。ですが、やはり小豆島が肌に合っていると感じて島へ戻ることになります。

漁師を辞めようと小豆島を出てから、何をされていたのでしょうか。

はまゆうさん「兵庫県の西宮で仕事を始めたのですが、一週間で辞めてしまいました。それからはニートになって株式投資や仮想通貨に失敗したり、あとはフランチャイズに挑戦しようとしたりしたこともあります。

フランチャイズは自分に足りない知識を補ってくれる点が魅力ですが、やはり自分で自由に全て決められるビジネスがしたかったので結局加盟しませんでした」

はまゆうさんにとって「自分で決めること」が大切なんですね。

はまゆうさん「そうですね。やりたいこと以外のことに情熱を傾けられない性格なんです。お金は後からついてくるので、自分が情熱を傾けられることに力を注いだ方が良いなと」

なるほど。それでは最後に、これから脱サラしたい方へメッセージをお願いします。

はまゆうさん「挑戦する際は、失敗してもまたやり直せる状況を作っておくことが大切です。例えば大きな借金を背負ってしまうと、次の挑戦ができずもったいないですから。あとは自分の情熱を傾けられることや時代背景、将来性のある市場などを考えるのが良いと思います」

情熱に従って邁進し、さまざまな事業に挑戦しているはまゆうさん。これから脱サラや独立を考えている方は、資金面などの後ろ盾を用意することを意識しつつ、自分が情熱を傾けられそうな事業を探してみてはいかがでしょうか。

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公開日:2023年01月26日