独立にマイナンバーカードは必要?

最終更新日:2020年05月11日

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個人番号カード(マイナンバーが記載された電子証明カード)は、個人番号(マイナンバー)が通知された後に個人が申請して交付するものです。
いわゆる免許証と同じような身分証明書になりますが、果たして独立開業するときにこのカードがどんな場面で必要となるのでしょうか。

目次

マイナンバーカードとは?

独立した際にマイナンバーカードが必要な場面は?

マイナンバーカードを作るメリット

マイナンバーカードの作り方

マイナンバーカード取り扱いで注意するポイント

まとめ

マイナンバーカードとは?

まず、個人番号(マイナンバー)制度についてあらためて整理します。
制度の運用は、2016年(平成28年)1月からすでにスタートしています。
日本の全国民にナンバーが割り当てられ、通知が完了していますので持っていない人はいません。

使われるのは社会保障や税金、災害対策に関連する事柄で、従来複数機関でバラバラに保管していた情報も即座に整合性が取れることで、手続きを正確でスピーディにするためです。
制度が敷かれた目的は国民の利便性の向上ですが、なんらかの行政手続きを行う際、書類の添付をせずに申請が可能になる局面が増えるのは事実です。
ただ、実際には行政を効率化するためであり、機関や地方公共団体などが確認作業のコストを削減できるのが一番のメリットです。

そして、社会を公平公正に運営するという目的もあります。
制度によって所得を把握しやすくなり、社会保障の不正受給を防止することや税制度の透明性を高めることが大きな目的となっています。

こうした背景で全国民に個人番号が割り振られ、すでに通知カードが配送されています。
基本的にはその通知カードを保管しておき、必要なときに使用すればそれでまったく構いません。

ただこちらには顔写真が掲載されていませんので、本人確認書類として使用する場合は運転免許証やパスポートなど、顔写真が掲載された公的証明書とあわせて手続きを行う必要があります。
とはいえ、個人として考えた場合、通知カードを使用するような行政手続きを行うシチュエーションはほとんどないでしょう。

税務処理にしても企業に属していれば会社が年末調整を行ってくれますので、あるとしても住宅ローンを組んだときに初めて確定申告に行くくらいという方がほとんどです。

多くのサラリーマンが所属する企業や事務所に個人番号を伝えたきり、まったく目にしたこともないというのが大半でしょう。

ただ、独立開業するとなると話は別です。
もちろん、事業主でも通知カードと運転免許証の組み合わせなどで手続きは可能ですが、個人番号カードを持っていたほうが手間なく事務処理ができることは間違いありません。
当然、顔写真入りの証明書を有していないならなおさらです。
ICチップの中に電子証明書が搭載されていますので、写真入りの身分証明書として官民問わず利用できますし、電子申請などにも広く活用できるでしょう。

独立した際にマイナンバーカードが必要な場面は?

独立開業で一番注意が必要なのが税務手続きです。
事業主になるためにはまず税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出しなければなりませんが、ここに個人番号の記載が必要となります。
もちろん、通知カードがあればわかりますし、個人番号が記載されている住民票でも確認可能ですが、あらかじめ個人番号カードを交付しておけば手軽でしょう。
(ちなみに届け出に行こうとしたのにカードを紛失してしまったという場合、再交付が可能ですので安心してください。)
ただ申請してから手元に届くまで時間がかかるため、住民票を取って代用するという方法もあります。

開業届は国税庁のホームページからダウンロードして自宅で作成することも可能ですし、税務署に出向いてそこにある書類を使うこともできます。
開業届は事業開始日から1ヶ月以内に提出が義務付けられていますので、滞りなく手続きを進めましょう。

次に、個人番号カードが必要な場面として青色申告があります。
開業届を提出する際に青色申告承認申請書も一緒に提出すれば手間がありませんので、そこで済ませてしまいましょう。
青色申告は承認を得ると最大65万円の特別控除が受けられることや赤字を3年以内の所得から差し引くことができるメリットがあります。

独立開業するならこうした公的手続きはフル活用すべきですので、ぜひ申請してください。
こちらにも個人番号が必要ですし、ここでは本人確認のため身分証明書も必要となるので、通知カードではなく個人番号カードを交付しておいたほうが便利です。

このほかにも個人番号は、契約先企業から報酬や料金、契約金を受け取る場合、不動産仲介料や不動産使用料を法人として支払う際に必要となります。
銀行や証券会社のほか、生命保険や損害保険会社との取引時に必要になったり、国外送金・受領をする場合にも必要になったりもします。

どのような事業を行うかによっても使用されるシチュエーションは変わりますが、少なくとも確実に税務署や日本年金機構、全国健康保険協会や健康保険組合などとの手続きには必須です。

事業を行う限りこれらの手続きからは逃れられませんので、少しでも効率的に、手間なく処理できる工夫をするのがおすすめです。

マイナンバーカードを作るメリット

独立開業に伴う手続きには個人番号の通知カードと運転免許証やパスポートがあれば、基本的には可能です。
ただ、個人番号カードを交付しておくと、後々の事務手続きにメリットがありますので紹介しておきましょう。

本人確認書類として利用できる

何より大きいのは、それ1枚で本人確認書類として成り立つことです。
事業主になると、驚くほど行政手続きを必要とする場面が増え、その都度個人番号の確認と本人確認を求められるようになります。
毎回通知カードと運転免許証やパスポートのコピーなどを用意するのも手間ですし、個人番号カード1枚あれば手続きが済むならそれに越したことはありません。
行政機関では、個人番号と本人とを紐づけることが最大の重要事項となるため、個人番号カードを持っている場合と持っていない場合とでは処理の時間が変わります。

たとえば窓口で個人番号カードを確認できる場合は、提示を受けるだけで職員が本人確認可能です。
掲載されている顔写真と窓口にいる人物が同一人物であるかを職員が見て判断すればよいわけですから、スムーズに申請処理が行われます。
個人番号カードを確認できない場合は、提出された申請書類が本当に申請者のものかを別の角度から確認する必要があります。

申請書類の個人番号が申請者のものであるかは、住基ネットを使って確認しなければなりませんし、申請者本人であるか身元確認もしなければなりません。
もし運転免許証もパスポートも持っていないとなると、顔写真のない証明書しかなくなりますので、身元確認は2つ以上の書類を必要となります。
たとえば社会保険証と年金手帳といったように、複数の書類を用意しなければならなくなりますので、余計に手間がかかることになります。

コンビニで住民票などが入手できる

住民票など行政機関が交付する書類を必要とする場合、市町村役場の窓口が運営している平日昼間には到底行けないということはよくあります。
こうした不便を解消するためにも、個人番号カードは有効活用されています。

いわゆるコンビニ交付というのは、個人番号カードがあれば、住民票の写しや印鑑登録証明書などをコンビニエンスストアのマルチコピー機で取得できるサービスです。
住居地と本籍地の市区町村が異なる場合でも、事前申請しておけば戸籍証明書まで取得できるため大変便利ですが、市区町村で取得できる証明書が異なるためそこは注意しましょう。

メリットは閉庁時に取得が可能となる点で、深夜・早朝・土日祝日など関係なく、12/29~1/3を除き最寄りのコンビニエンスストアで証明書が得られることです。
市区町村の中には窓口で交付するより手数料を安く設定している場合もあり、非常に効率的な行政サービスといえるでしょう。

オンラインで行政の手続きができる

オンラインで利用できる行政手続きは自治体によってサービスの実施内容が異なるため、あらかじめ市町村役所に確認が必要です。

国としては平成29年1月より「マイナポータル」が運用され、個人番号カードがあればアクセスできるサービスが始まっています。
マイナポータルでは、情報提供等記録表示(誰がどのように自分の個人番号にアクセスしたか)を確認したり、行政機関が配信する報せを受け取ったりすることが可能です。
特定個人情報が適正に利用されているかを確認しながら、行政サービスを受けられる仕組みといえるでしょう。
ただし利用には個人番号カードのほか、ICカードリーダライタとパソコンが必要です。

マイナンバーカードの作り方

通知カードには個人番号カード交付申請書が初めから添付されています。
そちらから申請すると個人番号カードの交付を初回無料で受けることが可能です。
郵送による申請では、交付申請書に本人の顔写真を貼って送付用封筒に入れて郵便ポストへ投函します。

オンライン申請では、スマートフォンやデジタルカメラなどで顔写真を撮影し、所定のフォームからオンラインで申請が可能です。
また、居住区の市区町村窓口に申請書を持参し、使用可能な証明写真機で撮影した顔写真を添えて申請することもできます。
一般に設置されている証明写真機の中には、申請に使用できない機種もあるので注意しましょう。

受け取りは原則として、居住区の市区町村窓口での受け取りとなります。
交付申請後、交付通知書が送付されますので、記載された交付場所にその交付通知書と個人番号の通知カード、本人確認書類を持参して受け取りに出向きましょう。

マイナンバーカード取り扱いで注意するポイント

事業主が自身の個人番号カードを取り扱う中で注意すべきなのは、紛失です。
万が一紛失した場合は速やかにコールセンターへ電話して機能停止手続きを取り、警察や交番で遺失物届の手続きを行ってください。

その後、遺失物届の受理番号控えを持って、市区町村窓口で再交付手続きが必要です。
機能停止後にカードが見つかった場合は、機能停止解除の手続きも可能です。
不正利用を監視するためには、上記のマイナポータルを利用すればよいでしょう。
ただし、従業員を雇用したり取引先に外注したりする個人事業主は、自身のマイナンバーを管理するだけでは済みません。
他人の個人番号を集めて管理しなければなりませんので、情報漏洩を防ぐことが重要です。
保管の仕組みと社内への周知徹底、ルール違反の起こらない仕組みづくりが必須です。

民間法人が従業員の情報を管理するのは、給与事務や法定調書の作成を目的とする場合に限られます。
従業員には個人番号を取得する目的と理由を通知し、公表しなければなりません。
担当者を定めてマニュアルの作成が必要ですし、保管にあたっては文書を金庫に入れる物理的なセキュリティも必要です。

従業員が退職した際には、給与計算業務で用いる扶養控除申告書の保存期間となる7年間を限度とし、経過したら復元不可能な方法で破棄が求められます。
人を雇用する事業主として必要な責任ですので、しっかり認識しておきましょう。

まとめ

独立開業する場合、個人番号カードは交付しておいたほうがさまざまな面で効率的です。
行政手続き時の手間とコストを削減することができるでしょう。
マイナポータルを利用すれば、適正な利用の監視も可能です。

公開日:2019年11月29日

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