銀行で法人口座を作るには?審査基準に違いはある?

最終更新日:2020年05月15日

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法人を設立したら、次に用意したいものは銀行の法人口座です。
法人での銀行口座は、用意しておくと何かとメリットがあり、ぜひ開設しておきたいもの。

しかし、個人口座はほとんどの方が持っているものですが、法人口座となるとこれから用意する人も多いのではないでしょうか。
法人口座は個人の口座より審査が厳しくなり、中には断られてしまう方もいるようです。

そこで今回は、法人口座を作るために必要な書類や審査基準など詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

目次

なぜ法人口座をつくるのか

銀行の種類

法人口座をつくる時に必要な書類は?

口座開設はどれくらいでできる?

個人口座と法人口座の審査基準の違いは?

まとめ

なぜ法人口座をつくるのか

会社の登記申請が完了したら、法人名義の銀行口座の開設がおすすめです。

入金や出金といった取引自体は個人の口座でもかまわないのですが、法人口座を作るメリットは大きなもの。
そのメリットは主に2つあります。

まず1つめは、法人口座を作れば取引先や銀行から信頼を得られます。
個人名義の口座を企業との取引に使うと、その見た目としては個人事業主とほとんど変わりません。

会社設立のメリットは税金対策もありますが、社会的信用を得られることも大きな要素のひとつです。
せっかく手間とお金を使って法人の設立をするのであれば、そのメリットは最大限にいかしたいところ。

もう1つは個人の口座と法人の口座を分けることでそれぞれの財産を明確に区別できます。

財産の区別が明確でなければ税務署はもちろん、取引先としてもなにかと懸念を抱いてしまうこともあるでしょう。
さらに、口座を別々にしておけば収支管理の手間を少なくできます。

銀行の種類

いざ個人名義の銀行口座を作るとなると、次に悩んでしまうのはどの銀行にするかといった点です。
大きく分けて銀行は都市銀行と信用金庫・ネット銀行に分かれます。
都市銀行もメガバンクと地方銀行に分かれており、この4つをひとつずつ詳しく解説していきます。

メガバンク

メガバンクは、三井住友銀行やみずほ銀行三菱東京UFJ銀行などがあります。

メガバンクというだけあって、全国のほとんどの地域にありネームバリューも優れています。
言い換えれば取引先からの信頼もあるので、大手企業との取引や様々な地域のクライアントと取引する際には口座開設しておきたい銀行です。

ただし、法人口座の場合、信用力が高いゆえに開設の審査が厳しくなっています。
その他にも振込手数料が他の銀行と比べ、やや割高といったデメリットもあります。

地方銀行

地方銀行は北海道銀行や静岡銀行など、その地域に根差した経営を行う銀行です。
特に地域密着型の事業を行う場合には融資や事業の相談にも乗ってもらいやすく、必要であれば活用したい銀行と言えます。

審査の面でも、地方銀行の場合はメガバンクより通りやすい傾向です。
ただし、地方銀行というだけあって、首都圏での使い勝手はメガバンクと比べどうしても劣ってしまうデメリットもあります。

信用金庫

信用金庫は千葉信用金庫や横浜信用金庫など、特定地域における会員出資によって作られた金融機関です。
信用金庫で法人口座を開設するには、以下の条件をクリアしなくてはいけません。

・口座開設をしたい信用金庫の営業地域の住んでいる
・事業所を所有している
・従業員数300人以下・もしくは資本金9億円以下

上記の条件をクリアすると、信金会員となり法人口座の開設が可能になります。
口座開設もしやすく、融資も受けやすいといったメリットがあります。ただその一方で、基本的に金利が高めなのはデメリットです。

ネット銀行

ネット銀行は近年人気が高まっており、楽天銀行やジャパンネット銀行などがあります。
事業所の所有があれば比較的口座の開設もしやすく、24時間利用ができる点は魅力です。基本的な取引はコンビニやネット上で可能なため、そのぶん手数料が安くなっています。

ただし、その裏返しとして窓口がないため、対面での融資相談ができません。
対面だと細かなニュアンスを伝えやすく、相談も気軽にできるものです。そういった意味では不便さがあります。
また、日本政策金融公庫からの借入・返済にネット銀行の口座は使えないので、ここは注意しておくポイントです。

法人口座をつくる時に必要な書類は?

法人口座を開設したい銀行が決まったら、次は開設に必要な書類を揃えなくてはいけません。
銀行によって多少の違いはあるかもしれませんが、基本的に用意する書類は以下のようなものです。

・履歴事項全部証明書
・会社の定款
・会社印
・代表者の印鑑証明書
・代表者の実印
・代表者の身分証明書

これ以外にも、会社の運営実態が分かる資料も求められます。

特に新しく設立した法人の場合は、運営実態が重視されています。
その背景には振り込め詐欺や投資勧誘詐欺への利用の懸念があり、近年では金融機関もそのあたりは警戒を強めているのです。

このようなことから、銀行によっては事業内容が分かるパンフレットや会社案内・法人のホームページ・事業計画書を求められるケースも。
口座開設の際には、各銀行に必要書類を確認しておきましょう。

口座開設はどれくらいでできる?

では、ここからは法人口座開設の流れを解説していきます。
法人口座開設の流れは大きく以下のようになっています。

STEP1.申請
STEP2.審査
STEP3.口座開設

ここだけ見るとスムーズに行きそうですが、それぞれ注意点やポイントがあります。
その辺りも含めてひとつずつ解説していきます。

STEP1.申請

法人口座を開設する時は、その代表者が直接手続きに行きます。

なぜかと言うと、この申請の時に事業内容や事業計画などの説明を求められることがあるからです。
新しく事業を始める際には、そのあたりが不透明になっている部分も。

しかし、ここはしっかりと準備をして説明できるようにしなくてはいけません。
もちろん、ここでは先ほどお伝えしたような書類一式を提出しなくてはならないので、そちらの準備も万全にしておきましょう。

STEP2.審査

審査の結果、口座開設が断られることもあります。
しかし、断られたからといって諦めるわけにもいかないので、複数の金融機関に掛け合っていく必要があります。

断られた場合に備え、他行への申請準備も審査と同時進行していくとスムーズです。たとえば、あらかじめ提出書類は複数用意しておくといった工夫も必要でしょう。

STEP3.口座開設

無事に審査が通り口座開設が決定しても、まだ油断は禁物です。

実際に口座開設ができるようになるには、2週間から1ヶ月以上かかることもあります。
ここを計算に入れておかないと「取引が始まっているのに入金できる口座がない」といった事態にもなりかねません。

実際の取引開始から逆算し、なるべく法人口座の開設をテンポよく進めていく必要があります。

個人口座と法人口座の審査基準の違いは?

個人口座と法人口座では審査基準が異なります。
もちろんその詳細は公表されていないのですが、少なからず押さえるべきポイントはあります。

先に個人の口座の場合を簡単に説明しておくと、以下に該当する場合は口座の設立ができないケースが多数です。

・過去にブラックリストに入っている
・同じ銀行の口座を持っている
・現住所から遠い支店での開設を希望している
・現住所がわかる本人確認書類がない
・凍結口座名義人リストに入っている
・開設の希望をする銀行のカードローンで過去に長期延滞を起こした

上記は、個人での開設にとどまらず、法人の口座開設の際にも踏まえておくべきことです。

また、法人口座開設独特のものとしては以下のようなものがあります。

・資本金が極端に少ない
・事業所の実態がない
・事業内容がはっきりしていない

こちらはひとつずつ解説していきます。

資本金が極端に少ない

最近では、資本金1円から株式会社の設立が可能になっています。
ただし、資本金が1円というのは、金融機関からすると信用度や計画性の面で信頼を得るのは難しいでしょう。
法人口座を開設するのであれば、開始する事業にマッチした現実的な資本金で設立しておく必要があります。

事業所の実態がない

事業所がバーチャルオフィスを利用している場合も、事業所の実態が確認できないため口座開設ができないケースがあります。
事業所の登記場所が遠い場合も同様です。
また、賃貸での事業所利用をしている場合は、賃貸契約書の提出が必須になる場合が多数です。

事業内容がはっきりしていない

先ほどお伝えしたように、申請をする時点で事業内容を明確にし伝える必要があります。
たとえば、定款に主な業務以外のものが多かったり、コアになる業務内容を明確でなかったりすると法人での口座開設は難しくなります。
どのような事業を行い・法人口座の必要性まで、明確に説明できるようにしておきましょう。

まとめ

このように、法人口座の開設は個人での開設と比較してハードルが高くなります。

前提として「事業の内容をしっかり説明できる」「提出書類に抜け漏れがない」といった部分はあります。

しかし、最終的には担当者に対して「誠実に正しく必要なことを説明できるか」も同じくらい重要です

この記事を参考に、スムーズに法人口座を作るための準備を進めてみてはいかがでしょうか。

公開日:2019年12月20日