屋台を開業するには?必要な資格・許可・設備、手続きの流れや成功のポイントなど

最終更新日:2023年07月13日

費用を抑えて開業できる屋台は、低リスクで始められる飲食ビジネスとして注目されています。おでん屋や焼き鳥屋、たこ焼き屋、ラーメン屋などの飲食店を気軽に開業したいという方にとっては、非常に魅力的な選択肢なのではないでしょうか。

そこで今回は、屋台の開業に必要な資格や許可、設備、手続きの流れなど、開業前に知っておきたい情報をまとめました。開業の際の注意点や成功させるためのポイント、さらにリスクを抑えて飲食ビジネスを始められる方法などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

そもそも屋台とは?特徴とほかの出店方法との違い

屋台の開業に必要な資格と許可

開業する屋台の商品によって必要な営業許可が異なる!

屋台の開業に必要な手続きの流れ

屋台の開業に必要な設備

屋台を開業する際の注意点

屋台の開業を成功させるためのポイント

屋台開業の成功にはフランチャイズ加盟も効果抜群!

屋台開業のまとめ

そもそも屋台とは?特徴とほかの出店方法との違い

そもそも屋台とは?特徴とほかの出店方法との違い

まずはじめに、屋台とは具体的に何を指すのか、そしてほかの出店方法と比較してどのような違いがあるのかをおさらいしてみましょう。
屋台の特徴と露店やキッチンカーとの違いについて解説します。

屋台の特徴

屋台とは、屋根がついている移動式の小規模なお店のことです。多くの方がお祭りや花火大会などのイベント、正月や縁日などの行事で出店されているお店をイメージされていることでしょう。

屋台では焼き鳥や焼きそば、お好み焼き、おでん、ラーメン、りんご飴、かき氷などの食べ物が販売されていることが主流ですが、お面や玩具、金魚なども商品として取り扱われています。簡易的に組み立てられる小屋のようなお店や、リヤカーや軽トラックなどを利用したそのまま移動ができるお店など種類があり、屋外で出店・営業するのが一般的です。特定の場所に留まることなく、さまざまな場所で営業することができます。これが屋台の最大の特徴であり、その強みとも言えるでしょう。

屋台を開業するメリットは、コストの低さと自由度の高さにあります。屋台は店舗を構えて開業する飲食店より物件の取得や設備の導入にかかる費用を抑えやすく、開業のハードルが低めです。10万円程度の初期費用で開業できるケースもあるほど。また、顧客の集まるイベントや人気の観光地など、状況に応じて最適な場所で営業することができます。

一方で、調理工程の少ないメニューに限定されることや天気・気候の影響を受けやすいといった一面も。また、屋台を開業するには許可や資格、衛生管理など、しっかりとした準備と知識が必要となります。

露店やキッチンカーとの違い

では、露店やキッチンカーとは何が違うのでしょうか。

露店とは、路上や神社の境内などにござや台を設置して、その上に商品を並べて販売するお店のことです。屋台よりさらに簡素なつくりのお店で、屋根がなく移動ができないお店もあります。露店の主な営業は特定のイベントへの参加なので、その期間と場所により収益が大きく左右されやすいです。

キッチンカーは、車両を改造した移動販売車で移動しながら商品を販売するお店のことを指します。屋台よりも提供できるメニューの幅が広いですが、車両購入費や改造費や設備導入費で初期費用が増える可能性があることを覚えておきましょう。

それぞれの出店方法に特徴とメリット・デメリットがあるので、しっかり理解しておくことが大事です。開業して何を提供したいのか、どのような形でビジネスを展開したいのかを明確にして、それに合った方法を選ぶことが成功への第一歩となります。

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屋台の開業に必要な資格と許可

屋台は飲食店のなかでも手軽に始められるビジネスモデルではありますが、守るべき規制はきちんと存在します。特に食品関連のビジネスには食品衛生責任者の資格や特定の営業許可が必要です。
こちらでは、屋台の開業に必要な資格と許可、そしてそれらの取得方法について解説していきます。

食品衛生責任者

飲食業を営むにあたって衛生管理は非常に重要なため、屋台を開業する際には「食品衛生責任者」の資格が必要です。

食品衛生責任者は食品衛生の管理や改善、従業員への指導など、飲食店における食品の安全確保と消費者の健康保護に責任を持ちます。食品衛生責任者の資格を持つことで、衛生管理に対する信頼性が増し、お客様に安心感を提供することが可能です。

また、のちほど紹介する営業許可を取得するには、この食品衛生責任者の資格が必須となります。

食品衛生責任者の資格を取得するには、各都道府県で定期的に開催されている講習会の受講が必要です。講習会は合わせて6時間ほどあり、受講料は都道府県によりますが1万円程度かかります。調理師や栄養士などの資格を保有している場合には講習の受講は不要です。

営業許可

屋台で飲食店を始める場合には、以下のような営業許可を開業する自治体の保健所に申請して取得する必要があります。

  • 露店営業許可
  • 臨時営業許可

露店営業許可は簡易的な施設で食品を調理・販売するために必要な許可で、食品の加熱のほかに既存品をコップに注いだり盛り付けたりすることも含まれます。

臨時営業許可は特定の期間だけ屋台を開業する場合に必要な許可ですが、10日から2週間程度の短期間と定められているので、本格的に屋台を開業して頻繁に出店する場合には不向きです。

営業許可の取得には屋台の平面図や食品衛生責任者の資格、設備などを証明する書類が必要で、申請は出店するエリアごとに行うことになっています。許可を取得しないと違法となり罰せられる可能性があるため、適切に手続きを済ませることが大事です。

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開業する屋台の商品によって必要な営業許可が異なる!

屋台を開業するには営業許可が必要だとお伝えしましたが、営業許可は種類がこまかく分かれており、屋台で販売する商品によって異なる営業許可が必要になることがあります。
ここでは、具体的な例を挙げて詳しく解説します。

加熱処理をしたメニューなら「飲食店営業許可」

たとえば焼き鳥やたこ焼き、焼きとうもろこし、ラーメンなどの加熱処理を必要とする料理を提供する屋台の場合、「飲食店営業許可」が必要です。都道府県や市区町村によっては屋台で豆を挽いて提供するコーヒーも対象になるケースがあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

飲食店営業許可は、開業するエリアを管轄する保健所への申請と審査を経ることで取得できます。具体的な手続きは自治体によって異なり、1万円程度の費用が必要です。

飲食店営業許可を取得することで、より多様なメニューを提供することが可能になります。また、安全な食事を提供している証となり、利用者からの信頼も得ることができる許可です。

スイーツ系のメニューなら「菓子製造業営業許可」

クレープやドーナツ、たい焼きなどのスイーツを提供する屋台の場合は、「菓子製造業営業許可」が必要となります。

飲食店営業許可と同じく、開業するエリアの保健所に申請して審査を通れば取得可能です。細かな条件や必要な書類などは自治体によって異なるので、販売したい商品を決めたらどの営業許可が必要になるのかを早めに確認しておくことをおすすめします。

営業許可の取得は一見煩雑な手続きに感じるかもしれませんが、屋台の開業には欠かせない準備です。自身の提供する商品に応じて適切な許可を取得し、安全で魅力的な商品を提供していきましょう。

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屋台の開業に必要な手続きの流れ

屋台の開業に必要な手続きの流れ

屋台の開業に必要な手続きについて、具体的な流れを知っておくことでよりスムーズに準備を進めることが可能です。
こちらでは、手続きの流れを順を追って説明します。

1.保健所に相談する

屋台の開業に先立ち、まずは保健所へ相談することをおすすめします。

保健所は地域の飲食業における衛生管理を担当しており、屋台の開業にあたって必要な手続きや注意点を詳しく教えてくれます。たとえば、特定の商品を扱う際に必要な許可や衛生管理上のルール、そして施設の設備要件などを具体的に知ることが可能です。

また、それぞれ保健所によって営業許可を得るための基準が異なることや、営業する地域ごとで申請が必要なことから、手続きをスムーズに進めるためには事前に相談していたほうが安心です。

新たなメニューの提供や施設の改善など、屋台開業後のことでも適切なアドバイスを受けられるように、保健所と初期段階で良好な関係を構築しておくことをおすすめします。

厚生労働省のホームページで公開されている「保健所管轄区域案内」で開業エリアを管轄している保健所が簡単に調べられるので、ぜひ活用してみてください。

2.書類を提出する

屋台の開業を保健所に相談した後は、開業に必要な書類を提出して営業許可の申請を行います。

必要な主な書類は、

  • 営業許可申請書
  • 設備の概要・配置図
  • 食品衛生責任者証(もしくはそれに準じる資格証明書)

です。

屋台が完成する10日前までに書類を準備して申請する必要があり、誤りがあると開業の許可が下りない場合もあるので十分に気をつけましょう。そのためにも、保健所からの指導をしっかりと受け入れ、適切な内容を記載するように徹底します。また、事前に必要な書類の一覧を確認して全て揃えてから提出することが重要です。

3.保健所の施設検査を受ける

屋台の開業に必要な書類の提出が完了したら、次は保健所の施設検査を受けます。

具体的にチェックされるのは、調理器具の清潔さや食材の保管状況、衛生管理体制などです。提出した図面では問題がなかったものでも、検査時に基準を満たしていないことが発覚すれば営業許可は下りません。

検査に合格するためには、保健所からのアドバイスをもとに適切な衛生管理を行う体制を整えておく必要があります。その上で、実際の施設検査で法規制を遵守し、保健所から指導された衛生管理がしっかりと行われていることを示しましょう。

検査結果は屋台が無事に開業できるかどうかに大きく影響を与えるので、万全の準備をしておくことが重要です。

4.営業許可証の交付を受ける

施設検査に合格したら、最終的に営業許可証の交付を受けて屋台の開業となります。

営業許可証は常に店舗で保管し、営業時にはこれを掲示しなければいけません。また、許可証の有効期限や更新手続きも確認しておきましょう。露店営業許可に関しては5年間が有効期限となっており、満了する前に継続申請をする必要があります。

以上が、屋台の開業に必要な手続きの流れです。これらの手続きは一定の時間と労力を必要としますが、これらを適切に行うことで安全で信頼性の高いビジネスを展開することができるので、一つ一つを着実かつ丁寧に取り組んでいきましょう。

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屋台の開業に必要な設備

屋台を開業するには、基準を満たす設備の準備も欠かせません。
屋台の開業に必要な設備は、以下の通りです。

設備の種類 概要
三方を囲うテント ・異物混入や事故を避けるために、第三者が屋台内に入れないようにする
手指洗浄用の水道設備 ・食品衛生法によって手洗いが可能な環境を確保することが求められている
・屋台では水栓コック付きのポリタンクが使用されることが多い
冷蔵・冷凍設備 ・食品の鮮度を保つため、特に生鮮食品を取り扱う場合には必須
・クーラーボックスなどに保冷剤を入れる形でも許可が下りるケースもある
食品や調理器具用の蓋つき保管庫 ・食品や調理器具を衛生的に保管するため
消火器 ・万が一の火災に備え、安全対策として
・保健所から義務づけられている設備ではないが、消防署への屋台開設届けの手続きの際に設置条件となっている
ゴミ箱 ・衛生的な営業空間を保つため

屋台の開業に必要な設備は、コストパフォーマンスや狭いスペースでの効率性、耐久性などを考慮して選ぶことが重要です。

たとえば、冷蔵・冷凍設備は商品の鮮度を保つために必要ですが、そのサイズや消費電力、耐久性によっては営業コストが大きく上昇する可能性もあります。また、ゴミ箱は一見ささいな設備かもしれませんが、ゴミの分別が容易なものを選ぶと終日の営業後の片付けが格段に楽になるでしょう。

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屋台を開業する際の注意点

屋台を開業する際の注意点

ビジネスとして魅力的なメリットがある屋台の開業ですが、注意すべきこともあります。
こちらでは、地域によって異なるケースがあるという点に絞って解説します。

地域によっては屋台を開業できない場合もある

地域によっては、屋台の開業自体が許可されていない場合や特定の条件下でしか許可されていない場合があります。食品衛生管理や地域の景観保全、交通の流れへの影響、地域住民からの苦情防止など理由もさまざまです。

開業を決意した段階で、開業予定の地域で屋台営業が禁止されていないかどうかを管轄の保健所に確認しましょう。禁止されている場合は、開業地域の再検討をするなどの対処が必要になります。

また、屋台を開業する地域の選択はビジネスの成功に大きく影響します。人通りの多さや規制の有無、競合店舗の存在などを慎重に調査し、自身のビジネスモデルに最適な場所を見つけることが重要です。たとえば、規制が厳しく人通りの多い都心部で開業するよりも、規制が緩く人通りの少ない地域で積極的にPRを行うことで、意外と早期に安定した利益を上げられるかもしれません。

地域によって提供できるメニューに制限がある

地域によって提供できるメニューに制限があることも、屋台の開業ではありえます。

衛生面で問題が生じやすいことから、屋台で材料を切るなどの仕込み作業は基本的にできません。飲食店営業許可を取得した施設の調理場で仕込みをして、屋台で調理し提供することになります。また、大量の水を使用するメニューも禁止されているなど、さまざまな制限があるのです。

ですが、メニューに制限があるからといって落胆する必要はありません。制限内でどれだけユニークで魅力的なメニューを考えられるかが、屋台ビジネスの成功にかかっていると言えるでしょう。

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屋台の開業を成功させるためのポイント

屋台の開業を成功させるためのポイント

屋台開業の成功には、いくつかの重要な要素があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

ニーズ理解と独自性の確立

屋台ビジネスは開業する地域や場所、イベント、時間帯によって需要が大きく変わるので、対象となる顧客のニーズを理解してそれに合った商品やサービスを提供することが重要です。消費者が何を求めているのか、どのような食品やサービスに人気があるのかを把握して、あなたの屋台がどのように独自の価値を提供できるのかを考えてみてください。

また、多くの屋台が競合するなかで成功するためには、ほかの屋台とは違う独自性を持つことが求められます。たとえば、地元の新鮮な食材を使用したオリジナルメニューや視覚的に楽しめる特別な調理方法などアイデアもさまざまで、消費者の興味を引いて屋台を訪れる動機を作り出すことが可能です。また、独自性を持つことは競合と差別化を図ることにつながり、消費者の記憶に残りやすくなります。

衛生管理の徹底

屋台の開業において、食品衛生法などの法律に基づき食材の保管や調理器具の清掃などを適切に行うことは必要不可欠で、それ以上に衛生管理は顧客の信頼を得るために重要な要素です。

衛生管理は、特にリピート顧客を増やすために重要です。なぜなら、一度利用して衛生状態が悪いと感じてしまったら二度とその屋台を利用しない可能性が高いから。そうならないためにも衛生管理を徹底して、長期的なビジネスの成功につなげましょう。

具体的な衛生管理としては、手洗いの徹底や調理器具の定期的な洗浄、食材の適切な保管方法などが考えられます。これらのチェックリストを作り、毎日の業務のなかに取り入れることがおすすめです。また、食品衛生に関する研修を受けることも、衛生管理を向上させる効果的な方法と言えます。

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屋台開業の成功にはフランチャイズ加盟も効果抜群!

屋台を開業する方法として、フランチャイズ加盟も大変効果的です。フランチャイズはすでに成功したビジネスモデルを利用することができるため、特に初めて独立するという方にとってリスクを減らす有効な手段となります。
最後に、屋台ビジネスのようにテイクアウト型の飲食店でおすすめのフランチャイズをご紹介します。

鶏笑

『鶏笑』は、テイクアウト型のからあげ専門店を展開しているフランチャイズです。からあげグランプリで10年連続金賞を受賞したり、大手企業とのコラボ商品を販売したりなど、圧倒的なブランド力を誇っています。

200店舗以上の開業実績に基づいた成功ノウハウや本部サポートも大きな強み。低コストなビジネスモデルによって、1店舗で年収1,800万円も狙えます。

21時にアイス

『21時にアイス』は、夜間運営型のソフトクリーム店を手掛けるフランチャイズです。

600万円以下の低資金で始められる上に、テイクアウト専門店なので運営コストも抑えることができます。本部サポートが手厚いほか、SNSでの宣伝に強く集客力もあるので、未経験者でも安心して開業することが可能です。

屋台開業のまとめ

今回、屋台の開業を成功させるためのポイントとして「ターゲット市場のニーズ理解と独自性の確立」、「衛生管理の徹底」をご紹介しましたが、全ての屋台オーナーに必要な要素だとも言えます。

また、成功したビジネスモデルを利用できるフランチャイズへの加盟も有効な手段の一つです。独自のブランド力や本部の充実したサポートを活用することで、自身で全てをゼロから作り上げる必要がないので屋台開業のハードルを下げられるだけでなく、より安定したビジネスを展開して成功率を高めることができます。

屋台の開業は、飲食ビジネスのなかでも手軽に始められる一方で、その成功は容易とは言い切れません。しかし、今回紹介したポイントを押さえて適切な計画と準備を行うことで、成功する可能性は大いにあります。ぜひ、こちらの記事を参考に、屋台ビジネスで成功を掴んでください。

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公開日:2023年07月13日

よくある質問

Q 屋台とはどんなお店ですか? 回答を見る
Q 屋台の開業に必要な資格や許可はありますか? 回答を見る
Q 屋台を開業する際に注意すべき点はありますか? 回答を見る