脱サラ資金はいくら必要?知っておきたいお金の知識や貯金方法を紹介

最終更新日:2021年12月24日

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脱サラして独立開業する時は開業資金はもちろんのこと、生活費や運転資金などさまざまな資金が必要となります。脱サラ後に事業をスムーズに進め、なおかつ生活にも困らないようにするために、脱サラ前からお金の知識を身につけて計画的に貯金することが大切です。

今回は脱サラ後に必要となる資金の内訳や、開業資金を貯金する方法など脱サラ前からのマネープランについて解説します。開業してから後悔しないよう、早い段階からお金の準備を進めるようにしましょう。

フランチャイズを探してみる

目次

脱サラ資金は仕事内容や目的で異なる

脱サラの開業資金の分類

脱サラ後に向けた開業資金の貯金方法

脱サラに向けた貯金が足りないときは?

脱サラ後に資金で困らないために確認すべきこと

必要な脱サラ資金はいくらか計算してみよう

脱サラ資金は仕事内容や目的で異なる

脱サラに必要な資金は、開業する業種や事業規模によって大きく異なります。

ネットビジネスや各種教室・コンサルタントのように自宅で開業できる業種の場合は、パソコンなど必要な備品を準備する程度ですむため、少ない資金で開業可能です。キッチンカーなど自動車を使う業種の場合は自動車の購入代金や改造費用が必要ですが、店舗を構えるよりも出費を抑えられる可能性があります。

一方、店舗や事務所を借りて開業する場合は、物件を借りるための敷金・保証金や前家賃などの初期費用や、業務や接客に必要な設備・什器類を購入する費用が必要です。飲食業や販売業の経営では、食材や商品の仕入れ費用も必要となってきます。また、フランチャイズへの加盟を検討している場合は、加盟金や研修費用・保証金が必要となります。

事業を成功させるためには、脱サラする前から事業計画を立てた上で必要な資金を見積って、貯金するなど計画的に準備を進めることが大切です。

脱サラの開業資金の分類

脱サラの開業資金のイメージ

脱サラにあたっては事業資金だけでなく、月々の生活費や税金・社会保険料などさまざまな資金が必要です。いざという時に備えて予備費を用意しておけば、心にゆとりが生まれるでしょう。脱サラする時に必要となる開業資金の分類を紹介します。

生活資金

脱サラにあたっては先に開業資金に目が行きがちですが、生活資金を最優先に考えて資金を準備することが重要です。

会社員時代の生活費を基準にして、月々の家賃・水道光熱費や通信費、食費・日用品代などの金額を明確にしておきます。子どものいる人の場合は、教育費や習い事の費用も考慮に入れる必要があります。開業資金の準備を機に、家計の出費を見直すのも良いでしょう。

脱サラ後に向けて確保しておく生活費は、3ヵ月~6ヵ月分が目安といわれています。しかし、事業が軌道にのるまでの時間を考えて、1年分の生活費が準備できれば自分はもちろん家族にも安心感が生まれるでしょう。

開業資金

先ほども触れましたが、開業資金は業種や開業方法によって金額が大きく変わってきます。自宅で開業する人のように数十万円程度で済む人もいれば、都市部の一等地に店舗を構える人のように1,000万円以上の資金が必要な人もいるなどさまざまです。フランチャイズに加盟する場合は、300~500万円前後の加盟金を求められます。また、法人として開業する場合は登記費用の他に資本金も必要です。株式会社・合同会社とも資本金1円以上で開設できますが、対外的な信用面を考えると100~300万円前後の資本金が必要でしょう。

自宅で開業できるネットビジネスと、店舗を構えて開業するラーメン屋の開業資金の内訳例を紹介するので、開業資金を準備する際は参考にしてみてください。

例1:ネットビジネスで開業する場合

ネットビジネスはパソコン1台あれば開業できるため、30~50万円前後の開業資金があれば十分といわれています。

WebエンジニアやWebライター・動画編集者といったクリエイター系の職種の場合は、高性能なパソコンとwi-fiルーターを用意すれば快適に業務を進められます。動画配信やオンライン教室の場合は、ビデオカメラなどの撮影機材も必要です。すでに機材を持っている人だと、自宅を拠点にすれば開業資金がゼロで済む場合もあり得ます。また、事務所やシェアオフィス・コワーキングスペースを借りる場合は、契約時の費用や月々の家賃・使用料が発生します。

例2:ラーメン屋を開業する場合

ラーメン屋を開業する場合は、店舗を借りる費用だけでなく調理・接客に必要な備品や設備などを準備する必要があるため、小規模な店舗でも1000~1500万円ほどの開業資金が必要です。

店舗に関連する費用のほかにも、集客に向けた宣伝広告費や食材の仕入れ費用も発生します。従業員を雇う場合は給料や社会保険料などの人件費も必要となります。開店後もすぐに安定した集客が見込めるとは限らず、月々の固定費の支払も必ず発生するため、後述する運転資金の確保も必須です。

脱サラしてラーメン屋を開業したい!開業に必要な準備や資金額とは

運転資金

事業をスムーズに進めるためには、運転資金の確保も必要不可欠です。生活費とは別に、業務に関連する費用の3ヵ月~6ヵ月分を目安に運転資金を準備しておきましょう。

前述したネットビジネスの場合だと月々の固定費は水道光熱費くらいですが、技術を高めるために講座を受講したり書籍を購入したりする場面も少なくありません。月5~10万円ほど確保しておくと良いでしょう。また、ラーメン屋などの飲食店の場合だと家賃だけでなく食材などの仕入費用も発生します。自分1人で店舗を運営するとしても、月々100万円ほどの運転資金が必要です。

税金・社会保険料

脱サラ後も、生活費の一部として社会保険料が必ず発生します。開業する事業や売上によっては所得税(法人税)や個人事業税・消費税の納税義務も発生します。

個人事業主が支払う社会保険料は国民健康保険料や国民年金保険料ですが、納期限までに自分自身で支払うことになります。税金の支払も自己管理となり、税金の納期限は所得税が毎年3月13日、消費税は毎年2月末日です。法人の場合は、法人税・消費税とも決算日の翌日から2ヵ月以内に納税することになります。滞納を防ぐため、銀行口座からの自動引き落としでの支払いに設定しておきましょう。

また、所得額によっては所得税の予定納税や個人事業税の課税も発生します。納税額が高額になる場合もあるため、運転資金にゆとりを持たせるなど納税資金を前もって確保しておくことも大切です。

なお、2023年10月からは消費税にインボイス制度が導入されます。消費税の免税事業者は消費税額などを明記した適格請求書を発行できないため、取引に影響が出るのではという意見もあるようです。インボイス制度についても、今のうちに十分に理解を深めておき、免税事業者のままでいるか、課税事業者として手続きを取るかを考えておくと良いでしょう。

予備費

突発的な出来事に備えて、予備費を確保しておけば脱サラ後の不安も和らぐでしょう。

現時点では健康だとしても、万が一病気やケガをした場合には治療費や入院費用などが必要となります。民間の生命保険や医療保険に加入していれば保険金の給付を受けられますが、貯金があることで安心感が生まれます。治療が長期化した場合でも生活費を確保できるよう、所得補償保険(就業不能保険)に加入しておくのも一つの方法です。

冠婚葬祭にかかる費用も、人付き合いを円滑に進めるためには欠かせない出費です。時には旅行に出かけるなど充実した余暇を過ごすことも、事業をスムーズに進める上でメリットとなるかもしれません。可能な範囲で予備費を確保しておくことをおすすめします。

脱サラ後に向けた開業資金の貯金方法

脱サラ後の貯金のイメージ

貯金する方法は人それぞれですが、今回は月々の収入をベースにした「先取り貯金」と「後取り貯金」について紹介します。

先取り貯金は、月々の予算のなかに貯金額を組み込んでおく方法です。定期預金など普段使う口座と別枠で管理すると、使い込みを防止できます。後取り貯金は、月々の出費の残りを貯金する方法です。生活費をやりくりした成果も見える化されるため、貯金へのモチベーションも高まるでしょう。

先取り貯金と後取り貯金を組み合わせることで、より多くのお金を貯められる可能性が出てきます。

脱サラに向けた貯金が足りないときは?

開業資金は最低でも100万円単位、店舗を借りる場合では1000万円以上になることもあり、普段の貯金だけでは間に合わない人という人は意外と多いです。開業資金が少ない人でも、金融機関からの融資を受けられれば開業を実現できます。フランチャイズに加盟すれば、自分自身で開業するよりも初期費用を抑えられるでしょう。

ここでは、融資制度の活用方法とフランチャイズの概要を紹介します。

金融機関の融資制度を活用する

日本政策金融公庫では、新規に開業する人を対象にした「新創業融資制度」が提供されています。開業資金の10%以上の自己資金が必要ですが、担保や連帯保証人なしでも最大3000万円(うち運転資金は1500万円)までの融資を申し込めます。事業計画書の内容をもとに審査されるため、将来の収支計画を含め事業のビジョンを具体化しておきましょう。

銀行・信用金庫などの金融機関の融資商品や、ノンバンクが提供するビジネスローン・不動産担保ローンを活用して開業資金を用意することもできます。ノンバンクを利用する場合はスピーディーで柔軟な審査を受けられる反面、金利が高くなりがちです。

有利な条件で事業資金を借りられるよう、金利や借入期間などの条件面も十分に確認するようにしましょう。

フランチャイズに加盟する

自己資金が少ない状態で開業したい場合は、フランチャイズに加盟するのも一つの方法です。加盟金が300~500万円前後のフランチャイズが多く、高い場合でも1000万円台前半に収まります。

フランチャイズに加盟すると、店舗の立地調査をはじめ店舗運営のノウハウや開店準備などのサポートを受けられるため、少ない資金でも効率的に独立開業を目指せます。店舗のコンセプトを決めたり出店先を探したりする手間も省けるでしょう。開業後も本部による経営指導や新商品・新サービスの提供を受けられるので、月々のロイヤリティを支払ったとしても経営面では心強い味方となってくれます。

脱サラ後に資金で困らないために確認すべきこと

脱サラ後に資金で困らないようにするためには、現在支払っているローンを完済しておくなど月々の出費を減らしておくことが大切です。税金や投資の知識を身に付けておけば、節税にも効果を発揮できるでしょう。脱サラする前に、資金に関する情報を十分にチェックしておくようにしましょう。

クレジットカードを作っておく

クレジットカードを持っていない人は、会社に在籍しているうちにカードを作っておきましょう。個人事業主でもカードを申し込めますが、会社員と比べると信用度が低めに判断される傾向にあり、限度額が低めに設定されたり審査に落ちたりする可能性が高くなるためです。キャッシング機能を付けておくと、いざという時の出費にも備えられます。もう1枚クレジットカードを作っておき、ビジネス専用で使うと経費の明確化にも効果を発揮します。

健康保険の任意継続を調べておく

会社員時代と同様に脱サラ後も健康保険に加入することになりますが、任意継続に加入する場合と、国民健康保険に加入する場合の保険料についてもあらかじめ確認しておきましょう。

社会保険の任意継続は最大2年間加入可能で、月々の保険料の最高額は40歳未満だと3万円前後、40歳以上だと3万5000円前後です。家族を扶養に入れる場合でも、追加の保険料はかかりません。国民健康保険税より安上がりになる場合もあるため、月々の保険料を比較した上での選択をおすすめします。なお、法人として開業する場合は自分自身で社会保険に加入することになります。

教育訓練給付金を検討する

脱サラして開業するために必要な資格を取得したり知識・技術を学んだりする場合は、教育訓練給付金の活用をおすすめします。雇用保険に1年以上加入していれば受給対象となり、講座の受講費用の20%(最大10万円)が支給されます。
退職後でも受講開始日が退職日から1年以内であれば教育訓練給付金の申請が可能です。国家資格の取得を目指せる講座もあるので、土日・夜間やeラーニングを活用してスキルアップを目指しましょう。

ローンは返済しておく

脱サラ後の出費を少なくする観点からも、現在支払っているローンは完済しておくことをおすすめします。ローン関係の返済が滞ると、事業資金の借入が難しくなったり、携帯電話の新規加入や店舗物件の賃貸契約に影響が及んだりする可能性があるためです。学生時代に日本学生支援機構の奨学金を借りた人で機関保証を受けている場合も、3ヵ月以上延滞すると同様の影響が生じるのでご注意ください。

カードローンやリボ払いの金利は高めで、仮に100万円の残債がある場合だと年間の利息が20万円近くになる場合もあります。返済期間が長くなるほど利息がかさむため、早めに完済することが事業資金の確保にもつながります。住宅ローンについても、3ヵ月以上延滞すると残債の一括返済を求められ、結果的に住まいを失うケースも少なくありません。在職中の住宅ローンの完済は難しいとしても、繰り上げ返済や借り換えを活用して少しでも残高を減らすようにしましょう。

税控除の制度や投資の知識を身に付けておく

所得税の控除制度や投資に関する知識を身に付けておくと、節税対策にも役立ちます。

民間の生命保険・医療保険や個人年金保険に加入している場合は、支払った保険料の一部を課税所得から控除できます。iDeCo(個人柄確定拠出年金)に加入している場合は、拠出金の全額が所得控除されるので、老後の資金を蓄えながらも高い節税効果を発揮できるでしょう。

資金の運用を検討している場合は、NISA(少額投資非課税制度)の活用がおすすめです。年間120万円まで非課税で運用でき、運用で得られた利益も非課税の対象となります。少しでも多くの開業資金を確保できるよう、国の制度を有効活用しましょう。

必要な脱サラ資金はいくらか計算してみよう

脱サラするためには開業資金だけでなく、3~6ヵ月分の生活費や運転資金を確保しておく必要があります。開業資金が少ない場合でも日本政策金融公庫から融資を受けられれば、当面の資金は確保できるでしょう。また、フランチャイズで開業する場合は月々のロイヤリティが発生するものの、初期費用が少なくて済むのがメリットといえます。事業計画を立てながら必要な脱サラ資金を計算して、将来の独立開業に備えましょう。

公開日:2021年12月24日

よくある質問

Q 脱サラする前に、いくらくらい貯金しておけば良いでしょうか? 回答を見る
Q 開業資金が少ないのですが、脱サラできるのでしょうか? 回答を見る