脱サラしてラーメン屋を開業したい!開業に必要な準備や資金額とは

最終更新日:2021年10月29日

ラーメンが好きという理由だけで開業しようとする人も、少なくありません。しかしラーメン屋はライバルが多く、競争が激しい業界です。

成功に近づくためには、どのような準備を事前に行う必要があるのでしょうか。今回は開業に必要な準備や開業資金の目安、脱サラ開業の成功談などをご紹介します。

フランチャイズを探してみる

目次

ラーメン屋は全国に約2.5万軒で激戦が続く

ラーメン屋の開業資金

脱サラのラーメン開業計画を立てよう

脱サラしてラーメン屋開業に成功した体験談

脱サララーメン屋を成功するにはフランチャイズもおすすめ

目標を定めて脱サラ・ラーメン屋の開業準備を進めよう

ラーメン屋は全国に約2.5万軒で激戦が続く

ラーメン屋は全国に約2.5万軒で激戦が続く

タウンページに登録されているラーメン屋は、全国で24,257軒。最も店舗数が多い県は山形県で次いで新潟県、栃木県、秋田県、青森県の順です。特に山形県は全国平均の3倍の店舗数を誇る激戦区となっています。

ラーメン屋が全国に2.5万軒もあるため開業しやすいという視点もありますが、出店エリアやターゲット、コンセプトや味の方向性を失敗するとすぐ廃業の危機に追い込まれてしまいます。

新規参入するライバルが多い業種のため、ライバルに埋もれてしまわないよう、事前に計画を立てて対策を練りましょう。

ラーメン屋の開業資金

ラーメン屋の開業資金は1,000万~1,500万円と言われています。内訳は大きく分けて、次の3つが挙げられます。

1.物件取得費
2.内装工事費
3.店舗運営費

ただし、居抜き物件で開業する場合は、開業までに必要な資金は300万円ほどです。ラーメン屋のフランチャイズ開業では1,300万円前後が目安です。ただし、フランチャイズ本部によって加盟料や物件の準備が不要なケースもあるため、1つの目安として参考にしてください。

ラーメン屋を開業するために必要な準備・資金について知りたい方はこちら
ラーメン屋を開業するのに必要な準備・費用とは

開業して軌道に乗るまでの資金も必要

ラーメン屋の開業にあたり、初期費用(開業費用)だけではなく、運転資金も調達しましょう。運転資金は主に人件費、賃貸料、原材料などです。運転資金の目安は、3ヵ月であれば360万円ほどです。もしフランチャイズ開業であれば、ロイヤリティと呼ばれる対価の支払いも発生します。

開業後、売り上げが軌道に乗るまでにの運転資金として半年~1年間分を用意しておくと安心でしょう。日本政策金融公庫の資料によると、飲食店を開業してから軌道に乗るまで6ヵ月かかった企業が約6割を閉占めました。運転資金は最低でも半年分は用意しておくと、開業してすぐに黒字を達成できなくても対処できます。

売り上げがない状態で6ヵ月運営を続けるのであれば、少なくとも850万円~1,000万円前後が必要です。1年であれば約1,700万円~、2年だと約3,400万円~ほどかかります。ただしこれは、売り上げがない赤字状態でもお店を維持できる金額の目安です。

初期費用が1,500万円として半年分の運転費用を想定した場合、余裕を持たせて2,500万円ほど用意しておくと良いかもしれません。

資金を全額用意できなくても、事業計画がきちんと立てられており、ある程度貯金が手元にあれば銀行や日本政策金融公庫から融資を受けられるケースもあります。融資先は複数探しておくと良いでしょう。

脱サラのラーメン開業計画を立てよう

脱サラのラーメン開業計画を立てよう

脱サラ後のキャリアを成功に近づけるために、ラーメン屋の開業計画を練りましょう。本章ではラーメン屋を開業する、一般的な流れを11のステップに分けてご紹介します。

脱サラしてどうしたいか考える

脱サラしてどうしたいか考える

脱サラ開業にありがちなのが、「サラリーマンを辞めたいから」という理由で開業するケースです。会社を辞めるのは、あくまで独立を目指すきっかけではないでしょうか。

開業する目的が脱サラになっていないか、今一度振り返ってみましょう。もし脱サラそのものが開業の理由になっていれば、まずは「脱サラして何をやりたいのか=開業の目的」を見つけてください。開業の目的を決めておくことで、事業としての方向性が決まり、経営のために何をすれば良いのかという視点を持つことができるでしょう。

経験が浅ければラーメン屋で修行する

経験のないまま開業すると失敗する確率が上がるおそれがあります。もしラーメン屋で働いたことや経験が少なければ、他店で修行して知識や技術を学ぶのも1つの方法です。また、ほかの人気店を食べ歩いて、なぜ人気なのか徹底的に研究することも飲食店の経営には欠かせません。経験が浅い場合は、実績のある店舗に学ぶ、競合店の調査を行うなど、できるだけ情報収集を行いましょう。

開業手法を検討する

次に、どうやって開業するのか手法を決めます。ラーメン屋の開業手法は、次のようなものが代表的です。

  • 修行先のラーメン屋でのれん分け
  • フランチャイズの活用
  • 全て自分で計画して、自分の店をつくる

予算や自分のイメージなどをすり合わせて、自身に合う方法を選びましょう。

ラーメン屋のコンセプト・味を決める

どのようなお店にするのか、コンセプトやスープの味などを決めましょう。コンセプトはラーメン屋に限らず、とても大事なものです。コンセプトはお店の経営に関わる軸となります。コンセプトと一言で表現しても、決める項目は多岐にわたります。たとえば店名、立地、内装、価格、開店時間、雇い入れる従業員、人材育成の方針、メニューなどです。「5W2H」を使って、具体的に決めましょう。

5W2Hとは、次の項目を指します。

  • What=何を
  • Why=なぜ
  • When=いつ
  • Where=どこで
  • Who=誰に
  • How=どのように
  • How much=いくら

ラーメン屋のメニューはシンプルなので、ラーメンの味が売り上げに直結します。コンセプトと味は、どんなお店を経営するかの基準となります。実現したいお店の詳細をイメージして言語に落とし込みましょう。

事業計画を立てる

事業計画とは事業内容、ビジョン、商品やサービス、競合、仕入れ先や生産方法、利益と売り上げの計画、資金調達の方法などです。

コンセプトはサービスのアイデアや構想のイメージを表現する概念のことです。お店の存在意義や事業活動の方向を決めるときに指標として使います。コンセプトが固まってれば、事業計画もより明確に、細かく策定しやすくなるでしょう。

たとえば、どのようなコンセプトを掲げているかでアプローチする客層が決まり、サービスや商品もコンセプトに沿って開発することができます。また、事業計画を立てて書面にまとめておけば、金融機関からの融資を受けやすくなるメリットもあります。

資金準備と店舗探し

ラーメン屋開業を実現するために必要不可欠なものが資金です。資金調達の方法は大きく分けて、出資、個人借入、融資、補助金の4つがあります。どの方法で資金を準備するかを検討しましょう。店舗探しをするときは、ターゲットが多くいるエリアはどこか、駅から近いか、近隣の人口構成はどうなっているかなど情報収集をした上で店舗を選んでください。

内装・外装工事や備品準備

店舗を決めたら、施工業者を探して備品を用意します。内装工事は床や壁、天井、間仕切り壁などの工事を指し、外装工事は看板や屋根、外壁の工事を指します。工事の期間は2週間から2ヵ月前後が目安です。

ラーメン屋に必要な備品は、鍋やバット、包丁、お玉などサイズや種類がさまざまなので、オープンの際に揃えられるようリストをあらかじめ作っておくと良いでしょう。また、のぼりや提灯なども必要に応じてデザイン会社に発注します。

各種手続き

ラーメン屋を開業するためには、書類の提出が必要です。以下で、代表的な手続きをまとめました。

  • 個人事業主の開業届出書
    税務署の手続きです。

  • 飲食店営業許可
    保健所に提出します。必要なものは申請書のほかに建物図面、食品衛生責任者の資格証明書などです。

  • 防火管理者選任届
    消防署に届け出ましょう。ただし、収容人数が30人未満であれば必要ありません。

  • 火を使用する設備の設置届
    消防署に提出する書類です。

  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
    警察署に届け出が必要です。午後5時~午後11時までにお酒を提供する場合は、手続きをする必要はありません。

  • 労災、雇用保険の手続き
    従業員を雇う場合に必要となります。労災は労働基準監督署、雇用保険は公共職業安定所に届け出を行いましょう。

脱サラしてラーメン屋開業に成功した体験談

 脱サラしてラーメン屋開業に成功した体験談

脱サラして開業までの流れをご紹介しました。資金調達や事業計画をしっかり立てることが開業後の経営を左右します。次に、開業した後で成功した例を2つ取り上げます。

他店で7年の修行を経て開業へ

体験談の1つ目は、脱サラして有名店で数年修行し、独立したラーメン屋です。独立する年齢目標を35歳と定め、会社を辞めて7年間、他店で修業をしながらコツコツと準備を進めたそうです。

脱サラしてラーメン屋を目指す場合、会社を辞めてすぐにお店を持つ必要はありません。会社を辞めて数年は修行や準備を重ねて、ようやく成功するケースもあります。脱サラして成功するには、お金だけではなく時間も投資する覚悟も、成功へつなげるために必要な要素の1つと言えるでしょう。

立地が悪くても素材にこだわりミシュラン獲得へ

立地は飲食店にとって売り上げに関わる重要なポイントです。しかし、駅前の店舗を選ぶことが必ずしも正解とは限りません。某ラーメン店の店主は、素材に強いこだわりを持ち続けた結果、ミシュランを獲得したそうです。その結果、離島でアクセスの悪い店舗にも関わらず集客に成功されています。とはいえ、素材や味にこだわりすぎた結果、損益分岐点が高くなり廃業に追い込まれるケースも多いので、経営バランスを見ながら商品開発を行いましょう。

関連記事:飲食店を開業したいなら、こだわりを捨ててフランチャイズモデルから学べ

脱サララーメン屋を成功するにはフランチャイズもおすすめ

脱サラでラーメン屋を始めるには修行したり、コンセプトやメニュー決めなどさまざまな業務が発生します。そこで、全て自分でつくるよりもノウハウを提供してもらいながら開業したいという人には、フランチャイズ開業も有効な手段です。

ラーメン屋ではありませんが、「ほっともっと」のフランチャイズについてご紹介します。ほっともっとのフランチャイズが成功しやすいポイントは2つあります。

  • ユニットFC制度
    直営店や既存店を引き継ぐスタイルのため、店舗だけではなく、調理設備や従業員も引き継げ開業資金を大幅に抑えられます。

  • オペレーション・フィールド・カウンセラー
    フランチャイズの加盟店オーナーに経営コンサルティングを行う本部のカウンセラーがおり、経営のサポートや相談に応じてくれます。

フランチャイズで飲食店を始めるメリットとして、商品の開発コストや初期費用の軽減などが挙げられます。フランチャイズの本部からサポートをしてもらえるので、成功しやすくおすすめの方法です。

目標を定めて脱サラ・ラーメン屋の開業準備を進めよう

脱サラしてラーメン屋を開業するときは、資金調達をはじめ開業準備をしっかりと行いましょう。開業前に事業計画を立てておけば、融資を受けやすくなり事業の方向性も決まります。

飲食店の3年生存率は非常に低いものの、潤沢な資金の用意やフランチャイズの利用など、成功の可能性を上げるためにできることはたくさんあります。脱サラをする前に、なぜラーメン屋を開業したいのか、理由を整理して、必要な開業準備を行い成功へとつなげましょう。
 

公開日:2021年10月29日

よくある質問

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