デイサービス(通所介護)を開業するには?自分にあった選択肢を選ぶ

公開日:2015年11月02日
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高齢になり思うように体が動かせなくなると、介護が必要になります。しかし家族は仕事に出ていることも多く、また家に家族がいるとしても一人では背負いきれないのが介護です。デイサービスは家族の負担を減らすとともに、高齢になって体を自由に動かせなくなり、外出もままならない高齢者にとっても、ストレス発散や認知症予防など、多くのメリットがあります。

デイサービスは居住するわけではなく、週に数日通うだけという気軽さから需要も多く、デイサービスを行う病院なども増えています。また、新たにデイサービスを開業したいと考える人も増えています。

デイサービスを開業するには、開業地域の選定や、開業をしようとする地域の需要などを把握することが大事です。勤務するスタッフは資格保持者であることが必要であり、また、株式会社やNPO法人といった法人格が必要となります。

まず、デイサービスはどのようなものか、といった内容を詳細に把握し、開業をするにはなにが必要か、ポイントはどういった点か、注意事項などについて知っておかなければなりません。できるだけスムーズに開業をするためにも、デイサービスと開業についてしっかりと確認しておくことが大事です。その方法について情報を提供させていただきます。

目次|デイサービス(通所介護)を開業するには?自分にあった選択肢を選ぶ

1 デイサービスとは?

  1-1 デイサービスとはどんなサービスなのか

  1-2 デイサービス業の魅力

  1-3 デイサービスの開業に必要な資金はどれくらい?内訳は?

2 デイサービスの開業に向けて

  2-1 法人格の種類と特徴

  2-2 開業場所の選定、ポイント

  2-3 建物の改修・新築

  2-4 人員の募集

  2-5 通所介護事業者の指定申請

3 デイサービス開業後の注意点

  3-1 デイサービスの集客

  3-2 デイサービスのスタッフに関して

4 まとめ

1 デイサービスとは?

デイサービスとは通所介護ともいい、利用者が宿泊せず、デイサービスを行う施設に通うことで、自宅で自立した生活を送ることができるようにサポートする方法です。デイサービスの施設では、食事や入浴といった日常生活のサポートをはじめ、生活をするために必要な機能を向上させる機能訓練、口腔機能向上のための訓練なども提供します。

デイサービスでは利用者の体調管理を行うとともに、食事の介助やレクリエーションなどを行います。利用者同士でコミュニケーションを取ったり、ゲームをしたりすることで、孤立や孤独感を解消することも目的です。

健康相談やアドバイスなどもスタッフが行うので、介護に対する不安なども相談できます。自宅から施設まで送迎サービスをしてくれるので、安心して利用することが可能です。

 1-1 デイサービスとはどんなサービスなのか

デイサービスは利用者の身体的な機能の向上と、精神的なサポート、また認知症予防など、高齢者が自立して生活をしていけるための機能訓練やサポートをするものです。

高齢になると体を動かしにくくなる、判断力が低下するなど、人との交流も面倒になり、家にこもりがちになります。しかし、人間の体や脳は使っていなければ退化していきます。そのため身体能力が低下し、認知症などを発症しやすくなります。

体が不自由になり、自分で自分のことができなくなれば家族にも迷惑をかけることになります。そうなると自分自身もストレスになり、ますます身体や精神に悪影響を及ぼしていくのです。

デイサービスでは衰えていく身体機能を向上させるため、さまざまな機能訓練を行います。もちろん、強制ではなく利用者の身体の状態にあわせ参加します。多くの施設では利用者の自主性を重要視しています。レクリエーションのほかに、カラオケやゲームなどを行っている施設もあります。

また、主に昼食やおやつなどの食事の提供を行います。自分で食事をすることができない利用者に対しては、介助を行います。

デイサービスは入浴も行います。家族で介護をしているケースでは、入浴をさせるのは大変なことです。入浴を目的としてデイサービスに通うという利用者も少なくありません。施設には一般浴槽のほか、特殊浴槽を完備していることも多く、体の不自由な利用者でも快適に入浴をすることが可能です。

さらに、看護スタッフによる健康管理も行います。血圧測定や体温測定などをはじめとする体調管理をし、利用者の健康状態を把握しています。

 1-2 デイサービス業の魅力

デイサービス業の魅力は、高齢者を元気にできるということです。高齢になるに従い、身体や脳は衰えていきます。そのせいで外出する機会が減り、だれかと会話をしたり、楽しんだりする機会が減っていきます。それは脳だけではなく、身体的にも、精神的にも高齢者を弱らせていくのです。

デイサービスを利用することで、決まった時間に迎えが来て、食事やレクリエーションなどで体や頭を使い、入浴をして決まった時間に自宅に帰る、という生活はリズムを作ることにも役立っています。生活リズムを作ることで、体も脳も健康になっていきます。

デイサービスは利用者だけにメリットがあるものではありません。体の不自由な高齢者の介護は、専門知識や技術のない家族にとっては負担になるものです。特に入浴などは、一人でできるものではなく、危険を伴います。そうなると入浴もままならず、高齢者に不快な思いをさせるだけでなく、そうさせてしまう自分も責める、ということになります。

家族だけでの介護は一人に任せきりになることも多く、精神的負担だけではなく身体的負担も伴います。介護をする家族の自由な時間も制限され、ストレスも溜まっていくでしょう。また、家族だけの介護には限界があります。衰えていく機能を向上させることはプロのようにできるものではありません。デイサービスは、そのような家族の精神的、身体的負担を軽減し利用者を健康にするだけでなく、家族も元気にしてくれるという魅力があるのです。

 1-3 デイサービスの開業に必要な資金はどれくらい?内訳は?

デイサービスの開業資金はいくらかかるのか、説明しましょう。

ひとつは物件の確保に150~350万円程度必要になります。賃料は地域や場所によって異なりますが、月額20~35万円程度とすると、保証金は6か月から10か月、不動産業者に支払う仲介手数料がかかります。

内装工事費用が250~500万円。バリアフリーにする部分など高齢者が利用するものなので、内装費は多く見積もっておいた方がいいでしょう。

またデイサービスを開業する際には、資格を持ったスタッフが必要となります。そのスタッフを集めるために広告などを出しますので、50~100万円は必要となるでしょう。

さらに備品購入費が50~100万円、送迎用の車や車いすなどの車両購入費が200~400万円程度かかります。

2 デイサービスの開業に向けて

デイサービスを開業するにあたり、物件や内装なども重要ですが、優秀な人材を集めることや地域における需要などに関しても調査が必要です。さらに、デイサービスの開業には法人格が必要となります。基本的な知識をしっかりと持っておきましょう。

 2-1 法人格の種類と特徴

デイサービスを開業する際には、法人格が必要です。法人格の種類には、株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人、医療法人などがあります。

株式会社は設立までの期間が短めで、資本金も1円から設立できます。しかし、税金が高額になります。

NPO法人は信用度が高く、資本金も不要で税金もかかりません。ただし、設立登記までに4~5か月以上かかり、理事が3名以上、監事1名以上の配置が必要となります。

社会福祉法人においては、法人税非課税や固定資産税の非課税などの優遇措置を受けることができます。居宅介護事業を社会福祉法人で行う場合は、資産要件で1,000万円以上の基本財産などの条件があり、厳しい条件が課せられます。さらに理事6名、監事2名以上が必要であり、事業内容にもよりますが、設立までの期間が1年以上かかる場合もあります。

 2-2 開業場所の選定、ポイント

デイサービスの開業場所に関しては高齢者の人数や需要、世帯数、などについての調査委が必要です。選定のポイントは、高齢者が多い、競合する施設が少ない、従業員が通勤しやすいといった点になるでしょう。

また、消防法や建築基準法、都市計画法、各都道府県条例や介護保険法などにおいて、要件があっていることが重要です。

 2-3 建物の改修・新築

開業する物件が決まったら、デイサービス施設として、バリアフリーであることなど、要件を満たした内装工事が必要となります。施設の設備には設備基準がありますので、それを満たしていない場合は、許可が下りない場合があるので注意が必要です。

 2-4 人員の募集

デイサービスを行う場合は、管理者、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員といったスタッフを集めます。

それぞれの資格条件として、管理者は専従で常勤1名、生活相談員を常勤で1人以上、提供時間帯を通じて事業所と密接で適切な連携を図れる看護職員の配置が必要です。

また、利用者数が15人までは専従1名以上、15人を超える場合は5名またはその端数が増えるごとに1を加えた数以上が必要となります。

 2-5 通所介護事業者の指定申請

工事が完了したら、必要書類をそろえ、指定期間に申請します。指定を受ける際には、人員基準、設備基準、運営基準をクリアしていなければいけません。書類に不備があると指定を受けられる日が遅れることもあるので、不備のないように準備しましょう。

3 デイサービス開業後の注意点

開業はあくまでもスタートです。開業後はスムーズな経営、赤字にならない経営をするために、さまざまな努力が必要となります。

 3-1 デイサービスの集客

赤字にならない運営をするには、集客力が必要です。そのポイントは最初の利用客です。口コミなどで評判が広がるので、最初の利用者が満足するサービスを提供することが大事です。そのためには、施設の内覧会を実施するなどといったイベントも必要です。

集客のためには、利用者のニーズにあったサービスの実践が必要です。個別の要望に対応する柔軟性も必要となるでしょう。

 3-2 デイサービスのスタッフに関して

高齢者が快く利用するためには、施設の雰囲気がいいことが重要です。また、施設はスタッフが快適に仕事のできる環境であるということも大事です。教育や給料、福利厚生の充実など、長く働ける環境づくりをすること、スタッフが楽しみながら働ける環境を提供することも、オーナーの重要な役割です。

4 まとめ

はじめに、デイサービスとはどのような事業なのかについてお話ししました。デイサービスでは、利用者が自宅から施設に通うという形態です。事業者側では、送迎サービス、食事の提供、入浴、レクリエーション、機能訓練などのサービスを提供します。高齢者やその家族の生活を助け、社会に貢献できることは、この事業の大きな魅力的ですね。

次に、デイサービスの開業に向けて必要なことをお話ししました。中でも注意すべきなのは、認可を受ける必要があるということです。デイサービス開業の際には、設備基準、人員基準、運営基準に合わせた施設作りや人員配置などを心がけましょう。

最後にデイサービスの開業後の注意点についてお話ししました。集客のために、利用者のニーズにあったサービス提供したり、施設の内覧会を実施などを心がけましょう。また、施設の雰囲気を良くしスタッフが長く働ける環境づくりをすることも重要です。