FXで脱サラはおすすめできない?失敗理由と成功ポイントを解説

最終更新日:2022年01月27日

FXは外国為替取引によって大きな利益を得られる可能性があり、脱サラ方法としても注目されています。しかし、経済状況の変化などで損失を被るリスクも高いため、FXを始める場合には金融知識をつけるなど十分な準備が必要不可欠です。この記事ではFXに失敗しやすい理由を踏まえて、FXで脱サラに成功するポイントを紹介します。FX以外の脱サラ方法と比べながら、自分に合った脱サラ方法を考えてみてください。

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目次

FXの基本をおさらいしよう

FXの脱サラが失敗しやすい理由

FXの脱サラに成功するポイント

FX以外の脱サラ方法を知る

正しい知識とマインドでFXの脱サラを検討しよう

FXの基本をおさらいしよう

FX(Foreign Exchange)とは外国為替証拠金取引のことで、外貨の売買によって利益を狙える金融商品取引です。24時間取引に対応しており、レバレッジという仕組みを使えば自己資金の最大25倍まで取引が可能です。金利差によって生じる利益を期待できる、スワップポイントという仕組みも用意されています。まずは、外国為替の仕組みやFXの基本をおさらいしてみましょう。

外国為替取引の仕組み

外国為替取引は、為替レートに基づいてA国の通貨をB国の通貨に交換する取引です。為替レートは通貨の交換比率のことで、通貨の需要・供給のバランスや国内外の経済動向などによって刻々と変化しています。

FX取引の場合は送金や輸出入といった一般的な外国為替取引とは異なり、為替レートの変動を利用して通貨を売買することで収益を狙います。言い換えると、円安の時に外貨を購入した後、円高になったタイミングで売却することで売却益が得られる仕組みです。反対に、円高の時に通貨を売って円安になったタイミングで買い戻すこともできます。

また、証券会社などのFX口座に証拠金を預けて、通貨を売買した差額の受け渡しによって決済(差金決済)を行うため取引ごとに現金のやりとりは発生しません。オンラインで通貨の売買を完結できる便利さもあり、FXの口座数は年々増加しています。

レバレッジの意味

レバレッジ(leverage)は「てこの原理」という意味を持つ言葉で、FXでは預け入れた証拠金の何倍まで取引できるかを示します。国内のFX会社では個人の場合は一律で最大25倍、法人の場合は売買する通貨の組み合わせ(通貨ペア)ごとに決められた倍率までレバレッジを設定可能です。

レバレッジを設定することで自己資金が少なくても高額の取引を行い、多くの収益を得られる可能性が生まれるのがメリットです。一方、わずかな値動きでも損失が大きくなりやすいデメリットもあり、為替レートの変動状況によっては追加の証拠金の支払を求められる場合もあります。なお、レバレッジを指定できないFX会社でも、証拠金を多く預け入れると実質的に低い倍率のレバレッジで取引を進めることかできます。

24時間取引ができる

FXでは全世界で共通の為替市場が形成されているため、日本時間の月曜日午前7時から土曜日午前6時50分ごろまでなら24時間取引が可能です。3月第2日曜日から11月第2日曜日までの米国サマータイム期間中は、土曜日の取引終了時刻が1時間早まります。取引する時間帯によって値動きの傾向が異なるため、国内・海外の経済情報を確認しながら取り組むと取引の幅が広がるでしょう。

土日については、希望する売買価格を指定した取引(指値注文)のみ可能なFX会社とシステムメンテナンスに充てるFX会社が主流です。システムメンテナンス中は取引実績の確認ができない場合があるのでご注意ください。

スワップポイントとは

スワップポイントとは取引する通貨間の金利差で、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うことで生じる差益です。金利差調整分と呼ばれることもあり、通貨を売買したあと翌営業日まで決済せずに持ち越した場合に受け取ることができます。スワップポイントは1日ごとに付与されるため、長期にわたって収益を得られる可能性があるのが特徴です。

ただし、金利差が逆転した場合にはスワップポイントの支払を求められるので、金利の動向をこまめにチェックするようにしましょう。

FXの脱サラが失敗しやすい理由

FXの脱サラ失敗イメージ

為替レートは経済状況などに応じて刻々と変化するため、勝ち負けに固執してFXにのめり込んでしまうと自己資金を失うリスクが高まります。金融に関する知識が不十分なためにSNSなどの情報を鵜呑みにしてFX取引をした結果、損失が大きくなり脱サラに失敗する事例もみられます。FXの脱サラが失敗する原因について説明します。

勝ち負けに固執する

勝ち負けに固執する余り、損失を取り戻そうとギャンブル感覚でFXにのめり込んでしまうと正常な判断ができなくなり、FXに失敗する原因につながります。

損失が生じた場合、取引中の通貨を「損切り」という形で決済すればその時点で損失は確定し、作戦を練り直した上で取引を仕切り直すことも可能です。しかし、損失が一定の限度に達すると取引中の通貨はFX会社によって強制的に決済(ロスカット)されます。特にレバレッジを高めに設定している場合は、証拠金の追加支払いを求められるケースも少なくありません。

損失は必ず発生すると割り切って、許容できる損失額を上回った時は決済するという毅然とした姿勢が大切です。

金融知識の不足

FXは自己資金が少なくても手軽に始められる反面、金融知識が不十分だと売買するタイミングの判断を誤り、損失を拡大させてしまうので要注意です。

FXでは、時価に近いレートで即時売買を行う成行取引や希望条件と合致したら売買を行う指値取引など、注文の種類は多岐にわたります。取引方法ごとの特徴を十分に理解していないと、売買が不成立になるなど利益を確保できない原因にもなります。株式取引や投資信託といった金融商品の特徴を理解しないまま、いきなりFXに手を出すのも危険です。

また、売買のタイミングを的確に判断するためには、通貨発行国の経済動向や世界情勢などの情報収集も大切です。ブログやSNSの情報に惑わされずに、新聞社・出版社や金融機関などの信頼できる情報をもとに売り時・買い時を判断するようにしましょう。FX会社が提供する為替ニュースや専門家の解説を参考にするのも一つの方法です。

こちらの記事で、FX以外の投資商品の特徴も確認しておきましょう。

脱サラして投資家になるには?覚えておきたい投資8種と基礎知識

準備不足で脱サラする

自己資金やFXに関する知識が不足した状態だとFXで思うような成果を出せず、脱サラに失敗してしまいます。通貨を決済する判断を誤った結果ロスカットが行われ、自己資金がゼロになる事例もみられます。FX会社のデモトレードや書籍を活用するなど、FX取引に関する知識を十分につけた状態で脱サラを決めることが重要です。

また、通貨の価格は経済状況などによって変化するため、必ずしも利益を得られるとは限りません。収入がゼロの期間が続いても生活できるよう、証拠金のほかに最低でも半年分の生活費も用意しておきましょう。許容できる損失額や損失が生じた時の対応方法なども十分に考えておく必要もあります。

多額の資金を投資しすぎる

最初の取引がたまたま成功したからといって、2度目以降の取引で多額の資金を投資するのは考えものです。少ない資金で大きな利益を得られる可能性があるのがFXの特徴ですが、損失が大きくなると取引の冷静さを失い、的確なタイミングで損切りできない懸念も生じます。

レバレッジを設定している場合は、わずかな相場変動でも損失が大きくなる恐れがあり、ロスカットが実行されるリスクも高まります。短期間で確実に儲けるのは難しいので、少ない資金で投資を始めるのが無難です。得られた利益を証拠金として積み立てていけば、自己資金が減るリスクも軽減できるでしょう。

他人に騙される

FXの稼ぎ方を紹介するSNSやブログの記事の内容を鵜呑みにしてFXを始めた結果、取引に失敗する事例も少なくありません。為替レートは常に変動するため、記事に掲載された事例が実際の取引に当てはまるとは限らないからです。他人の情報に依存する習慣がついてしまい、自分の力で売買や損切りのタイミングを判断するための知識が身につかないリスクもはらんでいます。

なかにはSNSのメッセージ機能で無料セミナーへの参加を勧誘し、参加者に高額な商材を売りつけたり無登録のFX業者への登録を促したりするケースもあるようです。セミナーを受講する際は、主催者が金融商品取引業の登録を受けているかどうかを確認するようにしましょう。

FXの脱サラに成功するポイント

FXの脱サラに成功するイメージ

FX取引を堅実に進めて脱サラに成功するためには、将来の生活設計を立てたり十分な金融知識を身につけたりするなどの下準備が欠かせません。会社員時代から副業でFXを始めて、成功実績を積んでから脱サラするのもリスク対策には有効です。経済状況の急激な変動に備えて、FX以外の方法と組み合わせて脱サラするのも良いでしょう。FXで脱サラに成功するためのポイントを紹介します。

金融知識を身に付ける

FXで脱サラに成功するためには、ギャンブルではなく金融商品であることを認識することが重要です。
FX取引や外国為替の仕組みをはじめ、FX以外の金融商品の概要・収益にかかる税金に関する知識など、金融取引に必要な知識は多岐にわたります。

FXは資産運用の一つの形なので、家計の管理や貯蓄といった日常的なお金の管理も金融の基礎知識につながります。金融の知識を身に付けるには、投資に関する本を読んだりフィナンシャルプランナー(FP)などの金融に関連する資格を取得することも有効です。金融庁が発行する「基礎から学べる金融ガイド」のような資料も参考になるでしょう。

会社員時代に小さく始める

脱サラ後にFXで生計を立てようと考えているなら、会社員の段階から少しずつFXに慣れておくと良いでしょう。
FXの相場は国内だけでなく海外の経済動向によって変化するほか、為替レートの変動に応じて即座に売買・損切りの判断が求められるので、初心者が簡単に稼げる金融商品ではないからです。

売買した通貨の決済を行わなければ、収益のチャンスも生まれません。最初から資産の全てをつぎこむのではなく、余裕資金を活用するなど生活に支障がない範囲でFXを始めるようにしましょう。

脱サラ準備を念入りにする

脱サラする前に、FXの収益だけで本当に生活していけるのかをライフプランを再検討しておくことが大切です。FXはFIRE(早期リタイア)する方法としても注目されていますが、数回の取引で一生分の生活費を稼ぐことはできません。

取引する際に為替の値動きや経済状況もこまめにチェックする必要があるため、不労所得を得るために脱サラを検討しているならば本当に脱サラすべきかどうかも考える必要があるでしょう。脱サラすることで会社員時代に築いた社会的信用が失われ、住宅ローンなどを契約する際のハードルも高くなります。
脱サラ後に必要な生活費など、人生設計も念入りに立てておくようにしましょう。

FX以外の収入源をつくる

FX取引では為替レートの変動などによって得られる利益が大きく変わります。脱サラ後も安定した生活を続けていくためにはFX以外の収入源を確保しておくと安心です。

たとえばクラウドソーシングではコンサルティングをはじめ、営業代行やデザインなど自宅で取り組める仕事が多数紹介されています。スクール経営や便利屋といった、自分の特技を活かせる業種で独立する方法もあります。複数の収入源があれば、たとえFXで失敗したとしてもほかの仕事でカバーできるでしょう。

FX以外の脱サラ方法を知る

FXは通貨の売買によって多額の収益を得られる可能性がある一方、取引状況によっては自己資金を失う危険性もはらんでいます。脱サラに失敗しないためには、FX以外の方法もぜひ検討してみてください。

たとえば、フランチャイズオーナーとして脱サラする場合は加盟金として数百万円の自己資金が必要ですが、本部から運営ノウハウを提供してもらえるので未経験でも安心して独立開業できます。飲食店や学習塾・コンビニなど業種は多岐にわたるので、自分の得意分野に合わせて業種を選ぶと良いでしょう。ハウスクリーニングやスマートフォンの買い取り・修理なども安定した需要が見込まれ、自宅を拠点に開業できる場合もあります。

フランチャイズを探してみる

正しい知識とマインドでFXの脱サラを検討しよう

FXでは少ない自己資金でも多額の利益を得られる可能性がある反面、正しい知識とマインドを持って取引を進めなければ大きな損失が生じる恐れがあります。FXを始めるにあたって少しでも不安要素がある場合は、別の脱サラ方法を検討するのが無難です。

どうしてもFXにチャレンジしたい場合は、金融知識を身に付けるなど慎重に準備した上で生活に影響の出ない範囲で始めるのも良いでしょう。FX以外の収入源を確保しておくのも、リスクヘッジの方法の一つです。

脱サラ後の仕事の選び方はこちらの記事も参考にしてください。

脱サラ後の仕事はどう選ぶ?成功率をあげる方法と代表的な職業を紹介

公開日:2022年01月27日

よくある質問

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