50代で脱サラ起業に成功する人の特徴は?起業方法や注意点を解説
最終更新日:2024年09月20日

子どもの手が離れ、定年を迎える前に脱サラ起業をして成功させたいと考える50代の人は少なくありません。しかし、「どうやって起業すれば良いか分からない」「脱サラの際に気を付けるべきことが知りたい」と悩み、脱サラを思いとどまっている人もいるでしょう。
本記事では、脱サラして新しいキャリアをスタートしたい50代に向け、おすすめの脱サラ方法や、脱サラの注意点を3つピックアップし解説しています。
人生100年時代と言われている現代だからこそ、先の50年をどう過ごすか検討し、後悔のない選択ができるよう情報収集を行いましょう。
50代の脱サラ起業は増えている
早期退職を推奨する会社がニュースになり、個人事業主として自由に働く人や、場所を決めずにノマドワークする人が増えるにしたがい、50代で脱サラ起業する人も同じく増えています。
日本政策金融公庫が行った「2021年度新規開業実態調査」では、2020年に開業した50代の人は前年度の19.7%より0.3ポイント減少の19.4%を占めております。
日本人の平均寿命は伸び続けているため、今後は60歳、70歳を過ぎても働く人が珍しくなくなるでしょう。脱サラ企業は定年がないので、長く働き続けたい50代にとって、有効な手段の1つと言えます。
次の章から、50代の具体的な開業動機を確認していきましょう。
50代の開業動機とは?
日本政策金融公庫が発表した「シニア起業家の開業〜2012年度 新規開業実態調査」によると、55歳以上の人が多く回答した開業動機は以下の通りです。
- 仕事の経験・知識・資格を活かしたい(55.1%)
- 社会貢献がしたい(36.2%)
- 仕事がしたい(36.2%)
55歳以上の回答者のうち、半数以上が「培ってきたビジネススキルを発揮したい」と答えました。34歳以下の人のうち、58.6%は開業動機に「自由に働きたい」を挙げています。なお社会の役に立ちたいからと答えた34歳以下の人は、17.2%に留まっており、55歳以上の人と比べ19ポイントの差が生じました。
このことから、55歳以上で開業する人の多くが働き方や収入よりも、知識を活かしたり仕事を続けることを重視しているのが分かります。
50代の脱サラ起業がおすすめな理由
脱サラして起業するなら、60代よりも50代がおすすめです。年金を受給できる年齢は徐々に遅くなり、70歳まで働きたいと考える人も増えています。平均寿命は80代なので、50代からの起業は決して遅くありません。
本章では、50代の脱サラ起業をおすすめする理由を3つ取り上げ、解説します。
経験やスキルが十分にある
1つ目の理由として、豊富な経験とスキルを習得していることが挙げられます。50代ではそれなりのポジションを任され、仕事に対する自信も持っている人は多いでしょう。
厚生労働省「就労条件総合調査」(平成29年)を見ると、定年制度を定めている企業のうち79.3%が定年を60歳までと設定しています。脱サラして起業すれば定年を気にせず、体力が続く限り自分のペースで働けるので、経験を活かして長く働きたい人にはおすすめです。
資金力がある
2014年度版「中⼩企業⽩書」の、企業にかかった費用の調査によると、若者は開業にあたり「0円〜50万円以下」が多かったのに対し、シニアでは「200万円~500万円以下」が最多でした。
開業する業界によって必要な開業資金は異なるため一概には言えませんが、上記の結果からシニア世代は若者より潤沢な開業資金を使って起業するだけの資金力があることが分かります。
50代は子育てが落ち着き、学費・住宅ローンといった固定出費も減り始める時期です。金銭的・体力的に余裕がある50代のうちに事業を始め、年金をもらうまで働き続けるという選択も可能でしょう。
人脈が豊富
50代であれば社会人経験が30年以上という人も珍しくありません。取引先や同僚、部下など仕事で関わってきた人数が若手よりも多く、起業に活かしやすい点も50代が脱サラ起業におすすめな理由として挙げられます。
会社の取引先には開業する業種などを伝えるにとどめ、在籍している会社に迷惑をかけないよう配慮しましょう。長年のスキル・知識や太い人脈を持っている50代だからこそ、脱サラ起業は有効な選択肢の1つと言えます。
50代におすすめの脱サラ起業方法とコツを紹介
50代はスキル、人脈、資金など起業に必要なリソースがほかの年代よりも揃っているものの、初めての経営にはそれなりのリスクがともないます。脱サラ前に事前の準備をしてリスクに備えることが大切です。次に、50代におすすめの起業方法と成功に導くためのコツを解説します。
フランチャイズ経営
1つ目の起業方法は、フランチャイズを利用する方法です。フランチャイズ経営は本部と契約して対価(ロイヤリティ)を払い、本部が培ってきたノウハウ、サービス、商品、ロゴを利用するビジネスの仕組みを言います。
フランチャイズ経営を成功させるコツは、次の3つです。
- 自分の経験やスキルが活かせる分野を選ぶ
- スモールスタートできる形態を選ぶ
- 体力的にハードではないものを選ぶ
フランチャイズ経営でおすすめの業界を2つピックアップしました。以下で詳細をみていきましょう。
買取・リサイクルショップ
50代におすすめのフランチャイズ経営は、体力を必要としない買取・リサイクルショップの経営です。在庫リスクもないため人気が高く、50代以上の成功者が多いという特徴があります。 買取・リサイクルショップの代表的なフランチャイズ本部は以下の通りです。
- 大吉
- BRAND OFF 買取専門店
- いくらや
本部によっては偽物買取保証システムや共済制度といった体制が整っており、サポートも充実しているため未経験でもスタートできます。
ほかにも買取・リサイクルショップのフランチャイズを探したい人はこちらから検索してみてください。
飲食
体力に自信がある人には、王道の飲食フランチャイズもおすすめです。飲食店は脱サラ後のキャリアとして人気があり、フランチャイズであれば比較的リスクを抑えて起業できます。飲食店の業種として代表的なものを下記にまとめました。
- レストラン(専門料理店以外のもの)
- ラーメン、そば、うどん
- すし
- バー、居酒屋
重い機材や食材を運ぶことがあり、立ちっぱなしで勤務時間が長くいため、体力は必要ですが自分の店舗を構えることが夢だった人にはおすすめの業界です。未経験であってもフランチャイズ経営なら商品開発を0から行う必要はありません。
飲食店の経営に興味がある人は、下記の記事を参考にしてみてください。
脱サラして飲食店開業する手順を知ろう!多くの人が失敗する理由とは?
法人経営
次に、法人を設立して経営者になる方法をご紹介します。法人設立で資金を集めるときは、融資制度の種類、概要、年齢制限の有無などを確認するのがコツです。
低金利の融資には性別や年齢制限を設けているケースがあるため、脱サラ前に事業計画を立てて金融機関に相談しましょう。50代は貯蓄があるといっても、老後の資金として一定額を確保しておく必要があるので、資金集めは早めに動きはじめるのがポイントです。
法人経営は個人事業主よりも社会的信用を得やすい傾向にあるものの、設立時に手間がかかり、赤字のときでも7万円は法人住民税が課されるといったデメリットもあります。また法人格であれば、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入義務も発生する点に注意してください。
個人事業主
一口に起業といっても、個人事業主として開業する選択肢もあります。個人事業主は開業届を提出し、企業と業務委託契約を交わして仕事を請け負ったり、自分の店舗を構えてサービスや商品を提供する人のことです。
個人事業主は法人と違って株主総会や取締役会はなく、法人決算書も作成不要のため、煩雑な業務が少ないのがメリットとして挙げられます。また法人登記のような手続きもないので、開業そのものは開業届の提出で済み、費用も0円です。
ただし法人と比べて赤字の繰り越し期間が短く、社会的な信頼は低い傾向にあり、銀行や金融機関からの融資審査が通りにくい点がデメリットと言えます。個人事業主として独立するコツは、会社員時代に副業を始めるなどして地道に実績を重ねておくことです。
いきなり会社員を辞めるのはハードルが高いと感じる人も少なくありません。クラウドソーシングなどを利用して、実際に仕事を契約して稼ぐことに慣れておきましょう。
こちらの記事で、初心者におすすめの副業をご紹介しています。
人気な副業ランキング付!初心者・上級者それぞれのおすすめ副業とは
50代の脱サラ注意点
50代は脱サラ起業がおすすめの年代ではありますが、成功に近づけるためには注意点を押さえ、リスクを可能な限り排除しましょう。
ここでは、50代が起業する上での注意点を3つに絞って説明します。
体力と健康面に配慮する
1つ目は体に関する注意点です。60代よりも体力を温存できているとは言え、全盛期よりも筋力は低下しています。脱サラして会社員でなくなると、労災保険や健康保険の傷病手当金などは利用できません。
体調を崩して働けなくなった場合、収入が0円になるリスクもあるので、無理をせずに休息を取ったりジムに通って体力を維持したり、会社員時代よりも健康面に気を配りましょう。
会社に悪い印象を残さず辞める
50代に限ったことではありませんが、余裕を持って引継ぎやあいさつ回りを済ませて、退職にあたってネガティブな印象を持たれないようにするのが大切です。
「二度とその会社に戻らない」と考え悪い印象を残して会社を辞めると、今まで育んできた人脈に悪影響が出る可能性も0ではありません。立つ鳥跡を濁さずという言葉通り、会社を辞めるときは遺恨が残らないよう綺麗に辞めることを心がけ、気持ちの良い新生活をスタートさせましょう。
貯蓄を一気に使わない
貯蓄や退職金を全て切り崩すのは危険です。脱サラ起業には初期費用や運転費用などの資金が発生しますが、全額ポケットマネーから捻出する必要はありません。
貯蓄を使い切らないよう、十分な自己資金があるうちに融資を受けるなどして、老後の費用には手をつけないことをおすすめします。自己資金が尽きてしまえば、銀行などの金融機関から融資は受けられないので、事前に事業計画を立てて開業に必要な資金を試算し、資金繰りの対策を立てましょう。
経験を活かせる分野で脱サラ起業を進めよう
50代までに培ってきた経験、スキルを最大限に発揮するには、得意分野を選ぶことが重要です。50代は若手よりも人脈や資金が豊富な一方で、健康に十分な配慮が必要な年代と言えるので、脱サラ前には民間保険の加入を検討し、体力づくりを始めましょう。
また50代はリスクのある起業をすると、上手くいかなかったときに巻き返す時間が若手より少ないという部分も、理解しておかなくてはなりません。
開業資金やリスクをなるべく抑えて脱サラ起業したい人には、経営未経験者でもスムーズに独立開業できるフランチャイズ経営もおすすめです。起業を成功させるためにも、自身に合った選択をしましょう。
公開日:2022年09月15日