小料理屋の開業を徹底ガイド!準備の流れや必要な資金・資格、成功のポイントなど

最終更新日:2023年07月06日

小さく始められる小料理屋は開業コストが抑えやすく、さらにオーナーの理想を反映しやすいことから飲食店のなかでも開業を検討する方が多いです。

そこで今回は、「小料理店を開業して自分のお店を持ちたい」とお考えの方に準備の流れや必要な資金・資格などの情報をまとめてご紹介します。
そもそも小料理屋とは何か、混乱してしまいがちな割烹・料亭といったほかの飲食店との違いなど基本的な知識や小料理屋の開業を成功させるために押さえておきたいポイントなども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

目次

そもそも小料理屋とは?

小料理屋を開業する流れ

小料理屋の開業に必要な資金

小料理屋の開業に必要な資格・許可

小料理屋の開業を成功させるためのポイント

儲かる小料理屋を開業するにはフランチャイズもおすすめ!

小料理屋開業のまとめ

そもそも小料理屋とは?

そもそも小料理屋とは?

小料理屋と聞くと「こじんまりとした落ち着いた雰囲気のなかで、着物を着たおかみさんが手作りの料理を出しているお店」をイメージされる方も多いと思いますが、具体的にはどのような特徴のお店が小料理屋と呼ばれているのでしょうか。
そこでまずは、そもそも小料理屋とは何かを小料理屋の定義とほかの飲食店との違い、そして小料理屋で提供される料理やサービスという点で解説していきます。

小料理屋の定義やほかの飲食店との違い

小料理屋には明確な定義はありませんが、一般的には簡単な和風の家庭料理とお酒を提供する飲食店を指します。

こじんまりとした落ち着いた雰囲気やカウンター越しなどオーナーや料理人と顧客との距離が近いスタイルが主流で、小料理屋と似ているスナックや居酒屋、割烹、料亭とは異なり、お店の雰囲気や料理の提供スタイル、そして顧客とのコミュニケーションに一段と重きを置いていることが特徴です。

たとえば、スナックは主にお酒と一緒にカラオケや会話を楽しむ場所で、割烹は懐石料理や精進料理といった伝統的な日本料理を中心に提供します。一方、居酒屋は小料理屋より規模が大きいことが多くさまざまなお酒や料理をカジュアルに楽しむことができ、料亭は格式高い日本料理を提供する飲食店です。

【小料理屋とほかの飲食店との違い】

種類 特徴
小料理屋 ・和風の家庭料理とお酒を提供
・小規模
スナック ・お酒とカラオケを提供
・小規模
割烹 ・割烹料理(懐石料理や精進料理など)を提供
・小料理屋より広めの規模が多い
居酒屋 ・幅広い種類のお酒や料理を提供
・小料理屋より広めの規模が多い
料亭 ・高級な日本料理を提供
・小料理屋より広めの規模が多い

また、小料理屋には地元の食材を活かしたメニューや地元の文化が反映された雰囲気など、地域ごとの違いもあります。

小料理屋に求められる料理とサービスの提供方法

小料理屋の魅力は何といっても「料理」です。

旬の食材を使用し、素材の味を最大限に引き出した料理が多く、手間暇かけて一つ一つ丁寧に調理されます。味だけでなく見た目も美しく、色々な料理を少しずつ味わうことができるように一品一品が小さく作られている点も特徴です。ほかにも、食器選びから取り皿の配置、盛り付けまで、料理をより一層引き立てるための演出が施されています。

また、小料理屋の役割は料理を提供するだけでなく、お客様とのコミュニケーションを大切にしてお客様一人ひとりの好みを把握しながらその人に合った料理やお酒を提案すること。さらに、リラックスして過ごしてもらえるようなお店全体の雰囲気づくりにも尽力することが必要です。このように、お客様にとって特別な時間を提供できるお店の心遣いが求められる飲食店だと言えます。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

小料理屋を開業する流れ

小料理屋を開業する流れ

小料理屋の開業は自分のお店を持ちたいという夢を実現するための第一歩です。ですが、この夢を現実にするためには、きちんと計画を立ててから具体的なアクションを起こすことが大事だと言えます。
ここからは、小料理屋を開業する際の具体的な流れについて説明しますので、開業までの道のりを一緒に見ていきましょう。

1.コンセプトとビジネスプランの作成

まず最初に必要なのは、自分が開業したい小料理屋のコンセプトを決めることです。

コンセプトとは、お店の特徴や提供する料理、目指すサービスレベル、想定するターゲット層などを明確にしたもので、開業する小料理屋の方向性を示す大切な基盤となります。コンセプトを決めることで以降の物件探しや内装の決定、メニュー作りなどの進行がスムーズになるので、入念に検討しましょう。

次に、小料理屋のビジネスプランを作成します。

事業計画とも呼ばれるステップで、お店の概要や市場分析、販売戦略、財務計画などを詳細に書き出すことが必要です。ビジネスプランは自分自身のビジョンを整理し、資金提供者やパートナーにビジネスの可能性を示すための重要なツールにもなります。

2.物件探し

コンセプトとビジネスプランができたら、次は物件探しです。

小料理屋にとって開業する場所は非常に重要な要素で、ターゲットとなる客層や交通の便、近隣の競合店との位置関係などを考えて選ぶ必要があります。また、店舗の広さや間取りは料理の提供形態や設置したい客席数に影響するので、しっかりと考えましょう。

物件は賃貸か購入する方法が主流ですが、既存の店舗をリノベーションするなどの方法もあります。それぞれメリットとデメリットがあるため、ビジネスプランや予算に合わせて適切に選択することが大事です。

3.資金調達

開業する小料理屋の物件探しを終えたら、次は資金調達に取り掛かります。

小料理屋を開業するには、物件のリース費用または購入費用、内外装工事費用、設備費用、初期の運営資金など、多くの資金が必要です。

資金調達の方法はさまざまで、自己資金を用いるほかに銀行からの融資を受ける、助成金や補助金を利用する、クラウドファンディングを行うなどが考えられます。自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことだけでなく、資金調達を行う際は適切な予算管理も重要になることを忘れないようにしましょう。

4.内外装工事や設備・備品の購入

小料理屋を開業するための資金調達に目途がついたら、次は内外装の工事や設備・備品の購入に取り掛かりましょう。

小料理屋の内装は、お客様がリラックスできる空間を提供するために重要な要素です。店内のレイアウトや色彩、照明などを考慮し、最初に作ったコンセプトに合った空間づくりを心がけます。

また、キッチン設備や食器、家具などの備品選びも大事です。お店の運営に直接影響を与えるので、機能性とデザインの両方から考えるほか、長期的な視点で選ぶことが求められます。

5.必要な資格の取得や許可の申請

次に、小料理屋の開業に必要な資格や許可の取得を行います。

のちほど詳しく解説しますが、飲食店を開業するためには「食品衛生責任者」や「飲食店営業許可」などが必要です。また、小料理屋の規模やサービスなどによって「防火管理者選任届」や「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」なども必要になります。

それぞれの資格や許可には特定の条件があり、申請には手続きが必要です。事前にどのような資格や許可が必要なのか、条件や手続きの流れなども確認をして、計画的に行動するようにしましょう。

6.スタッフの採用・教育

小料理屋の開業が近づいてきたら、スタッフの採用と教育を行います。

小料理屋のスタッフは料理の提供だけでなく、お客様とのコミュニケーションも重要な役割を果たすので、料理の技術のほかに接客スキルも重視した採用を行いましょう。

また、採用したスタッフに対しては開業する小料理屋のコンセプトやサービス、経営方針などをしっかりと伝え、継続的な研修や教育を行うことが大切です。

7.集客

最後に、集客活動に取り組みます。

小料理屋の開業においても、SNSやWebサイトを活用してお店の情報を広めたり、開業日のカウントダウンを行ったりなどデジタルマーケティングは集客に有効な手段です。

また、特に小料理屋は地域の人々とのつながりが深いことが特徴なので、地元コミュニティに参加するなど開業前から地域の人々との関係づくりに努めることも大事だと言えます。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

小料理屋の開業に必要な資金

小料理屋の開業に必要な資金

小料理屋を開業するには、開業資金(初期費用)と運営資金が必要です。いくらくらいの資金が必要になるのか、それぞれの詳細と目安を見てみましょう。

開業資金(初期費用)

小料理屋を開業するためにはまず、開業資金(初期費用)が必要です。
具体的には、

  • 物件取得費(リース契約の初期費用や購入費用)
  • 内外装工事費
  • 設備費
  • 備品費
  • 人件費
  • 広告宣伝費

などの費用が含まれており、小料理屋の場合は1,000万円前後必要だと考えられています。

ですが、小料理屋を開業する立地や物件の価格、店舗の規模などによって変動しますので、具体的な金額は個々のビジネスプランに大きく左右されると言えるでしょう。

大企業部長が飲食店開業!45歳で安定を手放し「居酒屋の経営」で脱サラ&独立

運営資金

小料理屋の開業に必要な資金には、開業後の運営に必要な費用も含めて準備することが大事です。
運営資金は

  • 原材料費
  • 家賃
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 広告宣伝費

などが主な内訳で、仕入れ状況や家賃の金額、雇用人数などさまざまな条件によって変動しますが、毎月数百万はかかることを想定しておいたほうが良いでしょう。

また、突発的な経費に備えるために予備の運営資金を準備しておくこともおすすめです。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

小料理屋の開業に必要な資格・許可

小料理屋を開業するためにはいくつかの資格や許可が必要で、お店の規模や物件、提供するサービス、雇用の状況などによって必要になる資格や許可も存在します。

【小料理屋の開業に必要な資格】

資格 概要 取得方法
食品衛生責任者 ・正しく食品衛生管理が行われることを証明する、全飲食店の開業において必要な資格
※調理師や栄養士などの資格保有者は免除される
・各都道府県の保健所で実施されている養成講習会の受講
防火管理者 ・収容人数が30人を超える場合に必要な資格 ・各都道府県や地域の消防庁が実施する防火管理講習の受講

【小料理屋の開業に必要な許可】

届出・申請名 提出先 対象 時期
開業届 税務署 個人で開業する場合 開業日から1ヵ月以内
飲食店営業許可 保健所 全店舗 営業開始予定の10日ほど前まで
防火管理者選任届 消防署 収容人数30人を超える店舗 営業開始日まで
防火対象設備使用開始届 消防署 建物や建物の一部を新たに使用し始める場合 使用開始7日前まで
火を使用する設備等の設置届 消防署 火を使用する設備を設置する場合 設備設置前まで
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 警察署 深夜12時以降もお酒を提供する場合 営業開始の10日前まで
社会保険の加入手続 社会保険事務所 法人の場合は強制加入
個人の場合は任意加入
できる限り早く
雇用保険の加入手続 ハローワーク 従業員を雇う場合 雇用日の翌日から10日以内
労災保険の加入手続 労働基準監督署 従業員を雇う場合 雇用日の翌日から10日以内

また、小料理屋の開業には調理師免許も必要なイメージもありますが必須ではなく、持っていなくても問題なく開業できます。ただし、料理の専門性や衛生知識を保証し、お店の信頼向上のために有益なので持っていて損はありません。調理師学校や一部の大学での学習と試験に合格することで取得できますが、取得までには最低でも1年程度はかかるのでその点に注意が必要です。

それぞれの資格や許可の取得は時間と労力がかかるため、早めに取り組むことをおすすめします。

開業届はいつどのタイミングで出せばいい?届出の仕方と必要書類とは

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

小料理屋の開業を成功させるためのポイント

小料理屋の開業を成功させるためのポイント

日本の飲食業界は競争が激しい一方で、大きなビジネスチャンスも溢れています。個性的な料理と落ち着いた雰囲気が魅力の小料理屋ですが、成功を掴むためにはどのようなポイントに注目すべきなのでしょうか。
こちらでは、小料理屋の開業を成功させるための重要なポイントを解説します。

お客様を惹きつけるお店づくり

小料理屋の開業を成功させるためのポイントとしてまず挙げられるのは、お客様を惹きつけるお店づくりです。

ゆったりとした時間を過ごせる店内や手間隙かけた美味しい料理、心地良いサービス、これらが絶妙に組み合わさった小料理屋独特の空間は、ほかの飲食店とは一線を画す魅力を持っています。

ここで重要なのは、「お客様が何を求めているのかを深く理解して、それに対応したお店づくりをすること」です。
たとえば、

  • 地元の新鮮な食材を使用した料理を提供する
  • 手作りの陶器や家具を設置する
  • 季節ごとにインテリアを変える

など細部にまでこだわった工夫が求められ、これらは他店との差別化にもつながります。

また、顧客がまた来店したくなるお店づくりも重要です。スタッフとの楽しいコミュニケーションやそのお店でしか味わえない特別なメニューの提供、お客様を驚かせるような新しい試みなど、魅力的な料理やサービスの提供を心がけましょう。

通いやすい立地

小料理屋への通いやすさは新規顧客やリピーターの増加に大きく影響するため、成功に欠かせない要素だと言えます。

具体的には駅近や商業施設・オフィスビルなど人の流れがある場所、駐車場が近くにある場所などが集客がしやすい立地です。

ただし、小料理屋に合う立地であるかも考慮する必要があります。小料理屋を利用したいと考える方は、「静かで落ち着いた雰囲気のなかで食事を楽しみたい」という方が多いはずなので、顧客のニーズに適した立地という点では路地裏または人通りから少し離れたエリアが理想的だと言えるでしょう。

また、競合他店との位置関係やターゲットとする顧客層の居住地域へのアクセス性を考慮した立地選びも大事です。

リピート顧客を生む接客術

小料理屋の成功には、リピーターの獲得が欠かせません。

リピーターを着実に増やしていくためには心地良い空間を提供するだけでなく、お客様への接客も非常に大切です。一人ひとりのお客様に対して丁寧な対応を心掛け、お客様が感じる「心地良さ」を最大限に引き出す接客術が求められます。

具体的には、

  • お客様の名前を覚える
  • お客様の趣味や好みを把握する
  • お客様の特別な日にはサプライズを考える

など、小料理屋だからこそできる心遣いを見せることがポイントです。また、SNSや口コミサイトで小料理屋の評価を確認してお客様のリアルな感想を直接的・間接的に収集し、改善につなげる努力も必要でしょう。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

儲かる小料理屋を開業するにはフランチャイズもおすすめ!

小規模で比較的ハードルが低いからと言え、一から小料理屋を開業するのは資金的にも体力的にも大きな負担となります。ですが、フランチャイズで開業するという選択をすれば既存の成功したビジネスモデルを利用できるので、リスクを軽減しながらビジネスを展開することが可能です。
そこで最後に、和食や小規模で始められるなど小料理屋と共通点を持ちながら差別化もしやすいフランチャイズをご紹介します。

かしわ屋将軍

『かしわ屋将軍』は、「食べログ」や「Retty」などの口コミサイトでも高い評価を得ている人気の鶏肉専門焼肉店を展開するフランチャイズです。

15~20席程度の小規模店舗で開業することができるほか、飲食店でありながら調理技術が不要で2~3人という少人数での運営も可能。お客様が自身でお肉を焼く独自のスタイルを採用しており、他店との差別化も図りやすいです。

SABAR

『SABAR』は、とろさば料理専門店を手掛けメディアでも話題を集めているフランチャイズです。

独自のネットワークにより物件取得費や厨房設備費を抑えることで、低資金開業を実現することができます。また、メニューやレシピ、内外装に至るまで本部サポートが手厚いので、未経験者でも安心です。

小料理屋開業のまとめ

こちらの記事では、小料理屋を開業するための流れをはじめ、開業に必要な資金や資格・許可、そして成功のためのポイント、さらにフランチャイズ開業の可能性について解説しました。

小料理屋の開業は料理の腕前だけでなく、事業計画や接客術、立地選びなど多くの要素が絡み合うため、決して簡単な挑戦ではありません。
必要な準備を計画的に進めることと、今回ご紹介した

  • お客様を惹きつけるお店づくり
  • 通いやすい立地
  • リピート顧客を生む接客術

の成功のためのポイントを念頭に、慎重に準備を進めていきましょう。

また、フランチャイズでの開業は本部のノウハウとブランド力を活かせるので、リスクを抑えつつビジネスをスタートさせる手段として非常に有効です。ぜひこの機会に検討してみてください。

小料理屋と似た飲食店で独立・開業できるフランチャイズを探してみる

小料理屋の開業に関する記事

公開日:2023年06月29日

よくある質問

Q 小料理屋の開業に必要な資金はいくらですか? 回答を見る
Q 小料理屋の開業に必要な資格は何ですか? 回答を見る
Q 小料理屋と割烹料理屋の違いは何ですか? 回答を見る