仕事のリタイアとは?必要資金の目安や資金調達について解説

最終更新日:2022年10月24日

リタイアという言葉は時々耳にしますが、仕事におけるリタイアの意味とはどのようなものでしょうか。また、リタイア後に必要な資金や年金額はいくらくらいなのでしょうか。生活費に対して、資金が十分でなければ、充実した老後は送れません。リタイアが目の前になってからあせっても遅いので、早めに準備してください。また、リタイア後にも収入が得られる方法についても考えていきましょう。

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目次

仕事におけるリタイアとは

リタイア後に必要な資金の目安

リタイア後に受給できる年金の額とは

リタイア後に備えた主な資金調達方法

リタイア後の生活を安定させるには

リタイアに向けて計画的に動こう

仕事におけるリタイアとは

仕事におけるリタイアとは

仕事におけるリタイアとは、本業の仕事を引退することを指します。転職をするための退職は含まれず、自営業であっても本職を引退するならばリタイアとなります。会社員の場合、多くは60歳や65歳で定年退職を迎える際に使われる用語ですが、最近は定年退職にとらわれないアーリーリタイア、セミリタイア、FIREという形もあります。それぞれについて説明していきます。

アーリーリタイアとの違い

定年退職となる60代よりも前の30代から50代くらいに退職し本業から引退することをアーリーリタイアと言います。

通常のリタイアと大きな違いがあるのは年金額です。退職後は国民年金に加入することになりますが、定年まで働いた人よりも減額になってしまいます。若いうちに収入がなくなってしまう人も多いため、貯蓄や親から譲り受けた資産などが必要です。

しかし、若いうちにリタイアすることで、まだまだ体は動きやすく、本業の仕事をしていたときとは違うセカンドライフを送ることが可能になります。職場のストレスから開放され、自由に暮らすことができるでしょう。

セミリタイアとの違い

アーリーリタイアの一種ですが、一般的なリタイアでは仕事をせず、新たな収入がないのに対して、セミリタイアは収入があるタイプのリタイアです。

リタイアして収入がなくなると、生活が成り立たないという人も多くいます。また、完全に仕事を辞めてしまうことで社会との接点を失ってしまい、将来、仕事に復帰しようとしてもかなわなくなってしまう場合もあります。

その点、本業ほどではないものの、フリーランスやパート、不動産の経営などで、収入を得られていれば、生活に余裕が生まれ、社会との接点も保つことが可能です。

FIREとの違い

セミリタイア同様、早期でリタイアしつつ、副業で収入を得ながら生活を成り立たせるというアメリカで生まれた概念です。「Financial Independence(経済的自立)」と「Retire Early(早期退職)」の頭文字をとって名づけられました。引退後は投資などをおこない、経済的自立を実現しつつ、本業で働いていたときとは異なる自由な時間を手に入れていきます。

投資先としては国内外の株式や不動産、投資信託などがあります。投資の知識や投資の元手が必要ですが、新しいスタイルの生き方として注目されています。

リタイア後に必要な資金の目安

定年退職を見据えたとき、気になるのはリタイア後に必要な資金ではないでしょうか。ここからはリタイア後に必要な資金について見ていきます。

リタイア後の生活費

リタイア後1年間の生活費は、退職前の年収の6割から7割程度あれば、生活がまかなえるとされます。年収500万円であったならば約350万円、400万円であったなら約240万円、300万円であったならば約180万円となります。

仮に65歳で退職し、年間の資金が240万円で男性の平均寿命81歳まで生活したとします。

240万円×16年=3840万円が必要な額となります。

とはいえ家族構成やライフプラン、リタイアしたときの社会情勢などさまざまな要因により、必要な額は人によって異なってきます。

生活費以外に必要になる費用

実際に老後を送っていくなかでは、上述の生活費以外に必要な費用もさまざまにあります。たとえば、以下のような費用についても考えておきましょう。

  • 家の修繕費、リフォーム費
  • 入院、手術費
  • 介護費用
  • 交際費(お祝い金など)
  • 葬儀費

持ち家も経年とともに劣化し、修繕やリフォームが必要になります。いざというときの入院、手術費も準備しておかなければなりません。介護費は自分だけではなく、配偶者や親世帯のことも考慮しておくようにしましょう。そして、自分の葬儀で子ども世代に負担をかけないような準備をしておきたいところです。

リタイア後に受給できる年金の額とは

リタイア後に受給できる年金の額とは

リタイア後の主な収入源となるのが年金ですが、いくらくらいが支給されるのでしょうか。

年金は一般的には次の種類があります。

1つは国民が全員入らなければならない公的年金の「国民年金」(老齢基礎年金)です。そして会社などに勤めている場合には、国民年金にプラスして厚生年金保険に加入しているため老齢厚生年金も受け取れます。

令和4年度の改定年金額をベースに厚生労働省が「令和4年度の新規裁定者(67歳以下の方)の金額の例」として、国民年金加入者(老齢基礎年金満額:1人分)が6万4816円、厚生年金加入者(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は21万9593円としています。

年金額は加入年数などの条件によって異なります。日本年金機構の「ねんきんネット」でも見込額を試算できるので、やってみてください。

リタイア後に備えた主な資金調達方法

リタイア後を充実したものとするには、資金の準備が必要ですが、月々の貯金だけでは不安です。そこで、リタイア後に向けた準備でやっておきたい資金調達方法を紹介します。

個人年金保険

公的年金の上乗せとして任意で入れる制度で、私的年金の一種です。あらかじめ設定した60歳や65歳などの年齢まで保険料を積み立て、積立金をもとに年金が支払われます。

個人年金保険は民間の保険会社が取り扱っています。そのため、年金額は会社ごとの商品によって変わってきます。

個人年金保険には以下の種類があります。

確定年金 年金を受け取れる期間が決まっています。死亡した場合でも遺族が残りの年金を受け取れます。
有期年金 確定年金と同様に年金を受け取れる期間が決まっていますが、基本的には死亡した場合に、遺族は年金を受け取れません。
終身年金 存命中はずっと年金が受け取れますが、死亡した場合、遺族は年金を受け取れません。

自分に合うものを選んでください。

つみたてNISA

つみたてNISAは安定的な資産形成をサポートするための積立型の「少額投資非課税制度」です。少額からの長期・積立・分散投資をする際に分配金が非課税になるという制度です。

対象商品は、手数料が低水準で、一定の条件を満たして金融庁に届け出がされた公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されています。購入は毎年40万円を上限とし、20年間で最大800万円までできます。また、20年間は課税されません。決まったタイミングで自動的に買い付けてくれるため手間がかかりませんが、手数料がかかる場合があります。

つみたてNISAは各証券会社、ネット証券会社、銀行で口座を開いて始められます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度のiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)も、老後に向けて考えても良いかもしれません。加入は任意で、自分で運用方法を選び、掛金と運用益との合計を給付額として受け取れます。

給付を受け取るときには、税制上の優遇措置も受けられるというメリットもあり、老後の資産形成として考える人も多いようです。

iDeCoは扱っている金融機関を通して始められます。金融機関によって手数料は異なるので確認してみてください。

リタイア後の生活を安定させるには

リタイア後の生活を安定させるには

金融広報中央委員会が実施した調査(20歳以上80歳未満の2名以上世帯を対象)によると2021年時点で、「老後の生活を心配している理由(複数回答)」としてもっとも多かったのが「十分な資金がないから」で、全体の66.7%という結果でした。多くの人がリタイア後の資金を不安視しています。リタイア後の生活を安定させるために、やっておきたいことを解説します。

収入に合わせて支出を見直す

「お金の使い過ぎ」をしていて貯蓄ができていないと、老後に苦しくなります。お金の使い過ぎを避けるためには、まずは自分の収入をしっかりと確認しておきましょう。そして光熱費や食費など月にかかる家計費、趣味にかける金額を、家計簿ソフトなどを使って管理しておくことが大切です。

とくに「これくらい使ってもいいか」「たまには贅沢してもいいよね」といったことの小さな積み上げが予想以上の出費になっている可能性があるので注意しましょう。

老後は子育てもなく、お金がかからないイメージですが、食費や光熱費、医療費など予想以上に出費があります。現役のうちに浪費ぐせは直しておくことをおすすめします。

資産運用について勉強する

リタイアを見据え、資産運用の知識を身に着けておきたいところです。お金は持っているだけでは増えませんが、資産運用をすることで、増やすことが可能です。リタイアに向けた資産づくりでも、リタイア後の収入源としても資産運用は有効な手となります。

しかし知識がないと、増やすどころか元手を目減りさせてしまう可能性もあります。社会の状況変化に気付かず、万一の事態を回避できないリスクが出てきます。

リスクの低い投資などの資産運用ができるように、勉強しておきましょう。

リタイア後も続けられる仕事をする

リタイア後も年金以外に収入があるようにしておくと、生活にゆとりが生まれます。

そこで、少ない時間で無理なく働けそうな仕事を、本業のある今のうちに副業として始めておいてはいかがでしょうか。そうすれば、本業をリタイアした後も、副業での収入が継続してある状態になります。

リタイア後にも働ける働き方は以下のようなものがあります。

  • エンジニアやクリエイター系の仕事を業務委託として請け負う
  • 得意なジャンルを生かしたオンライン講師
  • ネットショップの運営
  • ブログの運営
  • フランチャイズで起業をする

フランチャイズでも塾や清掃業のような、空いた時間でできるものもあるのでぜひ探してみてください。

リタイアに向けて計画的に動こう

多くの人はやがてリタイアの時期を迎えます。定年退職かもしれませんし、自分で引退の時期を決めるアーリーリタイアなどを選ぶかもしれません。いずれにしてもリタイア後を豊かなものにするためには、現役のうちに資金を準備することが大切です。リタイア後に必要になる費用を計算しつつ、受け取れる年金額を試算するとともに、足りない場合にはつみたてNISAなどで資産運用についても考えてみてください。また、フランチャイズの開業など、リタイア後もできる仕事を見つけておくのも良いでしょう。早めの準備でリタイア後も充実したものにしてください。

公開日:2022年10月26日

よくある質問

Q リタイアをした人は毎日何をしているのですか? 回答を見る
Q リタイア後を優雅に過ごす人と貧乏になってしまう人の違いは何ですか? 回答を見る