喫茶店やカフェの経営は難しい?喫茶店業界の動向や経営のコツ3選

最終更新日:2022年10月03日

脱サラして理想の喫茶店を経営し、自由に働きたいと考える人は多いと思います。専門スキルや知識が不要で未経験からでも挑戦できそうに見える喫茶店経営ですが、競合の多い喫茶店業界は事前の情報収集や準備が足りなければ失敗するリスクが高いです。

今回は、脱サラして喫茶店の経営を成功させるために、失敗例や喫茶店業界の動向、経営を成功させるコツなどをご紹介します。開業するリスクを知ったうえで喫茶店経営の基本的な知識を押さえ、スムーズな喫茶店の経営を目指してください。

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目次

喫茶店とは?経営者に人気の理由 

喫茶店やカフェの経営って難しいの?

喫茶店の経営で失敗する例

喫茶店業界の動向を知ろう

喫茶店を成功させる経営のコツ3選

繁盛店のブランドを持てる喫茶店フランチャイズもおすすめ

念入りに計画して喫茶店経営を成功させよう

喫茶店とは?経営者に人気の理由 

脱サラ後の道として人気の喫茶店は、「喫茶店営業許可」を取得した飲食店を指します。喫茶店と類似したカフェ開業も人気がありますが、実はカフェ開業には「飲食店営業許可」が必要となり、喫茶店営業許可よりも取得の難易度がやや高くなります。

まずカフェを開業したいと思っている方はこちらの記事がおすすめです。
脱サラしてカフェ開業に失敗する人は多い|開業前にやるべき8つのこと

喫茶店開業が人気の理由として、以下のようなものが挙げられます。

  • コーヒーや喫茶店の雰囲気が好きで、好きなことを仕事にしたい
  • 雇われの会社員ではなく一国一城の主になりたい
  • 自分の好きな空間を作り自由に働きたい
  • 高い専門スキルがなくても経営できる店を持ちたい
  • 経営のノウハウを初心者向けの業種で覚えたい

このようにコーヒーが好き、喫茶店なら自分にもできそうと考える人が多く、脱サラ後の進路として人気が高い傾向です。開業の現実について次の章で確認していきましょう。

喫茶店やカフェの経営って難しいの?

喫茶店やカフェの経営は一見簡単そうに見えますが、下記のような難しさがあります。

  • 気軽に出店できるので競合店が多い
  • オリジナリティが出しにくく差別化を図るのが難しい
  • PRをしないとなかなか新規のお客さんが来ない

というところに注意しましょう。
この難しさのポイントを押さえて、できるだけお客さんを呼びやすい経営戦略を立てなければなりません。

喫茶店開業しても必ず成功するわけではない

脱サラ後に多くの人が喫茶店やカフェを始めようとする一方で、喫茶店含む飲食業は廃業率が高い業界です。喫茶店は身近な存在でイメージしやすいためか「未経験でもできそう」と安易に考える人が多くいます。しかし、喫茶店運営には500~600万円のまとまった開業資金が必要ですし、料理やお酒を提供する場合は開業後の経営オペレーションも難易度が上がっていきます。

「脱サラ 喫茶店」でインターネット検索をすると多くの失敗談が見られますが、今回は代表的な失敗例を2つ取り上げご紹介します。

喫茶店の経営で失敗する例

喫茶店の経営で失敗する例

喫茶店の経営が失敗する代表的な例として、①売り上げ不足、②資金繰りの問題の2つが挙げられます。それぞれ、どうして経営が失敗してしまうのか詳しく見ていきましょう。

売り上げが上手くあがらず経営失敗

1つ目の失敗例は、シンプルにお客さんが入らず売り上げがあがらないことです。売り上げが継続的に入ってこなければ、店の家賃や人件費、食材などの材料費など、あらゆる支払いが滞ります。

また、売り上げがなく支払いがストップしてしまうと、オーナーの資産も増えず、信用もなくなり金融機関からの借り入れなども難しくなるなど負の連鎖となってしまいます。

喫茶店の雰囲気やコーヒーが好きという理由だけでは、経営を成功に導くことはできません。喫茶店はコーヒーや料理の単価が安いため、売り上げをコンスタントに得るためには喫茶店独自の工夫が必要です。
また、売り上げがどうしても上がりにくいと分かったら人件費や設備費を抑えて利益を多くするのも経営者のテクニックです。
売り上げを上げるのが難しいと感じたら、利益の増加も考えてみましょう。

経営者の資金繰りが下手

もう1つの失敗例は、売り上げはあるのに資金繰りが正しくできておらず、常にお金がない状態になるケースです。毎月決まったお小遣いをもらっていても貯金できず、浪費してしまう人をイメージすると分かりやすいでしょう。

経営者の資金繰りが上手くいかないと、新たな施策に投資して売上拡大を目指したり、従業員に還元したりなど攻めの経営ができません。売り上げを適切に管理することは、開業成功のために最重要事項と言えます。1つ目の例と同様に、最終的には支払いが滞って廃業となるケースもあるでしょう。

喫茶店業界の動向を知ろう

何も知識がないまま、いきなり喫茶店を開業すれば失敗する確率が高くなります。喫茶店開業を成功させるために、喫茶店業界の動向や基礎知識を身に付けましょう。今回は、喫茶店数の増減と市場規模、受動喫煙や軽減税率対策のトピックスを取り上げて解説します。

喫茶店数は減少・市場規模は横ばい

厚生労働省の資料によると喫茶店数は2007年をピークに減少しています。市場規模そのものは横ばいで、約1.02~1.28兆円で安定しています。
なお、1世帯あたりの喫茶店への支出額(需要)は増加傾向で、2016年は10年前よりも支出額が15.8%増えており、喫茶店の需要は年々拡大していることが分かります。

参照:厚生労働省 業種別マニュアル喫茶

これらの数値を見ると一見、喫茶店市場は安定しているように見えるかもしれません。しかし実際はコンセプトカフェの出現や、コンビニエンスストアの珈琲製品の質アップなど競合は多様化しています。今後は他店との差別化がますます重要視されるでしょう。

受動喫煙や軽減税率への対策が重要

ここ数年の大きなトピックスとしては、受動喫煙対策や軽減税率への対策が急務だった点が挙げられます。

2020年の健康増進法改正により、飲食店も原則として禁煙が義務付けられ、要件を満たさなければ室内での喫煙が認められなくなりました。禁煙の流れを受けて、常連客だった喫煙者が離れていく喫茶店も多くあります。

喫茶店の主要顧客は中高齢者が中心という厚生労働省の調査もあり、中高齢者の喫煙者層を引き続き狙っていくか、それとも禁煙層を新たに集客するかは経営方針の分かれ目となります。

また、軽減税率の導入を受けて、テイクアウト需要の波に乗るかどうかも喫茶店開業の際に必ず考慮したいポイントの1つです。この2つのテーマは、お店のコンセプトにも大きく影響するため、必ず検討しておくようにしてください。

喫茶店を成功させる経営のコツ3選

喫茶店を成功させる経営のコツ3選

次に、喫茶店経営で失敗しないために、経営のコツを3つピックアップしました。以下で詳細を確認していきましょう。

1.大手チェーン店にはない個性を磨く

喫茶店を経営する1つ目のコツは、お店独自の強みを持つことです。飲食店は店舗数が多く、お客さんはシチュエーションやメニューによってお店を使い分けています。「この喫茶店に行きたい」と強く思ってもらうために差別化が重要です。

差別化の切り口として、次のようなものがあります。

  • 珈琲の素材や淹れ方にこだわる
  • ケーキの陳列や取り分け、提供までのパフォーマンスを含めてこだわる
  • 店内の雰囲気、写真を撮りたくなる内装にする
  • スタッフの接客方針、制服で個性を出す
  • 単価アップさせるセット売りや、オリジナルグッズの販売

個性を出すことは大手チェーンが真似できない個人店最大の強みです。他店との差別化を図り、自店の売りを作って成功に一歩近づけましょう。

2.デジタル×アナログの販促に取り組む

喫茶店の経営を軌道に乗せるためには、お客さんにお店の存在を知ってもらうことが大切です。デジタルとアナログ両面からアプローチして、自店の認知度を高めていきましょう。

それぞれの販促方法を例としてご紹介します。

  • デジタル:Twitter・Facebook・Instagram・Google広告・メルマガ配信・ポータルサイトへの出稿など
  • アナログ:折り込みチラシ・ビラ配り・DM・新聞広告など

デジタルの販促は効果が出るまでに時間がかかりますが、無料でできる点が最大のメリットです。ただし、無料とは言ってもSNSやメルマガ配信は工数がかかるため、バランスよく取り入れると良いでしょう。デジタル、アナログを掛け合わせて効果的な販促を行い集客へつなげていってください。

3.ITシステムや外注の活用で業務効率化

喫茶店開業を成功させる3つ目のポイントは、業務の効率化です。喫茶店のオーナーは料理や飲み物を作り、食材を仕入れ、メニューを考案するなどマルチに業務をこなさなくてはなりません。業務を効率化して時間を捻出しなければ、大事な接客がおろさかになってしまうでしょう。

以下に紹介するようなITシステムなどを取り入れ、自分でやるべき業務とそうでないもののメリハリをつけると良いでしょう。

業務効率化の代表例

業務を効率化するための代表例は下記のようなものがあります。

  • 多機能レジ(POSレジ)の導入
  • シフト管理、勤怠システムを取り入れて人事管理業務の時間を減らす
  • 製氷機やコーヒーマシン、グラインダーなど全自動の機械式を検討する
  • 手作り料理と、外部で作ってもらう既製品(サンドイッチやケーキ、お菓子など)をうまく使い分ける

スピーディーな接客は好感度アップにつながります。予算と相談しながら業務効率化の投資を検討してみてください。

繁盛店のブランドを持てる喫茶店フランチャイズもおすすめ

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ここまで、脱サラして喫茶店を経営するうえでの落とし穴や、経営のコツを解説しました。
最後に、自分で開業するよりも比較的スムーズに喫茶店が開業できる「喫茶店フランチャイズ」をご紹介します。

フランチャイズとは、対価を支払いフランチャイズ本部からお店の看板をはじめ、サービスやノウハウを利用する権利をもらって経営する仕組みのことです。

フランチャイズであれば経営のコツで解説した細かい差別化要素の準備は必要ありません。すでに繫盛している店舗のノウハウを学んで未経験でも開業しやすいといったメリットがあります。フランチャイズで飲食経営の土台を身に着けてから、自分のオリジナル店舗を開業する道もあわせて検討してみてください。

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念入りに計画して喫茶店経営を成功させよう

脱サラして喫茶店の経営者を目指す人は多いですが、喫茶店やカフェなどは競合も多く廃業率も高い業種です。喫茶店業界のトレンドや法改正などを理解し、事前に対策を練っておくと安心です。

いきなり自分のお店を開業せずに、既存の人気店を活用して経験を積めるフランチャイズでの開業もおすすめです。既存店から飲食経営のノウハウを学んだり、本部から経営サポートを受けたりできるため、未経験者には安心の制度です。

今回紹介した喫茶店開業の失敗例や喫茶店市場の動向、経営を成功させるコツなどを参考に、ぜひ喫茶店の経営を成功させてください。

公開日:2022年09月27日

よくある質問

Q 喫茶店開業を成功させるポイントは何ですか? 回答を見る
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Q 喫茶店は誰でも経営できますか? 回答を見る