セミリタイアで後悔する人の特徴とは?事前にできる対策も紹介
最終更新日:2024年09月20日

セミリタイアとは、本業を早期退職をした上で、不労所得やアルバイトなどである程度の収入を得ながら生活することを言います。
今回は、セミリタイアで後悔する人の特徴と後悔しないための準備対策を解説します。
みんながどんな理由で後悔するのかや、セミリタイアの注意点も紹介するので、セミリタイアに興味のある人は参考にしてみてください。
セミリタイアとは
セミリタイアとは、まとまった貯蓄がある状態で定年退職を前に退職し、不労所得やアルバイトをしながら生計を立てて生活することです。まったく職に就かない「完全リタイア」とは異なり、非定期や短時間といった形で仕事をするのが特徴です。
セミリタイアのメリットは、自由な時間を定年より若いうちから持てるようになること。定年退職後は体力的にも精神的にも疲れやすいものです。60歳・65歳で退職してからでは、思い描いていた理想の日々を過ごすのが難しい状況に陥っている可能性もあります。
体力に余裕のある40代や50代に退職することで、自分の好きなことに時間を使えるようになります。また、仕事でのストレスからも解放されるので、充実した毎日を過ごせるところもメリットです。
セミリタイアをした人が後悔する主な理由
セミリタイアに憧れを抱く人は多いでしょう。しかし、なかには後悔する人も少なくないようです。どのような理由で後悔するのか、一つずつチェックしておきましょう。
生活が苦しい
セミリタイアをするときは、事前にある程度の生活資金を準備しておくものです。しかし、予定外の出費がかさむと、想定よりも早いペースで資金が減り、生活が苦しくなる可能性があります。
例えば、ケガや病気などによって医療費がかかったり、療養期間中に働けなかったりすると資金は大幅に減るでしょう。生活費を抑えるため、生活水準を落とさなければいけません。
特に、余剰資金のない状態でセミリタイアをした人は注意が必要です。再就職するにも好条件の職に就くのは難しいため、余裕のある生活を取り戻すのは苦労します。
社会的信用の低下
定職に就いていないと、ローンを組むときやクレジットカードを作るときに不利です。たとえ、たくさんの資産を築いたうえでセミリタイアをした人でも、正社員という肩書がなければ会社員時代よりも社会的信用度は低くなります。ローンもクレジットカードも利用しにくくなるでしょう。
また、賃貸物件を借りたいときも、社会的信用の低さが不利になる可能性も。日常生活に困らなくても、セミリタイア後に家や車など大きな買い物をしたいときは、信用度の低さを実感するものです。
再就職ができない
「もし失敗しても再就職すれば大丈夫!」と安易に考えている人もいるかもしれません。しかし、セミリタイア後の再就職は難しく、再び正社員として働ける可能性は低いのが実情です。
特別なスキルや知識を持っている人であれば、年齢が多少上でも正社員として雇用してもらえる可能性はあります。とはいえ、セミリタイアした人に対し「すぐに辞めてしまうのでは?」といった不安要素を持つ採用担当者もいるでしょう。年齢が上がるほど再就職は難しくなるので、セミリタイアを決断した時点で、再び正社員として働く希望は捨てるべきです。
移住先に馴染めない
セミリタイアをきっかけに地方に移住する人もいるでしょう。しかし、その土地の独特なルールに馴染めなかったり、地域の人たちと関係性を築けなかったりすると、孤立してしまう恐れがあります。
移住後の暮らしに良いイメージばかり抱いていると、現実とのギャップに後悔してしまいます。移住する際は引っ越し作業や住所変更の手続きなど、さまざまな労力とお金を使うため、たとえ移住先に馴染めなくても簡単に引っ越しとはなりにくいものです。充実した日々を過ごすどころか、孤立した日々に後悔することとなるでしょう。
家族との関係性が悪くなった
セミリタイア後は、生活リズムが大きく変わります。家に居る時間が増えるので、今まで適度に保たれていた夫婦間の距離感が急に近くなります。嫌な部分ばかり目に入るようになれば、衝突することも増えるでしょう。
また、収入に安定性がないことで、お金が原因で対立する可能性は高くなります。特に、子供がいる家庭は教育費の面で不安を感じやすいものです。夫婦間でよく話し合いをせずにセミリタイアしてしまった家庭が陥りやすいケースです。
孤独感が強い
気の合う同僚や仲間に囲まれていた会社員時代に比べると、セミリタイアした後の生活は孤独感を抱きやすいものです。仕事上の人間関係がなくなるので、人とのつながりが薄くなる可能性は高いです。愚痴を吐きながらも頑張っていた会社員時代が恋しくなることもあるでしょう。
また、会社勤めの友人と会ったとき、話が合わずに疎外感を覚えることも。仕事が嫌でセミリタイアしたはずが、強い孤独感から無気力になる危険性すらあります。
セミリタイアで後悔する人の特徴
セミリタイアで後悔する人には、以下のような特徴が見られます。
- 必要な資金を準備できていない
- セミリタイア後の生活をイメージできていない
- 自分の向き・不向きを理解できていない
失敗を招く原因になるので、それぞれチェックしてみてください。
必要な資金を準備できていない
セミリタイアをするためには、まとまった生活資金を準備しておく必要があります。基本的にセミリタイア後は、得られる収入が会社員時代よりも少なくなるので、必要な資金が準備できていない人は生活が苦しくなります。
たとえ、投資やアフィリエイトなどで十分な収益を得られたとしても、継続的に得られるとは限りません。セミリタイア後は病気やケガ、子供の進路など大きな出費がかさむ可能性もあります。ギリギリの資金しか用意できていない人ほど、セミリタイアしたことを後悔するものです。
セミリタイア後の生活をイメージできていない
セミリタイア後の生活は良いことばかりではありません。人とのつながりが薄くなり孤独感を抱いたり、限られた生活資金でやりくりするために生活水準を落としたり、思い描いていたイメージとは異なることが多々あります。
メリットばかりに目が向き、デメリットの部分を把握していない人ほど「こんなはずじゃなかった……」と後悔することでしょう。理想と現実のギャップが大きくならないよう、冷静な判断が必要です。
自分の向き・不向きを理解できていない
セミリタイアは必ずしも自分に向いているとは限りません。なかには、セミリタイアが向いていない人もいるので、自分の向き・不向きを理解せずに行動してしまうと後悔することになります。
そもそもセミリタイアは、自由な時間を持てるようになるところがメリットです。しかし、特に趣味や好きなことなどがない人にとっては、何をしたらよいのか迷ってしまいます。新しい趣味を見つけられればよいですが、夢中になれるものを見つけるのは容易ではありません。時間を持て余した結果、忙しくても仕事をしていたほうが充実していたと後悔するかもしれません。
セミリタイアで後悔しないための準備・注意点
セミリタイアで後悔しやすい人の特徴をつかんだところで、後悔しないための対策を押さえておきましょう。準備しておくべきポイントや注意点は、主に以下の5つです。
- セミリタイア後の収入・支出を計算する
- 計画的に資産形成をしておく
- セミリタイア後の生活についても家族と相談する
- 仕事以外に趣味や生きがいを見つける
- 心身ともに健康を保つ習慣を作る
一つずつ解説するので、セミリタイアを成功させたい人はチェックしてみてください。
1.セミリタイア後の収入・支出を計算する
生活資金はいくら必要なのか事前に計算することが重要です。セミリタイア後の収入・支出を把握しておかないと、資金が足りなくなり生活が苦しくなってしまいます。
総務省の家計調査報告 ―月・四半期・年―|総務省統計局によると、2人以上の世帯の消費支出は1ヵ月あたり289,974円とされています。1年にすると3,479,688円(約350万円)。仮に、50歳でセミリタイアして80歳を寿命とした場合、不労所得やアルバイトなどで1ヵ月に10万円の収入を得られたとしても、(350万円-120万円)×30年=6900万円の生活資金が必要です。
セミリタイアする年齢や家族構成によって必要な生活資金は異なるので、自分なりに収入・支出を計算し、必要な金額をしっかり把握しておきましょう。
2.計画的に資産形成をしておく
生活資金を切り崩しながら生活すると、不安が募り精神的に大きなストレスがかかるものです。資産形成をすることで資金面への不安要素を軽減できます。
セミリタイア後の資産形成には、アルバイトなどによる労働収入をはじめ、株式や投資信託などの金融商品から得られる利益、資産運用による不労所得などがあります。どのような形で収入を得るのか、それぞれのメリットやデメリットまで把握した上で、計画的に資産形成をしておきましょう。
3.セミリタイア後の生活についても家族と相談する
家族持ちであれば、自分だけの考えを押し通すのではなく、家族と今後の生活について考え方を合わせておくことが大切です。セミリタイア後はどのような生活になるのか、自由な時間が増えた分をどのように活かすのか、事前に話し合いで決めておくとよいでしょう。
特に、夫ばかり自由時間が増えて、妻は家事と育児に追われる状況が変わらなければ、夫婦関係は悪化する可能性が高くなります。セミリタイアをきっかけに夫婦関係が悪化することのないよう、しっかり家事や育児に関しても相談しておくべきです。
4.仕事以外に趣味や生きがいを見つける
セミリタイア後は自由に使える時間が増えます。仕事以外に趣味や生きがいがないと、退屈な日々を過ごすこととなり、孤独感を抱いてしまいます。退屈な時間や孤独感を解消するためにも、趣味や生きがいを見つけましょう。
また、地域のイベントに参加するのもおすすめです。交友関係が広がるので孤独感も薄れますし、何か困ったことがあったときは助けてもらえるはずです。地域活性化を目的に、地域の人たちと協力し合って一つのことに取り組むのもよいでしょう。
5.心身ともに健康を保つ習慣を作る
セミリタイアは自由な時間を確保しやすいメリットがある反面、生活リズムが崩れやすいといったデメリットもあります。会社員時代は決まった時間に出社しなければいけないため、朝起きて夜に寝るというリズムが保たれていた人が多いはずです。しかし、セミリタイアは夜更かししても寝坊しても支障がないため、不規則な生活になりがちです。さらに、家で過ごす時間が増えて運動不足が加われば、生活習慣病を招いてしまう恐れもあります。
健康でいるためにも、規則正しい生活を送ること、運動習慣を作ることが重要です。体を壊してしまえば思い描いていた暮らしを実現することができなくなり、医療費ばかりかさむことになります。セミリタイアしたことすら無駄になるので、心身ともに健康を保つ習慣を心がけましょう。
セミリタイアで後悔しないよう計画的に準備しよう
セミリタイアで後悔しないためには、計画的な準備が必要です。生活で苦労しないためにも、「収入や支出はいくらなのか」「生活資金が底をつかないためにどんな資産運用をするのか」しっかり計画を立てておきましょう。
また、セミリタイア後は仕事での人付き合いがなくなるので、孤独を感じる危険性があります。趣味ややりがいを見つけたり、家族との過ごし方を夫婦で話し合ったりするなど、入念に準備しておくことで後悔を防げます。
公開日:2022年10月26日