訪問介護の開業前に必読!立ち上げまでの流れや必要な資金・資格、失敗しないコツなど

最終更新日:2023年07月19日

高齢化が進む現代において、自宅での日常生活を支援する訪問介護はますます重要性を増しており、開業を考える方も多いです。
需要が高まっている一方で、訪問介護の開業にはリスクや課題もあり、失敗するケースも少なくありません。では、そんな訪問介護の開業で成功するためにはどのような準備が必要なのでしょうか。

そこで今回は、訪問介護事業所の立ち上げまでの流れをはじめ、資格や資金などの必要な準備、失敗しやすい原因と解決策などを具体的に解説していきます。訪問介護の開業をお考えの方にとって役立つ情報ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

訪問介護は一人でも開業できる?

訪問介護の開業前に知っておきたいこと

訪問介護の開業は儲かる?気になる年収の目安

訪問介護の開業の流れ

訪問介護の開業に必要な指定基準(開業基準)や資格

訪問介護の開業に必要な資金

訪問介護の開業で失敗しやすい原因と解決策

訪問介護開業の失敗リスクを抑えるならフランチャイズがおすすめ!

訪問介護の開業は事前の十分な確認と対策が重要

訪問介護は一人でも開業できる?

訪問介護は一人でも開業できる?

訪問介護の開業に興味をお持ちの方には、「一人でも開業できる?」と気になっている方が多いようです。
結論から言うと、訪問介護の開業は一人ではできません。

訪問介護は介護保険法に基づくサービスのため、定められた法律や基準に準拠する必要があります。配置人数も定められており、訪問介護の立ち上げには管理者とサービス提供責任者、訪問介護員の3つの役職で最低でも3名は必要だからです。

また、利用者の自宅に訪問してサービスを提供するので、安全管理や対応力などの面でも高いレベルが求められます。そのため、開業する訪問介護の業務内容や利用者数に適した人員の確保が必要になるでしょう。

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訪問介護の開業前に知っておきたいこと

訪問介護の開業前に知っておきたいこと

そもそも訪問介護とはどのようなサービスなのか、ビジネスモデル(仕組み)や将来性など、開業前に知っておきたい情報をまとめました。

訪問介護とは

訪問介護とは、高齢者や障がい者など自宅で自分や家族の力で日常生活を送ることが困難な方(要介護者)に対して、自宅に訪問して日常生活の支援を行うサービスです。

訪問介護のサービスとして提供できるのは、大きく「身体介助」と「生活援助」、「通院時の乗車降車等の介助」の3つに分かれています。具体的な内容は以下の通りです。

種類 概要
身体介護 ・食事や入浴、排泄、清拭(体を拭く)の介助
・衣類の着脱など
生活援助 ・洗濯や掃除、調理、買い物の援助など
通院時の乗車降車等の介助 ・通院時の車両への乗車と乗車の介助
・通院先での移動の介助など

訪問介護のビジネスモデル

訪問介護のビジネスモデル

訪問介護は介護保険法に基づくサービスで、主な収入源は介護給付金(9割)と利用者の自己負担(1割)です。

訪問介護のサービス料金(介護報酬)は国が定めた単位が基準になり、下記の計算で算出できます。

  • サービスごとの単位 × 1単位の単価

【訪問介護費の単位】

種類 提供時間 単位
身体介護 20分未満 167単位
20分以上30分未満 250単位
30分以上1時間未満 396単位
1時間以上 579単位(30分を増すごとに+84単位)
生活援助 20分以上45分未満 183単位
45分以上 225単位
通院等乗降介助 1回につき 99単位

1単位の単価は「10円」が基本となっており、サービス別の人件費割合(45%・55%・75%)や地域区分の上乗せ割合(0~20%)によって計算され、2021年4月からは10〜11.40円の範囲で設定されています。

(例)20分未満の身体介護(排泄介助や体位交換、服薬など)を週5回(合計20回)提供した場合の1ヵ月の売り上げ
※1単位10円と仮定

167単位 × 10円 = 1,670円
1,670円 × 20回 = 33,400円

売り上げの9割を占める介護給付金は国から支給されるので、未払いリスクがないという大きなメリットがあります。一方で、利用料金を自由に変えることができないため、利用者が少ないと売り上げは低下し、経営の継続が難しくなる可能性があることも忘れてはいけません。

参照:介護報酬の算定構造 | 厚生労働省

訪問介護の将来性

訪問介護の将来性

高齢化の進行や介護保険制度の改正、介護職員の不足などの背景から、訪問介護事業所の需要は今後も高まると予測されています。
また、近年では新型コロナウイルスの影響もあり、高齢者の外出自粛や施設利用の制限によって、在宅介護の需要が一層高まる結果となりました。

内閣府発表の「令和4年版高齢社会白書」では、2021年10月1日時点の総人口1億2,550万人に対し65歳以上人口は3,621万人。高齢化率は28.9%であることが分かっており、2065年には約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上になるとも言われています。

高齢化に伴い介護を必要とする高齢者の数も増えていますが、プロフェッショナル・ケア・インターナショナル(PCI)の調査によると訪問介護事業所の数はまだまだ不足しており、2040年には3,000以上の事業所数が不足すると予想されていることからも、需要拡大は必至です。

一方で、訪問介護の需要拡大により介護業界に参入する企業や個人も増えており、競合が激化しているのも事実。そんな介護業界で成功するには、差別化したサービスの提供や人材確保・育成などに注力する必要があると言えるでしょう。

参照:令和4年版高齢社会白書 | 内閣府

参照:【完全版】訪問介護(ヘルパーステーション)の開業・立ち上げ方を徹底解説 | 介護経営ラボ
※「訪問介護事業所不足数推移」をもとに比較ネットが作成

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訪問介護の開業は儲かる?気になる年収の目安

訪問介護の開業は儲かる?気になる年収の目安

需要が高まっているとは言え、実際に訪問介護事業所を開業した場合、しっかり儲けることはできるのか、どのくらいの収入が得られるのか不安な方も多いことでしょう。

厚生労働省の「令和4年度介護事業経営概況調査」によると、2021年度決算分の訪問介護の1ヵ月あたりの平均収入は303.3万円ということが分かっており、年収で計算すると約3,640万円にもなります。収支差率は6.1%と黒字であることからも、訪問介護の開業は儲けやすいビジネスであると言えます。

項目 詳細
訪問介護事業所の1ヵ月あたりの平均収入 303.3万円
訪問介護事業所の1ヵ月あたりの平均支出 282.8万円
収支差率 6.1%
訪問介護員常勤換算1人当たり訪問回数 119.6回

また、前年の2020年度が294.5万円、2019年度が264.5万円と訪問介護事業所の収入額は年々増えており、今後の需要の高まりも考えると大きく稼げるチャンスがあると言えるでしょう。

参照:令和4年度介護事業経営概況調査の概要 | 厚生労働省

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訪問介護の開業の流れ

訪問介護の開業の流れ

ではどのように訪問介護の開業準備を進めていけば良いのか、流れを紹介します。

1.調査や事業計画書の作成などの事前準備

訪問介護を開業するには、まずはじめに調査や事業計画書の作成といった事前準備が必要です。

事前に市場調査や競合分析を行い、開業するエリアでの需要や訪問介護事業所のコンセプト、サービス内容などを決定していきます。

また、訪問介護の開業から経営を具体的に数値化した事業計画書を作成することも大事な準備です。融資を受ける際に必要な書類になりますが、事業計画書を作成することによって自身が提供する訪問介護サービスの特徴や強みが明確になり、マーケティング戦略も立てやすくなります。

2.法人格の取得

訪問介護を開業するには、法人格を取得する必要があります。
法人格は主に、株式会社や合同会社、医療法人の「営利法人」とNPO法人や社会福祉法人、一般社団法人といった「非営利法人」に分かれており、それぞれ下記のような特徴やメリット・デメリットが挙げられます。

法人の種類 特徴 メリット デメリット
株式会社 ・営利目的の会社形態
・発行した株式で資金を集めて経営を行う会社
・出資してもらった金額に応じて利益を分配する必要がある
信頼度が高め 設立費用が高い
合同会社 ・営利目的の会社形態
・出資者も経営を行う会社
・利益の分配も自由に決めることができ、株式会社より設立しやすい
設立費用が安く、倒産してもリスクが低い 信頼度が薄め
医療法人 ・営利目的の会社形態
・病院または医師が常勤する診療所、介護老人保健施設または介護医療院の開設を目的とした会社
・設立には都道府県知事の認可や登記が必要
社会的信用が高い 法人化に伴う管理業務が膨大
NPO ・非営利の会社形態
・収益の分配を目的としない、社会貢献活動を行う会社
寄付金に課税されない 設立のための書類が膨大で必要役員数も多い
社会福祉法人 ・非営利の会社形態
・社会福祉事業を行うことを目的とした会社
・知事や市長の認可、管轄法務局での設立登記の申請が必要
補助金や税金の優遇がある 基本的に設立が難しい
一般社団法人 ・非営利の会社形態
・人の集まりや団体に法人格が与えられたもので、法務局への登記のみで設立可能
社会的信用が高い 利益が出ても社員に分配できない

厚生労働書の「令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、訪問介護事業所を開業した法人格は、営利法人(会社)が70.3%と最多で、社会福祉法人15.7%、医療法人5.4%と続く結果に。上記の特徴やメリット・デメリットだけでなく、こういったデータも参考にして検討する方法もおすすめです。

参照:令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況 | 厚生労働省

3.物件や設備などの準備

利用者の自宅でサービスを提供する訪問介護には物件は不要と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、訪問介護の開業には「事務室」が必須なので、物件や設備などの準備も発生します。

後ほど詳しく紹介しますが、事務室のほかに相談室や手洗い場などが必要です。また、利用者の自宅と事務所を移動するための自転車・バイク・車を停める駐輪・駐車場のある(または近くにある)物件を探す必要があるでしょう。

4.人員の確保

人員の確保も訪問介護の開業に欠かせない準備です。

こちらも詳細は後述しますが、訪問介護には「人員基準」というものが定められており、管理者とサービス提供責任者、訪問介護員の3つの役職の人数が最低でも3名は必要になります。これらの役職には資格要件があり、介護福祉士などの資格保有者を確保しなければいけません。

また、訪問介護は利用者と直に接する仕事なので、どんな人とも上手く接することができるコミュニケーション能力や臨機応変に対応できる力などが求められます。資格保有者というだけでなく、訪問介護に適した人材であるかという点にも注意して採用を進めることが大事です。

5.指定申請

訪問介護を開業するには、厚生労働省から訪問介護事業者としての指定を受けなければいけません。指定を受けることで介護保険制度が適用され、利用者からの支払いを受けることができます。

訪問介護の指定申請には以下のような書類を都道府県や市区町村に提出し、審査を受ける必要があります。

  • 訪問介護事業の認定申請書
  • 登記簿謄本
  • 決算書や貸借対照表、事業計画書
  • 従業員の雇用契約書や履歴書、資格証の写し
  • 訪問介護事業所の図面や写真
  • 運営規定
  • 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
  • 誓約書及び誓約書別紙
  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書

指定申請はこれらの書類の提出だけでなく、面談や施設見学などの審査も行われます。審査を通ると、6年間は指定事業者としてサービスを提供することが可能です。(以降、6年ごとに更新申請が必要)
介護申請から指定が下りるまでには時間がかかる場合があるので、訪問介護事業所の開業予定日から余裕を持って準備を進めるように心がけましょう。

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訪問介護の開業に必要な指定基準(開業基準)や資格

訪問介護の開業に必要な指定基準(開業基準)や資格

訪問介護事業所として指定を受けるためには、「人員基準」「設備基準」「運営基準」の3つの基準を満たすことが必要です。
それぞれ詳しく解説します。

人員基準

利用者一人ひとりに合わせたサービス提供が必要な訪問介護には適正な人員配置が必要で、厚生労働省により「人員基準」として定められています。
訪問介護事業所の立ち上げに必要な人員と資格要件は、以下の通りです。

役職 配置基準 資格要件
管理者 常勤で1名以上 なし
サービス提供責任者 常勤で1名以上
※管理者と兼務が可能
・介護福祉士
・介護福祉士実務者研修
・旧介護職員基礎研修修了者
旧1級課程修了者
・3年以上介護等の業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者
訪問介護員 常勤換算方法で2.5名以上 ・介護福祉士
・介護福祉士実務者研修
・旧介護職員基礎研修修了者
・旧訪問介護員1級家庭修了者
・旧2級課程修了者
・介護職員初任者研修課程修了者

設備基準

訪問介護に必要な設備や備品についても「設備基準」として定められており、厚生労働省が公表している「訪問介護の報酬・基準について」で以下のように記載されています。

・事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画(利用申込の受付、相談等に対応できるもの)を有していること
・訪問介護の提供に必要な設備及び備品を備え付けていること

具体的には、以下のような設備・備品が挙げられます。

  • 事務室
  • 面談室
  • 机・椅子
  • 電話
  • パソコン
  • FAX
  • 手洗い設備(洗面台や石鹸、消毒液、ペーパータオルなど)

ほかにも、訪問先への移動や通勤で使用する自転車・バイク・自動車の駐輪・駐車場の確保も必要になるでしょう。

出典:訪問介護の報酬・基準について | 厚生労働省

運営基準

訪問介護事業者は、「運営基準」に従って経営しなければなりません。厚生労働省によって定められている運営基準の例をご紹介します。

  • サービス内容・手続きの説明、および同意
  • サービスの提供拒否の禁止
  • サービス提供困難時の対応
  • 受給資格等の確認
  • 身分を証する書類の携行
  • サービスの提供の記録
  • 利用料等の受領方法
  • 訪問介護計画書の作成
  • 緊急時等の対応
  • 介護等の総合的な提供
  • 衛生管理等

以上、「人員基準」「設備基準」「運営基準」を満たした上で訪問介護の指定申請を行う必要があるので、申請前に十分に確認し、準備に取り組むようにしましょう。

参照:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 | 厚生労働省

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訪問介護の開業に必要な資金

訪問介護の開業に必要な資金

訪問介護の開業にはいくらくらい資金がかかるのでしょうか。開業資金(初期費用)と運営資金に分けてご紹介し、資金の調達方法までお伝えします。

開業資金(初期費用)の目安

訪問介護を開業するために必要な開業資金(初期費用)は、事業所を開業する地域や規模などによっても異なりますが、500万円程度で開業できると言われています。開業資金の主な内訳は、法人設立費や指定申請費、物件取得費、設備・備品費、人件費、車両費、広告宣伝費です。

項目 金額
法人設立費 約10~30万円
指定申請費 約3万円
物件取得費 約50万円
設備・備品費 約20万円
人件費 約200~300万円
車両費 約100万円
広告宣伝費 約50万円

自宅で開業するのか、所有している車を使用するのかなど、開業時の状況によっても変動します。開業資金のなかで特に気をつけておきたいのは、人件費です。介護報酬の売り上げが入ってくるのが2ヵ月後なので、人件費は余裕を持って準備しておくことをおすすめします。

運営資金の目安

訪問介護には、開業資金だけでなく日々の経費、いわゆる運営資金も必要です。
具体的には、以下のような費用がかかります。

  • 家賃
  • 人件費
  • 光熱費
  • 通信費
  • 車両費(車両の維持費・ガソリン代・自動車税・自動車保険料など)
  • 広告費
  • 消耗品費
  • その他(税金・金融機関の手数料・法律相談など)

開業した訪問介護事業所の規模や営業日数などさまざまな条件によって金額が異なるので、毎月どのくらいの経費がかかるのかをしっかりと把握し、売り上げが入ってくるまでの期間も考慮して2ヵ月分以上の運営資金を準備しておくと安心です。

開業資金の調達方法(融資や助成金など)

訪問介護の開業資金は、自己資金のほかに融資や助成金・補助金などを活用することも可能です。具体的には、メガバンク・地方銀行・信用金庫からの融資、国・自治体が提供する助成金・補助金が挙げられます。

銀行からの融資を受ける場合は、事業計画書などの資料を作成して提出することが必要です。融資の利率や返済期間、返済方法などは金融機関によって異なるので、複数の金融機関の条件を比較検討し、最適な融資先を選びましょう。

ただし、銀行からの融資は実績が重視される傾向にあるため、初めて訪問介護事業所を立ち上げるという場合には審査が通りにくい可能性もあります。政府系の金融機関である日本政策金融公庫であれば比較的審査ハードルが低く、無担保・無利子での融資も可能な場合があるのでぜひ検討してみてください。

また、訪問介護で活用できる助成金・補助金は以下の通りです。

助成金・補助金名 概要
人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース) ・介護事業主が介護福祉機器の導入などにより離職率の低下に取り組み、目標達成した場合に助成される
・対象機器:移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む。)/装着型移乗介助機器/体位変換支援機器/特殊浴槽
・上限150万円
トライアル雇用奨励金 ・職業経験や技能、知識などから安定的な就職が困難な求職者を一定期間試行雇用した場合に助成される
・対象者1人につき月額4万円

助成金の条件や金額、申請期限などは助成金を提供する機関によって異なるので、事前に確認しておくことが必要です。

参照:人材確保等支援助成金のご案内 | 厚生労働省
参照:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース) | 厚生労働省

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訪問介護の開業で失敗しやすい原因と解決策

訪問介護の開業で失敗しやすい原因と解決策

需要の高い訪問介護の開業は参入者が多い業種ですが、その一方で失敗するケースがあるのも事実。訪問介護の開業で失敗しやすい原因として、「開業資金不足」「人材不足」「集客力・営業力不足」が挙げられます。
そこでこちらでは、それぞれの原因について詳しく解説し、解決策について考えていきます。

開業資金不足

訪問介護の開業には、法人設立費をはじめ、指定申請費や物件取得費、設備・備品費などさまざまな資金が必要です。500万円程度で開業できるとお伝えしましたが、訪問介護事業所の開業エリアや規模などによっては数千万円かかるケースもあります。

また、異業種から訪問介護事業所を立ち上げた場合、採用や営業活動に苦戦する方も多く、採用や新規利用者獲得のための広告費が膨れ上がってしまうことも珍しくありません。

その結果、開業資金が想定よりかかってしまい、開業後の資金繰りがうまくできずに経営を続けていくことが困難になってしまうのです。

訪問介護における開業資金不足を防ぐには、先ほどご紹介した銀行や信用金庫からの融資、国や自治体が提供している助成金・補助金の活用が挙げられます。不特定多数の人から資金調達するクラウドファンディングといった方法もあるので、自身の事業所に合った資金調達方法を選んで、資金不足に陥らないよう対策しましょう。

人材不足

訪問介護の開業でよくある失敗として、人材不足も挙げられます。

人手不足は介護業界全体が抱える長年の悩みで、特に資格保有者の確保が難しいのが現実です。また、退職率が高い業界でもあるので、採用できたとしても長続きしない可能性があります。

低収入や重労働といったイメージが強いことが大きな要因として考えられるため、働きたいと思えるような給与・勤務条件を設定したり、福利厚生を充実させたりする必要があるでしょう。また、採用した従業員に長く働いてもらえるよう、働きやすい環境づくりも重要です。採用時に適性検査をしたり、採用後も定期的に研修を行ったりすることも有効だと言えます。

集客力・営業力不足

開業資金や人手不足だけでなく、集客力や営業力不足で訪問介護の開業に失敗するケースも少なくありません。年々需要が高まっている訪問介護ビジネスは新規事業者も多く競争が激しくなっているので、集客力・営業力不足は事業の存続にも関わる重要な課題だと言えます。

開業した訪問介護事業所の存在を知ってもらい、利用してもらうためには積極的かつ効果的な集客が必要です。また、訪問介護事業所と利用者はケアマネージャーがつなげてくれるので、ケアマネージャーとの良好な関係構築も忘れてはいけません。こまめに営業を行ったり、内覧会を実施したりするなどして、利用者獲得に努めましょう。

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介護業界で開業した経験者の話を参考にするのもおすすめ

訪問介護の開業に失敗しないためには、介護業界で実際に独立開業した経験者の話を聞いてみるのもおすすめです。
失敗を防ぎ、成功させるためのヒントが見つかるでしょう。

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訪問介護開業の失敗リスクを抑えるならフランチャイズがおすすめ!

訪問介護開業の失敗リスクは、ノウハウやサポートを受けながら始められるフランチャイズに加盟する方法もおすすめです。
最後に、おすすめのフランチャイズ本部をご紹介します。

土屋訪問介護事業所

『土屋訪問介護事業所』は、障がい者介護を対象にした訪問介護ビジネスを展開するフランチャイズ本部です。

一定の売り上げに満たない場合には本部から補填してもらえる売上保障・補填制度をはじめ、10人までの求人費用を本部が負担するなど、手厚いサポートを受けることができます。開業半年で月売上600万円、1年で月売上800万円など実績も確かです。

カイポケ開業支援

『カイポケ開業支援』は、訪問介護事業所の開業や業務円滑化をサポートするフランチャイズ本部です。

複雑かつ難しい訪問介護事業所の開設を、法人設立から資金調達までしっかりサポート。人材紹介や受電率93%のカスタマーサポートセンターなど、訪問介護事業所のオーナーを徹底的に支援します。

フレアス在宅マッサージ

『フレアス在宅マッサージ』は、20年以上の実績と80店舗以上の直営店を持つ在宅マッサージ事業を手掛けるフランチャイズ本部です。病気やケガなどで自宅療養している高齢者の方などの自宅に訪問してサービスを提供する訪問介護に似たビジネスで、高齢化によって年々需要が高まっています。

仕入れや在庫がほとんどなく、開業場所を選ばないので低資金での開業が可能。資格保有者は本部が紹介してくれるので、オーナーが業界未経験者で資格を持っていなくても始められます。

気になる方は、ぜひセミナー(説明会)へ!

フランチャイズに加盟して訪問介護を開業したいという方は、ぜひ一度セミナー(説明会)へ参加してみてください。
フランチャイズ本部の強みやサポート内容、先輩オーナーの体験談など、さらに詳しい情報を得ることができます。

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訪問介護の開業は事前の十分な確認と対策が重要

訪問介護の開業は高齢化が進行し続けていることから今後も需要拡大が期待される一方で、開業するためには定められた基準を満たす必要があることや、資金・人材、集客・営業力などの課題があることもお分かりいただけたかと思います。
曖昧な知識や計画で進めていくと、失敗する可能性が高まってしまうため、訪問介護の開業に必要な準備や気をつけるべきことを十分に確認し、計画的に進めていくことが重要だと言えるでしょう。

資金不足には、融資や助成金・補助金、クラウドファンディングなどを活用することや、必要な開業・運営資金をしっかり把握して計画的に資金調達することが大事です。人材不足は、求人サイトなどで効率的に募集を行うだけでなく、給与面や職場環境の整備も必要になってきます。集客力・営業力不足には、利用者との架け橋となるケアマネージャーとの良好な関係構築に努めるほかに、SNSを活用したプロモーションなども積極的に取り組んでいきたいところです。

このような、訪問介護の開業で失敗しやすい原因と解決策を事前に把握しておくだけでも、失敗のリスクを軽減することができます。また、成功ノウハウが確立されており、本部のサポートを受けて開業・経営ができる訪問介護のフランチャイズに加盟するのも失敗リスクの軽減に有効です。訪問介護の開業に少しでも不安がある方は、ぜひ検討してみてください。

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訪問介護の開業に関する記事

公開日:2023年05月02日

よくある質問

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