美容室の開業準備の決定版!開業の流れや資金・資格など必要なものまとめ
最終更新日:2023年07月10日

美容に興味があり「美容室を経営してみたい」、またはこれまで美容師として働いてきて「そろそろ自分のお店を持ちたい」とお考えの方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで今回は、美容室(美容院)の開業に必要な準備を徹底的にまとめました。ほかにも、資金の内訳や必要な資格など、美容室の開業前に知っておきたい情報を解説しています。
独立開業が初めてでも安心のおすすめのフランチャイズも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
美容室は1人でも・自己資金ゼロでも開業できる!
美容室(美容院)を開業したくても、「1人じゃ無理だろうな…」「資金ゼロだから開業なんて…」と思っている方がいらっしゃると思いますが、実は1人でも、資金ゼロでも開業できます。
オーナーが美容師の資格を持っていて、小規模な店舗であれば1人でも営業可能です。開業・運営資金を抑えられる、プライベートとの両立がしやすい、人間関係に悩まされないなどのメリットから1人で美容室を開業する方も増えています。
また、美容室はシェアサロンや面貸しなど、施術のためのスペース・設備を借りて営業する方法を選択することで、開業資金ゼロで始めるのも不可能ではありません。ただし、融資を受けたい場合や急な支出が発生した場合などを考えると、資金は少しでもあった方が安心でしょう。
美容室の開業に必要な準備4選
まずは美容室(美容院)の開業に必要な、主な準備を4つ紹介します。
美容室の開業準備 1.店舗や機材・設備
美容室(美容院)の開業には、まず店舗や機材・設備の準備が必要です。
主な選択肢としては新規で店舗をつくるか、既存の物件を借りるかの2つが挙げられますが、ほかにも自宅を店舗として利用したり、スペースや設備をレンタルして営業したりする方法もあり、どの方法を選ぶかによって準備すべきものも異なります。
新規の場合は、物件取得と内外装工事、機材・設備の導入など、店舗に関係するもの全てを一から準備する必要があります。店舗の立地や規模、工事・設備導入の程度などによって費用も変わります。
既存の物件を借りる場合は新規でつくるより費用負担は少なくなりますが、ある程度設備が整った居抜き物件を活用することで、内外装工事や機材・設備の導入が比較的小規模で済みます。
また、美容室は専用のイスやパーマ台など、機材・設備の価格が高いのが特徴です。
カット専門の店舗であれば小スペースなうえに機材・設備も最小限にできるので、費用を抑えることができます。
施術スペースや機材・設備、備品をレンタルで利用できる「シェアサロン」や「面貸し」を利用すると初期費用をかけずに開業可能です。自己資金が少ない方や固定客が増えるまで低コストで運営したい方は検討してみるのも良いでしょう。
フランチャイズの場合、美容室の物件開発からサポートを行ってくれる本部もあるので、初めての独立や他業種からの参入も安心です。
美容室の開業準備 2.スタッフの採用・教育
小規模の美容室(美容院)でオーナー1人経営の場合は不要ですが、ある程度規模の大きい美容室を開業する場合やオーナーが経営に専念したい場合などには、従業員の採用・教育が必要になります。
美容師としての技術力や接客力はもちろん、雇用後の目標や希望も聞いておくことでオーナーの経営方針などとのズレをなくし、早期離職防止にもつながります。
オーナー1人で全てを対応するのは負担が大きく感じるかもしれませんが、フランチャイズの場合は本部の採用支援や研修制度を活用しながら採用・教育を進めることができるので安心です。
美容室の開業準備 3.必要な資格と免許・届出
美容室(美容院)の開業に必要な資格・免許は、オーナーが美容師または経営者のどちらなのかによって異なります。
オーナーが美容師の場合、国家資格である「美容師免許」が必要です。もともと美容師として働いていた方であればすでに持っていると思いますが、これから取得するという場合には厚生労働省が指定する養成施設に通い、学科と実技試験に合格する必要があります。昼間課程や夜間課程、通信課程など種類があり、それぞれ就学年数が異なるので注意が必要です。
また、店舗内に2人以上の美容師が在籍する場合には、「管理美容師免許」の取得が必須となります。美容師免許を取得後、理美容関係の業務に3年以上従事し、都道府県知事が指定する講習会を受けることで取得できます。
一方、オーナーが経営者として開業する場合、特別な資格は不要です。
美容師免許を保有している従業員を雇うことで開業できますが、2人以上の美容師が在籍する場合は先述した管理美容師免許を持つ従業員の雇用が必要になります。
また、美容室を開業するにあたっては保健所への「美容所開設届」の提出も必要になります。開設届けの提出後、美容室内の設備が届出通りに準備できているかを確認するために保健所の立入検査が行われるので、開業が決まったら早めに準備を始めるよう心がけましょう。
美容室の開業準備 4.資金
美容室を開業するには、基本的に資金の準備も必要です。
ここでは美容室の開業に必要な費用を初期費用と運営資金に分けて紹介します。
美容室開業の初期費用(開業資金)
美容室(美容院)の開業に必要な初期費用は、約1,400万円です。
この費用は、20坪ほどの店舗と仮定した金額で、あくまで目安の一つとして参考にしてください。
<初期費用の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 270万円 |
内装工事費 | 800万円 |
機材・設備費 | 300万円 |
薬剤・備品費 | 60万円 |
合計 | 1,430万円 |
主な費用として、物件取得費や内装工事費、機材・設備費、薬剤・備品費などが挙げられ、店舗の立地や規模などによって変動します。
特に新規で店舗を取得する場合、壁紙や床の張り替えや電気・水道・ガスなどの設備工事が発生するため、内装工事費が高くなる傾向にあります。居抜き物件を活用することで工事が必要な箇所が減るので、費用を抑えられます。
また、美容室の開業にはイスや鏡、シャンプー台など専門の機材・設備が必要です。中古または新品のどちらを選ぶのかによって必要な費用が変わります。また、シャンプーやトリートメント、カラー剤、ドライヤーなどの薬剤・備品費などの準備も必要です。
美容室をフランチャイズで開業する場合には、上記の費用以外に加盟金や保証金、研修費など本部への支払いが発生します。本部によってさまざまですが、加盟金と運営資金のみで始められる独立支援特化型のプランを提供するなど、初期費用を抑えた開業が可能なところもあります。
美容室開業の運営資金
美容室(美容院)の開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約170万円です。
売上が月間200万円ほどの店舗と仮定し、各項目を計算しています。
<運営資金の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 100万円 |
賃貸料 | 20万円 |
水道光熱費 | 10万円 |
薬剤・備品費 | 20万円 |
広告宣伝費 | 20万円 |
合計 | 170万円 |
主な費用として、人件費や賃貸料、水道光熱費、薬剤・備品費、広告宣伝費などが挙げられ、店舗の規模や仕入れなどによって変動します。
美容室における人件費は、1ヵ月あたり売上の40~50%が目安です。小規模の店舗でオーナー1人で営業する場合は人件費を抑えることができます。
賃貸料の目安は1ヵ月あたり5~10%程度で、店舗の立地や規模によって変動します。また、水道光熱費も1ヵ月あたり売上の5%くらい必要です。
薬剤・備品費は1ヵ月あたり売上の約10%かかり、仕入れの内容や頻度によって大きく変わります。定期的に大量に購入すると安く仕入れられるケースもあるため、できるだけコストを抑えられるような工夫を心がけましょう。
また、ここでの薬剤や備品をこだわることで他店舗との差別化もできます。
トリートメントに力を入れたい、カラーの仕上がりに力を入れたいなどコンセプトに合わせて上手くやりくりして仕入れをしましょう。
また、チラシの配布や広告掲載などによる集客が必要なため、広告宣伝費も必要です。使用する媒体や頻度などにもよりますが、1ヵ月あたり売上の5~10%くらいかかると考えておくと良いでしょう。
フランチャイズの場合はロイヤリティや機材リースなど、本部への支払いが発生します。ロイヤリティに関しては、固定制や売上変動制など本部によって異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
資金調達をするかどうか
1,000~2,000万円の開業資金がかかると言われている美容室(美容院)の開業では、借入によって資金を調達する方も多いです。
主に、民間銀行や日本政策金融公庫、自治体が提供する融資制度を利用する方法が挙げられます。
民間銀行の場合、過去の実績や事業の将来性、返済の見通しなど審査基準が厳しめなため、個人で一から開業する場合は融資を受けることはなかなか難しいです。
一方、日本政策金融公庫の場合、創業者向けの新創業融資制度を利用すると創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っていれば融資を受けられる可能性があります。また、銀行より金利が低めで融資スピードも速いというのも嬉しいポイントです。
自治体の融資制度もハードルが低めですが、受給できるまでに時間がかかるケースもあるので利用する際は注意しましょう。
店舗の規模などや現在の状況などによって異なりますが、美容室の場合は開業資金に対して50~70%程度の借入で考えておくと良さそうです。
美容室は儲かる?開業後の売上と収入の目安
一から店舗を準備する場合、数千万円の資金が必要な美容室(美容院)ですが、果たして儲かるビジネスなのでしょうか。
美容室の売上・収入は、店舗の規模や客数、営業日数などが大きく影響します。
世界のトップブランド『mod's hair』のフランチャイズを例に挙げると、30坪程度の店舗で1ヵ月あたりの売上は約450万円。店舗営業利益は約67万円です。関東・中部・関西エリアを中心に展開する美容室フランチャイズ本部『イレブンカット』の場合は、25坪程度の店舗で1ヵ月あたり約400万円が売上の目安となっています。
また、個人経営の美容室を例に挙げると、オーナー1人での運営で月25日稼働(労働時間は約10時間)、客単価8,000円で月の総客数が130人くらいの場合、約110万円の売上を出しています。経費35万円を引いて、収入(利益)は65万円。年収にすると780万円という計算になります。
美容室開業の具体的な流れ8ステップ
それでは準備が完了したら具体的にどう美容室(美容院)を開業すれば良いのか、以下の手順にそって解説していきます。
1. 開業の方法を決めよう
2. コンセプト決めと事業計画策定をしよう
3. 美容室の開業場所を選ぼう
4. 資金を調達しよう
5. 店舗の工事や機材・設備導入を完了させよう
6. 必要に応じて人材の採用・育成をしよう
7. 集客をしよう
8. 必要な手続き・届出を完了させよう
1.開業方法を決めよう
まずは開業の方法を決めましょう。
美容室(美容院)は個人で開業するのか、フランチャイズに加盟するかの2種類に分かれます。
個人で開業する場合は自由度が非常に高く、自分の理想の美容室をつくりやすいことが最大のメリット。その反面、全て1人で準備しなければいけないので負担が大きくなってしまいがちであることがデメリットとして挙げられます。
フランチャイズの場合は基本的には店舗名やメニュー、価格などがある程度決められており、個人で開業するより自由度が低め。加盟金・ロイヤリティなどの支払いも発生しますが、本部の知名度やノウハウ、サポートを提供してもらえるので、独立開業が初めてで不安が多い場合はフランチャイズを検討してみるのもおすすめです。
フランチャイズへ加盟するには審査に通らないといけないので、その審査結果が分かってから次のステップに進みましょう。
また、美容室の開業はどのようなスタイルで開業するのかまで決める必要があります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
店舗を新たに建てて開業する | ・立地や規模、内外装を自由に決められる | ・費用が高額になる ・開業までに時間がかかる |
物件を借りて開業する | ・居抜き物件の活用で開業資金を抑えられる | ・立地や規模によっては毎月の賃料が負担になることも |
自宅で開業する | ・開業資金を抑えられる ・自由な働き方がしやすい |
・自宅を常に綺麗に保つ必要がある ・集客が難しめ |
シェアサロンや面貸しを利用してで開業する | ・店舗や機材、設備導入の費用をかけずに開業できる ・月々の支払いはレンタル料と薬剤費のみ |
・店舗や機材、設備にこだわれない ・自分で集客する必要がある |
それぞれのメリット・デメリットを理解してから、自分にぴったりの開業方法を見つけてください。
2.コンセプト決めと事業計画策定をしよう
開業準備を進めるにあたって、次はコンセプト決めと事業計画策定が必要です。
コンセプト決めでは、
- どのような客層をターゲットにした美容室にするか
- ターゲットに沿った価格
- 価格に合わせた事業計画
を決めていきましょう。
事業計画では具体的に開業全てにいくらお金がかかり、月の売り上げと利益・経費はどれくらいの予定なのかの計画を立てます。
この事業計画により、人件費や広告宣伝にどれくらいお金をかけれるかも分かってくるので必ず立てておきましょう。
3.美容室の開業場所を選ぼう
次に美容室(美容院)の場所を決めていきましょう。
場所を決めると家賃も細かい金額まで分かるようになるので、早めに決めておいた方が良いです。
最初に決めたコンセプトとともに、自分の美容室が繁盛しやすいエリアを選ぶのが肝となります。
また、フランチャイズの場合はエリアを提案してもらえたり、売れやすい場所のアドバイスももらえることがあるので、しっかりと本部の話は聞いておきましょう。
4.資金を調達しよう
店舗の場所も決めて、大体の家賃が分かったら資金調達も可能になります。
事業計画と合わせて資料にし、銀行や自治体などに資金を調達できるか確認しにいきましょう。
5.店舗の工事や機材・設備導入を完了させよう
店舗と資金が用意できたら、店舗の工事や機材・設備導入を完了させましょう。
設計会社を手配し、店舗の内外装のコンセプトや必要な機材・設備などをしっかり伝えます。こだわり過ぎると費用が高額になってしまうので、調達できる資金内で具体的な予算を決めてから進めていくと安心です。
業者とのトラブルが発生するケースも少なくないので、複数の業者を十分に比較検討したうえで依頼することをおすすめします。
6.必要に応じて人材の採用・教育をしよう
オーナー1人で美容室を開業する際は不要ですが、店舗の規模が大きい、オーナーが経営に専念したい場合には人材の採用・教育が必要です。
求人広告への掲載や人材紹介会社からの紹介が一般的ですが、多くの応募が期待できる一方で費用がかかります。知り合いの紹介や理美容系の専門学校への営業など費用を抑えた求人も試してみると良いでしょう。
人材の採用ができたら、施術や接客などの教育をしてから店舗で働いてもらいます。
7.集客をしよう
ある程度、美容室開業の準備が整ったら、集客の準備にとりかかりましょう。
チラシやDM作成をはじめ、ホームページやSNSの開設など集客媒体はたくさんあります。近年はTwitterやInstagramなどでの宣伝効果も期待できるので、できるだけ費用を抑えて集客したい場合には積極的に使ってみましょう。
8.必要な手続き・届出を完了させよう
最後に、美容室の開業に必要な手続きや届出を完了させます。
先ほど「必要な資格と免許・届出」で紹介した
- 美容師免許
- 管理美容師免許
- 美容所開設
のほかにも、個人事業主として開業するために「開業届」、確定申告の際に青色申告(※)をするための「青色申告承認申請書」を税務署に提出するなど、人によって必要な手続き・届出が異なるので漏れのないよう完了させましょう。
また、美容室の開業後には、カラー剤でお客様の洋服を汚してしまった、カット中にケガをさせてしまったなどお客様との間でトラブルが発生する可能性もあります。万が一に備えて、「賠償保険」に加入することも検討してみてください。
(※)…所得税の特別控除を受けられる確定申告の一種
美容室の開業前に知っておくべき知識
ここでは、美容室(美容院)を開業する前に知っておくべき美容室のサービス内容や開業のメリット・デメリット、成功・失敗のポイントについて解説していきます。
美容室は廃業率高め?業界の現状と主な廃業原因
厚生労働省が2022年4月に発表した「衛生行政報告例」によると、日本全国における2020年の美容室(美容院)の店舗数は257,890軒。前年と比べると3,468軒(1.4%)増加しており、年次推移からも美容室の店舗数は年々増加傾向にあることが分かっています。
また、東京商工リサーチによると2020年度上半期(4~9月)の美容室倒産数は37件。前年同期比5.1%減少となりましたが、長引くコロナ禍や夏場の感染拡大の影響もあり、9月単体で見ると前年より4倍に増える結果となりました。
これらのことからも、毎年多くの人が美容室を開業している一方で、廃業してしまう美容室もたくさんあることが分かります。
では、なぜ潰れてしまうのか。
廃業理由として多いのが、「資金力不足」や「経営ノウハウ不足」です。
美容室は、免許を持っていれば1人でも始められるビジネス。開業ハードルが低めであるがゆえに、同業他社との競合が起こりやすいビジネスでもあります。
資金力が弱い小規模事業者の開業も多く、長期化するコロナ禍によって販売不振や赤字経営が続き、廃業に追い込まれてしまうケースが多いようです。競合との差別化がうまく図れない、経営を安定させるための方法が分からないなど、美容室経営に必要なノウハウが不足していることも廃業につながってしまうので十分に準備をしたうえでの開業が大事だと言えます。
参照:令和2年度衛生行政報告例の概況 | 厚生労働省
※「生活衛生関係施設数の年次推移」をもとに比較ネットが作成
出典:長引くコロナ禍で苦境の美容室、9月の倒産は4倍に【2020年度上半期】 | 東京商工リサーチ
美容室のサービス内容
美容室(美容院)の主なサービス内容は、カラーやカット、パーマ、セットなど利用者の髪の毛のお手入れ全般を行うことです。
オーナーが美容師として働くかどうかにもよりますが、ほかには
- 接客
- 仕入れ
- 予約管理
- 売上管理
- 従業員の管理・育成
- 集客
- 施術サービスの開発
などの業務が発生します。
こちらの業務を加味してスタッフを採用すると良いでしょう。
美容室を開業するメリット
美容室(美容院)を開業する主なメリットは、以下の3つです。
- 自分の理想の店舗がつくれる
- 社員の時より年収アップが期待できる
- 低リスクで開業できる選択肢もある
それぞれ詳しく解説します。
自分の理想の店舗がつくれる
美容室(美容院)を開業するメリットは、自分の理想の店舗がつくれることです。
美容室で雇われて働く場合はオーナーや上司の方針に従う必要がありますが、個人で独立するのであればお店のレイアウトやインテリアなど細かい部分まで徹底的にこだわり、自分にとっての理想のお店を手に入れることができます。
また、ネイルやエステサロンの要素も加えるなど、メニューの内容もオーナーのアイデアを反映することが可能です。
フランチャイズで開業する場合は自由度が低めであることが多いですが、本部のネームバリューを利用した集客やノウハウの提供を受けられるなどのメリットもあるので、どちらのメリットを優先するのか十分に検討してから選択しましょう。
社員の時より年収アップが期待できる
正社員で働いていた時より年収アップが期待できることも、美容室(美容院)を開業する大きなメリットです。
美容室によっては歩合給のある場合もありますが、独立すると売上がオーナーの収入につながりやすくなるので、より大きな金額を手元に残すことができます。
技術スキルを徹底的に磨き、口コミなどで認知度を高めることができれば、将来的には有名な芸能人やタレントのヘアセットを担当したり、ファッション・ヘア雑誌などの記事を担当したりなどキャリアアップにつながり、さらなる収入アップが期待できるでしょう。
低リスクで開業できる選択肢もある
低リスクで開業できる選択肢があることも、美容室(美容院)を開業するメリットの一つです。
現在、フリーランスの美容師のための「シェアサロン」や「面貸し」という開業スタイルも広まってきています。施術場所や設備を借りて働くことができるため、店舗や設備投資なしに独立することが可能です。
開業資金や運営資金を抑えて開業したい、固定客が獲得できるまで、収入が安定するまでコストを抑えて運営したいなど、低リスクで美容室を始めたい方に最適な手段だと言えます。
美容室を開業するデメリット
次に、美容室(美容院)を開業するデメリットを2つご紹介します。
主なデメリットは以下の通りです。
- 1人だと業務負担が大きい
- 営スキルによっては廃業リスクもある
1人だと業務負担が大きい
美容室(美容院)を開業するデメリットは、業務負担が大きいことです。
個人で美容室を開業する場合、店舗運営に関する業務をオーナー自身がこなす必要があります。そのため、対応する客数によっては手が回らなくなってしまう可能性も。
フランチャイズの場合は本部による業務支援やアドバイスなどを受けながら運営できるので、オーナーの負担を軽減することが可能です。
経営スキルによっては廃業リスクもある
オーナーの経営スキルによって廃業リスクを抱えてしまうことも、美容室(美容院)を開業するデメリットの一つです。
美容室を繁盛させるためには美容師の技術も重要ですが、経営者としての知識がなければ安定した経営は実現しにくいです。
経営スキルを身につける準備も必要になるので未経験者や異業種の方が個人で一から開業する場合は難易度が高いですが、フランチャイズであれば経営ノウハウもしっかり伝授してもらえるので安心してチャレンジできます。
美容室開業の成功・失敗のポイント
美容室(美容院)を開業するメリット・デメリットを踏まえたうえで、どのようなことに気を付ければ良いのか、成功・失敗のポイントを3つご紹介します。
集客が見込める立地での開業か
美容室(美容院)を成功させるためのポイントは、集客が見込める立地での開業です。
暗くて分かりにくい場所よりは広い通りに面した場所など、できるだけ目につきやすく入りやすい立地のほうが集客もしやすくなります。
また、市街地であれば夜遅くまで人通りがあるので営業時間を遅い時間にずらす、ビジネス街であれば日曜や祝日を休みにするなど、営業スタイルを工夫することも一つの方法です。郊外で開業する場合には駐車場を確保するなどにも配慮する必要があるでしょう。
リピーターを増やせるか
リピーターを増やすことも、美容室(美容院)を成功させるためのポイントです。
新規顧客より客単価が高い傾向にあるため、リピーターの増加によってさらなる売上向上が期待できます。
最も理想的なのは高い技術や接客など、新規顧客を満足させられるサービスを提供できるように日々努力をすることです。
すぐに取り組める施策としては、会員登録やポイントカードの配布などが挙げられます。最近では、SNSやブログを使って情報を配信し、顧客との距離を縮めるという集客方法も増えています。あまりしつこく勧誘すると逆に顧客が離れていってしまう可能性もあるので、頻度には十分に注意しましょう。
ターゲットに合った施術サービスを展開できるか
ターゲットに合った施術のメニュー展開も、美容室(美容院)を成功させるための大事なポイントです。
メニューは充実させたほうが売上も上がりそうなイメージがありますが、むやみに増やしてしまうと無駄にコストがかかってしまったり、どのメニューを利用すれば良いか分からないと顧客を迷わせてしまったりする可能性も。
若い女性がターゲットであれば、カラーやパーマ、トリートメントのメニューを充実させる、シニア層がメインのターゲットであれば白髪染めのメニューを充実させるなど、ターゲットのニーズに合わせてメニューを展開することで、顧客獲得につなげやすくなります。
ローコストで安定年収が実現できる美容室(美容院)フランチャイズとは
開業経験者から成功の秘訣や失敗談を聞くこともおすすめ!
いくら情報を集めても、美容室開業への不安がなかなか拭えないという方もいらっしゃると思います。
そんな時は、開業経験者の話を聞くことをおすすめします。
こちらでは、脱サラして美容系ビジネスで開業した方のインタビュー動画を紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
オープン前にまさかのトラブル発生?!美容鍼灸サロンの開業ドキュメンタリー
独立開業経験者のリアルなインタビュー動画をもっと観たい方はこちら
美容室を低資金で開業するコツ
美容室(美容院)をどうしても低資金で開業したい場合、下記のような方法があります。
1. フランチャイズを利用する
2. 居抜き物件を探してみる
3. 最低限の原価・人件費で開業する
フランチャイズを利用すれば、成功しやすい美容室のモデルがつくれる価格が決まっているので、資金を用意しやすい傾向にあります。
開業初心者で必要な資金が全く分からない方はフランチャイズで開業すると安心でしょう。
また、居抜き物件を探してみるのも一つの手です。元々美容室があったテナントに入り、内装費や設備費を節約することができます。
そして最低限の原価や人件費で開業することも良い方法でしょう。家族にアシスタントとして手伝ってもらったり、持っている家具を使用したりなど工夫することも資金を抑えるコツです。
美容室でおすすめのフランチャイズ3選
今回は美容室(美容院)を開業するのにおすすめのフランチャイズを3つピックアップしてみました。
美容室開業をフランチャイズで考えてみたい方はぜひ下記のフランチャイズ情報を参考にしてみてください。
美容室フランチャイズ 1.サンキューカット
『サンキューカット』は、全国に250店舗以上展開する美容室(美容院)フランチャイズです。
カット時間が約10分という速さと低料金、高い技術が幅広い層に支持されており、2001年の1号店オープン以来、好調に出店を続けています。
カットのみに特化しているため、一般的な美容室の店舗規模や従業員の雇用が不要。店舗や人材にかかるコストを大幅に削減できます。
また、本部のサポート体制も万全なので、店舗づくりの知識やセンスに自信がない方でも安心です。
美容室フランチャイズ 2.SEASON
『SEASON』は、関東で50店舗以上展開する美容室(美容院)フランチャイズです。
求人広告費を一切かけずに高品質の技術を提供することをモットーに、続々とフランチャイズを増やしている注目の本部です。
店舗の施工は、工事開始から引き渡しまで全て本部が立ち合い、機材や電化製品、レジ、備品などの導入もサポート。従業員の美容師免許の登録から開業届けまで必要な手続きもサポートしてもらえるので、安心して開業できます。
美容室フランチャイズ 3.イレブンカット
『イレブンカット』は、関東をはじめ、中部や関西エリアを中心に展開する美容室(美容院)フランチャイズです。
予約なしで11分というスピード仕上げ、1,000円台~のリーズナブルな価格設定により、子どもから大人、年売の方まで多くの支持を得ています。
豊富な直営店展開によって培った物件開発やコストダウン、販売促進ノウハウなどにより、オーナーを徹底サポート。出店コストに関しては、一般的な美容室より30%ダウンを実現しています。
また、美容師スタッフ教育システムも完備しており、品質を維持しながらスピーディーに多くの対応ができる店舗運営が可能です。
美容室の開業についてまとめ
今回は美容室(美容院)の開業準備から開業方法や成功・失敗のポイントまで解説しました。
美容室の開業についてまとめると以下の通りです。
- 店舗から準備する場合の初期費用は約1,400万円、運営資金は1ヵ月あたり約170万円
- 理想の美容室がつくれる、年収アップなど開業メリットが豊富
- 個人orフランチャイズだけでなく、自宅やシェアサロンなど開業スタイルもたくさん
- 美容師として開業する場合は「美容師免許」、美容師を雇う場合は「管理美容師免許」が必要
- 保健所や税務署への届け出も発生する
開業しやすい美容室はコロナ禍でも年々増加傾向にあるので、競合が多いとご理解いただけたと思います。
そんな美容室の経営で勝ち進んでいくには特別なコンセプトと戦略が必要なので、不安な方はフランチャイズを利用するのもおすすめです。
- 集客が見込める立地での開業
- リピーターを増やせるか
- ターゲットに合った施術サービスを展開できるか
という今回ご紹介した成功するポイントを参考にしていただき、ぜひ自分で美容室を立ち上げたいと言う人も一歩踏み出してみてもらえたらと思います。
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公開日:2022年11月11日