サラリーマンの副業は稼げない?税金ルールや注意点・事前準備を紹介

最終更新日:2023年03月10日

サラリーマンで副業を始めたいと考える人が増えてきています。一般的に、会社勤めのサラリーマンが副業をするメリットは、収入面や人脈などを豊かにできる点と考えられます。その一方で、労働時間が増えたり、税金や契約まわりの事務手続を自分自身で行うデメリットもあるでしょう。今回はサラリーマンの副業をテーマに、副業開始前に知っておきたい基礎知識や注意点をご紹介します。

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目次

サラリーマンの副業希望者は増加が続いている

サラリーマンが副業をするメリット

サラリーマンの副業のデメリット

副業するサラリーマンがやるべき事前準備

サラリーマンにおすすめな副業3つ

サラリーマンの本業とバランスよく副業しよう

サラリーマンの副業希望者は増加が続いている

サラリーマンの副業希望者は増加が続いている

副業を希望するサラリーマンは年々増加傾向にあります。総務省が行った「就業構造基本調査」によると、仕事をしながら副業をしたいと考えている人は2012年に3237人で全体の5.7%です。その5年後の2017年には3850人が副業を希望し、6.5%の人が副業をしたいと思っているという結果になりました。

コロナウイルスの問題が浮上する前のデータなので、在宅が導入されるようになった現在も右肩上がりに希望者は増加していると予想できます。副業解禁の流れもあり、今後さらに副業を希望するサラリーマンは増えていくでしょう。

参考:★【資料5】(副業・兼業の現状①/就業構造基本調査)事務局提出資料案

実際に副業している人は非正規雇用者が多め

実際に副業を始めている人の内訳を見ると、実は非正規雇用で働く人が多くを占めています。

  • 副業を実際に行っている人のデータを見ると、全体的に所得が低い層が副業にチャレンジしている
  • 内訳では、正規社員のいわゆるサラリーマンよりも、非正規者かつ所得が~299万円までの副業従事者が多い
  • 所得階層別に見ると、どの所得階層も2~3%の人が副業している計算になる

つまり、足りない生活費を補うためや、金銭的に余裕を持って暮らしたいと考えている人が、本業に加えて副業を行っている傾向にあると言えます。

サラリーマンが副業をするメリット

サラリーマンが副業をするメリット

副業の希望者は増えていますが、サラリーマンが副業をするどういった利点を得られるのでしょうか。副業をするメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。

収入が増えリスク分散できる

副業をする最大の魅力は、本業とは別に収入を得られる点です。ただ単に収入が増えるだけでなく、複数の収入源を持つことで、収入のリスク分散ができる点も魅力です。副業による収入源を確保しておけば、万が一本業の勤務先からの収入が減ったり途絶えたりしたときも、柔軟に対応することが可能です。

市場価値を客観的に確認できる

2つ目のメリットとして、副業を通して「自分のスキルはどのくらい通用するか?」を客観的に確認できる点が挙げられます。

副業で案件を獲得すれば時間単価で仕事をするケースもあります。そのときに、この作業は1時間でいくらの収益につながるかなど、仕事の金銭的な価値や、自分自身の人材としての価値を知ることにつながります。

本業で不満を持っていても、副業で自身のスキルやレベルの価値を他社に評価してもらうことは、仕事に関する1つの目安になるでしょう。もし本業を転職したいと思っていても、いきなり実行せず副業を試してみることはとても有効な方法です。

社外の人との人脈が広がる

社外の人との接点が増えることも、サラリーマンが副業をするメリットです。会社勤めのサラリーマンで、外部との交流が少ない部署で働いている人ほど、副業きっかけに社外の人と交流することは刺激になるでしょう。さまざまな企業と仕事の進め方を学びながら人脈を広げていけば、先々の転職先が見つかる可能性もあります。
人脈というと固く聞こえるかもしれませんが、自分次第で副業先で知人が増える・飲み仲間が増えるというカジュアルな広げ方も可能です。

サラリーマンの副業のデメリット

副業に興味を持っていても、注意点を押さえておかなければトラブルになってしまうことがあります。メリットだけではなく、デメリットを理解した上で副業を検討してください。それではサラリーマンが副業をするときのデメリットを解説します。

全てが自己管理次第

副業を行うときは業務委託契約か、アルバイトやパートなどの雇用契約を結んで仕事をしますが、業務委託で仕事をするのであれば、「個人事業主」という立ち位置になります。会社員であれば、仕事や給料は会社が全て用意してくれますが、副業は全ての工程を自分1人で行わなければなりません。

  • 仕事をもらう
  • 仕事をしっかり進めて納める
  • 仕事が終わるまでのスケジュール管理、タスク管理、振り込まれるまでのチェック

また、企業から見積りを求められたときに適性価格を出せるかどうか、トラブルメーカーとなりそうな副業先と出会ったときに、どのように対処するかなど、予期せぬ事態にも基本的には自分自身で対応をします。

たとえ雇用契約を結んでいたとしても、仕事である以上、スケジュールの管理や業務のクオリティを保たねばならず、パフォーマンスを高めつつ維持するための自己管理は必要です。

会社員以外の労働時間が増える

副業を行えば必然的に労働時間が増えることも、副業をするデメリットと言えます。

サラリーマンをしながら副業をする場合は、「1日何時間、本業で働くのか」「副業に1日1時間費やしたら、月の労働時間はどのくらいになるか」をおおまかに計算することが大切です。時間を把握しておかないと、稼働時間が長くなってしまい業務過多になってしまうおそれがあります。

さらに副業の実務をする時間に加え、次の項目も労働時間として換算しましょう。

  • 副業案件をゲットするためのプロフィール作成
  • 副業を探して応募などする時間
  • 契約書やり取り
  • SNSや自分のHP運用
  • 副業のための情報収集
  • 確定申告のための帳簿づけ

副業の業務に従事している時間だけが稼働時間ではありません。副業をしていく上でかかるさまざまな作業時間も考慮して、副業と本業の時間配分を決めておくのがポイントです。

稼げない副業もある

「スキマ時間で私も10万円」など、誇張した副業の広告を目にすることもありますが、全ての副業が稼げるわけではありません。タスク形式・作業系などの未経験向けの仕事は、比較的安価なものが多く、なおかつ継続して発注をもらえない場合もあります。

タスク形式・作業系の単価例

  • タレント画像を見分ける作業:1件100円(作業目安時間3分)
  • ○○コーヒーを飲用したことがある方限定の簡単アンケート!:1件11円(作業目安時間2分)
  • 画像評価アンケート :1件550円(作業目安時間2分)

副業をまずは始めてみたいという人は、未経験でも着手しやすいタスク形式・作業系で慣らしていくのがおすすめですが、単価が安すぎるものもあるので注意が必要です。

副業するサラリーマンがやるべき事前準備

副業するサラリーマンがやるべき事前準備

サラリーマンが副業を始める前に、必ず確認してほしいことがあります。確定申告が必要になるのはどういった条件に当てはまる人なのか、本業の就業規則で副業が認められているかなど、どれも重要なことなので一緒に確認していきましょう。

副業目的や計画をしっかり立てる

副業は遊びではなくビジネスです。そもそもなぜ副業をしたいのか理由を整理し、稼ぎたい金額はいくらなのか、副業を通して何を実現したいかなど目標を決めて、計画を立てましょう。計画を立てるときは、次の項目について1つずつ考えていくとスムーズに整理できるでしょう。

  • なぜ副業をしたいのか
  • 本当に副業でないとダメか?
  • 本業と、どうバランスとるのか
  • 具体的にいつまでにいくら必要か
  • 副業に対するモチベーションは
  • サラリーマンとして副業をやるメリットデメリットは理解したか

副業の目標を決めていれば、達成できなかったときに課題を見つけ、次に活かすための改善策を練ってPDCAを回しながら仕事を進められます。また、どんなに自分が「遊び感覚で副業をやりたい」と考えていても、副業の仕事を発注してくれる相手はビジネスとして取引をしていることを忘れないようにしましょう。

副業の税金について概要を押さえる

副業で稼いだ収入は、必ず国に申告して、税金を計算する必要があります。副業に関する代表的な税金の手続きは確定申告です。確定申告は、次にあてはまるケースであれば申告が必要ありません。

  • 副業が雇用契約(パートやアルバイト)で、年間の収入が20万円以下
  • 副業が雇用契約(パートやアルバイト)以外で、年間の所得が20万円以下
  • 副業が雇用契約(パートやアルバイト)や業務委託などの複数で、それらの収入・所得の合算が年間で20万円以下

ただし、確定申告が不要であっても住民税の申告が必要な点を押さえておきましょう。住民税には、確定申告のような特例措置はありません。

そのため副業の収入・所得が確定申告の対象にならなくても、住民税は、別途申告をしてください。市役所の市民税課などで「住民税申告書」を提出することで行います。もし住民税の申告をしなければ脱税行為にあたるため、忘れずに申告をしましょう。

住民税申告書については、お住まいエリアの市区町村ホームページなどでご確認ください。

サラリーマンにおすすめな副業3つ

サラリーマンにおすすめな副業3つ

これから副業を始めてみようと考えているサラリーマンの皆さんにおすすめの副業を3つご紹介します。どれも会社員の本業を続けながら、空いた時間でチャレンジできるものばかりです。

フランチャイズ経営

サラリーマンにおすすめの副業の1つ目は、フランチャイズ経営(オーナー業)です。フランチャイズとは、フランチャイザーと呼ばれる本部から、ロゴマークや看板、経営ノウハウやフランチャイズ企業の商品を販売する権利をもらって、店舗運営するビジネスです。権利を使うための対価をフランチャイザーに払って経営を行います。
フランチャイズ経営といっても、選ぶ業種によっては店に出ずに経営をメインに行うことが可能で、手場慣れのいいフランチャイズ経営としては次の2つが代表的です。

  • コインランドリー経営
  • 駐車場経営

この2つは、活用できそうな場所に土地を持て余している人や、人件費などを削減してなるべく経営に専念したい人に向いている副業です。ただし、ほかの副業よりも初期投資が高額となる点がデメリットになります。管理会社に委託する方法もあるので、仕事中に電話がかかってくると困る人は慣れるまで管理会社に任せるのもおすすめです。

もっとフランチャイズ経営について知りたい方はこちらからおすすめのフランチャイズを検索できます。

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インターネットビジネス

次におすすめする副業はインターネットビジネスと呼ばれる仕事で、以下のようなものがあります。

  • クラウドワークス
  • 講師業
  • Youtuber
  • アフィリエイト
  • Web制作
  • ECサイト

クラウドソーシングサービスを利用して自身のスキルを活かして働いたり、ECサイトを立ち上げて商品を販売したり、ネット上で稼ぐ方法です。代表的なクラウドソーシングの副業や、YouTuberの副業については以下の記事でもまとめています。

副業にはどのクラウドソーシングがおすすめ?初心者でも安心のサービスや稼げるコツなど

YouTuberの副業で早期リタイア?広告収入の仕組みと始め方

副業バイト

副業で業務委託の仕事を獲得するのではなく、アルバイトやパートなどを始める方法もあります。一般的に言われるダブルワークをイメージすると分かりやすいかもしれません。

サラリーマンが副業を探すのであれば、アルバイトは案外簡単に見つけられますし、雇用契約を交わすので労働基準法や労災で守られるので安心です。ただし、ダブルワークについて勤務先が認めているか、就業規則や人事担当者に確認をしましょう。

サラリーマンの本業とバランスよく副業しよう

サラリーマンの副業には、収入を増やせるだけでなく、社外の人脈形成や経験が積めるなど多数のメリットがあることがわかりました。ただし、副業は全て自分自身で管理しなくてはならないため、実際に仕事をしている時間以外にも、副業案件を探したり、自己PRとなるプロフィールを作成したりする時間がかかることを念頭に置いておきましょう。いきなり副業を選び始めるのではなく、なぜ副業をやりたいのかを明確に目的を決めておくのがおすすめです。本業とプライベートの丁度良いバランスを考えながら副業ライフを始めてみてはいかがでしょうか。

公開日:2021年10月05日

よくある質問

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