パン屋の開業に必要な準備まとめ!必要資金や資格・開業方法を徹底紹介
最終更新日:2024年09月20日

「自分のお店を持ちたい」と思い、さまざまな業種のなかからパン屋を選ぶ方もたくさんいらっしゃるでしょう。ですが、実際にパン屋を開業したいと思っても何から始めれば良いのか分からない方が大半かと思います。
そこで今回は、パン屋の開業に必要な資金や資格などの準備、開業の流れや具体的な開業方法など、パン屋の開業前に知っておきたい情報をまとめました。パン屋を開業するにあたってのメリットとデメリット、おすすめのフランチャイズ情報も紹介しますので、パン屋を開業しようと思っている方は是非参考にしてください。
目次
パン屋の開業は一人でも未経験でもOK!
パン屋の開業には従業員や経験が必要なイメージがありますが、一人で開業することも、未経験で開業することも可能です。
自宅やネットショップなど小規模で開業できる方法の場合、一人でも無理なくパン屋が始められます。
また、パン屋はパンを作るための専門的な資格を持っていなくても開業できるので、未経験者でもチャレンジ可能。
それでも不安…という方は、さまざまなサポートが受けられるフランチャイズを利用することをおすすめします。
パン屋の開業に必要な資金
はじめに、パン屋の開業に必要な費用を開業資金と運営資金、売上、借入の有無に分けて紹介します。
パン屋の開業に必要な開業資金(初期費用)
パン屋の開業に必要な開業資金(初期費用)は約1,730万円です。
この費用は20坪ほどの店舗と仮定した金額なので、あくまで目安の一つとして参考にしてください。
<開業資金(初期費用)の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 600万円 |
内装工事費 | 600万円 |
厨房設備費 | 500万円 |
資格取得 | 約4.5万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 1,734.5万円 |
主な費用は、物件取得費や内装工事費・厨房設備費・資格取得費・広告宣伝費で、店舗の立地や規模と営業形態などの条件によって金額は変動します。
平均的なパン屋の広さは20坪前後ですが、厨房や販売スペース以外にイートインスペースを設ける場合には、より広い店舗を準備する必要があります。また、オーブンやミキサー、フライヤー、冷蔵・冷凍庫など多くの厨房設備を導入するため、厨房設備費も高めです。
パン屋をフランチャイズで開業する場合には、上記以外に加盟金や保証金、研修費など本部への支払いが発生します。個人で開業するより高額なイメージもありますが、6坪程度の小スペースや移動販売車両1台で始められるなど店舗関連の初期費用を抑えられる本部も多く、1,000万円以下で開業できるケースもあります。
パン屋の開業に必要な運営資金
パン屋の開業に必要な運営資金は1ヵ月あたり約280万円です。
売上が月間350万円ほどの店舗と仮定し、各項目を計算しています。
<運営資金の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 105万円 |
賃貸料 | 17.5万円 |
原材料 | 140万円 |
水道光熱費 | 10.5万円 |
広告宣伝費 | 10.5万円 |
合計 | 283.5万円 |
主な費用は、人件費や賃貸料・原材料・水道光熱費・広告宣伝費などで、店舗の規模や扱うパンの種類などによって変動します。
パン屋における人件費は、1ヵ月あたり売上の30~35%が目安です。個人で始めて仕込みから販売までを店舗で行う場合はある程度の人手が必要になるので、その分人件費も膨らみます。
賃貸料は店舗の立地や規模にもよりますが、1ヵ月あたり売上の5~10%程度です。また、店舗を運営するうえで水道光熱費も1ヵ月あたり3%程度発生します。自宅を店舗にする場合や移動販売を行う場合は費用を抑えることが可能です。
パン屋の運営資金で最も割合が高いのは原材料で、1ヵ月あたり売上の約40~50%かかります。パンの種類によって必要な材料が異なり価格変動が起こる可能性もあるので、事前にしっかりシミュレーションしておくことが大事です。
また、安定した集客を得るために、開業後も定期的にチラシ配布などの販促活動が必要です。頻度や使用する媒体などにもよりますが、1ヵ月あたり売上の3~5%で考えておくと良いでしょう。
初期費用と同様に、個人とフランチャイズの開業では必要な運営資金が異なり、フランチャイズの場合は別途ロイヤリティの支払いが発生します。1ヵ月あたり売上の3%程度で設定している本部が多く、なかには0円のところもあります。
パン屋は儲かる?売上と年収の目安
パン屋の売上は、店舗の規模や立地、集客の状況などによって大きく変動します。
福井を拠点に東京にも展開するパン屋のフランチャイズ本部『あん食パン PANTES(パンテス)』を例に挙げると、通常の製造販売店で1ヵ月の売上は約250万円となっています。
また、西日本を中心に展開するパン屋のフランチャイズ本部『コンセルボ』を例に挙げると、住宅街に出店している店舗の場合、30日の営業で売上は約350万円。大型商業施設・駅ビルなどに出店している店舗の場合は約600万円が売上の目安です。
これらの売上から、従業員の人件費や賃貸料、原材料、広告宣伝費などの経費を引いたものが、オーナーの年収となります。毎月の売上や経費によって異なりますが、パン屋開業者の平均年収は約360万円と言われています。
パン屋の開業で借入をスムーズにする方法
パン屋の開業は、初期費用と運転資金を合わせると2,000万円以上が必要です。用意するのが難しい時は借入をすることで資金を調達することが可能です。
民間銀行や日本政策金融公庫、自治体・信用保証協会が提供する融資制度を利用するなどの方法が挙げられます。
民間銀行の場合、事業の将来性や安定性、現在の財政状況、過去の実績などが大きく影響するため、個人で一から開業するという場合、融資の審査を通るのはなかなか難しいです。
一方、比較的審査のハードルが低いのが日本政策金融公庫や自治体・信用保証協会の融資制度。日本政策金融公庫の新創業融資制度においては、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っていれば融資を受けられる可能性があります。
どちらを利用するかにせよ、審査には「自己資金があるか」「知識や技術を持っているか」「事業計画に将来性があるか」というポイントが重要視されるので、審査に通るためにしっかりこれらのポイントを押さえておきましょう。
店舗の規模や営業形態などの条件によって異なるので具体的な金額を決めるのは難しいですが、パン屋の場合は開業資金に対して50~65%程度の借入で考えておくと良さそうです。
パン屋の開業に必要な準備7ステップ
パン屋の開業に必要な準備を7つご紹介します。
パン屋の開業準備 1.市場調査
パン屋の開業に必要な準備としてまず挙げられるのは、市場調査です。
開業エリアでパン屋のニーズがあるのか、どのようなパン屋が求められているエリアかなどを調べることで、開業後に失敗するリスクを抑えることができます。
市場調査によって明確になったニーズをもとにコンセプトやメニューなど、より具体的な内容を決めていくようにしましょう。
パン屋の開業準備 2.コンセプト・メニュー・仕入れ先の決定
パン屋の開業に限ったことではありませんが、「コンセプトを決めること」は、非常に重要なポイントです。
どんな種類のパンを販売するのか、お店で作ったパンもしくは仕入れたパンのどちらを販売するのか、店内にイートインスペースを設けるのか、テイクアウト専門にするのかなど、お店の土台や強みになる部分なので、手を抜くことなくしっかり考えましょう。
コンセプトが決まったら、メニューや仕入れ先を順次決めていきます。
パン屋の開業準備 3.必要な資金の準備
どのようなお店にするかが定まったら、必要な資金も決まってきます。
先ほどご紹介した「パン屋の開業に必要な開業資金」と「パン屋の開業に必要な運営資金」を参考に準備を進めてみてください。
開業準備が本格的に進んできてから思っていたより費用がかさんだ…という状況にならないよう、細かくかつ現実的に考えることをおすすめします。
パン屋の開業準備 4.コンセプト・資金に合った物件探しや店舗づくり
パン屋の開業に必要な資金の目処が立ったら、コンセプト・資金に合った物件探しや店舗づくりをしましょう。
自分のお店を持つとなると、理想を追い求め過ぎてしまいがちです。競合に勝つために開業する場所や店舗の内外装、設備などこだわりを持つことも大事ですが、初期費用がかかり過ぎて開業後の資金繰りが上手くいかなくなるケースも少なくないので、その点にも注意しながら物件探しや店舗づくりを進めていきましょう。
パン屋の開業準備 5.資格や手続き
パン屋の開業には専門的な資格は不要ですが、主に
- 食品衛生責任者
- 菓子製造許可
- 飲食店営業許可
が必要になります。
「食品衛生責任者」は、パン屋に直接関係するものではありませんが、食品の製造・販売を行うお店を開業する際に必須となる資格です。すでに調理師や栄養士などの資格を保有している場合には不要ですが、持っていない場合は保健所が実施している6時間程度の講習を受けることで取得できます。
また、食パンや菓子パンの製造・販売に必要になるのが「菓子製造許可」、お弁当の分類に入るサンドイッチの販売やイートインスペースの設置に必要なのが「飲食店営業許可」です。開業する地域によって異なりますが、東京都新宿区の場合は菓子製造許可は16,800円、飲食店営業許可は18,300円の申請手数料がかかります。
そのほか、「パン製造技能士」や「パンコーディネーター」、「パンシェルジュ検定」などパンに関する資格もあります。パン屋の開業に必須ではありませんが、資格を持っていることで安心して利用してもらえるなど経営に有利に働くこともあるので、気になる方は取得してみると良いでしょう。
パン屋の開業準備 6.人材採用・育成
パン屋は一人でも開業・運営できるケースもありますが、パンの製造から店舗で行う場合はある程度の人手が必要になるので、従業員の採用・教育が発生します。
個人で開業する場合はオーナー自身が採用・教育を行うまたは、従業員に研修やセミナーに参加してもらう方法が挙げられます。
フランチャイズの場合は本部が採用支援や研修を実施しているので、オーナーの負担を抑えた採用・教育が可能です。
パン屋の開業準備 7.集客
パン屋の開業準備で忘れてはいけないのが、集客です。
「チラシを配る」「広告を出す」「ホームページを作って告知する」「SNSで告知する」などさまざまな集客方法があります。チラシや広告に関しては費用がかかりますが、ホームページやSNSを使った集客は0円からでもできます。
コストもですが、集客効果があるかどうかも大事なポイントです。複数の集客方法を組み合わせることでより大きな効果を得られるケースもありますので、さまざまなパターンを試してみて店舗に合った効果的な集客方法を確立していきましょう。
パン屋の開業方法4選
パン屋の開業方法は、主に以下の4つが挙げられます。
- 1.自分一人でパン屋を開業する
- 2.スクールや専門家の支援を受けてパン屋を開業する
- 3.ボランタリーチェーン(VC)でパン屋を開業する
- 4.フランチャイズでパン屋を開業する
それぞれの特徴を理解して、自分に合った開業方法を見つけましょう。
パン屋の開業方法 1.自分一人でパン屋を開業する
パン屋の開業方法一つ目は、自分一人でパン屋を開業する方法です。
自分の理想通りの店舗やメニュー、サービス内容にできることが最大のメリットで、とことんこだわったパン屋を開業したいという方におすすめです。
一方で、開業資金の調達や物件探し、店舗の内外装工事の手配、設備、仕入れ先探しなど、開業に関することを全て自分一人でする必要があります。また、営業や経営のスキルも求められることから、時間と労力が最もかかる開業方法だと言えます。
パン屋の開業方法 2.スクールや専門家の支援を受ける
パン屋の開業には、スクールや専門家の支援を受ける方法もあります。
パンの知識から製パンの技術、接客、経営に至るまで、パン屋の開業に必要なことを学ぶことができるので、未経験からでも始めやすいです。直営店での現場研修が受けられるスクールや卒業後も継続したサポートが受けられるスクールなど特徴もさまざまなので、自分に合ったスクール選びが大事になります。
部分的なサポートが必要であれば、経営コンサルタントやアドバイザーなどの専門家の力を借りるのもおすすめ。自分一人で開業するより、時間も労力もかけずに済みます。
ただし、パン屋開業のためのスクールに通ったり、専門家を雇ったりするのには費用がかかるので、開業資金にあまり余裕がないという場合にはおすすめできません。
パン屋の開業方法 3.ボランタリーチェーン(VC)でパン屋を開業する
ボランタリーチェーン(VC)とは、同じ目的を持ったお店同士で組織を作り、チェーン展開していく団体のことです。
本部と加盟店が存在しますが、加盟店主体の団体になるので、お店の名前や内外装、メニュー価格、営業時間などを自由に決めやすいというメリットがあります。また、本部から商品や材料を一括で仕入れることができるので、仕入れコストも抑えることが可能。加盟店同士のつながりも強く情報共有がしやすいので、開業したパン屋の成長や発展にもつなげることができます。
一方で、ボランタリーチェーンは加盟しても経営自体は自力で行う必要があります。自由度が高い分、至れり尽くせりのサポートは受けられないのでその点は注意しておきましょう。
パン屋の開業方法 4.フランチャイズ(FC)でパン屋を開業する
パン屋の開業で最もおすすめしたいのが、フランチャイズ(FC)でパン屋を開業する方法です。
パン屋の開業や経営に必要なノウハウを提供してもらえるだけでなく、開業前後にしっかりサポートが受けられるので、未経験者でもパン屋の開業を成功させやすいです。
フランチャイズを利用するにはお金がかかるというイメージがありますが、加盟金やロイヤリティが不要な本部もあります。本部のネームバリューを活かした集客ができる点でも、大きなメリットを感じる開業方法ではないでしょうか。
パン屋の開業で知っておくべき知識
ここではパン屋の特徴として、サービス内容やパン屋開業のメリット・デメリットについて解説していきます。
パン屋開業に将来性はある?
農林水産省が発表した「食品産業動態調査」によると、2021年のパン生産量は124万2,487トン。前年と比べると1.7%減少していますが、パンの生産量は横ばいで推移しています。
また、「家庭における1世帯あたりの支出金額」からは、2021年のパンの消費額は31,353円と米の21,862円と比べても高く、年々差が広がっていることが分かっています。
若年層を中心に米離れが起きていることや、共働きの増加による食生活の変化など、さまざまな背景がありますが、近年、コロナウイルスの感染拡大によって家庭内で食事をする機会が増えたことも要因の一つです。
最近では徐々に人流が増えてきていることでこれまで苦戦を強いられてきた実店舗のパン屋やコンビニの需要回復、コロナ禍でデリバリーが好調な宅配ピザやハンバーガーショップなどにより、今後も市場拡大が期待されています。
参照:家庭における1世帯あたりの支出金額 | 農林水産省
※グラフは「家庭における1世帯あたりの支出金額」をもとに比較ネットが作成
パン屋の業態とは
パン屋と言えば、店舗を構えて厨房で作ったパンをお店で販売するスタイルが主流でしたが、現在は店舗で製造・販売する以外にも、
- デリバリーで販売する
- ネットショップで販売する
- キッチンカーで販売する
など、販売方法一つにしても幅広くあります。
また、自宅で開業したり、厨房や販売スペースを借りて開業したり、フランチャイズを利用して開業したりなど開業方法の選択肢も多いので、理想や予算、現状に合ったパン屋の開業を見つけやすいでしょう。
ネットショップの開業準備に!基礎知識やおすすめの開業方法もご紹介
移動販売・キッチンカーのフランチャイズ開業に必要な準備って?覚えておきたい法律やルールとは
パン屋開業のメリット
パン屋を開業するメリットを3つご紹介します。
パン屋開業のメリット 1.ニーズがある
パン屋を開業する最大のメリットは、ニーズがあることです。
パン市場は1兆5,000億円以上の規模を持っており、近年では原材料や食感、食味などにこだわった高級食パンのブームも根強く、今後も成長が期待できます。
また、朝やお昼のイメージが強いパンですが、フランスパンやバラエティブレッドなどスープやサラダ、アルコールと一緒に食べる機会が増えるなど、夕食需要もあります。
ニーズに適した魅力的なパンを提供できれば、安定した売上が期待できるでしょう。
パン屋開業のメリット 2.自由に店舗経営ができる
特に個人でパン屋を開業する場合、自由に店舗経営ができるというメリットが挙げられます。
使う素材やパンの種類をはじめ、メニューや値段、店内のデザインまでオーナーが全て決められるので、こだわりを反映した店舗をつくることが可能です。
フランチャイズに加盟する場合は本部のルールに沿った経営が必要なため「自分だけのオリジナルのパン屋をつくりたい」という方には窮屈に感じてしまうかもしれません。
ですが、なかにはフランチャイズのようなサポートを受けられるうえに、店舗名や営業形態、営業時間・日数などをオーナーが決められる開業支援を行っているところもあるので、開業や経営面でのサポートはしてほしいという方は検討してみると良いでしょう。
パン屋開業のメリット 3.未経験者でも始められる
未経験者でも始められることも、パン屋を開業するメリットです。
パン屋の開業には専門的な資格が不要で、パン職人を雇うなどすれば未経験者でも問題なく始められます。
また、フランチャイズの場合は研修制度が整っており、短期間で知識や技術を習得することが可能です。本部から提供される冷凍生地を焼くだけという高い調理技術を必要としないところもあるため、未経験者にとってチャレンジしやすい環境だと言えるでしょう。
パン屋開業のデメリット
次に、パン屋を開業するデメリットを2つご紹介します。
パン屋開業のデメリット 1.初期費用が高め
パン屋を開業するデメリットは、初期費用が高めであることです。
開業前にはオーブンやミキサー、フライヤー、冷蔵・冷凍庫などの厨房設備の準備が必要で、新品を購入するとなると1台100万円以上かかるケースも珍しくありません。
必要となる厨房設備の種類も多いため、初期費用が高くなる傾向にあります。初期費用を抑えるためには、中古・レンタル品を活用したり、無料で提供してくれるフランチャイズ本部に加盟したりなどの工夫が必要でしょう。
パン屋開業のデメリット 2.競合が多い
競合が多いこともパン屋のデメリットの一つです。
全国に1万店舗以上あると言われるパン屋ですが、パン自体はパン屋以外にもスーパー・コンビニなどで販売されているので、非常に競合が多いビジネスだと言えます。
そのなかで安定した経営を実現するには、素材やメニューにオリジナリティを出すなど競合との差別化を図り、集客につなげることが大事です。パン作りの知識やスキルを持っていると経営もスムーズですが、未経験者からスタートの場合はノウハウなどを提供してくれるフランチャイズ本部に加盟するほうが良いかもしれません。
パン屋開業で失敗しやすいポイント
ここではパン屋を開業した後に失敗してしまいやすいポイントをご紹介します。
失敗ポイント 1.思ったより人が来ない
パン屋の開業にはコンセプト決定がかなり重要となりますが、エリアとターゲットを見誤ると思ったよりお客さんが来ないと言う失敗結果になってしまう場合があります。「美味しいパンを作れば成功できる」ということではないので注意が必要です。
開業地がどんなエリアでどんな人が活動しているかをよく調査し、その人たちに刺さるようなパン屋を開業すると良いでしょう。
また、PRして集客をすることも非常に大切です。集客方法もエリアとターゲットを調査し、どんな広告がコミットしそうかを十分に考えましょう。
失敗ポイント 2.利益があまり残らない
パン屋さんやケーキ屋さんなど、食品を提供するお店は利益が薄くなってしまうことも多いです。良いものを提供しようと原価が高くなってしまったり、お客さんに気軽に手に取って欲しいと売価を安くしすぎると失敗の原因になってしまいます。
事前にコンセプトと見合わせて、十分な売価はどれくらいなのか検討しておきましょう。また、売価はもう上げれないと思ったら原価を見直してみるのも失敗から逃れるポイントとなります。
失敗ポイント 3.競合に負けてしまう
パン屋さんは記述した通り競合が多いので、どうしても競合に勝てないというケースがたくさんあります。
競合に勝つにはさまざまな要因がありますが、下記の点を意識して競合に勝ちましょう。
- 1.競合をしっかりリサーチして理解する
- 2.競合との差別化を図る
この2つのポイントが大事です。
競合をしっかり理解した上で、競合との差別化を図りましょう。競合にないサービスを作ったり、競合が売っていない流行商品を作るのも手です。
パン屋開業を成功させるコツ
それでは失敗ポイントを抑えた上でパン屋の開業を成功させるコツを3つご紹介します。
集客が見込める立地での開業をしよう
パン屋の経営を成功させるためには、集客が見込める立地での開業が重要なポイントです。
話題になれば遠方でも集客が期待できますが、ニーズが高いエリアで開業する方がより多くの売上を出すことができます。
また、昼間はビジネスマンが多いオフィス街、夕方は子どもや高齢者が多い商店街など、時間によってもニーズが異なるので、事前の市場調査が大事です。実際に現地に足を運び、交通量や人通り、競合店などを確認しておくと安心でしょう。
利益が出せる価格設定にしよう
パン屋の経営を成功させるためには、利益が出せる価格設定ができているかも重要なポイントとなります。
パンの品質に対して高く設定してしまうと売れず、反対に安すぎると利益が残せません。同じような品質のパンを競合店が自店より安く提供している場合も、思うように売れない要因となります。
また、パン屋を経営していくなかで原材料が高騰してしまう可能性もありますが、仕入れ費が高くなったからと言って安易に商品価格に上乗せするのも危険です。
品質や競合の価格設定、原材料の仕入れなどさまざまな要素とバランスをとりながら、利益を出せる価格設定を心がけましょう。
他店舗と差別化をする
競合との差別化が図れるかどうかも、パン屋を成功させるための重要なポイントです。
先述したようにパン屋の経営は人気が高く競合が多いため、うまく差別化が図れないと思うように集客できず売上不振に陥ってしまうケースも少なくありません。
高品質のパンを低価格で提供したり、アレルギーやカロリーを気にせず利用できるグルテンフリーのパンを専門にしたりなど、競合店にはないメニューやサービスを打ち出す必要があります。
このような競合との差別化にはノウハウがあると強いので、独立が初めての方や業界未経験者の方はフランチャイズ本部を利用したほうが得策です。
パン屋でおすすめのフランチャイズ5選
それでは次にパン屋の開業でおすすめのフランチャイズを5つ紹介します。パン屋さんをフランチャイズで開業したいと思っている方はこちらのフランチャイズから選んでみてください。
パン屋フランチャイズ 1.あん食パンの店PANTES(パンテス)
『あん食パンの店PANTES(パンテス)』は、福井県に本店を構えるフランチャイズ本部です。
看板メニューのあん食パンは、しっとりした食パンと程良い甘さのあんこの組み合わせが好評で、遠方から足を運ぶ人がいるほど人気があります。
ほかにはないアイデアが詰まった商品を販売できる点が、『あん食パンの店PANTES(パンテス)』に加盟する最大の魅力。また、ロイヤリティが0円なので、収益を残しやすいです。
また、サポートも充実しているので、業界未経験者でも最短3ヵ月での開業を実現できます。
パン屋フランチャイズ 2.あげ焼きパン 象の耳(特約店)
『あげ焼きパン 象の耳』は、東京都を中心に店舗を展開するフランチャイズ本部です。
卵や乳製品、防腐剤、保存料、着色料、イーストフード、マーガリン、ショートニングを一切使用せず、世界初の製法で生み出した新食感のあげ焼きパンを提供しており、「王様のブランチ」や「スッキリ」などのテレビをはじめ、さまざまなメディアで紹介されています。
月々のロイヤリティだけでなく、研修費用や解約違約金、契約更新料、本部への相談費用は全て無料。必要な機材が少ないので、キッチンカーでの移動販売にも適しています。
また、揚げる作業が終わったパンをお店のオーブンで焼いてトッピングするだけのシンプルなオペレーションなので、調理経験がない方でも安心です。
パン屋フランチャイズ 3.JACK IN THE DONUTS
『JACK IN THE DONUTS』は、大型商業施設を中心にドーナツ専門店を展開するフランチャイズ本部です。
定番のドーナツから海外発祥の伝統的なドーナツまで約30種類ものメニューが提供されており、子どもから大人まで楽しめるドーナツ専門店として人気があります。
店舗運営のノウハウや技術、サービスなどは開業前の研修で習得可能。開業前後も担当トレーナーやスーパーバイザーによる指導やサポートを受けることができるので、業界未経験者でもチャレンジできます。
また、資金の相談から申し込みまでサポートしてくれるため、自己資金が少ないという方も安心です。
パン屋フランチャイズ 4.コンセルボ
『コンセルボ』は、西日本に約160店舗のパン屋を展開するフランチャイズ本部です。
食パンをはじめ、食卓パンや菓子パン、惣菜パン、調理パンなど豊富な品揃えにより、幅広い層に支持されています。
独自の生地冷凍システムを開発し、パン生地作りは本部の冷凍生地工場にて対応。専門的な知識・技術や時間のかかる工程を本部に任せられるので、人件費などのコストを抑えた店舗運営が可能です。
また、開業前の研修やマネジメント(販売計画、発注、売り場づくりなど)、スタッフ教育、スーパーバイザーによる定期訪問など、本部サポートも万全なので、未経験者でも安心して始められます。
パン屋フランチャイズ 5.焼きたて食パン専門店『一本堂』
『一本堂』は、関東を中心に食パン専門店を全国展開しているフランチャイズ本部です。
集客が見込める立地・物件で始められるほか、少人数体制による低コスト運営ができるので、経営を安定化させやすいです。
独自のノウハウにより、約2週間の研修で食パン作りの知識や技術の習得が可能。物件・厨房設備・資金調達アドバイス・衛生管理対応などの本部サポートも充実しているので、未経験者でも安心して開業できます。
パン屋の開業についてまとめ
パン屋を開業するうえで押さえておきたいポイントを以下にまとめました。
- 一人での開業や未経験者の開業も可能
- 開業資金は20坪程度の店舗で約1,700万円、小規模であれば1,000万円以下で抑えられるケースも
- 専門的な資格は不要だが、「食品衛生責任者」や「菓子製造許可」などお店を開業するうえで必要な資格・許可がある
- 自分一人で開業するほかに、スクールやボランタリーチェーン、フランチャイズで開業する方法がある
自信のあるパン屋を開業したのに思ったよりお客さんが来ない、利益を残せない、競合に負けてしまうなど失敗しやすいポイントもあるので、
- 集客が見込める立地かどうか
- 利益が出せる価格設定か
- 他店舗との差別化が図れているか
を意識して、パン屋の開業を成功させましょう。
より成功率の高い方法でパン屋を開業したいという方は、ノウハウやサポートの提供がしっかり受けられるフランチャイズを検討してみてください。
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公開日:2022年11月09日