公務員から脱サラする手順や注意点・おすすめのフランチャイズを紹介

最終更新日:2022年01月27日

公務員の仕事に限界を感じて、安定した身分を手放してでも脱サラしようと考える人は少なくありません。しかし、民間企業と公務員では仕事の進め方が異なるので、脱サラ前に民間企業に関する理解を深めておく必要があります。

今回は、公務員が脱サラを考える理由や退職に伴うリスクを踏まえて、スムーズに脱サラする方法やポイントを解説します。業界未経験からスタートできるフランチャイズの情報も紹介するので、業種選びの参考にしてみてください。

フランチャイズを探してみる

目次

公務員から脱サラするよくある理由

公務員から脱サラするのは危険?

公務員からスムーズに脱サラするポイント

公務員におすすめの脱サラ方法

公務員と民間の違いを理解して脱サラ計画をしよう

公務員から脱サラするよくある理由

人間関係や組織体制の古さなど、公務員が脱サラを考える動機はさまざまです。職種や勤務先によっては、仕事や住民の目にプレッシャーを感じる人もいるでしょう。公務員が脱サラを考える主な理由を紹介します。

人間関係がうまくいかない

公務員は民間企業と異なり職員の入れ替わりが少なく、人間関係が閉鎖的だといわれています。特に教師の場合は何年も同じ学校で仕事をすることも多く、自分の情報がほかの職員の耳に入りやすいため、人間関係が一度こじれると関係性の修復が難しいのが現状です。

たとえば、教育方針についてほかの教師に相談したことをきっかけに学校の調和を乱す存在だと勘違いされ、長期にわたって嫌がらせを受ける事例も発生しています。上司によるハラスメントを他人に相談できずに抱え込み、メンタル不全に陥る教師もいるようです。学校以外の職場でも同様の事例が発生しており、人間関係をリセットするために公務員を辞めたいと考える人も少なくありません。

激務で低賃金

公務員は楽して高い給料をもらっているというイメージを抱きがちですが、公務員は全体の奉仕者であると憲法に定められている関係で、激務であっても仕事を拒めないのが実情です。一方、残業代は予算の範囲でしか支払われないため、労働時間の割に低賃金だという人もみられます。

たとえば警察官や消防士は24時間勤務のシフトが組まれるだけでなく、大きな事件や災害が発生した場合は事態が収束するまで帰宅できないことも珍しくありません。自治体に勤務する職員でも、部署によっては長時間の残業を余儀なくされることもあります。激務や低賃金に耐えかねて、民間のビジネスで独立したいと考える公務員もいるのです。

年功序列など古い体制

公務員の給料は給料表(俸給表)に基づき毎年少しずつ昇給する仕組みが取られています。年功序列制度によって年齢に見合った給与が保証される反面、職員の頑張りが給与に反映されないことに理不尽さを感じ、脱サラして独立しようと考える公務員も少なくありません。

ペーパーレス化や印鑑の押印省略が進んでいるとはいえ、あらゆる業務で文書決裁が求められるために業務がスピーディーに進まない実態もあります。また、上司の職務命令に忠実に従う義務が法律に定められている関係で、部下が上司に意見や提案を述べると叱責を受ける事例もみられます。古い体制に嫌気がさした結果、退職・独立に至ることもあるのです。

若手活躍・成長機会の少なさ

地方自治体を中心に「出る杭は打たれる」という風土が残っており、部下の活躍を上司が制限する事例が散見されます。前述したように職員の頑張りが給与に反映されないこともあり、若手が活躍して成長する風土が整っていないのが公務員の現状です。仕事も単調な場合が多く、全体の奉仕者として法令に沿った業務をしていれば問題にならないため、自ら成長しようとしない風土もみられます。

公務員ならではのプレッシャー

公務員ならではのプレッシャーに耐えかねて、退職や独立を決断する人もいます。

教師や警察官・消防士といった社会的責任のある職種の場合、不祥事が発生すると自分が当事者でなくても住民などから批判を浴びてしまいます。
法令や規則に沿って業務を進めたとしても、住民にとって不本意な結果であれば「税金の無駄遣い」などと言われることも少なくありません。日常生活でも、高価な買物をしている場面を住民に目撃され「高給取り」と噂される場面も見受けられます。

公務員から脱サラするのは危険?

公務員と民間企業では、仕事に関する考え方が大きく異なります。退職後に人付き合いの範囲が変わるなど、公務員時代とのギャップに悩む人も少なくありません。公務員を辞めてから後悔しないよう、脱サラする際の注意点をチェックしておきましょう。

公務員と民間の違い

公務員と民間では、組織の運営目的や収益源など多くの違いがあります。

前述したように公務員は全体の奉仕者として働くため、勤務先としてコストダウンに取り組むことはあっても利益は追求しません。給与は住民や企業が納めた税金から支払われます。一方、民間企業の場合は営利を目的として運営され、従業員の給料は顧客に商品・サービスを販売した売り上げから支払われます。

採用方法についても、公務員の場合は試験で一定の成績を収めれば採用されますが、民間企業では代表者や人事担当者の判断で採否が決定されるのが大きな違いです。面接での印象や職務経歴・ポテンシャルが主な判断基準となり、性格や職務経歴が優れていたとしても必ず採用されるとは限りません。

これらの違いを十分に理解せずに脱サラすると、事業の展開に支障をきたす恐れがあるので注意しましょう。

公務員を辞めて失うもの

公務員を辞めると、収入の安定性を失うだけでなく勤続によって積み重ねた社会的信用を失うことになります。その結果、脱サラした当初は新たなローンやクレジットカードの契約が難しくなる可能性があります。特に個人事業主として開業する場合は厚生年金から国民年金に切り替わるため、老後に向けた貯蓄計画を立てることも重要です。

また、公務員の場合は業務上のミスを犯しても上司や組織が一緒に責任者をとってくれますが、脱サラした後は事業に関する全責任を自分自身が負うことになります。売り上げにつながる顧客も自分で獲得しなければならないので積極的に、なおかつ前例にとらわれない柔軟な姿勢で仕事に取り組む姿勢も必要です。

生活するコミュニティの違い

公務員が生活するコミュニティは狭いといわれていますが、退職を機に民間企業に勤務したり脱サラで独立開業したりすると、人や社会とのかかわり方が大きく広がります。そのため、脱サラ当初は一般常識についていけないなど戸惑う場面が発生する可能性がある点に注意しましょう。

たとえば教師の場合は、子ども・保護者とほかの教職員という狭いコミュニティで生活しています。しかし、民間企業を相手に仕事をするようになると取引先はもちろん、消費者や地域社会とも主体性をもってかかわる必要があります。脱サラに失敗しないようにするためには、在職中の段階から多様な視点を持って社会に関する情報に目を向けていく姿勢が必要です。

公務員からスムーズに脱サラするポイント

公務員からスムーズに脱サラするポイントのイメージ

自分に合った業種で脱サラするには、自己分析が欠かせません。知人や友人から、民間でのビジネスに関する情報を収集するのも効果的です。脱サラ前に民間企業に転職して、ビジネス感覚を養うのも一つの方法でしょう。公務員からスムーズに脱サラするためのポイントを解説します。

自己分析をする

脱サラを決断したら自分の強み・弱みや価値観などを自己分析して、脱サラの動機や自分に向いた職種を明らかにしましょう。学生時代に就職活動をしたことがある人は、そのときのエピソードを思い出してみるのも効果的です。

自己分析の結果は、独立開業する際の事業計画や将来のライフプランづくりに活かすことができます。脱サラする上で課題がある場合は、在職中の段階で克服するよう努力しましょう。金融機関から融資を受ける場面などで公務員を辞めた理由を聞かれることもあるので、筋道だった説明ができるよう準備しておくことが大切です。

民間企業や個人事業主の人と話す

公務員と企業・団体の働き方の違いを知るために、民間企業の経営者や従業員・個人事業主などと積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。公務員の考え方から民間のビジネスパーソン・経営者としての考え方にシフトすることで、脱サラに失敗するリスクを軽減できます。民間企業ではどのように顧客を獲得しているか、どんな商品・サービスが消費者に好まれるかなどを、謙虚な気持ちで質問してみましょう。

脱サラについて他人に相談したくない場合は、起業セミナーや異業種交流会に参加して民間ビジネスに関する情報を得るのも一つの方法です。

転職エージェントに相談する

民間企業で自分がどれだけの価値があるかを、転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。一部の転職エージェントを除いて無料で利用できます。

転職エージェントでは、公務員時代の職務経験やスキルに応じて自分の適性・適職を見つけられるようにアドバイザーがサポートしてくれます。民間企業と公務員の違いについて情報を得られる可能性もあります。

公務員を辞めた後にいきなり独立せずに、開業しようとしている職種で何年か経験を積むのも脱サラの成功を目指す一つの方法です。独立支援制度を設けている企業もあるので、求人情報にも目を向けてみましょう。

公務員におすすめの脱サラ方法

公務員におすすめの脱サラ方法イメージ

個人事業主としての開業や法人化など、脱サラにはさまざまな方法があります。なかでもフランチャイズは、開業から店舗経営まで本部によるサポートを受けられるので公務員の脱サラにはおすすめです。

フランチャイズに加盟すると本部が持つノウハウや商品・商標を活用でき、業界経験がなくても短期間で独立起業にこぎ着けられます。商品やサービスの広告・宣伝も本部が代行してくれるので、オーナーは店舗の経営に専念できます。
契約時には最低でも数十万円、高ければ1,000万円前後の加盟金が必要です。在職中に貯蓄したり退職金の一部を活用したりするなど、あらかじめ資金計画を立てておきましょう。

おすすめのフランチャイズ

コンビニなどの小売業をはじめ、飲食店やサービス業などさまざまな業種でフランチャイズが展開されています。ここでは公務員の脱サラにおすすめの、自分の持ち味や公務員時代の経験を活かしやすいフランチャイズの業種を紹介します。

介護福祉のフランチャイズ

高齢者・障がい者向けのデイサービスや訪問介護・配食サービスなどを展開するフランチャイズが増えてきました。介護福祉関係の部署での勤務経験がある公務員にはなじみの深い分野といえます。ルールを遵守する姿勢や住民との対応で培った対人スキルを活かしやすいのが特徴です。介護福祉関係の資格を持っていない人が開業する場合は、有資格者が不在の状態にならないように、開業後の早い段階で事業に応じた資格を取得しておくと良いでしょう。

参考記事:介護のフランチャイズを始めるのに必要な準備

介護のフランチャイズ一覧

教育関連のフランチャイズ

学習塾や幼児教育などのフランチャイズも、厳しい規律の中で勤務している公務員にはおすすめです。教師としての経験はもちろん、児童館・図書館や保育所など子どもに関する部署での勤務経験を活かせます。通ってくる子どもや保護者に分け隔てなく接する姿勢も重宝されるでしょう。本部から指導研修を受けられるので、自分自身が成長するチャンスにもつなげられます。

参考記事:幼児教育のフランチャイズを始めるのに必要な準備

参考記事:塾のフランチャイズを始めるのに必要な準備

便利屋のフランチャイズ

便利屋のフランチャイズは住民サービスの経験だけでなく、自分の特技や趣味などで得た知識・技術を活かせるのが特徴です。結婚相談所などの相談ビジネスやハウスクリーニング・修理サービスも便利屋のカテゴリーに含まれます。家具の移動や草むしりといった体力を使う仕事もあるため、自衛官や警察官などにも向いているでしょう。柔軟な考え方や創意工夫を求められる場面が多いので、公務員と民間のギャップを埋めておくようにしましょう。

参考記事:便利屋を開業するのに必要な準備・費用とは

公務員と民間の違いを理解して脱サラ計画をしよう

公務員は法令や上司の命令に従って忠実に業務を進めるのに対し、民間企業の場合は顧客のニーズに合わせて臨機応変な対応が求められます。退職をきっかけに人付き合いの範囲が変わるなど、生活スタイルが大きく変化することも考えられます。

自分に合った業種で脱サラを成功させるためには、在職中の段階から計画的に自己分析や民間ビジネスに関する情報収集を行うなど視野を広げておくことが大切です。開業の段階から本部から一貫したサポートを受けられる、フランチャイズでの開業もぜひ検討してみてください。

公開日:2022年01月27日

よくある質問

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