脱サラで料理人になりたい!始める際の注意点やメリット・デメリット
最終更新日:2024年09月20日

会社勤めの人のなかには料理が趣味や得意なことで、料理を仕事にしたいと考える人もいるでしょう。この記事では脱サラして料理人を始めたい人に向けて、具体的な仕事内容や料理人になる方法、脱サラして料理人になるメリットやデメリットを事例を交えながら紹介します。料理人を目指す人は、是非参考にしてください。
料理人の仕事とは
料理人とは食材や調理方法などの知識を持ち、メニューを研究・開発するとともに、食材の仕入れから調理までを行う専門職のことです。料理人の具体的な仕事内容や種類、働く場所や勤務時間、気になる待遇面について紹介します。
調理だけが仕事内容ではない
料理人の仕事内容は「食材の仕入れ・選別」「メニューの研究開発」「仕込み・調理」の3つに分かれます。「仕込み・調理」が料理人の主な仕事で、経験が浅い料理人は「仕込み・調理」から業務を学びます。
「仕込み・調理」の経験を積むと、「食材の仕入れ・選別」や「メニューの研究開発」の業務を担います。どの食材を選ぶか、選んだ食材を活かすメニューの発案は料理人にとって欠かせないスキルです。
これらの仕事内容はジャンルや業態、店舗の考え方によって異なります。たとえばフレンチレストランなどでは前菜、メインディッシュ、デザートなど仕込み・調理の担当が細かく分けられていることもあります。
働く場所や時間は店舗次第
料理人が働く場所はレストランやホテルの厨房です。食品の調理工程を集中して行うセントラルキッチンと呼ばれる調理施設で勤務することもあります。
料理人の勤務形態は業態や店舗の営業時間次第です。毎日決まった時間に勤務することもあれば、シフト勤務になることもあります。たとえばランチとディナーどちらも営業するイタリアンレストランでは、早番は9時~18時、遅番は12時~23時のように、交代制シフトを組むことも多いです。
一般企業と比較すると、料理人の1日の勤務時間は長めです。一般のレストランではおおよそ10~12時間程度が平均勤務時間といわれて、下積みの時期はもう少し長いこともあります。
料理人の種類
一口に料理人といってもさまざまな種類に分類されます。フレンチ、イタリアン、中華、日本食などジャンルごとに分類され、各々活躍するケースもあれば、複数のジャンルに渡り調理の技術を磨く料理人もいます。ジャンルごとに料理人の呼び方も変わり、西洋料理ではコックやシェフ、日本料理では板前と呼ばれることがあります。
また働き方による分類もできます。レストランやホテルで働いたり、自身で出店したり、食品メーカーやレストランの企画部門にてメニューを開発したり、調理師免許を活かして講習を行う人など種類はさまざまです。
料理人の給料
料理人の給料は料理人としての実力や経験年数、働く場所や立場などによって幅があります。一般的には経験を積み、技術と知識を身に付けることで給料が上がります。
「令和元年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)」によると、調理師の年収は約342万円でした。年齢が上がると年収は増加し、男性は50~54歳の約457万円、女性は40~44歳の約310万円が最大値です。この調査結果からも料理人の給料は経験を重ねることで増加していくことが分かります。また働く地域によっても給料は変化します。
ほかの仕事と比べて、給料は高くないと感じるかもしれませんが、経験や知識を身に付け、一流のレストランやホテルで働いたり、さらに料理長や板前の立場になれば給料は上がります。また、独立・開業して人気店になれば高収入が期待できるでしょう。実力次第で高収入を得るチャンスがあります。
脱サラで料理人を目指す方法
料理人になるには下積み期間が長く、会社に勤めながら料理人を目指すのは大変と感じる方もいるのではないでしょうか。会社員として働きながら、脱サラして料理人を目指すにはいくつか方法があります。これから紹介する方法を参考に、自分が目指す料理人像に合わせて最適な方法を選択をしましょう。
飲食店で修行を積む
1つ目の方法は飲食店で修業を積むことです。飲食店で修行するといっても会社を辞めて飲食店に就職するのではなく、仕事後の時間や休日の時間を活用してアルバイトとして修業を積みます。アルバイトとして仕事をしながら料理のノウハウを吸収しましょう。
修行する飲食店選びは重要なポイントです。店選びに失敗すると入ったばかりのアルバイトは雑用ばかりで料理のノウハウを学べないかもしれません。料理のノウハウを学べる飲食店を選びましょう。
またアルバイト先を選ぶときは、興味があったり、好きなジャンルの飲食店を選ぶのも大切です。料理人の働く場所は多様なため、将来携わりたいジャンルの料理を扱う店で経験を積むと良いでしょう。
調理学校でスキルを身につける
調理学校に通ってスキルを身に付けるのも1つの方法です。働きながら学校に通うことに不安を感じる人もいるかもしれませんが、社会人を対象にしたクラスを設けている調理学校もあり、会社に勤めながら料理人に必要なスキルを学べます。
調理学校では、料理に欠かせない包丁の使い方から料理の基礎まで体系的に学ぶことができる点はメリットといえます。また卒業と同時に国家資格の「調理師免許」を取得できるカリキュラムもあります。1~2年のカリキュラムが中心で、仕事をしながら料理人としての基礎を確立できるでしょう。
独立支援制度を活用する
飲食店などが提供する独立支援制度を活用して料理人を目指すのも1つです。会社によっては、のれん分けや独立支援の制度・研修を設けています。
独立支援制度を活用するメリットは大きく2つです。1つ目は店舗の運営ノウハウや看板を借りることができ、リスク低く独立できます。2つ目は少ない自己資金で独立できる点です。制度によって資金面でバックアップをしてくれることもあり、持ち出し少なく独立ができます。ただし、一定期間在籍が制度活用の条件の会社もあるので、事前に詳細を確認するようにしましょう。
脱サラで料理人になるメリット
脱サラして料理人になるメリットは、自分が作った料理で喜んでもらえることです。会社で働いているとやりがいを実感しにくいことも多いですが、料理人になると顧客から直接「おいしい」「ありがとう」といった言葉をもらうことができ、充実感を得られます。
自分で裁量を持って仕事ができるのもメリットの1つです。脱サラして料理人になると、自分が作りたい料理を自分の判断でつくることができます。大きな裁量を持ち、会社員時代に感じていた閉塞感から解放され、伸び伸びと仕事に取り組めるでしょう。
また頑張って成功すれば高収入が期待できるのも料理人のメリットといえます。独立し、人気店に成長すれば高収入を得られる可能性があります。業績は顧客からの評価がダイレクトに反映されるので、モチベーションにもつながるでしょう。
脱サラで料理人になるデメリット
脱サラして料理人になるのはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
1つ目のデメリットは一定の下積み期間が必要なことです。料理人は技術ありきの世界なので、料理未経験の場合は一から技術を習得していかなくてはいけません。会社員として働きながら、独立の準備を進めるのは大変で、覚悟を持って取り組む必要があります。
また若くて経験豊富なライバルが多いこともデメリットといえます。料理人の世界は10代後半から調理専門学校で学び、長年下積みで力をつけてきた人たちがライバルになります。料理の経験がなく、脱サラして料理人を目指すとなるとライバルに追いつくために相当な努力が求められます。
料理人はほかの業界に比べて長時間労働になりがちです。体力のあるうちにチャレンジしないと長時間労働についていけない可能性もあるでしょう。特にオフィスワークから脱サラして料理人を目指す人は、働き方にギャップがないように事前に確認が必要です。
脱サラする前に知っておきたい注意点
脱サラすれば会社のしがらみから解放されて自由になれると思う人も多いかもしれませんが、簡単なことではありません。脱サラは、会社員とは異なる点がいくつかあるので注意が必要です。脱サラする前に押さえておきたい注意点を紹介します。
たとえば会社員と比べて社会保障が手薄になります。会社員は一般的には健康保険と厚生年金に加入していますが、脱サラして個人事業主になると国民健康保険と国民年金に加入することになり負担が増えます。また労災保険や雇用保険にも加入できなくなるので注意が必要です。
自身で飲食店を経営する場合は、料理人としての知識やスキルに加えて、経営スキルなども求められます。収益を上げていくために多岐に渡る知識やスキルが求められ、料理人として優秀であっても成功は約束されていません。
なお、脱サラして料理人を目指すといっても、絶対に自分のお店を構える必要はありません。飲食店に雇われて料理人として働く道もあるので、自分に合った働き方を探しましょう。
脱サラ料理人で成功するならフランチャイズを活用しよう
脱サラして料理人として成功するには、料理の専門技術や知識、下積み期間を乗り越えながら経営知識も身に付ける必要があります。家族がいるとリスクを取れなかったり、料理は好きでも経営まで学べないという人もいるでしょう。そのような人はフランチャイズを活用して脱サラ料理人を目指すのがおすすめです。
フランチャイズとはフランチャイザーという本部にロイヤリティを支払うことで経営に必要なノウハウや看板を利用でき、メニューや必要な食材の確保までできる仕組みです。すでに成功している仕組みを活用できるので、リスクを抑えて脱サラ料理人を目指すことができます。
先に紹介した独立支援制度を活用し、少ない資金でフランチャイズ経営を始めることもできるので、リスクを抑えて成功を目指す人はフランチャイズ制度の活用を検討してみましょう。
公開日:2022年03月23日