早期退職の退職金はいくらが相場?退職金の有効な使い道も解説

最終更新日:2023年04月03日

終身雇用が常識だった頃は、退職といえば「定年退職」とイメージされるのが一般的でした。しかし昨今では、早期退職者を優遇する制度が増えています。「早期退職の場合、退職金はいくらが相場になっているの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、早期退職の退職金の相場について解説します。退職金の有効な使い道や「退職後にどのようなキャリアを歩んでいけば良いか」など、役立つ情報もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フランチャイズを探してみる

目次

そもそも退職金とは

早期退職の退職金相場は?

早期退職でもらった退職金の間違った使い道

早期退職の退職金の有効な使い道

早期退職後におすすめのキャリア

早期退職の退職金についてまとめ

そもそも退職金とは

そもそも退職金とは

「そもそも退職金とは何?」「どのように受け取れるの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。そこで、まずは退職金の概要や退職金の支払い方法などについて解説します。

退職金とは

退職金とは、退職に際して企業から支払われるお金です。一般的には「退職金」と言われますが、「退職手当」「退職慰労金」「退職功労報奨金」など、さまざまな呼び方があります。労働者への恩情だけでなく、失業後の生活を支援するためのお金です。

退職金は、退職方法や会社規模、勤続年数によって大きく異なります。一般的な「定年退職」であれば、退職金の相場は、1,000万〜2,000万円程度です。なお、退職方法はほかにもリストラのような会社都合退職や、早期退職優遇制度を利用しての退職などがあります。詳しくは後述しますが、退職方法によって退職金の相場は異なります。

退職金の受け取り方法

退職金を受け取る場合は、通常の賃金とは異なり、就業規則で定められた時期になります。たとえば「支給事由の生じたから6ヵ月以内に支払われる」といった文言があれば、退職してから6ヵ月以内に退職金を受け取れます。

そのため、退職金の受け取りを考えている場合は、自社の就業規則をよく読むことが重要です。特に退職金の支払期日が指定されていない場合は、会社に問い合わせるようにしましょう。なお、支払期日を過ぎても退職金が支払われない場合は、遅延損害金を受け取れます。

早期退職の退職金相場は?

昨今では早期退職をする人は増えていますが、もし早期退職するなら退職金の相場はどれくらいになるのか、気になっている方も多いでしょう。ここでは、早期退職した場合の退職金相場や、早期退職優遇制度について解説します。

早期退職した場合の退職金相場

早期退職した場合も含めて、まずは退職金の相場を見てみましょう。厚生労働省で行われた平成30年就労条件総合調査によれば、退職金の相場は以下の通りです。

退職方法 退職金
定年退職 1,983万円
会社都合 2,156万円
自己都合 1,519万円
早期退職 2,326万円

参照:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概要」

なお、上記の調査は勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象としています。また大学・大学院卒のデータであり、高校卒はまた異なる数値となるので注意しましょう。

表を見ても分かるように、他の退職方法と比べると、早期退職の退職金は最も高くなっています。次の項目から、退職金優遇制度について解説します。

早期退職優遇制度とは

早期退職優遇制度とは、定年前に退職をする社員に対して、優遇的な措置を設けるシステムです。基本的には、社員のキャリア形成を支援する目的で設置されており、「福利厚生」の意味合いが強い制度となっています。

早期退職優遇制度では、退職金の割増や有給休暇の買い取りが行われることが多いです。また基本的にミドル層やシニア層が利用する制度というのもあり、再就職の支援を行なっているところもあります。社員に選択肢を与えるだけでなく、「組織の新陳代謝」の新しい形としても注目されています。

希望退職制度や選択定年制との違い

希望退職制度は、企業が早期退職者を募る制度です。早期退職優遇制度が、福利厚生としての意味合いを持っているのとは異なり、人件費を削減するための制度となっています。希望退職制度によって退職した場合は、「会社都合」での退職となる点にも注意が必要です。

  • 自己都合扱い:労働者自身の都合によって退職すること(一身上の都合による退職など)
  • 会社都合扱い:会社の都合によって退職すること(リストラなど)

選択定年制は、あらかじめ企業が設定した年齢に達したら、退職を選択できるようになる制度です。つまり、早期退職優遇制度とほとんど同じような意味になります。大枠である「選択定年制」に、「早期退職優遇制度」が含まれるとイメージしておきましょう。

早期退職でもらった退職金の間違った使い道

勤続年数や会社の規模によっても異なりますが、早期退職で支払われる退職金は、普段の月収の何十倍にもなる額です。大金に目が眩んでしまい、間違った使い道をしてしまう人も少なくありません。ここでは、退職金の使い道として、良くない事例を3つ解説します。

何となくサラリーマン時代と変わらない生活をする

退職金があるからといって、何となくサラリーマン時代と変わらない生活をするのはNGです。退職後は、毎月もらう年金と、これまでに貯めてきた貯金を切り崩して生活することになります。従来の生活に比べて、収入が極端に少なくなってしまうのが、大きなポイントです。

老後の生活は非常に長いため、サラリーマン時代よりも堅実なお金の使い方が重要になります。生活水準を下げるのは難しいかもしれませんが、「無駄な出費をしない」と心がけるだけでも、将来の生活に良い影響を及ぼすでしょう。

ハイリスクの金融投資をする

「退職金をさらに増やしたい」と考えて、ハイリスクの金融投資(FXや仮想通貨など)をするのは危険です。退職後のお金について不安があると、「投資」や「儲け話」に興味を持つ人は多いでしょう。投資額が大きいほどリターンも大きくなるからと、退職金としてまとまったお金を得た途端、ハイリスクの金融投資をしてしまう人もいるかもしれません。

しかし投資は、当然失敗するリスクがあり、場合によっては退職金を全て使いつぶしてしまう可能性もあります。そうなれば、老後の生活に大きな影響を及ぼすでしょう。どうしても金融投資をしたいのであれば、少額投資や分散投資など、なるべくリスクが少ない方法を選ぶのがおすすめです。

無計画にまとめて使ってしまう

これは退職後に限った話ではありませんが、お金を無計画にまとめて使ってしまうのはやめましょう。たとえば退職をきっかけに、不動産を購入しようと考えている方も多いでしょう。しかし無計画にお金を注ぎ込んでしまうと、後になって「あのとき貯金しておけばよかった」と後悔する可能性もあります。

退職金を受け取ったら、まずはこれからの生活に関する計画を立てましょう。「毎月の収支はいくらになるのか」「現時点でどれぐらいの資産を保有しているのか」「快適に暮らすためには月どれくらいの出費が必要か」などの情報を事前にまとめておくのが大切です。

早期退職の退職金の有効な使い道

早期退職の退職金の有効な使い道

間違った使い道がある一方で、早期退職金の有効な使い道もあります。たとえば負債の返済やリスクの少ない資産運用、新しい事業の展開などです。ここでは、退職金の有効な使い道について、3つのトピックに分けて解説します。

負債を返済する

退職金のようなまとまったお金を手にした場合は、それをさらに増やそうとするよりも、まずは負債の返済を考えましょう。たとえば、住宅ローンや自動車ローン、消費者金融などの借入です。

ローンを組んだ際は、月々の返済によって完済を目指しますが、そこには元本だけでなく利息も含まれています。完済するまでの期間が長引けば長引くほど、支払う利息も大きくなるという仕組みです。

そのため、負債がある場合は、なるべく早期の段階で完済することが重要です。自分の生活に影響が出ない範囲で、負債の返済を行いましょう。

リスクの少ない資産運用をする

「ハイリスクの金融投資をしないのが重要」と述べましたが、投資が全て悪いわけではありません。リスクの少ない資産運用をすれば、将来的に使えるお金が増える可能性があります。

ハイリスクの金融投資として例に挙げたのは、FXや仮想通貨でした。リスクの少ない資産運用は何かというと、定期預金や社債・国債、投資信託のような「大きく損をしない投資」です。

最近では、「つみたてNISA」など、配当が非課税になる制度もあります。「月3万円から」など、少額で始められるので、気になる方はぜひ検討してみましょう。

新たな事業を開業する

退職をきっかけに、新たな事業の展開を考えてみるのも良いでしょう。もちろん事業には、失敗のリスクが存在するため、100%安全な運用方法ではありません。

しかし、先ほども確認したように、退職金の相場は数千万円です。仮に2,000万円の退職金を得られたとしたら、その金額の一部を事業の開業に使ってみても良いでしょう。

新しい事業を始めるメリットは、金銭的なものだけではありません。「新しい人生を始める」という意味でも、老後の暮らしに良い刺激を与えてくれるものになります。早期退職後にどのようなキャリアを進めば良いかについては、次の項目で詳しく解説します。

早期退職後におすすめのキャリア

早期退職後におすすめのキャリア

早期退職で退職金を得た際に、新しいキャリアを考えるのであれば、フランチャイズがおすすめです。ここでは、フランチャイズの概要や、おすすめのフランチャイズについて解説します。

フランチャイズとは

フランチャイズとは、フランチャイズの本部から商品の提供を受け、オーナーとして店舗を運営する方式です。店舗の利益が全て自分のものになるわけではなく、一部をロイヤリティという形で、フランチャイズ本舗に還元します。本部とオーナーがWin-Winの関係になる仕組みです。

フランチャイズの種類はさまざまです。初期費用がかかるものも多くありますが、早期退職で退職金を得ている場合であれば、費用を賄えるでしょう。昨今では、早期退職をした後に、フランチャイズを始める人も増えています。新しいキャリアとして、フランチャイズを考えてみるのも良いでしょう。

早期退職後におすすめのフランチャイズ

早期退職後におすすめのフランチャイズは、いくつかあります。自分が経験してきた業界に関係のあるフランチャイズはもちろん、まったく新しい分野に挑戦してみるのも良いでしょう。

たとえば、学習塾業界で長く働いてきたのであれば、学習塾・個別指導塾・家庭教師などのカテゴリーに注目してみましょう。個別指導Axis(アクシス)は、黒字校の引継ぎプランを提供するなど、初心者でも始めやすい環境が整っています。

また未経験からオーナーになる場合は、開業資金が低いものがおすすめです。たとえば、SP水素セラピー〜水素吸入機ビジネス〜は、開業資金が3万円と破格の水準です。

早期退職の退職金についてまとめ

早期退職の退職金は、福利厚生で取り入れられている側面があり、通常の退職よりも優遇されるケースが多くなっています。退職金としてまとまったお金が入ると、いろいろなことに使いたくなってしまう人も多いでしょう。

しかしまとまったお金だからこそ、使い方がとても重要です。負債がある場合は、利息の支払額を抑える意味でも、なるべく早めの返済を心がけましょう。

早期退職後のキャリアとしては、フランチャイズがおすすめです。どのフランチャイズ本部を選べば良いか分からない場合は、「フランチャイズ比較.net」を参考にしてください。

公開日:2022年09月26日

よくある質問

Q 早期退職時の退職金の受け取り方について教えてください。 回答を見る
Q 退職金の税金はいくらになりますか? 回答を見る