クレープ屋の開業は儲かる？開業方法別の資金や成功のコツなどを紹介
最終更新日：2024年04月25日
クレープはテイクアウトできる定番のスイーツです。
幅広い世代に人気で飲食店の中でも開業がしやすいことから、クレープ屋の開業を決める人も少なくありません。ですが、クレープ屋の開業にはさまざまな準備が必要で、不十分だと失敗する可能性が高まります。
そこで今回は、クレープ屋の開業に必要な資金や資格、年収の目安、開業方法などを紹介します。
目次
クレープ屋を開業するメリット
クレープ屋は幅広い世代に人気の職種です。クレープ屋を開業するメリットを解説します。
原価率が低めで利益を出しやすい
クレープは原価率が低く、利益を出しやすい商材です。定番メニューに必要な材料は次の通りです。
- 薄力粉
- 牛乳
- 卵
- 砂糖
- バターもしくは油
- ホイップクリーム
- バナナ
- チョコレートシロップ
安価なトッピングなら、材料費を安く抑えられます。
場所や時間を問わず販売できる
クレープ屋開業のメリットは、場所や時間を選ばずに商品を販売できることです。
たとえば弁当屋の場合、食事以外の目的で販売数を伸ばすのは難しいですが、クレープ屋ならデザート系だけでなく、おかず系のメニューも展開できるので売り上げを伸ばせます。また、クレープは年間を通して人気が高いため季節を問わず販売できるのも特徴です。
イベントに出店しやすい
さまざまなイベントでもニーズが高い商品であることも、クレープ屋を開業するメリットだと言えます。
神社のお祭りから不特定多数の人が集まるイベントまで規模にかかわらず対応できるため、売り上げを伸ばしやすいです。人気店になって口コミや評判が知れ渡れば、イベント運営者から出店依頼を受けることもあるでしょう。
調理しやすい
クレープ屋の開業は、レストランや居酒屋など多くのメニューを取り扱う飲食店の開業に比べると、クレープの生地を焼いて具材を包むシンプルな工程のため未経験者でも調理できます。クレープの生地を焼くための練習は必要ですが、生地の焼き方さえ習得できれば商品として提供できるでしょう。
アイデアを活かせる
クレープ屋の開業はアイデアを活かしたオリジナルメニューの開発に向いています。アレンジメニューを販売すれば、競合との差別化を図れます。たとえば、季節のフルーツや食品をトッピングしたり、SNS映えする盛り付けに工夫したりするのも一つの方法です。
クレープ屋を開業するデメリット
クレープ屋を開業した場合、販売数を増やす必要があったり調理に時間がかかったりといったデメリットがあります。
単価が低いため販売数を増やす必要がある
クレープ屋の開業は原価率を安く抑えられるメリットがあるものの、顧客1人あたりの売り上げが低い傾向です。そのため、販売数を増やして売り上げを確保しなければなりません。
ターゲットを明確にし、顧客層の多いエリアに絞ってクレープを販売しましょう。
提供するまでの時間がかかる
クレープ屋の開業では、注文を受けてから生地を焼き始めるため提供までに時間がかかり回転率が悪くなりやすい商材です。回転率が悪くなると購入せずに帰る人が増える可能性があり、機会損失につながります。
作業効率を高めて回転率を上げる工夫をしましょう。
クレープ屋の開業方法
クレープ屋の主な開業方法は、実店舗・キッチンカー・フランチャイズの3つです。それぞれの開業方法を解説します。
店舗で開業する
クレープは調理スペースがあれば作れるため、狭小物件でも開業できます。
ターゲットの客層が多いエリアで立地条件が良い物件を選びましょう。賃料を抑えられる物件を選べば利益を増やすことが可能です。
店舗で開業する際にかかる費用の目安は後ほど解説します。
キッチンカーで開業する
クレープ屋はキッチンカーでも開業できます。
キッチンカーは軽バン（軽自動車型のワンボックスカー）や軽トラ（軽自動車型のトラック）に調理設備を設けた改造車です。新車をオリジナルのキッチンカーに改造する方法と既製のキッチンカーをレンタルする方法があり、レンタルのほうが初期費用を抑えられます。
フランチャイズに加盟して開業する
フランチャイズに加盟してクレープ屋を開業する方法もあります。
本部から接客のコツや生地を焼く技術など開業に必要なノウハウが提供されるので未経験者でも安心して開業できます。ただし本部によってノウハウやサポートの範囲が異なるため、事前に確認しましょう。
クレープ屋の開業におすすめのフランチャイズを紹介します。
MATERIA CREPE
『MATERIA CREPE』は、生クリーム・生チョコ・生地は全て手作りのクレープ屋のフランチャイズです。どんな立地でも開業でき、営業時間は自由に設定可能です。また、メディアでも紹介された人気店のノウハウや技術を学べる研修制度を利用できます。
GIRAFEクレープ
『GIRAFEクレープ』は、加盟店同士で顧客の取り合いになるのを防ぐため店舗数を限定しているフランチャイズです。日本全国100店舗限定を掲げ、フランチャイズを募集しています。ロイヤリティは固定の5万円で、オーナーの資本金に合わせた開業プランを相談できます。
クレープ屋の開業に必要な資金の目安
クレープ屋の開業に必要な資金は販売形態ごとに異なります。
| 開業方法 | 開業資金の目安 |
|---|---|
| 店舗 | 300～700万円程度 |
| キッチンカー | 350～700万円程度 |
| フランチャイズ | 400万円程度（本部によって異なる） |
店舗の場合
店舗でクレープ屋を開業する場合の資金の目安は300～700万円程度です。開業資金の内訳を表にまとめました。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 物件取得費 | 100～150万円程度 |
| 内装費 | 100～250万円程度 |
| 厨房設備費 | 50～150万円程度 |
| 材料費 | 10～30万円程度 |
| 運営資金 | 120～300万円程度 |
キッチンカーの場合
キッチンカーでクレープ屋を開業した場合の資金の目安は350～700万円程度です。開業資金の目安は以下の通りです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 車両取得費 | 150～300万円程度 |
| 内装費 | 100～250万円程度 |
| 厨房設備費 | 50～150万円程度 |
| 材料費 | 10～30万円程度 |
| 運営資金 | 120～300万円程度 |
フランチャイズの場合
フランチャイズに加盟してクレープ屋を開業する場合の資金は本部によって異なりますが目安は400万円程度です。主な内訳は次の通りです。
- キッチンカーの購入費・改造費
- 厨房設備費
- 材料費
- 運営資金など
フランチャイズは運営資金として加盟金やロイヤリティが発生することがあるため初期費用が増える可能性があるものの、本部によっては必要な設備をリース契約できたり、開業するための手厚いサポートが受けられるケースがあります。ほかの開業方法よりも資金を抑えながら安心して開業することが可能です。
クレープ屋は儲かる？開業後の年収の目安
クレープ屋を開業するにあたって、果たして儲かるのかを気にしている方も多いことでしょう。
フランチャイズの『MATERIA CREPE』を例に挙げると、月の売上は約150万円。年収に換算すると1,800万円となります。1ヵ月あたり約97万円の利益が出ており、年間で1,000万円以上の利益を残せる計算です。
また、国税庁が2020年に公表した「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均年収は443万円でした。上記のケースを基に1人でクレープ屋を開業したと仮定すると500万円程度の年収が見込めるので、平均年収よりも稼げる可能性があります。
参照：令和3年分 民間給与実態統計調査 | 国税庁ホームページ
クレープ屋の開業に必要なもの
クレープ屋の開業に必要なものは以下の通りです。
- クレープを焼くための鉄板
- 備品や消耗品
- 材料
- 物件
- キッチンカー
それぞれを詳しく解説します。
クレープを焼くための鉄板
クレープの生地を焼くためのクレープ焼き機の種類には電気式とガス式の2つがあります。それぞれの特徴をまとめました。
| クレープ焼き機の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 電気式 | ・温度調整がしやすい ・初心者でも使いやすい |
・連続使用は温度が下がりやすい ・本体価格が高い |
| ガス式 | ・火力が強く連続使用できる ・ふっくら焼き上がる ・本体価格が安い |
・夏場は暑くなりやすい ・イベントによっては使用できない |
ガス式のほうがコストは安く、ふっくらした焼き上がりのクレープ生地を連続して焼けます。ただし、イベント会場の安全面の理由で使用禁止になる場合がありますので、メリット・デメリットを把握した上で選びましょう。
備品や消耗品
クレープ屋の開業に必要な備品・消耗品は次の通りです。
- 冷蔵庫
- おたま
- トンボ（生地を伸ばすための道具）
- スパチュラ（生地を裏返すための道具）
- クレープホルダー
このほかにトッピングを保管する容器も必要です。
材料
クレープ屋を開業する際は、クレープを作るための材料として、卵や小麦粉、トッピングの材料などを仕入れ先から購入します。材料費を安く抑えることで利益アップが見込めるため、仕入れ値が安い業者から購入し原価率を下げましょう。
物件
店舗型でクレープ屋を開業する場合は、物件を探す必要があります。
物件を選ぶときは人通りが多く、最寄り駅からのアクセスが良い場所を選びましょう。また、内装はクレープのおしゃれな雰囲気に合わせて非日常感を演出したり、写真映えする内装にしたりなど話題になりやすい工夫をすることで、集客につなげられるでしょう。
キッチンカー
クレープ屋の開業で使用するキッチンカーには、軽バンや軽トラ、1.5トントラックが適しています。軽バンは比較的低コストで導入できます。軽トラは軽バンよりもサイズが大きく価格は高めです。また、1.5トントラックは広々とした作業スペースを確保できる反面、広い駐車スペースが必要です。
クレープ屋の開業に必要な資格
クレープ屋を開業する場合、必要な資格は営業形態によって異なります。なお、調理師免許の取得は必須ではありません。必要な資格について解説します。
食品衛生責任者
クレープ屋を開業する際は、食品衛生責任者の設置が必要です。食品衛生責任者は、食品衛生法によって食品を扱う全ての営業者に配置が義務付けられている資格です。食品衛生責任者は営業者の指示に従い、衛生管理にあたる役割があります。
資格は都道府県で実施される講習会を受けることで取得できます。
保健所による営業許可
クレープ屋の開業に必要な保健所から取得する営業許可は、開業方法によって異なります。
| 開業方法 | 必要な営業許可 |
|---|---|
| 店舗型 | 飲食店営業許可 |
| キッチンカー（移動販売） | 飲食店営業（自動車） |
| 梱包された食品を販売 | 食料品等販売業（自動車） |
上記の営業許可に加えて、地域のお祭りやイベントで不特定多数を対象にクレープを販売する場合は臨時営業の許可申請や臨時出店の届出の取得が必要です。
クレープ屋の開業を成功させるコツ
クレープ屋を開業して軌道に乗せるためのコツを解説します。
回転率を上げる
クレープ屋の開業では、商品1つあたりの単価が500～1,000円程度と低いため、販売数を増やして売り上げを上げることが求められます。効率的に販売するには回転率を上げることが重要です。回転率を上げるコツは、次の通りです。
- 現金決済以外の支払方法を導入して現金授受の時間を短縮する
- オペレーションにかかる時間を減らす
- 作業動線を工夫してメニューの提供時間を短縮する
それぞれの時間を短縮できれば回転率が上がります。
オリジナリティを出す
クレープ屋の開業では、オリジナルメニューを作って独自の売りを明確にすることで競合との差別化につながります。独自の売りをアピールするためには人目を引くデザインの看板を作ったり、チラシやSNSの広告を利用したりすると良いでしょう。
見た目も工夫する
クレープ屋を開業する際は、クレープの見た目にこだわって幅広い客層を獲得しましょう。
SNS映えするクレープは女性や家族連れの客層を獲得できる可能性が高まります。SNSで画像や店の情報をシェアしたくなるような盛り付けを意識したクレープを作ることで費用をかけなくても宣伝ができます。
飲食店で開業した人の話を参考にする
飲食店で開業した人の経験談や失敗談は、これから開業する人に有益な情報が詰まっています。クレープ屋を開業する際は、実際に飲食店で開業した人にどのように成功を収めたのか、何が要因で失敗したのかを質問してみましょう。以下の動画も参考にしてみてください。
飲食店開業経験者のリアルなインタビュー動画をもっと観たい方はこちら
クレープ屋の開業と似たおすすめフランチャイズ
クレープ屋の開業と似たフランチャイズとして、パン・デザート系でおすすめのフランチャイズを紹介します。
魔法のパンケーキ
『魔法のパンケーキ』は、年間の利益が1,000万円超えも可能なパンケーキ屋のフランチャイズです。パッケージライセンス契約を採用しているため、一般的なフランチャイズよりも自由度が高く、低資金で開業できます。
ピザテン.フォー
『ピザテン.フォー』は、独自の商品開発コンセプトと店舗運営システムを持ち、北海道から九州まで展開している宅配ピザのフランチャイズです。日本人の味覚に支持される商品力や低資金での開業、安定した収益運営が強みです。
クレープ屋の開業についてまとめ
クレープ屋の開業に成功すれば高年収も期待できますが、開業には資金や準備が必要です。未経験でクレープ屋の開業を成功させるなら、低資金での開業が可能かつ本部からノウハウや技術のサポートがあるフランチャイズを検討してみてはいかがでしょうか。
公開日：2023年02月20日
