クリーニング店のフランチャイズを始めるのに必要な準備

最終更新日:2021年06月07日

クリーニング店の開業にあたり、フランチャイズへの加盟を検討する方は少なくありません。
特に、開業資金に余裕がない方にとっては、経営ノウハウを学べる上、費用がぐんと抑えられるフランチャイズは魅力的に感じることでしょう。

こちらでは、フランチャイズでクリーニング店を始めたいという方に向けて、必要な費用の目安や成功のポイント、おすすめのフランチャイズなどを紹介します。
個人で開業をする場合とフランチャイズに加盟する場合の違いついても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

クリーニングフランチャイズを探してみる

目次

クリーニング店フランチャイズの費用

クリーニング店フランチャイズの特徴

クリーニング店フランチャイズを始めるときの準備

クリーニング店フランチャイズ本部選びのポイント

おすすめのフランチャイズ

クリーニング店フランチャイズの費用

クリーニング店フランチャイズの費用

クリーニング店のフランチャイズを検討する上でとても重要な「開業資金(初期費用)」と「運営資金」について、まずは説明します。

開業資金(初期費用)

クリーニング店のフランチャイズの開業資金(初期費用)は、150~300万円程度が目安です。

一般的に個人でクリーニング店を開業する場合、水洗機や乾燥機、ドライ機などの大型の機械が必要となります。
これらの機械は一つ100万円以上することがほとんどで、初期費用だけで1,000万以上かかることも少なくありません。

一方、本部の工場でクリーニングを行うフランチャイズは機械の購入が不要なので、個人で開業するより圧倒的に初期費用を抑えることが可能です。

クリーニング店フランチャイズの初期費用には、加盟金や備品購入費、研修費、広告費などが含まれます。
加盟金は本部によってさまざまですが、20万円程度としているところがほとんど。
その他の費用に関しても金額に差があるので、十分な確認が必要です。

運営資金

運営資金は、1ヵ月50万円程度が目安です。

この運営資金は事業を続けるのに必要な費用であるため、初期費用とともに事前にしっかりと計算をしておくようにしましょう。

また、毎月本部に支払うロイヤリティも忘れてはいけません。

ロイヤリティには主に「売上歩合方式」「定額方式」、そして「粗利分配方式」の3つの方式があります。
クリーニング店フランチャイズの場合は売上歩合方式、あるいは定額方式が多いのが特徴です。

なかにはロイヤリティがゼロというフランチャイズも存在しますが、その分加盟料が高く設定されていることがあるため注意が必要です。

こちらの記事でもクリーニングフランチャイズの開業資金(初期費用)や運営資金について詳しく解説しています。

クリーニングフランチャイズの開業・運営に必要な資金について詳しく見る

クリーニング店フランチャイズの特徴

クリーニング店フランチャイズの特徴

次に、クリーニング店のフランチャイズの特徴として、具体的なサービス内容やメリット・デメリットなどを解説していきます。

サービス内容

フランチャイズでクリーニング店を営む場合、そのほとんどが本部との「取次店」としての役割を果たします。
お客様から預かった衣類を工場へ送り、工場での洗濯が完了した後にお客様へ返却するのがフランチャイズのクリーニング店の主な業務です。

自身の営業店でクリーニング作業をすることがないため、洗濯機や乾燥機などの大型機械を店内に揃える必要はありません。
衣類の預かり場所とカウンターさえあれば業務が完結します。

実際に店舗で行うのは、お客様から衣類を預かり返却する接客対応がメインです。
開業前のトレーニングでは、フランチャイズ本部によりますが1週間~1ヵ月ほどの期間をかけて、接客やクレームの対応について学ぶことになります。

フランチャイズのクリーニング店は、サービス業の経験が浅い人でも、安心してお店を始めることが可能な形態だと言えるでしょう。

メリット

フランチャイズでは、費用や教育の面で個人開業にはないメリットを享受することができます。
全国には数多くのフランチャイズのクリーニング店がありますが、ここで紹介するのはそのほとんどの店舗に共通するメリットだと言えるでしょう。

ネームバリューを活用した集客ができる

自身の大切な衣類を、無名のクリーニング店へ預けることに抵抗がある人は少なくはありません。
そのため個人でゼロの状態から開業する場合、集客に苦労をする人は多くいます。

その点すでにネームバリューのあるフランチャイズ店であれば、顧客からの信頼度が高く集客しやすいというメリットが挙げられます。

またチラシやCMなどの主な広告は本部が担うため、店舗オーナーが集客に労力をかける必要がないのもポイントです。

少ない資金で開業できる

初期費用の章でもお伝えしましたが、クリーニング店を個人で開業すると多大な資金が必要です。
洗濯機や乾燥機などの大型機械は、100~200万円程度することも珍しくありません。
個人で開業する場合、初期費用だけで1,000万円ほどかかると考えるべきでしょう。

その点フランチャイズ店は、クリーニングは本部の工場で行うため大型の機械類を購入する必要がありません。
また店内にはカウンターと衣類の保管場所があれば良いため、物件を選ぶ際に土地の広さにこだわらなくて良いのもメリットです。

高度な専門技術は不要

個人で開業する場合は、「クリーニング師」という専門の資格を持ったスペシャリストを店舗に置く必要があり、そのクリーニング師が洗浄から染み抜き、仕上げまで一連の業務をこなします。

それに対してフランチャイズ店は、クリーニング作業は店舗で行わず、衣類は工場へ送るのが主流です。
そのためクリーニング師を雇う必要も、オーナー自身が専門的な知識や高度なクリーニングスキルを身につける必要もありません。

つまりフランチャイズであれば、クリーニング業界未経験でも比較的容易にお店を始めることができるのです。

デメリット

一見するとメリットしかないように感じるフランチャイズですが、メリットだけでなくデメリットがあるのも現実です。
これからフランチャイズでクリーニング店を開業したい方は、デメリットについてもよく知っておくことで不要な失敗を避けることにもつながります。

ブランドイメージの影響を受けやすい

フランチャイズチェーンの名前を借りて商売をしている以上、本部のブランドイメージが店舗の売上にも直結することは念頭に置いておくべきだと言えます。

たとえば本部が不祥事を起こした際は、自身の店舗の売上が下がる可能性もあるということです。

ブランドイメージは一つの店舗が努力しただけで変えることを難しく、こういった不可抗力のリスクがあることは覚悟しておくことが重要でしょう。

毎月ロイヤリティを払う必要がある

フランチャイズに加盟する場合は、毎月ロイヤリティを本部に支払う必要があります。
ロイヤリティとは、本部の名前を借りたり経営ノウハウを使ったりする代わりに支払う費用のこと。

ただ、フランチャイズのクリーニング店のなかにはロイヤリティが無いところも多数あります。
もしも予算に余裕がないのであれば、ロイヤリティがゼロの本部を探すようにすると良いでしょう。

自由度が低い

接客のやり方から営業時間まで、フランチャイズ店では店舗運営にかかわる大半の項目を本部のマニュアルに従わなければいけません。
マニュアルの内容は本部によってさまざまですが、個人で開業して運営するのと比べて自由度は格段に低くなることは確かでしょう。

もしマニュアルを破り独自の方法で店舗を運営すれば、契約打ち切りや違約金の発生につながることも。
フランチャイズ店の開業を検討している方は、まずはマニュアル内容にしっかりと目を通し「このマニュアルに従えるか(あるいは共感できるか)どうか」を考えることが大切です。

クリーニング店フランチャイズ以外のサービス業に興味のある方はこちらをチェック!

成功・失敗のポイント

成功・失敗のポイント

クリーニング店のフランチャイズ運営を成功させるには、「安定した客足が見込めるかどうか」がポイントとなってきます。
実際に開業する前に、どういったポイントが成功と失敗につながるのか知識をつけておくようにしましょう。

事前に潤沢な資金を用意しているか

フランチャイズでクリーニング店を開業する場合、初期費用に300万円、運営費用に50万円程度が必要だと最初にお伝えしました。
しかし、この資金だけを用意すれば安心というわけではありません。

フランチャイズ有名ブランドの看板を掲げていても、すぐに集客が成功するとは限らないのが客商売。
場合によっては、数ヵ月の間は赤字の中で経営をしなければいけない可能性もあります。

そのため最初の1年間は、顧客が少なく赤字でも困らない程度の運営資金を用意しておくと安心でしょう。
すぐにお店をたたむような事態に陥らないためにも、十分な資金を集めてから開業することが成功のポイントです。

近隣に競合店がいないか

店舗を出店する地域・土地選びは、事業が成功するか失敗するかの分かれ道となります。
特にクリーニング店は、地域のリピーターによって成り立っている面が強い業界です。
すでにその地域に繁盛しているクリーニング店がある場合は、エリア変更を視野にいれるのが良いでしょう。

クリーニングを利用する客層は、遠方からではなく近所から訪れる人がほとんどです。
そのため出店する場所は、少なくとも半径1キロメートル以内に競合がいないのが好ましいと言えます。
どの地域に店を構えるかは、妥協せず選び抜きたいポイントです。

クレームに適切に対応できているか

クリーニング産業は、数ある業界の中でもクレームをもらいやすい業界だと言われています。
シミやシワなどの少しのトラブルが、顧客の信頼を落とすことにつながります。

フランチャイズ店の場合は本部がクレーム対応をすることが多いですが、店頭でクレームをもらうことも少なくありません。
そのためお客様からクレームを受けた時に、いかに適切な対応ができるかがポイントとなってきます。

クリーニング店に訪れる顧客はその地域の住民が多く、一度悪い評判がたてば挽回するのは難しいでしょう。
確実にリピーターを離さないためにも、一つひとつの接客サービスを丁寧にすることが重要です。

クリーニング店フランチャイズを始めるときの準備

クリーニング店フランチャイズを始めるときの準備

クリーニング店のフランチャイズを始める際の準備を大きく分けると、市場調査、店舗、教育の3つがあります。
これらは良いスタートを切るために非常に重要となるため、一つひとつ確認していきましょう。

市場調査

クリーニング店を成功させるには、開業前の念入りな市場調査がポイントとなります。

先にも述べましたが、どの地域に店舗を出すかで売上が大きく変わるのがクリーニング業界。
あらかじめ出店エリアの情報を集め、どの程度の客数が見込めるか予測を立てておくことが大切です。

フランチャイズの場合、市場調査や物件は本部から情報提供をされることがほとんどですが、本部に頼りっきりになるのではなく自身でも積極的にリサーチしておくようにしましょう。

また本部によっては、物件を紹介してもらえるだけでなく、その物件の収支や企画についてアドバイスをもらえることもあります。

店舗

フランチャイズでクリーニング店を始める場合は、基本的にはカウンターと衣類の保管場所を確保できる広さの物件さえあれば問題ありません。
広い土地や物件を用意する必要がなく、店内の準備にもあまり時間がかからないのがフランチャイズ店の魅力です。

換気や照明設備など、業務を行う際に必要となる備品を用意・設置しておくようにしましょう。

店内の工事や備品の設置は専用の業者がおこないますが、作業現場を自身でも確認することで開業した際のイメージがしやすくなります。
お客様から預かった衣類を保管する未洗濯物置場や仕上がり品の収納棚など、本部の指示に従いつつ準備を進めるようにしてください。

教育

フランチャイズのクリーニング店は、個人で開業する場合と比べて高度な洗濯技術を学ばなくて良いのが特徴です。
しかし受付として働く以上、お客様から質問やクレームを受ける機会は頻繁にあります。
そのため、質の高い接客スキルやクレーム対応力を身につけておくことが重要です。

この接客スキルやクレーム対応については、開業前に本部の研修で学ぶことができます。
今まで接客業で働いた経験がない方も、研修を通してお客様対応のノウハウを学べぶことが可能です。

またお客様対応だけでなく、フランチャイズ本部によっては研修で経営ノウハウについて伝授してくれることも。
完璧な状態で開業するためにも、事前研修の段階で不安要素は打ち消しておくようにしましょう。

クリーニング店フランチャイズ本部選びのポイント

クリーニング店フランチャイズ本部選びのポイント

フランチャイズでクリーニング店を始める際、以下の3つのポイントに留意して本部を選ぶことを推奨します。

  • 研修制度が充実しているかどうか
  • 知名度があるかどうか
  • 本部の理念や価値観が共有されているかどうか

まず、個人開業にはないフランチャイズのメリットといえば、研修を通して接客や経営のノウハウを学べる点にあります。
高額な加盟金を払っていながら質の高い研修を受けられないのは、オーナーにとって大きな損失だと言えるでしょう。

またクリーニング店は、お客様の大切な衣類を一定期間預かる場所です。
そのため顧客も、出来れば知名度の高い安心できる店舗を利用したいと考えています。
せっかく個人ではなくフランチャイズを活用するなら、ネームバリューのある大手の本部を選ぶのがポイントです。

最後に、本部の理念や価値観に共感できるかどうかも本部選びの際には重要です。
フランチャイズでお店を始めるということは、これから年単位で本部とも関わっていくということ。
本部の理念や価値観に共感できなければ、徐々に本部とのすれ違いが生まれる可能性もあります。

おすすめのフランチャイズ

ホワイト急便

ホワイト急便は、1973年に熊本県で生まれた大手のクリーニングフランチャイズ本部です。
現在では国内外10,000店にも及ぶ営業所をかまえ、数あるクリーニングチェーンの中でも最大級の規模を誇ります。
知名度はもちろん、大手ならではの豊富な研修制度も魅力的です。

ホワイト急便での業務は、お客様から預かった衣類を工場に送り、クリーニング完了後にお返しすること。
既存の営業店を引き継ぐ「ショップオーナー制度」があるのもホワイト急便の特徴でしょう。
ショップオーナーだけでなく、資金に余裕のある人は工場のフランチャイズに挑戦する人もいます。

ホワイト急便について詳しく見る

白洋舍

明治39年に創業した白洋舍は、日本のクリーニング業界の先駆けだと言える老舗チェーンです。
白洋舍でフランチャイズ店を始めるメリットは、100年以上続く経営ノウハウを吸収できる点にあると言えるでしょう。

白洋舍に加盟するには、住宅街や駅前など、集客力のある立地に出店することが条件として求められます。

加盟金の支払いはなく、申し込みの際に保証金の20万円を支払うだけ。
そのため、比較的少ない資金で開業ができます。

古くから続く白洋舍は、すでに世間での信頼度が担保されているのが魅力です。

白洋舍について詳しく見る

ダイヤクリーニング

ダイヤクリーニングは、西日本を中心に展開するクリーニングフランチャイズ本部です。

ダイヤクリーニングの特徴は、運営費がほとんどかからないこと。
契約金の30万円を支払った後は、家賃や電気代などは本部が負担する形となっています。

「まずはとにかく何か事業を始めてみたい!」という方は、低資金で始められるダイヤクリーニングを検討してみると良いかもしれません。

さらに研修制度も充実し、本社で3日間、営業店で2~4週間ほど学べるため、不安の少ない状態で開業を迎えることができます。

クリーニングフランチャイズを探してみる

公開日:2020年03月26日

よくある質問

Q クリーニング店をフランチャイズで開業する際の費用は? 回答を見る
Q クリーニング店をフランチャイズで開業するメリット・デメリットは? 回答を見る
Q クリーニング店のフランチャイズは未経験者でも開業できる? 回答を見る
Q 兼業でもクリーニング店をフランチャイズで開業できる? 回答を見る
Q クリーニング店のフランチャイズでは開業後もサポートを受けられる? 回答を見る