ラーメン屋を開業する準備や費用とは?事前に確認して失敗を防ごう
最終更新日:2024年09月20日

ほかの業種より比較的開業しやすく、こだわりのお店が持てるラーメン屋は、飲食店経営のなかでも特に人気の高いビジネスです。
そこで今回は、ラーメン屋の開業に必要な費用や特徴・準備など、ラーメン屋の開業前に知っておきたい情報をまとめました。おすすめのフランチャイズ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ラーメン屋の開業に必要な準備
まずはラーメン屋の開業に必要な主な準備を3つご紹介します。
ラーメン屋の開業準備 1.店舗
ラーメン屋を開業するにあたって、店舗の準備は必須です。
新しく店舗を作るか、居抜き物件を活用するかの2つのパターンがあり、どちらを選ぶかによって準備すべきものも異なります。
新しく店舗を作る場合、物件取得と内外装工事、厨房設備の導入など、店舗に関係するもの全てを一から準備する必要があります。店舗の規模や工事・設備導入の程度などによって、費用も大きく変わります。
居抜き物件を活用する場合は、ある程度設備が整った状態から始められるので、内外装工事や厨房設備の導入が比較的小規模で済みます。
フランチャイズの場合、過去の出店実績から物件の良し悪しを判断して出店場所を決めるなど、物件開発からサポートを行う本部もあります。
ラーメン屋の開業準備 2.採用・教育
ラーメン屋はオーナー1人でも開業・運営できるケースもありますが、店舗の規模によっては人手が必要になるので、従業員を採用・教育しなければいけません。
個人で開業する場合は基本的にオーナー自身が採用・教育を行いますが、フランチャイズの場合は本部が採用支援や研修を実施しているため、本部に任せることが可能です。
ラーメン屋の開業準備 3.資格や免許
ラーメン屋の開業には専門的な資格は不要ですが、免許として
- 食品衛生責任者
- 飲食店営業許可
が必要になります。
まず、食品の製造・販売を行ううえで必要なのが「食品衛生責任者」です。すでに調理師や栄養士などの資格を保有している場合やこの資格を保有している従業員を雇用する場合には不要です。新たに取得する場合は、保健所が実施している6時間程度の講習を受けましょう。
また、保健所から営業の許可を得るために「飲食店営業許可」の申請を行う必要があります。これは食品衛生法で定められており、ラーメン屋の開業でも必須です。
そのほか、収容人数が30人を超える店舗に関しては「防火管理者」の資格が必要になります。取得までに時間を要するケースもあるので、必要な資格は早めに確認するよう心がけましょう。
ラーメン屋をフランチャイズで開業したいと思っている方は下記記事も参考にしてください。
ラーメン屋の開業に必要な費用や料金
次にラーメン屋の開業に必要な費用を初期費用と運営資金、売上、借入の有無に分けて紹介します。
ラーメン屋開業の初期費用
ラーメン屋の開業に必要な初期費用は、約1,460万円です。
この費用は、20坪ほどの店舗と仮定した金額で、あくまで目安の一つとして参考にしてください。
<初期費用の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
物件取得費 | 300万円 |
内装工事費 | 760万円 |
厨房設備費 | 360万円 |
資格取得費 | 3万円 |
広告宣伝費 | 40万円 |
合計 | 1,463万円 |
主な費として、物件取得費や内装工事費、厨房設備費、資格取得費、広告宣伝費が挙げられ、店舗の立地や規模などによって変動します。
特に、新規に店舗を取得する場合、壁紙の張り替えや電気・照明の設置、水まわりの工事など、さまざまな内装工事費が発生するため、費用が高くなる傾向にあります。ですが、居抜き物件を活用することで、費用を抑えることが可能です。
また、コンロや茹で麺機、冷蔵庫、寸胴などラーメンを提供するために必要な厨房設備費も300万円前後発生します。油脂を多く使用するラーメン屋の場合、「グリーストラップ」という下水道に直接食用油などが流出することを防ぐための設備の導入が義務付けられている地域もあるので、開業前にしっかり確認しておきましょう。
ラーメン屋をフランチャイズで開業する場合には、上記の費用以外に加盟金や保証金、研修費など本部への支払いが発生します。本部によってさまざまですが、居抜き物件の活用や店舗をまるごとリースするプランを提供するなど、初期費用を抑えた開業が可能なところもあります。
ラーメン屋開業の運営資金
ラーメン屋の開業に必要な運営資金は、1ヵ月あたり約500万円です。
売上が月間600万円ほどの店舗と仮定し、各項目を計算しています。
<運営資金の目安>
項目 | 金額 |
---|---|
人件費 | 180万円 |
賃貸料 | 60万円 |
原材料 | 210万円 |
水道光熱費 | 36万円 |
広告宣伝費 | 12万円 |
合計 | 498万円 |
主な費用として、人件費や賃貸料、原材料、水道光熱費、広告宣伝費などが挙げられ、店舗の規模や仕入れなどによって変動します。
ラーメン屋における人件費は、1ヵ月あたり売上の20~30%が目安です。小規模の店舗でも営業できるので、比較的人件費を抑えやすいビジネスだと言えます。
賃貸料の目安は1ヵ月あたり6~10%程度で、店舗の立地や規模によって変動します。また、店舗運営には水道光熱費も必要で、1ヵ月あたり売上の5~6%くらい必要です。
ラーメン屋の運営資金で大きな割合を占めるのは原材料で、1ヵ月あたり売上の約30~35%かかります。食材へのこだわりが強いほど原材料も高くなり、利益を残しにくくなってしまうので十分に注意しましょう。
また、継続的な集客を得るために、チラシの配布や看板の設置などの販促を行う必要があります。頻度や使用する媒体などによって異なりますが、1ヵ月あたり売上の2%くらいの広告宣伝費がかかると考えておくと良いでしょう。
フランチャイズの場合は本部へのロイヤリティの支払いが発生します。1ヵ月あたり売上の2~5%程度で設定している本部が多く、なかには0円のところもあります。
ラーメン屋の売上
ラーメン屋の売上は、店舗の規模や立地、集客数などよって大きく変動します。
全国に約90店舗展開する横浜家系ラーメン屋のフランチャイズ本部『壱角家』を例に挙げると、広さ20坪、席数25席の店舗で1ヵ月の売上は約600万円となっています。
また、関東を中心に展開するラーメン屋のフランチャイズ本部『節骨麺たいぞう』の場合、都市型住居立地の広さ12坪、席数16席の店舗で売上450万円、ロードサイド立地の広さ32坪、席数42席の店舗で売上800万円が売上の目安です。
借入の有無
ラーメン屋の開業は、借入をすることで資金を調達することが可能です。
地方銀行・信用銀行や日本政策金融公庫、自治体などの助成金・補助金制度を利用するなどの方法が挙げられます。
地方銀行・信用銀行の場合、担保やこれまでの実績がない場合は融資を受けることが難しいため、個人で一から開業する場合は厳しいでしょう。
一方、比較的審査のハードルが低いのが日本政策金融公庫や自治体などの助成金・補助金制度。特に日本政策金融公庫の新創業融資制度に関しては、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っていれば融資を受けられる可能性があります。
どの借入を利用するとしても、初期費用の3分の1以上を自己資金として準備しておくと安心です。
ラーメン屋開業のメリット・デメリット
ここではラーメン屋を開業するコツとして、サービス内容やメリット・デメリットについて解説していきます。
ラーメン屋のサービス内容
ラーメン屋を開業するなら、そのサービス内容も理解しておくのが大切です。ラーメン屋の主なサービス内容は、ラーメンの調理・提供です。
オーナーが店長を兼任するかどうかなどにもよりますが、ほかには
- 仕入れ
- 仕込み
- 在庫管理
- 売上管理
- メニュー開発
- 接客
- 集客
などの業務が発生します。
ラーメン屋開業のメリット
そしてラーメン屋を開業するメリットを3つご紹介します。
飲食業のなかでも低資金で始められる
ラーメン屋を開業するメリットは、飲食業のなかでも低資金で始められることです。
10坪以下の小規模店舗でも始められるので、物件取得費などの店舗にかかる費用を抑えられることが理由として挙げられます。
また、居抜き物件を活用することで、内装工事費や厨房設備費などの初期費用を最小限にできます。
こだわりを反映しやすい
こだわりを反映しやすいことも、ラーメン屋を開業するメリットとして挙げられます。
店内のイメージをはじめ、麺やスープ、具材、メニューにもこだわりを反映させることが可能で、他店との差別化がしやすくなります。
フランチャイズの場合は本部の定めるルールに従う必要があり、比較的自由度は低めです。ですが、なかには店名や味などをオーナーが自由に決められる加盟プランを提供している本部もあります。
専門的な資格が不要
未経験者でも開業できることも、ラーメン屋を開業するメリットの一つです。
ラーメン屋の開業には、専門的な資格の取得や有資格者の雇用は必要ありません。
また、特にフランチャイズの場合は研修制度が整っており、研修に参加することでラーメン屋の開業や運営に必要な知識・技術の習得が可能です。本部の工場で作られたスープが提供されるなど、高度な調理技術を必要としないところもあるため、飲食業界が初めてでも安心して開業できます。
ラーメン屋開業のデメリット
次に、ラーメン屋を開業するデメリットを2つご紹介します。
競合が多め
ラーメン屋を開業するデメリットは、競合が多めであること。特にラーメン激戦区などで開業するとなると、かなり厳しい戦いになる可能性があります。
ただ「美味しそう」というだけでは、競合店に勝てないのがラーメン業界です。まずは一度来店してもらい、そこからリピーターになってもらうためには、競合店にはない新しい試みをしたり、サービスやメニューにおいて常に工夫が求められます。
原材料が負担になることも
原材料が負担になることも、ラーメン屋を開業するデメリットです。
こだわりが反映しやすいラーメン屋ですが、強い武器となる一方、こだわりが強すぎるとその分原材料が高額になり、経営の負担になってしまう可能性があります。
お店を経営し続けるためには利益を出す必要があるので、原価率とこだわりのバランスがとれた店舗運営を心がけましょう。
ラーメン屋を開業して成功・失敗するポイント
ラーメン屋の成功・失敗のポイントを3つご紹介します。
集客が見込める立地での開業
ラーメン屋を成功させるためには、集客が見込める立地での開業が重要なポイントとなります。
大きな幹線道路沿いなど車での来店を想定している店舗であれば、交通量の多いロードサイドを選ぶことや、広い駐車場スペースを確保すること、遠くからでも分かりやすいように案内掲示板や目立つ看板を配置するなどの工夫が必要です。
また、入口が分かると立ち寄りやすくなるため、建物の向きや入口のデザインにも注意しましょう。
逆に、徒歩での来店をメインにする場合は、ビジネス街などが狙い目。ランチの時間帯はもちろん、仕事帰りにふらりと立ち寄るということが考えられます。近くに居酒屋などがあれば、締めの一杯として利用してもらいやすいので、深夜帯の集客にもつながるでしょう。
いずれにしても、近くにラーメン店がある場合はライバルとなるため注意が必要です。
お店独自の強みがあるかどうか
お店独自の強みがあるかどうかも、ラーメン屋の成功に欠かせないポイントです。
人気のビジネスである一方、競合が多いため、他店舗との差別化できる強みがないと長期的な経営はなかなか難しいでしょう。
麺やスープ、具材など、お店独自の「売り」になるものがあると印象に残りやすく、口コミでも広がりやすくなります。
継続的な販促活動
継続的な販促活動を行うことも、ラーメン屋を成功させるためのポイントの一つです。
チラシを配布したり、ポイントカードでリピーター獲得を図ったりなど、さまざまな手段があります。
また、今はインターネットの時代なので、FacebookやTwitterなどのSNSやホームページを活用した販促活動もおすすめ。特に情報が拡散されやすいSNSを積極的に取り入れることで、より大きな集客が期待できるでしょう。
ラーメン屋でおすすめのフランチャイズ2選
今回はラーメン屋を開業するのにおすすめのフランチャイズを2つ紹介します!厳選したおすすめのフランチャイズからぜひラーメン屋を開業してみてください。
ラーメン屋フランチャイズ 1.ウィズリンク
『ウィズリンク』は、差別化された3つのラーメンブランドを展開するフランチャイズ本部です。150店舗以上の出店経験で培ったノウハウにより、オーナーを徹底的にサポートします。
「ばり馬」「とりの助」「風雲丸」の3つから選ぶことができ、物件開発から支援。物件の良し悪しや条件、投資額を判断して出店場所を決められるので、リスクを抑えた開業が可能です。
また、スープをはじめとする食材は調理済みの状態で店舗に納品。ラーメン店での経験がない方でも安心して始めることができます。
ラーメン屋フランチャイズ 2.ばんから
『ばんから』は、リピーター率85%を誇る濃厚醤油ラーメン専門店を展開するフランチャイズ本部です。50年の飲食店経営で培ったノウハウを強みとしています。
投資型(店舗運営受託制度)・個人(のれん分け)・法人フランチャイズから選ぶことができるため、オーナーの状況に合った独立・開業が可能です。
また、店舗立地選びや開業前研修、商品開発など、開業前後のサポートをはじめ、売上予測システムによって安定経営をバックアップ。平均3~5年での投資回収が実現できます。
ラーメン屋の開業に関する記事
公開日:2022年06月06日