エンジニアの副業はどれくらい稼げる?相場や案件獲得方法や稼ぐためのポイントを解説
最終更新日:2024年09月20日

社会的に副業が認知され、実際に従事する人が増えています。ITエンジニアも例外ではなく、会社の給与に満足せずに土日や平日の夜などに副業を行うエンジニアが増加しています。
現役の会社員エンジニアが副業を行うとしたら、一体どれくらい稼げるのでしょうか。この記事では、エンジニアの副業案件の相場と獲得方法、単価を上げるためのポイントと注意点を解説します。
エンジニアの副業はどれくらい稼げる?
エンジニアが副業した際、どれくらい稼げるか時給の相場と月収の相場を見ていきましょう。
エンジニア副業の時給相場
エンジニアが副業する際の時給は、4,000円台が目安といわれています。
案件によってエンジニアに求められるスキル、業務内容は大きく変わるため単価も変動します。クラウドソーシングなどで多く見られる低単価の案件は1,000円台のものもありますし、プロジェクトの上流工程の案件などは時給1万円を超えるものもあります。
エンジニア副業の月収相場
月収にすると、相場はどれくらいになるでしょうか。保有スキルや案件により大きく変動しますが、10万円〜30万円程度副業で稼げるといわれています。
高度なスキルを求められる案件の場合は、短時間で高収入を実現することも可能です。単発ものではなく、プロダクト開発など長期にわたるもので、経験年数・専門スキルが問われる案件だと高単価になる傾向があります。
言語別単価相場
案件の内容によって報酬単価は変動しますが、スキル別に単価の相場をふまえることは可能です。ここでは、プログラム言語別に月収の相場を見ていきましょう。
JavaScript
JavaScriptはWebサイトやアプリケーションに幅広く使用されている開発言語で、主にフロントエンドが担当します。副業の月収相場は10万円程度です。人気も非常に高く、人材が不足気味で案件が途切れることがありません。
PHP
PHPはオープンソースの汎用プログラミング言語です。Webサイト、スマホアプリ、ゲーム、業務システムなどさまざまなシステムに使用されている言語で、案件の募集も多く見られます。副業の月収相場は10万円~30万円とスキルの高さや業務経験により、報酬に幅があるようです。
Ruby
Rubyは日本で開発されたオブジェクト指向スクリプト言語です。人気のフレームワーク「Ruby on Rails」のベース言語になっていることもあり、Rubyを扱えるエンジニアのニーズは非常に高いものがあります。PHPと同じくスキルや経験年数によって報酬が異なり、9万円~30万円程度が相場となっています。
エンジニアが副業案件を獲得する方法
ITエンジニアが副業で稼ぐためには、どのように案件を獲得すればよいのでしょうか。
クラウドソーシングを利用する
ITエンジニアリング関連のみならず、さまざまな業界でも使われるようになり、すっかり定着した感があるクラウドソーシング。受発注できる業務が多種多数であるという特徴から、初心者でもできる業務から専門性の高いスペシャリスト的な業務まで幅広く案件を探すことができます。
副業案件を探すのにも大変便利ですが、単価の低い案件が多いのも事実です。また、クラウドソーシングを利用した案件では、報酬の未支払いや突然連絡が取れなくなるなどのトラブルも一定数報告されているため注意が必要です。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントとは、フリーランスとクライアント企業が案件の受発注をスムーズに行えるように仲立ちをするサービスのことです。福利厚生などのサポートが手厚く、キャリア相談なども行ってくれます。
フリーランス向けではありますが、会社員エンジニアが副業案件を獲得するためのツールとしても活用できます。最近では、ITに特化したエージェントサービスも数多く登場しています。
単価も高めですが、エンジニアとして経験年数3年以上の条件がある場合が多いです。
自分で営業をかける
自作のホームページやSNSを最大限に活用し、自分で営業をかける方法も有効的です。SNSのプロフィール欄にエンジニアとしての実務経験、有している資格、これまでの実績・ポートフォリオを書いておくと、クライアントの目に止まりやすくなります。
ITエンジニアは万年人材不足の状況ですので、SNSに注目しているクライアントは意外と多いものです。
知り合いの紹介
人脈をたどって、エンジニア仲間や知り合いから紹介を受け、案件を受注する方法もあります。もともと知り合いということもあり、お互いの顔や性格をわかっている分、仕事がスムーズに進みやすくなるのもメリットです。
エンジニアができる副業の納期や難易度
エンジニアが副業で携わる案件の内容ごとに納期と難易度を見ていきます。
システム開発
システム開発には、コンサルティング・要件定義・基本設計を行う上流工程と、詳細設計・プログラミング・テスト・導入支援などを担う下流工程があります。
納期までの期間は規模や工程数などによって変わりますが、小規模であれば1ヶ月~3ヶ月、大規模なものになると2年~3年かかるものもあります。
上流工程を担うシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーには、ITスキルだけではなく、コミュニケーション能力、プロジェクト管理能力、論理的思考能力が問われます。
アプリ開発
アプリ開発とは、パソコンやスマホのOS上にインストールして動かすソフトウェアであるアプリケーションの開発を行う仕事です。主にブラウザから見るWebアプリ、AndroidアプリやiOSアプリがインストールされたスマホ内で動作するネイティブアプリ、2つのアプリの特性を組み合わせたハイブリッドアプリの3種があります。
納期までの期間は、簡単なツールで3ヶ月程度、ゲームや大規模なサービスなどの複雑なもので1年程度です。
アプリ開発に携わるエンジニアに求められるスキルとしては、JavaScript、Java、Ruby、Python、PHPなどとともに、iOSアプリ開発の公式プログラミング言語であるSwift、Android開発のためのKotlinなどを取得しておくといいでしょう。
Web制作
Web制作とは、新規Webサイトを制作したり、既存Webサイトのリニューアルやコンテンツ追加などを行ったりする仕事です。企画・サイト設計・デザイン・開発・テスト・リリースの順で行われ、ディレクターは全体を統括、デザイナーはデザイン制作を行い、エンジニアはコーディングを専門に行います。
エンジニアのWeb制作案件の納期は、サイトの規模・案件内容にもよりますが、1週間〜2週間前後に設定されることが多いようです。
フロントエンドの案件では、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語の習得が必須です。バックエンドにも携わるのであれば、PHPやJava、Ruby、Pythonなどのニーズの高いプログラミング言語のスキルが求められます。
IT分野のライティング・記事の監修
ITエンジニアの一般的な業務からは外れますが、エンジニア経験を生かしてIT関連の原稿執筆・編集・監修などを行うことができます。紙の雑誌・書籍とWebの2種類にメディアは大別されますが、現在ではWebの需要が多い状況です。
Webの場合ですと、記事が出来上がるまで企画・構成・執筆・監修・校正の流れとなり、納期は通常の文字数の記事(3,000字〜5,000字)で1ヶ月程度です。
エンジニアとしての専門知識とともに、日本語能力が必要とされる仕事です。
プログラミングの講師
近年エンジニアの副業案件として需要が高まっているのが、プログラミングスクールの講師です。オンライン授業が一般的となっているため、わざわざ学校に行く必要がなく、副業として取り組みやすくなりました。
また、スクールだけでなく、スキルシェアサービスなどで個人でも教えることができます。
この仕事では、プログラミングの専門知識はもちろん、人にわかりやすく教えるためのスキルが問われます。
エンジニアが副業で稼ぐためのポイント
エンジニアが副業で稼ぐためのポイントは、どのようなところにあるのでしょうか。
稼ぎたい金額を事前に決めておく
副業を始めるにあたっては、目標設定が重要になります。この目標は「できるだけがんばる」「楽しく仕事をする」というような抽象的なものではなく、具体的なものがいいでしょう。目標の一つの例として稼ぎたい金額を決めておくことです。
稼ぎたい金額を設定することでモチベーションが維持できますし、低単価の案件を避ける判断をすることもできます。
目標を達成したら、次のステージではより高い目標を設定することで、どんどん成長していくことができます。
スキルはできるだけ詳細にアピールする
副業の案件を探すとき、自己PRのためにポートフォリオやスキルシートを用意することになります。これまでの職務の要約、これまで経験してきたプロジェクト、取得している技術・言語、保有している資格などを詳細に記載します。
また、経験やスキルでは読み取れない本人の思いを自己PR文として書き込むこともおすすめです。
こうした詳細なポートフォリオ・スキルシートは、クライアントの採用判断を助ける重要な資料となりますし、クライアント・案件内容とのミスマッチを防ぐことにもつながります。
常にスキルアップを図る
IT業界の技術進歩は目覚ましいものがあります。エンジニアは常に技術のアップデートを意識し、スキルアップを図らないといけません。
ITエンジニア向けの勉強会・交流会・イベントは、毎日のように各地で開催されています。また、一定の費用はかかりますが、プログラミングスクールに通うというのも有効な方法です。
プロジェクトの上流工程に挑戦する
高単価の案件を獲得するには、プロジェクトの上流工程に関わることが必要になります。システム開発ならば企画・要件定義といった上流から関わると、難易度が高くなり責任も大きくなるので、その分単価も高価になります。
副業ではなかなか難しいとはいえますが、なるべく上流の仕事を獲得できるようにマネジメントの経験やスキルを積んでいくことが重要です。
エンジニアの副業をする際の注意点
会社員エンジニアが副業に従事する際には、気を付けるべき点がいくつかあります。ここでは4点にまとめて解説します。
本業とのバランスをとる
副業に力を割くのはいいのですが、副業によって本業が疎かになってしまうと「二兎を追う者は一兎をも得ず」の状態になってしまいます。
睡眠不足で本業のパフォーマンスが落ちたり、遅刻・欠勤などが目立つようになったりすると、今後のキャリアパスにも響くことになります。
会社に副業が可能かを事前に確認する
現在では、副業禁止の企業は少なくなってきており、許可申請か届出を出せば認められるケースが多くなっています。必ず就業規則を確認し、必要な手続きを行いましょう。
企業の副業禁止についてさらに詳しいことを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
副業禁止の会社は違法って本当?企業が副業禁止にできる理由とは
スケジュール調整は厳密に行う
本業だけでも疲れてしまうのに、副業も行うとなるとスケジュール管理をしっかりしないとパンクしてしまいます。
当然ですが、副業といえど事業であり、そこには責任が伴います。納期はしっかりと守らなければなりません。スケジュール管理を含めた自己管理能力を高めておくことが、副業を成功させる鍵になります。
確定申告は忘れずに行う
副業によって本業以外の収入が発生しますので、確定申告と納税が必要になります。確定申告とは、1年間の所得を計算して所得税を確定させ、税務署に納めるべき税額を申告する手続きです。申告・納税は国民の義務ですので、忘れずに行いましょう。
確定申告については、下記記事で詳細に紹介しています。
副業の確定申告はいくらから必要?副業時の確定申告のやり方や基本
エンジニアの副業についてまとめ
以上、エンジニアの副業について詳しく見てきました。ITエンジニアにとって副業は非常に相性がよく、これまでの経験・スキルを上手に活用すれば、稼ぐことは充分に可能です。
さらに意欲的な人は、副業の代わりにプログラミング教室のフランチャイズ開業という道もあります。さまざまな選択肢のなかから、自分に適したエンジニアの副業を見つけてください。
公開日:2022年07月28日