飲食店の開業準備ガイド!流れや必要な資金・資格、成功しやすい業態など
最終更新日:2023年08月22日
飲食店を開業して自分のお店を持ちたいという夢はあるものの、「何から始めればいいのか分からない」「どのくらいの資金がかかるのか分からない」「ノウハウ不足や自己資金が足りない」などの理由で一歩が踏み出せないというケースも少なくありません。
そこでこちらの記事では、飲食店開業に向けた準備の流れや必要な資金、資格、成功のコツなどを徹底的に解説します。飲食店開業の夢が実現しやすく失敗のリスクを下げやすいフランチャイズも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
飲食店開業の成功の秘訣が見つかる!経験者のリアルな話も参考に
飲食店開業の成功率を高める!長続きしやすいおすすめのフランチャイズ3選
飲食店は一人でも未経験でも開業できる!
結論から言うと、飲食店の開業は一人でも未経験でも可能です。
小さい飲食店や自宅でなど、小規模で始めれば一人でも無理なく飲食店が開業・経営できます。デリバリーやテイクアウト専門店、キッチンカーなど、飲食店を小さく始められる選択肢も豊富です。
また、飲食店は専門的な資格を持っていなくても開業できます。飲食店の成功ノウハウやサポートの提供を受けながら開業・経営できるフランチャイズもたくさんあるので、未経験者でもチャレンジしやすい業界だと言えます。
一人・未経験者の飲食店開業におすすめのフランチャイズ!
飲食店の開業に必要な準備と流れ
実際に飲食店を開業するには、どのような準備が必要なのでしょうか。
まずは、開店準備をスムーズに進めるための流れを6つのステップで解説します。
1.コンセプトの設計
最初に必要な準備は、店舗のコンセプトを決めることです。
例えば、「イタリア料理店を出店する」だけでは、コンセプトとしては不十分です。
- 立地は自然豊かな田舎か、それとも人々で混み合う都会か
- 小規模で家庭的な雰囲気の店か、それとも高級感があり規模の大きな店舗か
- 高級な高価格帯のメニューか、それとも低料金で家庭的な雰囲気の味か
- ターゲットの顧客層は誰か
以上のようなポイントを洗い出し、自分が開業したい飲食店の具体的なイメージを描き出します。
2.事業計画の立案
次に、事業計画を策定します。固まったコンセプトを事業計画書に落とし込み、全体像から細かい部分まで客観的に見つめ直すことで不足部分や削除すべき項目などの修正点が見つかります。
事業計画書には、主に以下の項目を盛り込みます。
- 事業を始めようと思った理由や経緯
- 経営者のこれまでの職歴
- 店舗で提供するメニューや食品、セールスポイント
- 出店場所や店舗の規模、デザイン、コンセプト
- 現在の従業員や、将来的に採用を予定している従業員数
- 開業に必要な設備の資金と運転資金、自己資金額、資金の調達方法や借り入れの返済方法
- 予想される売上高や経費などの収支計画
3.メニュー開発
次は実際に提供するメニューを考案・開発します。
その際、コンセプト設計で具体化した料理ジャンルやターゲットの客層、ターゲットのニーズ、価格帯などに沿ってメニューを考案します。
例えば、20〜30代を中心とした若者向けにイタリアンを提供する場合は、手頃な価格帯で味の良さもさることながら、満腹感が満たされる量のメニューを考案すると良いでしょう
なお、開業してすぐは最低限の品数に絞って設定することが大切です。品数が増えるほど仕入れる食材が増えるため、コストも増大します。経営が安定してきたら新しいメニューを検討するようにしましょう。
4.物件探し
コンセプトや事業計画などがまとまったら、それらを基に物件を探します。
物件を探す際に事前に決めておきたい条件の例は、以下の通りです。
- 立地・エリア
- 広さ
- 賃料
特に店舗を構えるタイプの飲食店は立地・エリアによって開業後の売上に大きな影響を及ぼすため、慎重に選ぶことが大事です。駅からの距離や人通り、周辺の競合、ターゲット層の有無など、しっかり確認しておきましょう。
また、広さに関しては賃料だけでなく、内外装費や設備費などの費用にも大きく影響します。施工業者と一緒に物件の内見をするなどして内外装工事についても同時進行できると、事業計画で立てた予算とのギャップも発生しにくくなるでしょう。
5.開業資金の調達
開業に必要となる費用を算出し、資金を調達します。
開業の際は、物件の取得や改装、調理設備や器具、備品の購入、スタッフの雇用、各種保険への加入など、さまざまな出費が予想されます。それらを算出して開業資金を割り出す必要があります。
自己資金ですべてのコストを賄えるのが理想ですが、自己資金だけで賄うのは難しいケースも多いでしょう。後ほど詳しくご紹介しますが、日本政策金融公庫や銀行などから融資を受けたり、自治体の補助金などを活用して開業する方法があります。
6.必要な資格の取得や届出・申請書類の提出
個人事業として飲食店を開業するには、開業して1ヵ月以内に税務署への開業届が必要です。確定申告で青色申告を行う場合、開業届と合わせて所得税の青色申告承認申請書も提出する必要があります。
また、開業する地域を管轄する保健所に営業許可申請を提出して営業許可を取り付けます。申請用紙とともに、設備の見取り図や内装の見取り図などの提出も求められるでしょう。
そのほか、地域を管轄する消防署には防火管理者選任届、従業員を雇用する場合は労働基準監督署で労災保険の加入手続きや公共職業安定所での雇用保険の手続きなど、さまざまな書類の提出や手続きが必要になります。
こちらも後ほど詳しくご紹介します。
\サポートを受けながら開業準備ができる!/
飲食店開業に必要な資金
飲食店を開業するにあたって、どのくらいの資金が必要なのか気になっている方も多いことでしょう。
こちらでは、飲食店の開業に必要な資金について、初期費用と運営資金、調達方法をご紹介します。
開業資金(初期費用)
日本政策金融公庫が公開した「2022年度新規開業実態調査」によると、一般的なビジネスの開業費用の平均額は1,077万円です。
飲食店の開業資金(初期費用)にはまず、物件の取得に関わる保証金や礼金、不動産業者への仲介手数料、前家賃などの費用が挙げられます。さらに内装や外装工事、厨房機器や空調設備設置費用、テーブルや椅子、食器や調理器具などの設備・備品購入費用も発生します。
また、店舗の規模や立地、ジャンルなどさまざまな条件によっても異なり、オーナーのこだわりによっては費用が膨らむケースも。調査結果の分布で見ると「250円未満」が21.7%、「250~500万円未満」が21.4%と全体の40%以上を占めており、開業費用の中央値も「550万円」となっていますが、飲食店の開業には1,000万円前後必要になると考えておいたほうが良さそうです。
参照:新規開業に関する調査 | 日本政策金融公庫
※「2022年度新規開業実態調査」をもとに比較ネットが作成
運営資金
運営資金とは、飲食店の開業後の営業で継続的に発生する月々のコストです。
賃貸物件で営業している場合は月々の家賃に加え、電気代や水道代、ガス代などの水道光熱費、食材費などが発生します。従業員を雇う場合は人件費なども必要です。
開業後、経営が軌道に乗るまでにかかる期間と言われている3~6ヵ月程度の運営資金を準備しておくことが理想です。
飲食店の運営資金で特に割合が高いのは、食材費(原価率)と人件費。
日本政策金融公庫の「創業の手引き+」によると、飲食店における原価率と人件費率の目安は以下のようになっています。
項目 | すし店 | 一般食堂 | 日本料理店 | 酒場・ビアホール | 西洋料理店 | 中華料理店 | 料亭 | そば・うどん店 | 喫茶店 | バー・キャバレー | スナック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
原価率 | 42% | 37% | 36% | 33% | 34% | 33% | 38% | 33% | 30% | 18% | 14% |
人件費率 | 30% | 34% | 33% | 34% | 33% | 36% | 30% | 37% | 36% | 38% | 32% |
ただ、どんな費用が発生するかを把握するだけでなく、月々にかかるであろうコストが利益を出すために必要な水準となっているかもしっかり検討することが大事です。
参照:創業の手引、創業のポイント集「創業の手引+(飲食版)」 | 日本政策金融公庫
飲食店の開業に必要な資金の調達方法
飲食店の開業に必要な資金の調達方法には、自身でお金を貯める方法以外に、以下の4つの方法が挙げられます。
- 金融機関からの借入・融資
- 助成金・補助金の利用
- クラウドファンディング(インターネットを通した不特定多数の人からの調達方法)
- 血縁・親族や友人・知人からの借入
これらの資金調達方法のなかで最も多いのが、「金融機関からの借入・融資」。
メガバンクや地方銀行といった場合は実績がないと融資してもらえないなど、ハードルが高めです。政府系の金融機関「日本政策金融公庫」であれば新規事業の開業を支援するための融資制度があるので、初めての独立開業でも資金調達がしやすいというメリットがあります。
借入・融資や助成金・補助金を利用した資金調達をお考えの方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
創業時に活用すべき融資制度!その制度の仕組みと申請方法
開業資金の融資サポート先一覧!選び方やメリットも解説
創業助成金で開業資金を調達する!申請から受給までの流れ、融資との違いは?
飲食店は資金ゼロ・100万円の低資金でも開業できる?
飲食店を開業したいけど自己資金がない、または少ないという方もいらっしゃると思います。
では資金ゼロや100万円くらいの低資金でも開業できるのでしょうか?
結論から言うと、資金ゼロ・100万円の低資金でも開業できるケースもあるが、現実的には厳しいです。
自己資金がない、少ない場合の飲食店の開業は、借入や融資などが前提となります。
比較的ハードルが低い日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を例に挙げても、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っていることが条件の一つとなっています。飲食店の開業資金が1,000万円必要であれば、最低100万円の自己資金が必要ということです。
また、同社の調査によると資金調達における自己資金の平均額は271万円、全体の23.3%を占めています。このことからも、飲食店の開業は自己資金を100~300万円くらい準備してから始めたほうが、借入や融資を受けやすくなり、資金調達もスムーズになりそうです。
開業資金の融資審査を通る基準とは?創業融資申し込みの基本を解説
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飲食店の開業に必要な資格
飲食店の開業には、取得が必要な資格があります。
こちらでは、資格の概要や取得方法などを紹介します。
食品衛生責任者
飲食店には、営業者の指示に従って店舗の衛生管理を担う食品衛生責任者を配置しなければなりません。
食品衛生責任者の資格を取得するには、各都道府県の保健所が実施する養成講習会を受講する必要があり、6時間程度の講習を受ければ取得できます。なお、すでに調理師や栄養士などの資格を持っている場合は取得不要です。
防火管理者
防火管理者とは、防火管理に関わる消防計画を作成し、防火管理業務を計画的に行う人材のことです。
防火管理者には甲種と乙種の2種類があり、収容人数が30人以上、かつ延べ面積が300㎡以上の飲食店には甲種の防火管理者、延べ面積が300㎡以下の飲食店には乙種の防火管理者を配置する義務があります。
防火管理者の資格を得るには、都道府県や地域の消防長が実施する防火管理講習を受講する必要があります。甲種の新規講習は約10時間で2日間にわたる一方、乙種は約5時間の1日間講習で取得可能です。
飲食店は「調理師免許」がなくても開業できる!
飲食店を開業するには調理師免許を保有していないとダメというイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、実は調理師免許はなくても飲食店は始められます。
調理師免許は調理・衛生に関する知識や調理技術がある飲食店というアピールができ、開業した飲食店の集客にも良い影響を与えるなど、持っていることで得られるメリットもあります。調理師免許を持っていなくて不安という方は、従業員を雇うなどの方法を検討してみるのも良いでしょう。
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飲食店の開業に必要な届出・申請
飲食店の開業準備の最終段階でもある届出や申請は、抜け漏れによる開業時期の遅れなどを防ぐためにも慎重に進める必要があります。
こちらでは、主な届出・申請の種類と状況に応じて必要な届出・申請をご紹介します。
開業届
個人事業主として飲食店を開業する場合、開業届の提出が必要です。
開業から1ヵ月以内に、店舗があるエリアを管轄している税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
届出書は税務署の窓口または国税庁のホームページからのダウンロードで入手することが可能です。
また、青色申告による確定申告を予定している場合は、別途「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要になるので忘れないように気をつけましょう。
飲食店営業許可申請
飲食店の開業において必ず行っておかないといけないのが、飲食店営業許可申請です。
出店エリアを管轄する保健所に申請書類を提出し、保健所の検査を受けてクリアすると許可が下りるという流れになっています。営業開始予定日の10日ほど前までの申請が必要で、申請から開業に至るまでは2~3週間ほどかかると言われているので、早めに準備を進めておきましょう。
防火管理者選任届
開業する飲食店の収容人数が30人以上の場合は、防火管理者選任届が必要です。
飲食店の延べ面積が300㎡以上の場合は甲種防火管理者、延べ面積が300㎡以下の場合は乙種防火管理者の届出を出店エリアの管轄の消防署に行います。
こちらは飲食店の営業開始日までの届出で大丈夫ですが、店舗の規模が決まったら早めに準備にとりかかっていたほうが安心です。
その他、状況に応じて必要な届出・申請
開業届や飲食店営業許可申請、防火管理者選任届のほかにも、飲食店の開業には状況に応じて必要になる届出・申請があります。
上記の届出・申請もあわせて一覧でご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
届出・申請名 | 提出先 | 対象 | 時期 |
---|---|---|---|
・開業届 | 税務署 | 個人で開業する場合 | 開業日から1ヵ月以内 |
・飲食店営業許可 | 保健所 | 全店舗 | 営業開始予定の10日ほど前まで |
・防火管理者選任届 | 消防署 | 収容人数30人を超える店舗 | 営業開始日まで |
・防火対象設備使用開始届 | 消防署 | 建物や建物の一部を新たに使用し始める場合 | 使用開始7日前まで |
・火を使用する設備等の設置届 | 消防署 | 火を使用する設備を設置する場合 | 設備設置前まで |
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 | 警察署 | 深夜12時以降もお酒を提供する場合 | 営業開始の10日前まで |
・風俗営業許可申請 | 警察署 | 客に接待行為を行う場合(スナックなど) | 営業開始の約2ヵ月前まで |
・社会保険の加入手続 | 社会保険事務所 | 法人の場合は強制加入 個人の場合は任意加入 |
できる限り早く |
・雇用保険の加入手続 | ハローワーク | 従業員を雇う場合 | 雇用日の翌日から10日以内 |
・労災保険の加入手続 | 労働基準監督署 | 従業員を雇う場合 | 雇用日の翌日から10日以内 |
開業届はいつどのタイミングで出せばいい?届出の仕方と必要書類とは
\手続きの進め方も相談できる!/
飲食店の開業に必要なスキルとマインド
飲食店を開業する人に必要なスキルやマインドは何か、 以下3つのポイントで解説します。
マーケティング能力
マーケティングは、商品やサービスが売れる仕組みを構築することです。飲食店にとってのマーケティングとは、店舗の集客力を高めるための戦略の立案・実施等が挙げられます。
例えば、新規に店舗を構える上で提供するメニューやサービスに合った場所かどうかを分析して適切な立地を選択したり顧客の属性や行動を分析して適切なキャンペーンを打ったりです。
対応力
飲食店にとっての対応力とは、顧客のニーズを正しく汲み取り、適切なやサービス提供や接客などにつなげる力です。対応力が向上すれば、店舗のサービスに新たな付加価値が加わります。
例えば「メニュー選びに迷っている顧客向けに好みやニーズに合いそうな料理を提案する」「子連れで来店した保護者がリラックスして食事を楽しめるよう、年齢に適したおもちゃや絵本などを提供する」など、顧客ごとに臨機応変な心配りを示すことで顧客満足度が高まり、リピート客やファンの獲得などの成果につながります。
数値管理能力
数値管理能力があることも飲食店経営者には大きな強みです。
例えば開業に向けた資金計画、食材の仕入れ先を検討する際の原価計算、食材や備品の在庫管理、給与計算、需要予測、売上予測など数字を扱うシーンは多々あります。
数値管理を疎かにすると無駄やロスが増え、利益を失う結果にもなりかねません。
その他飲食店の経営方法については下記記事でも解説しています。
飲食店経営を成功させるには?準備と集客方法や運営手順を理解しよう
しっかり学んで独立開業したい方におすすめ!研修制度が充実の飲食店フランチャイズ
\必要なスキルを身につけて開業できる!/
70%が3~5年で廃業?!飲食店の開業が失敗する原因
自分のお店が持ちたいという夢を叶えたり、料理が好きという趣味・特技を活かせる飲食店は独立開業のなかでも人気が高いですが、廃業率が高めであることも事実。
中小企業庁が公開した「令和3年度(2021年度)の小規模事業者の動向」によると、飲食業においては開業率・廃業率ともに業界のなかで高いことが分かっており、株式会社シンクロ・フードの調査によると「3~5年で70.4%が廃店する」というデータもあります。
ではなぜ飲食店の廃業率は高いのか、失敗する原因を知って対策を考えましょう。
参照:【閉店店舗のデータから分析】閉店しやすい飲食店の傾向とは | 株式会社シンクロ・フード
資金不足
飲食店の開業で失敗するよくあるケースが、資金不足です。
資金の項目でもご紹介しましたが、飲食店の開業・経営には色々な種類かつたくさんの費用がかかります。
そのため、充分な資金を準備できないまま開業すると、集客がうまくいかない、周辺に競合店舗ができた、ブームが去ったなどの影響で簡単に経営が傾いてしまいます。
資金が足りなくなってしまう理由の一つとして、「見通しの甘さ」が挙げられます。
開業直後は安定した収入が得られないことも珍しくないので、できるだけ余裕を持って資金を確保しておくことや、初期費用をかけ過ぎないなどの注意が必要です。
経験・能力不足
オーナーの経験・能力不足も、飲食店の開業でよくある失敗の原因です。
特に未経験で飲食店を開業したい場合は、飲食店経営のための経験や知識が経験者と比較すると圧倒的に少ない(ない)のが現実。そのため、行き当たりばったりまたは自己流の経営になってしまい、集客が思うようにできなかったり、コストばかりかかってしまったりなど、失敗する可能性が高まります。
未経験者でもチャレンジできるとは言え、必要最低限のノウハウは身につけておく必要があるでしょう。
計画・戦略不足
いくら潤沢な資金や経験・能力を持っていても、飲食店の開業・経営ための計画や戦略がないと必ず失敗します。
飲食店の経営に失敗する多くの人は、お金の管理や資金計画が甘い傾向にあります。何にお金を使ったのかやお金の流れを管理できなければ赤字が続く原因となるので、事前にしっかり計画を立てておくことが大事です。
また、どのように集客をして売上を上げていくのかなどの戦略をきちんと立てずに飲食店を開業してしまうのも失敗の原因の一つ。「味に自信があるから」「サービスも良いから」と言ってお客様を集められるという考えは非常に危険です。
集客は飲食店の経営を安定させる最重要事項なので、綿密な戦略を立てておくべきだと言えます。
\失敗のリスクを抑えられる!/
飲食店の開業を成功させるコツ
飲食店の開業を成功させるために知っておくべきコツを、4つのポイントで解説します。
1.コンセプトをしっかり設計する
お店の雰囲気一つにしてもカジュアルやラグジュアリー、和風、古民家風などさまざまあり、提供する料理やサービスと一致しなければ集客も思うようにできないため、これらを決めるコンセプト設計は飲食店を成功させるための重要なポイントです。
コンセプトが明確な場合、自分が開業したい飲食店について具体的なイメージを持てるので、提供するメニューやサービス、価格帯などもブレなく適切に決定できます。
コンセプトの設計は、「5W2H」という考え方を用いることで、効率的に進められます。
項目 | 意味 |
---|---|
Why | 何のためにやるのか(開業目的) |
Who | 誰に提供するのか(ターゲット層) |
What | 何を提供するのか(メニュー) |
Where | どこで開業するのか(立地) |
When | いつ営業するのか(営業時間) |
How | どのように提供するのか(サービス) |
How much | いくらで提供するのか(値段) |
また、コンセプトは設計するだけでなく、実現性があるかどうかも確認しておくことが大事です。
- 出店するエリアで自身が開業したいと考えている飲食店に似たジャンル・価格帯のお店を視察する
- 業者に相談する
- ターゲット層となる人の意見を聞く
などして確認する方法があるので、ぜひ実践してみてください。
2.小さい規模の飲食店で始める
飲食店の開業は多くの資金が必要になるので、資金の面での失敗のリスクを減らすために小さい規模の飲食店で始めることも成功させるコツだと言えます。
「自分のお店を持ちたい」という想いで飲食店を開業する人の多くは、自身のこだわりが強い傾向にあります。
そのため、お店の立地や内外装、設備など初期費用にお金をかけてしまい、結果的に資金不足に陥って失敗…というケースも少なくありません。
小さい規模で飲食店を始めると、
- 開業資金を抑えられる
- 運営資金(ランニングコスト)を抑えられる
- 一人でも開業できる
- 顧客との距離が近く、リピーターを増やしやすい
- お店の隅々まで目が行き届きやすい
など、資金面以外でも成功へのカギとなるメリットがたくさんあります。
3.資金調達よりも前に物件を探す
開業する飲食店のコンセプトが固まったら次に行うのが店舗探しです。
資金調達よりも先に物件を探す理由は、日本政策金融公庫や金融機関に融資を申請する際に、具体的な事業計画書を提出する必要があるからです。事業計画には、店舗を構える物件の場所や家賃などの情報も含めて記載します。
コンセプト設計で固めた条件を基に不動産屋などを活用しながら、開店したいエリア内で希望に叶う店舗を見つけます。
4.集客施策を行う
店舗に集客するための戦略も飲食店の開業を成功させるために必要なポイントです。
チラシの配布やフリーペーパーへの広告掲載、公式ウェブサイトやSNSアカウントを通じた情報発信など、いろいろなアプローチ方法があります。
開店後も割引キャンペーンなどを実施して来店を促進したり、ポイントを貯めた会員に特典を付与するなどの取り組みで、新規顧客開拓やリピーターの獲得に努めましょう。
5.フランチャイズで開業する
フランチャイズで飲食店を開業すると、個人で始めるよりさまざまなメリットがあるので成功率も高められます。
過去に飲食店事業の経験がなくても、本部が提供する研修制度や指導を通じて成功ノウハウが得られます。また、ブランド自体に知名度があるので集客がしやすいのも大きなメリットです。
メニュー開発、仕入れ先や店舗の確保なども本部主導で進められるため、店舗営業そのものに集中できます。
飲食店経営を成功させるには?準備と集客方法や運営手順を理解しよう
飲食店開業の成功の秘訣が見つかる!経験者のリアルな話も参考に
実際に、飲食店で独立開業した経験者の話を聞いてみるのも、成功への一歩になるのでおすすめです。
こちらでは、脱サラをして飲食店を開業した方のインタビュー動画をご紹介します。
【大手企業から独立⁈】成功と失敗:若手居酒屋オーナーが抱える悩みと成功する秘訣とは
【脱サラして飲食店&エステ店経営⁈】家賃3万円で経営する田舎での独立成功談
独立開業経験者のリアルなインタビュー動画をもっと観たい方はこちら
飲食店開業におすすめ!長続きしやすい業種・業態
飲食店のなかでも長続きしやすい業種・業態を選択することも、飲食店の開業を成功しやすくするポイントだと言えます。
株式会社シンクロ・フードが調査した飲食店の業態別営業年数から、廃業率の低さで並べ替えてみると以下のようになりました。
長続きしやすいのは、フランス料理や寿司、和食、テイクアウト、焼肉の飲食店。一方で、アジア料理、ラーメン、中華、そば/うどんの飲食店は、70%以上が営業3年以内で閉店しており、長続きしにくい業種・業態であることが分かっています。
ただし、個人で始めるのか、フランチャイズで始めるのかなど、飲食店の開業形態も長続きしやすさに影響することを忘れてはいけません。
特にフランチャイズでの開業においては、本部からノウハウやサポートを提供してもらえるため、個人と比較しても飲食店の開業・経営がしやすいです。廃業率が高めの業種・業態であっても成功ノウハウが確立されたフランチャイズであれば、長続きさせやすくなるでしょう。
出典:閉店したラーメン店、4割がオープンから1年以内に営業終了。飲食店で閉店しやすい業態とは? | Foodist Media
\さまざまな業種・業態の飲食店あり!/
飲食店開業の成功率を高める!長続きしやすいおすすめのフランチャイズ3選
最後に、飲食店の開業を成功へと導きやすくする、おすすめのフランチャイズをご紹介します。
ほっともっと
『ほっともっと』は、全国2,000店舗以上展開するお弁当のテイクアウトビジネスのフランチャイズ本部です。
開業資金290万円と、一般的な飲食店の10分の1以下で始めることが可能。売上実績のある店舗を引き継いだ独立が可能なので、資金面の不安も軽減できます。
研修制度や開業後のサポートも手厚く、未経験者でも安心です。
天ぷら さいとう
『天ぷら さいとう』は、低価格でおいしい天ぷらを提供する専門店のフランチャイズ本部です。
自己資金300万円から開業できます。高額な食材を使用せず職人も不要で、調理法もシンプルなので簡素な設備があれば十分です。都心や郊外、ビジネス街といった立地を選ばずに開業できるので運転資金を低く抑え、高いリピート率と利益率を実現します。
焼肉ホルモンたけ田
『焼肉ホルモンたけ田』は、市場性のある焼肉×居酒屋業界で、高収入を目指せるフランチャイズ本部です。
ほぼ380円と低価格なのにおいしい商品と、全卓にサーバーが設置されたエンタメ性が魅力です。焼肉のプロ集団による手厚いサポートを受けながら、業界未経験者でも開業できます。
飲食店の開業に必要な準備を把握して、計画的に進めよう!
飲食店を開業を成功させたい場合、お店のコンセプトをしっかり固めてから準備を進めることが鉄則です。今回ご紹介した以下の流れを参考に、準備を進めていくようにしましょう。
1.コンセプトの設計
2.事業計画書の立案
3.メニュー開発
4.物件探し
5.開業資金の調達
6.必要な資格の取得や届出・申請書類の提出
フランチャイズでの飲食店開業は、必要なノウハウやサポートを受けることができ、集客もしやすいため、スムーズな出店と早期の利益獲得、成功が期待できます。飲食店を開業したいけど失敗しそうで不安…という方は、ぜひ検討してみてください。
飲食店の開業・経営に関する記事
公開日:2022年11月25日