ピザ屋のフランチャイズを始めるのに必要な準備

最終更新日:2020年07月14日

歓送迎会やパーティーで提供される定番料理の一つである「ピザ」。
最近では、会食の場だけでなく自宅でのランチや夜食としても親しまれています。
在宅ワークの普及で、デリバリーピザの人気が高まりつつあることから「将来的に需要が高まるであろうピザ屋を経営したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

そこでこちらでは、フランチャイズでピザ屋を始めたい方に向けて、必要な費用の目安やメリット・デメリットなどをまとめました。
「将来的にピザ屋を運営したいけど、何から準備すべきかわからない」という方はぜひ参考にしてみてください。

目次

ピザ屋フランチャイズの費用

ピザ屋フランチャイズの特徴

ピザ屋フランチャイズを始めるときの準備

ピザ屋フランチャイズ本部選びのポイント

おすすめのフランチャイズ

ピザ屋フランチャイズの費用

ピザ屋のフランチャイズを検討する上でとても重要な「初期費用」と「運営資金」について、まずは説明します。

開業資金(初期費用)

フランチャイズでピザ屋を開業する場合、初期費用は800~2,200万円程度が目安です。
初期費用の項目には、加盟金、保証金、研修費、物件取得費などが含まれ、それぞれの金額は加盟先のフランチャイズ本部ごとに異なります。

特に店舗物件に関係する費用は、お店の規模や立地、販売業態によって変わります。

例えばイートインスペースのある店舗を用意する場合、それなりの広さのある物件を契約する必要があり費用は高くなるでしょう。
イートインに加えてデリバリーサービスも行なう場合は、店舗物件に加えて配達用のバイクも調達する必要があります。
また、キッチンカーを使った移動販売型の店舗は、物件を契約する費用がかかりませんが、その代わりに車両を購入(あるいはレンタル)する費用がかかります。
そのため加盟する本部を選ぶ際には、お店の規模や立地、販売業態をよく調べることが大切です。

もちろん初期費用には店舗物件に関係する項目だけでなく、加盟金や保証金、研修費なども含まれるため、いくつかの本部の契約内容を比較・検討するようにしましょう。

運営資金

フランチャイズのピザ屋の運営資金は、金額が安い本部で1ヵ月約120万、金額が高い本部では1ヵ月約650万円程かかるところもあります。
内訳には材料費、人件費、家賃・光熱費などが含まれ、初期費用と同様に運営資金の金額もそれぞれの本部で千差万別です。
上記の項目に加え、POSシステムをリースする場合は毎月のリース代が発生し、キッチンカーやバイクを利用する場合はガソリン代なども支払う必要があります。

カレーやラーメンなど他の飲食店に比べて、ピザ屋は材料費が高くなりやすい業界だと言われています。
そのため運営資金を抑えるためには、材料費を上手く節約することがポイントです。

また、フランチャイズへ加盟する場合はロイヤリティの支払いも忘れてはいけません。
このロイヤリティを支払うことで、オーナーは本部からサポートを受けられます。
ロイヤリティの金額は3万円程度の本部もあれば、数十万円する本部もあるため、「どの程度の金額なら、毎月無理なく支払えそうか」を計算してから加盟先の本部を選びましょう。

ピザ屋フランチャイズの開業・運営に必要な資金について詳しく見る

ピザ屋フランチャイズの特徴

次に、ピザ屋のフランチャイズの特徴として、具体的なサービス内容やメリット・デメリットなどを解説していきます。

サービス内容

美味しいピザを作るためには、生地作りや窯焼きのスキルを習得する必要があります。
個人でピザ屋を経営しているオーナーの中には、長年ピザ作りの修行をしてからやっと独立したという方も少なくありません。

そのため「何年も修行しなければお店を開業できないのでは?」と心配になる方もいますが、フランチャイズでピザ屋を開業するのであれば、職人レベルのスキルは必要ありません。

フランチャイズへ加盟すると、ピザ作りのノウハウを本部から教わることができ、未経験者でも数日~数週間で本場のピザを作れるようになります。
ピザ作りの他にも、オーナーは店舗準備や集客、スタッフの採用などをしなければいけませんが、これらもすべてオーナーが1人で行なうのではなく、本部と二人三脚で進めていくことになります。

メリット

フランチャイズでピザ屋を開業するメリットは、ピザ作りの知識やスキルがなくても安心して開業できる点だと言えるでしょう。

その他にもフランチャイズに加盟するメリットはいくつかあり、こちらでは「資金」「集客」「立地」の3つの側面から紹介していきます。

材料費を抑えやすい

ピザの材料費は、カレーやクレープなど他の料理に比べて比較的高い傾向にあります。
その理由としては、小麦の値段が変動しやすいこと、本格的なピザを作ろうとするとヨーロッパから材料を輸入する必要があることなどが挙げられます。
そのため個人ですべての材料を輸入・調達すると、材料費が高額になり経営を圧迫してしまうことも少なくありません。

しかしフランチャイズへ加盟すれば、材料は本部を通してまとめて購入するため、個人で材料を輸入するよりも費用を安く抑えられます。
フランチャイズのピザ屋は、個人経営店より材料費を抑えやすいと言えるでしょう。

大規模な広告を活用して集客できる

フランチャイズへ加盟するメリットの一つに、チラシやネット広告を活用した大規模な宣伝活動ができ、多くの人にお店の存在をアピールできることが挙げられます。

もともとピザは海外で人気のファストフードでしたが、最近では日本での需要も高まり店舗数が増加してきています。
各店舗がオリジナリティ溢れるメニューを続々と開発し、さらに価格競争も激化しつつあることから、以前のように「ただ美味しいピザを作れば売れる」というわけにはいかなくなりました。

他のピザ屋に負けないためにも、まずは多くの人の目に止まってもらう必要があり、そのためには広告・宣伝がポイントとなってきます。

大規模な広告が出せるのは、資金力のあるフランチャイズならではの強み。
基本的には広告・宣伝活動は本部がすべて担うため、オーナーは店舗運営だけに集中できます。

好立地に出店できる可能性が高い

フランチャイズへ加盟すると、本部が市場調査を行なってくれることに加え、物件取得費を一部負担してくれることもあり、個人では難しい好立地へ出店できる可能性が高くなります。
駅ビルやショッピングセンターの中はもちろん、遊休地の空きスペースを活用できる場合もあります。

また、イートインスペース不要のデリバリー専門店を運営する場合は、立地を問わないため安い物件を調達できるのも嬉しいポイントです。
デリバリーを利用する顧客は、「1度でも食べたことのある商品を注文したい」という安心感を求めていることが多い傾向にあるため、フランチャイズのような知名度の高い店舗ではデリバリーにより安定した売上が見込めるでしょう。

デメリット

フランチャイズへ加盟するメリットは多数ありますが、一方でデメリットがないわけではありません。

メリットだけでなくデメリットについても学び、デメリットを克服するための対策を練るようにしましょう。

初期費用が高くなる可能性がある

フランチャイズのピザ屋は、店舗の形態によっては初期費用が高くなりやすいのがデメリットです。

例えば、デリバリーを行なう店舗では、開業に向けて配達用のバイクを用意する必要があります。台数にもよりますが、大型店ではバイク購入代だけで200万円以上することも珍しくありません。

また加盟金や保証金が高額な場合は、個人で開業するよりも初期費用が高くなってしまう可能性があります。

スピード感のある店舗運営が難しい

フランチャイズ店では、店舗運営において何か大きな変更をしたい場合、まずは本部に意見・相談する必要があります。
オーナーが決定したことをすぐに実行に移せることは少なく、スピード感を持って事業を進めていくのは少し難しいと言えるでしょう。

フランチャイズで店舗運営を成功させるためには、スピード感のある決定よりも本部との連携がより重要になることを理解する必要があります。

ブランドイメージの低下に影響されやすい

フランチャイズ店の集客が成功しやすい理由は、加盟先フランチャイズ本部のブランド力を活用できるからです。

大手の信頼や実績を集客に活かせるのがフランチャイズ店の強みですが、その一方でフランチャイズ本部が不祥事を起こした時は、加盟店もあおりを受けやすいというリスクを抱えています。

フランチャイズ本部だけでなく、他の加盟店がトラブルを起こした場合も、自店舗が影響を受ける可能性は高くなります。

成功・失敗のポイント

より良い形でフランチャイズのピザ屋をスタートするには、業界研究や資金の準備など開業前から万全な準備を進めておく必要があります。

また、開業後の成功率を高めるためにも、店舗運営の成功・失敗のポイントについて知識をつけておきましょう。

自店舗の強みを理解しているか

ピザ屋の営業スタイルは多様化しており、従来からあるイートインやテイクアウトに加え、キッチンカーやデリバリーなどさまざまです。
それぞれの営業スタイルで強みと弱みが異なるため、まずは「自店舗の強みは何なのか」を理解しておくようにしましょう。

例えば、実店舗でイートインをメインにする場合は、近隣住民のリピーターを獲得しやすいという強みがあります。
一方でキッチンカーで営業する場合は、賃料がかからず運営資金を抑えやすいのが強みとなり、デリバリーのみで営業する場合は、立地に左右されない点が強みとなります。

自店舗の強みを最大限活かすためにも、開業前に業界や店舗についてしっかりと勉強しておくことが大切です。

無駄な経費を使っていないか

実際の店舗運営では、常に「経費に無駄がないか」を見直し続けることが重要です。
特に経費の中でも人件費と材料費は大きな割合を占めるため、この2つの項目は定期的に見直すことをおすすめします。

例えば、デリバリーサービスを行なう店舗では、どうしても配達スタッフを待機させる時間が発生してしまい人件費が高くなりがちです。
そのためオーナーには、繁忙期と閑散期のシフト量や、採用するスタッフの人数を調整するなどの工夫が求められるでしょう。

本部のサポートを十分に活用できているか

ピザ屋のフランチャイズで店舗運営を成功させるためには、本部のサポートが不可欠です。
売上や集客、スタッフの育成など、不安な点は早めに相談することで、失敗やトラブルを避けられます。

また開業後はスーパーバイザーが定期的に店舗へ訪問するため、その時に経営面でのアドバイスを忘れずに受けるようにしましょう。
オーナーは本部へ加盟金や毎月ロイヤリティの費用を支払っているため、その費用が無駄にならないよう積極的に本部からサポートを受けることが大切です。

ピザ屋フランチャイズを始めるときの準備

ピザ屋のフランチャイズを始める際の準備を大きく分けると、市場調査、店舗、研修・採用の3つがあります。

開業後のトラブルを減らすためにも、万全な準備をしてから開業日を迎えるようにしましょう。

市場調査

フランチャイズに加盟すると、店舗の出店先エリアは本部が市場調査をした上で選定してくれることがほとんどです。
そのためオーナーがすべきことは少ないですが、開業後の売上予測を立てるためにも、本部に任せっきりになるのではなく、オーナー自身も出店先エリアの市場調査をしておくとよいでしょう。

例えば、イートインをメインにするのであれば、その周辺にどういった層の人々が生活しているのかを調べることは大切です。
ビジネスマンが多いエリアであれば平日のランチ時間の売上が上がる可能性が高く、一方で休日の売上は下がることが予想されます。

あらかじめ市場調査をしておくことで、およその客の流れや売上の推移が予想できます。
まずは物件を契約する前に、希望エリアの情報収集をするところから始めましょう。

店舗

出店先エリアが決まった後は、店舗として使う物件を調達することになります。
フランチャイズへ加盟すると、個人では出店できないような好立地に店舗を構えられるのがメリットです。
駅ビルやショッピングセンターなど、希望の出店先がある場合は本部に伝えるようにしましょう。

物件を契約した後は、店内に設備を搬入したり備品を揃えたりします。
まずは内装・外装工事を終わらせ、その後はオーブンやミキサー、冷蔵庫などの厨房機器を搬入しなければいけません。
これらの準備は専門業者に任せることになりますが、オーナーも定期的に様子を確認するようにしましょう。

上記のような大きな準備のほかに、スタッフ向けのユニフォームや調理器具の準備など、細々とした備品の準備も開店日までに済ませる必要があります。

研修・採用

オーナーは、開業前にフランチャイズ本部による研修を受ける必要があります。
研修の内容や期間は本部により異なりますが、大手のフランチャイズ本部では集合研修や既存店舗でのOJT研修などを取り入れているところが多いようです。
この研修ではピザの作り方や接客について教わるため、飲食業界未経験の方でもゼロから知識をつけることができます。

研修に加えて、一緒に店舗を運営するアルバイト・パートスタッフの採用もしなければいけません。
スタッフの募集については本部がサポートしてくれるため、応募者が誰もいなくて困るということはほとんどないでしょう。

ピザ屋フランチャイズ本部選びのポイント

フランチャイズでピザ屋を始める際のポイントを3つご紹介します。

  • 初期費用が高すぎないか
  • 立地や契約内容が希望に合っているか
  • 本部のサポート体制に不安はないか

ピザ屋は初期費用が高くなりやすい業界です。
特にイートインとデリバリーの両方で営業する場合は、物件に加え配達用のバイクを購入する必要があります。
初期費用があまりにも高くなりすぎると、後々の経営を圧迫する可能性もあるため注意が必要です。
無理のない範囲で開業できる本部を選ぶようにしましょう。

次に、立地や契約内容が希望に合っているかどうかも重要なポイントです。
フランチャイズでお店を始めると、契約期間を満了するまで解約することはできません。
何か不満があっても簡単に投げ出せないため、特に立地や契約内容のような後から変更できない項目は妥協しないことが大切です。

最後に、フランチャイズ本部のサポート体制の充実度もチェックしておきたい点です。
研修内容が濃密な本部や開業後のフォローアップが万全な本部など、サポートの内容はそれぞれの本部で特徴が異なります。
そのため本部選びをする前に「自分は店舗運営のどういった面に不安を感じているのか」をよく考え、その不安な点をサポートしてくれる本部と契約すると良いでしょう。

おすすめのフランチャイズ

ピザーラ

売上・知名度ともに国内トップクラスのピザーラは、全国に500店舗以上を展開する人気のフランチャイズチェーンです。
ピザーラのフランチャイズに加盟するメリットは、長年積み上げてきた実績と信頼を引き継ぐことができる点でしょう。

ピザーラの特徴は、加盟前の面談が丁寧なことです。
お互いに納得がいく状態で契約を結べるよう、面談では店舗運営だけでなく、ピザーラの考え方や理念などについても時間をかけて説明してくれます。
そのためオーナーは、本部と信頼関係を築いた状態で契約を結ぶことができます。

ピザーラについて詳しく見る

ナポリの窯

ナポリの窯は、グルメ層をターゲットにするフランチャイズチェーンです。
最近のピザ業界に多い「安さと手軽さ」を売りにするピザ屋とは、少し異なるコンセプトを売りにしています。
生地や具材にこだわるナポリの窯は、「お客さんに本場の味を提供したい」と考えている方にピッタリのフランチャイズでしょう。

店舗形態にはデリバリーを行なわない「ユニット型店舗」や、複数のサービスを提供する「デリバリー・テイクアウト・イートイン型店舗」などがあり、オーナーの希望に合った形でお店を始められます。
また開業後のフォローアップも手厚く、本部へ意見や質問しやすい環境が構築されている点も魅力です。

ピザハット

アメリカで生まれたピザハットは、世界各国に展開する巨大フランチャイズチェーンです。
特にデリバリーでの売上が好調で、これからさらなる成長が見込まれています。
ピザハットはすでに知名度が高いため、集客において不安要素はほとんどないでしょう。

ピザハットでは飲食業界未経験でもスムーズに店舗運営ができるように、研修では既存店でのOJT研修と、本部の専門チームによる集団研修の2つが用意されています。
開業後は、定期的にスーパーバイザーからアドバイスを受けられるため安心感も抜群です。

公開日:2020年07月14日