ゴーストレストランを開業するには?成功事例や儲かる開業方法を解説

最終更新日:2022年11月30日

飲食店のデリバリー化が進むなか、ゴーストレストラン・ゴーストキッチン・クラウドキッチンの人気が急上昇しています。
フランチャイズへ加盟して売り上げを伸ばす飲食店も増えており、将来性のあるビジネスを始めたい方にとっては大きなチャンスだと言えるでしょう。

「これから需要の高まる事業で開業したい」という方にはとてもおすすめの事業です。
今回はゴーストレストランの開業方法や成功するポイント・過去の事例などを解説するので、本記事をぜひ参考にしてみてください。

ゴーストレストラン・ゴーストキッチン・クラウドキッチンのフランチャイズを探してみる

目次

まずゴーストレストランとは?

ゴーストレストランの開業方法

ゴーストレストランを開業する4手順

ゴーストレストランを開業するメリット・デメリット

ゴーストレストランの成功事例

これから求められる事業を始めるならゴーストレストランがおすすめ

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まずゴーストレストランとは?

まずゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは、店舗を持たないデリバリーサービスに特化した飲食店のことです。
ニューヨークで生まれたビジネススタイルで、最近は日本でも注目を集め始めています。

ゴーストキッチンやクラウドキッチンと呼ばれる共用の調理場で料理し、デリバリー代行サービスを通じてお客様へ料理を届けるのがゴーストレストランの基本的な運営方法です。
そのため経営者は、店舗準備や接客に費用や時間をかける必要はありません。

ここ数年における日本での急速なデリバリーの普及を考えると、ゴーストレストランはこれからさらに需要が高まる新しい飲食ビジネスの形だと言えるでしょう。

ゴーストレストランの開業方法

ゴーストレストランの開業方法には、大きく分けて個人・法人・フランチャイズの3つがあります。
最適な開業方法は経営者の状況によって異なるため、まずはそれぞれの違いを押さえるところから始めましょう。

個人で開業する

個人でゴーストレストランを開業する場合は、開業に際して「個人事業の開業・廃業等届出」を税務署へ提出します。
青色で確定申告する方は、このときに「青色申告承認申請書」も一緒に提出してください。

個人で開業する主なメリットは、法人と比べて手続きがシンプルなこと、開業時に費用がかからないことなどです。

一方、デメリットとしては、社会的な信用力が低く融資を受けにくいこと、活用できる節税制度が限定的であることなどが挙げられます。

ゴーストレストランは自宅で開業できる?

ゴーストレストランは自宅で開業できる?

ゴーストレストランを自宅で開業したいと思っている方は数少なくありません。
自宅で店舗並みのキッチン用具や設備を揃えれば自宅で開業することも可能です。
しかし、飲食店開業に必要な「営業許可申請」を通すには自宅のキッチン設備を店舗のようにしなくてはなりません。
自宅を簡単にリフォームすることが可能で、営業許可申請の審査に通りそうであれば自宅で開業することは可能でしょう。

また、デリバリー専門にしてしまえば自宅の住所が大多数に認知されることは回避できます。
ただ、デリバリーアプリに店舗として登録する際には住所を出さなくてはならないので、アプリ内で調べたお客さんは把握できてしまうということは注意しておきましょう。

法人で開業する

法人でゴーストレストランを開業する場合は法務局での登記手続きが必須で、事前に定款の作成や印鑑証明の取得などを済ませなければいけません。

また、設立費用が6~25万円かかるなど、個人で開業する場合と比べて時間的・金銭的な負担が大きいのがデメリットです。

ただし、法人は個人よりも社会的信用力が高いこと、経費として落とせる範囲が広いことなどがメリットとして挙げられます。

そのため個人と法人どちらで開業しようか迷ったときは、それぞれのメリット・デメリットを比較した上で決断することが大切です。

フランチャイズで開業する

ゴーストレストランの開業方法として、最近ではフランチャイズを選択するケースが珍しくありません。

フランチャイズのゴーストレストランでは、本部が飲食店に対してゴーストレストラン用のレシピを提供したり集客をサポートしたりします。

飲食店は本部へロイヤリティを支払う必要がありますが、本部のノウハウを活用することで、実店舗販売に加えてゴーストレストランでの売り上げを得られるのがメリットです。

特にここ最近は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、飲食店のゴーストレストラン化が進みつつあります。

ゴーストレストランのフランチャイズを探す

ゴーストレストランを開業する4手順

ゴーストレストランの開業には、調理場の確保やデリバリー代行サービスへの登録などいろいろな準備が発生します。

スケジュール通りに開業できるよう、どういった準備が必要となるのかあらかじめ調べておきましょう。

1.資格・許可取得

ゴーストレストランを開業するためには、「食品衛生責任者の資格」と「飲食店営業許可」の取得が義務づけられています。

まず食品衛生責任者とは、食品を取り扱う際の衛生面に関する知識を有する者のこと。
食品衛生責任者の資格は、食品衛生協会が定める講習を1日受講すれば取得できます。
そして飲食店営業許可を得るためには、保健所の審査を受けなければいけません。
保健所の審査では、調理場の設備が規定通りに設置されているのかをチェックされます。

自宅のキッチンをそのまま活用する場合はかなりのリフォームが必要なので、できればすでに飲食店営業許可の基準を満たしているゴーストキッチンやクラウドキッチンを借りるのがよいでしょう。

飲食店関係のその他の資格に関しては、レストランに似たカフェの下記記事を参考にしてください。

>>カフェフランチャイズの開業・運営に必要な資金!相場や資格も徹底解説

2.調理場の確保

一般的にゴーストキッチンとはデリバリー専用の調理場を指し、クラウドキッチンはそのなかでもゴーストレストランに特化した調理場を指します。
ゴーストレストランの運営では、この2つの調理場を使う方が少なくありません。

これらのキッチンは共同で使うため、調理できる日時や食材保管のスペースが限られていますが、すでに調理器具が揃っていたり、すぐに営業許可を申請できたりする点が魅力です。

キッチンの利用に際しては登録料と月額料金しかかからず、通常の飲食店のようにゼロから厨房設備を用意する場合と比べて初期費用を大幅に削減できます。

3.デリバリー代行サービスへの登録

ゴーストレストランの料理は、デリバリー代行サービスを通して販売・配達します。

日本で人気のデリバリー代行サービスといえばUber Eatsや出前館などですが、まずは登録先を選ぶ前にそれぞれの会社の手数料やサービスを比較するのがよいでしょう。

例えば大手デリバリー代行サービスのUber Eatsに登録する場合は、最短1ヵ月で出店でき、出店後の売上改善サポートに対応している点が魅力です。
また、専門のスタッフがメニューを撮影するため写真の知識がない方でも心配ありません。

フランチャイズへ加盟するのであれば、本部がおすすめのデリバリー代行サービスを提案してくれるため、経営者自身が各社を比較しなくても大丈夫です。

4.集客

ゴーストレストランで集客を成功させるためには、ターゲット層に情報を届けるための効果的な集客方法が求められます。

ゴーストレストランはインターネット上で商品を販売するため、集客は公式サイトの開設やSNSでの宣伝などオンラインでできる方法が効果的です。

また、大型のイベントやケータリングの受注を狙うなら、主催会社に直接売り込むのもよいでしょう。

ただ、ゴーストレストランの集客は実店舗とは違う難しさがあるため、集客に不安を感じるのであればフランチャイズへの加盟をぜひ検討してみてください。
特に加盟店数を着実に増やしている本部は、集客ノウハウが豊富な確率が高いためおすすめです。

ゴーストレストランを開業するメリット・デメリット

ゴーストレストランには、従来の飲食店には見られない特徴がいくつかあります。
こちらではゴーストレストランのメリット・デメリットを紹介しているので、本格的な開業準備を始める前に知識をつけましょう。

ゴーストレストランを開業するメリット

ゴーストレストランの主なメリットとしては、下記の3点が挙げられます。

  • 初期費用が安く済む
  • ほかの飲食店と情報交換しやすい
  • 料理だけに集中できる

これらのメリットは、実店舗型の飲食店にはないゴーストレストランならではの強みです。

初期費用が安く済む

ゴーストレストランのメリットは、店舗が不要なため初期費用が安く済むことです。

飲食店を開業するとなると、物件の取得や内装・外装工事、厨房設備の設置、客席の準備などで多額の費用がかかります。

実店舗型飲食店の開業では初期費用だけで数百万~数千万円かかるのが一般的ですが、ゴーストレストランは上記の店舗関連費用が一切かからないため、たった数十万円で開業が可能です。

さらに、調理場をレンタルする場合は、すでに調理器具が揃っているためわざわざ購入する必要もありません。

ほかの飲食店と情報交換しやすい

ゴーストレストランの運営では、複数人で調理スペースや冷蔵庫を共有するゴーストキッチン・クラウドキッチンを利用する方が多くいます。

ゴーストキッチン・クラウドキッチンには自分以外の料理人もいるため、自店舗で黙々と料理しているだけでは得られない交流が生まれやすいのが魅力です。

なかには配達エリアの情報を教えてもらったり、料理を味見してもらったりなど、キッチンでのコミュニケーションを通して自店舗のサービスを向上させる料理人もいます。

料理だけに集中できる

ゴーストレストランの運営では、接客や店内のアレンジ、配達などの業務が不要です。

そのため料理の味にこだわったり、新メニューの開発に時間を割いたりなど、料理に関する業務だけに集中できます。

特に接客が苦手な方であれば、接客のクオリティが求められる実店舗より、味で勝負できるゴーストレストランのほうが向いているかもしれません。

また、料理に集中できるだけでなく、接客や配達で発生する人件費を抑えられるのもゴーストレストランならではのメリットです。

ゴーストレストランを開業するデメリット

上記のメリットに対して、ゴーストレストランには下記のようなデメリットもあります。

  • 実店舗型より存在感が薄い
  • デリバリー代行サービスに手数料を支払う

ゴーストレストランを開業するときは、従来の飲食店とは異なるデメリットが存在することを覚えておきましょう。

実店舗型より存在感が薄い

ゴーストレストランのデメリットとしては、店舗や看板などの目印がなく存在感が薄いことが挙げられます。

実店舗型であれば店舗のデザインや雰囲気に惹かれて立ち寄ってくれるお客様もいますが、ゴーストレストランの場合はお客様を待つだけでは売り上げは伸ばせません。

多くのお客様にサービスを利用してもらうためには、ゴーストレストランの運営で重要なインターネット集客の知識をつけることが求められます。

デリバリー代行サービスに手数料を支払う

ゴーストレストランでは、配達を依頼するデリバリー代行サービスに毎月の手数料を支払わなければいけません。
手数料は登録先にもよりますが、飲食代金の3割を目安として考えてください。

ただ、手数料は発生するものの、Uber Eatsや出前館などの知名度が高いデリバリー代行サービスに登録すれば、多くの人に自店舗の存在を知ってもらえます。

そのためデリバリー代行サービスの手数料は、配達料だけでなく広告宣伝費用も含まれた金額だと考えるのがよいでしょう。

ゴーストレストラン開業の成功・失敗ポイント

ゴーストレストランの開業を成功させるためには、従来の飲食店とは異なるアプローチで売り上げアップを目指すことが大切です。

こちらでは、ゴーストレストラン開業の成功・失敗ポイントを3つ紹介します。

知名度を上げるプロモーションを考える

知名度を上げるプロモーションを考える

ゴーストレストランはオンライン上でお客様から注文を得るシステムですが、地域性を考えると近くのエリアにチラシ配りやフリーペーパー広告を出すことも効果的です。
もっと多くのお客さんに認知してもらいたい場合は、インターネット上で多くの人の目に止まる方法を考えることも大切です。
そのためには成功しているゴーストレストランの注文ページを参考に、人気の理由を研究するのがよいでしょう。

また、イベントやケータリングなどの団体向けコースを開発し、打ち出すのもおすすめです。
1度でもイベントやケータリングなどの大型依頼がとれたら、それをきっかけに知名度を一気に上げられる可能性もあります。

デリバリーに適したメニューを販売する

デリバリーに適したメニューを販売する

実店舗とデリバリーでは、お客様に求められるメニューが異なることに注意してください。
たとえば居酒屋で定番のメニューといえば枝豆やだし巻き玉子などですが、これらの単品メニューをデリバリーで頼む方はあまり多くありません。

ピザやお寿司などの大勢でシェアできる料理や、丼やハンバーガーなどの一品で味わえる料理のほうがデリバリーでは人気です。
そのためこれからゴーストレストランを始める方は、まずはメニューのラインナップが市場のニーズとずれていないのか考えましょう。

食材の保管や調理時間の制限を想定しておく

ゴーストレストランの運営ではゴーストキッチン・クラウドキッチンを利用するケースが多いですが、キッチンでは自分用の冷蔵庫のスペースが限られていることがほとんどです。

そのため事前に利用できるスペースについて確認しておかないと、食材の保管場所が足りず開業後に苦労する可能性があります。

また食材の保管スペースだけでなく、ゴーストキッチン・クラウドキッチンでは調理できる時間が限られていることも少なくありません。

これらの場所や時間の制限を甘めに見積もってしまうと、せっかく依頼が来ているのに食材不足で注文を受けられなかったり、仕込みが間に合わなかったりするリスクが高まるため注意してください。

ゴーストレストランの成功事例

ゴーストレストランは最近ようやく日本で流行り始めた業態ですが、なかにはすでに開業を成功させている店舗も出つつあります。
こちらでは、ゴーストレストランの成功事例を3つまとめているので、「飲食ビジネスを成功させたい」という方は参考にしてみてください。

CRISPY CHICKEN n’ TOMATO

『CRISPY CHICKEN n’ TOMAT』は、加盟店を徐々に増やしている人気のフランチャイズです。

飲食店は既存のメニューを変更することなく、新たに『CRISPY CHICKEN n’ TOMATO』のメニューを追加することで売り上げ増加を目指せます。

フランチャイズに加盟後、月300万円の売り上げをUber Eatsで達成した飲食店も出ているなど、すでに大きな成功を収めているフランチャイズだと言えるでしょう。

また、鶏肉を揚げてトッピングを追加するだけのシンプルな調理方法のため、料理人の負担を軽減できるのもポイントです。

あわくろ

『あわくろ』は、タコライスを販売するフランチャイズのゴーストレストランです。

タコライスには徳島県産ブランド牛の阿波黒牛が使われており、ゴロゴロとした食感のタコミートが人気を集めています。

100以上のメニュー考案数や阿波黒牛の直送システム、大規模イベントへの出店経験など、『あわくろ』に加盟後は豊富なノウハウを活用しながら開業が可能です。

また、デリバリーサービスの立ち上げ時には手厚いサポートが受けられるため、今までデリバリー事業を行ったことがない方でも心配ありません。

デリステーション

『デリーステーション』は、タイ料理を中心としたさまざまなジャンルの料理を提供するゴーストレストランです。

すでに多くの飲食店が『デリーステーション』のゴーストレストラン導入に乗り出しており、なかには売り上げが200万円を超える店舗もあります。

『デリーステーション』はITをフル活用した事業運営が特徴で、ゴーストレストランの難点と言われるプロモーションやマーケティングを本部が一括管理しているのが強みです。
そのため集客面に自信がない方でも、効率的な方法でお客様を呼び込めるでしょう。

これから求められる事業を始めるならゴーストレストランがおすすめ

ゴーストレストラン・ゴーストキッチン・クラウドキッチンは、今まさに人気が高まりつつある注目のビジネスです。

また、最近はフランチャイズ化も進んでおり、飲食業界未経験者でも参入しやすい環境が整ってきています。

「将来性のあるビジネスを始めたい」や「低予算・低リスクで飲食店を開業したい」という方は、ぜひ開業を検討してみてください。

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公開日:2022年11月30日

よくある質問

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