薬剤師は副業できる?薬剤師におすすめの副業7選と探し方も紹介

最終更新日:2022年09月22日

薬剤師は安定性の高い職業の1つですが、手取り額が少ないなどの理由から副業に興味を持つ方もいるでしょう。昨今は政府も副業を推進していますが、薬剤師の中には副業できない場合もあるので、就業規則と併せて事前確認が必要です。

この記事では、薬剤師で副業できるケースやおすすめの副業について解説します。有資格者の経験を活かした副業の探し方や働き方も紹介するので、副業を検討している薬剤師の方はぜひ参考にしてください。

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目次

薬剤師は副業できる?

薬剤師ができるおすすめの副業7選

薬剤師が副業を探す方法

薬剤師の副業についてまとめ

薬剤師は副業できる?

薬剤師の中には、副業が禁止されている場合があり、違反すると罰せられる可能性もあるため事前に確認が必要です。ここでは、薬剤師で副業が許可されていないケースや副業に関する確認事項について解説します。

公務員薬剤師と管理薬剤師は副業NG

薬剤師のうち「公務員薬剤師」と「管理薬剤師」は、法律で副業(兼業)が禁止されています。

「公務員薬剤師」とは、公立病院や薬局、保健所、研究所などで国家公務員として働く薬剤師のことです。公務員の副業は、以下の国家公務員法と地方公務員法で原則禁止されており、公務員薬剤師も該当します。

第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

引用:国家公務員法 第103条

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」

引用:地方公務員法 第38条

ただ、公務員でも副業が解禁されているケースもあるので、完全に副業ができないわけではありません。公務員の副業に関して、解禁事例やおすすめの副業などを下記記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

公務員の副業が解禁されている?できる副業の内容や解禁事例と注意点を解説

「管理薬剤師」とは、勤務先の薬局や薬品製造拠点の管理を行う責任者のことで、薬局長と呼ばれる場合もあります。一般的な薬剤師の業務とは異なり、全体のマネジメントを任されるポジションです。管理薬剤師の副業については、薬機法第7条にて原則禁止との記載があります。

薬局の管理者は、次条第一項及び第二項に規定する義務並びに同条第三項に規定する厚生労働省令で定める業務を遂行し、並びに同項に規定する厚生労働省令で定める事項を遵守するために必要な能力及び経験を有する者でなければならない。

引用:薬機法第7条

薬剤師業務と無関係な業種などでは、副業が許可されている場合もあります。

就業規則で副業禁止されていなければOK

上記以外の薬剤師は、勤務先の就業規則に副業禁止規定がなければ、基本的に副業が可能です。公務員や管理薬剤師以外の薬剤師が副業をしても法律違反には当たりませんが、就業規則に違反する可能性があります。

2018年に、政府が提示した「モデル就業規則」の改正により、事実上の副業解禁となりましたが、実際には副業が許可されていない企業も少なくありません。就業規則で副業が禁止されていて副業がバレた場合、減給といった罰則を課されるリスクがあるため注意が必要です。

副業の扱いについて、自分では判断できない場合は、上司や人事担当者などに相談するなど、副業が認められていることを確認した上で始めましょう。

薬剤師ができるおすすめの副業7選

薬剤師ができるおすすめの副業7選

ここからは、薬剤師におすすめの副業を紹介していきます。薬剤師の資格や仕事を通して得た専門知識や経験を活かせる仕事は、特に報酬単価が高い傾向があります。薬剤師ならではの副業案件も紹介しますので、副業選びの参考にしてください。

1.派遣薬剤師

派遣薬剤師は、短期間あるいは1日など単発で働く薬剤師業務です。薬局やドラッグストアでの急な欠員や、繁忙期の人員を補充する目的で募集があります。一般的には、派遣サービスに登録しておいて、希望条件に合った求人が出た際に派遣先に出向いて働きます。

報酬単価の相場としては、時給2,000〜3,500円と高めで、効率的に稼ぎたい方にも向いています。

メリット

本業の薬剤師とほとんど同じ業務を、スポットできるため取り組みやすい副業といえるでしょう。

  • 複数の職場を経験しながらスキルアップできる
  • 普段の業務と共通していて取り組みやすい
  • 賠償責任保険が無料付帯している場合が多い
  • 時給が高め
  • スポット勤務が可能

デメリット

派遣薬剤師は労働者派遣法に則って働く必要があります。派遣薬剤師が働ける職場は法律にて指定されており、条件を満たしていない人は即日の派遣薬剤師として働けないので注意が必要です。

  • 経験やスキルによって仕事が限られやすい
  • 勤務地までの移動に時間がかかる場合がある
  • 単発派遣を利用できる条件が法律で決まっている

2.調剤薬局(パート)

調剤薬局やドラッグストアなどでパートとして副業することも可能です。本業の後や週末のみといった自由度の高い働き方ができます。

調剤薬局併設のドラッグストアでは、レジ打ちや商品の棚出し、POP作成といった薬剤師業務以外の作業を行う場合もあります。目安報酬額は、時給1,800〜3,000円前後です。

メリット

薬剤師としてのスキルを活用しつつ、自身の都合に合わせて働ける点が魅力の副業です。

  • 平日夜や土日のみ働ける職場がある
  • 都合に合わせて勤務しやすい

デメリット

ドラッグストアの場合は、品出しやレジなどを担当することもあり、薬剤師としての業務に専念できない点がデメリットとして挙げられます。

  • 時給は派遣よりもやや低め
  • 薬剤師としての業務に専念できない

3.夜間休日診療所

夜間休日診療所は、休日や夜間など、病院や薬局の営業時間外に緊急で治療が必要な方の診療を行う施設です。夜20時以降あるいは土日祝日限定で、薬剤師のアルバイトを募集している場合があります。

メリット

目安報酬は日給2〜5万円など特に高額。仕事内容が本業と共通していて取り組みやすい上、勤務先に認められやすい副業といえるでしょう。

  • 日給2〜5万円といった高単価で働ける
  • 夜間や土日祝日に勤務できる場合がある
  • 勤務先に認められやすい

デメリット

人気があるため頻繁に働ける確率は低めです。また、会社が薬剤師会に加入していないとアルバイトできない点にも注意が必要です。

  • 人気のため勤務頻度は低め
  • 会社が薬剤師会に加入していないとアルバイト不可

4.メディカルライター

メディカルライターは、医療関連に特化した執筆業務を行うライターです。薬剤師の知識や経験を必要とするライティング案件は専門性が高い分、報酬も高額な傾向があります。現在はクラウドソーシングサイトでの案件募集が多く、オンラインのみのやり取りで仕事が完了できるケースもあります。

目安報酬としては文字単価1〜3円が相場で、月給は平均で1〜5万円前後です。

メリット

パソコンやインターネット環境があれば時間や場所によらず取り組めるため、子育てや介護などで在宅副業を探している方も始めやすいでしょう。

  • 在宅勤務が可能
  • 薬剤師関連や医療に特化した案件は高単価
  • 業務での知識や経験を活かせる
  • 場所や時間によらず取り組める

デメリット

薬剤師としての知識のほか、ライティングスキルが必要になる点や本業よりも収入が劣る面がデメリットとして挙げられます。

  • 本業の調剤業務よりは低時給
  • ライティングスキルが必要
  • 駆け出しの時期は収入が増えにくい可能性がある

5.メディカルイラストレーター

メディカルイラストレーターは、イラストや絵が得意な方に有利な副業です。医療系に特化したイラストレーターは、医学関連の書籍や専門書に使うイラスト作成などでニーズがあります。

薬剤の効果や体の仕組み、薬局や病院の風景など、薬剤師ならではのイラスト制作を仕事として受注することが可能です。

メリット

メディカルライター同様に在宅で取り組める上、業務委託なら好きなペースで進められます。

報酬は案件の規模やイラストの制作量などによって変わりますが、イラストレーターの中でも需要が高い職種のため、1点数千円から数万円程度の高単価な案件が豊富です。

  • イラスト制作や絵描きの趣味・特技を活かせる
  • 在宅で働ける
  • 空き時間など自分のペースで取り組める

デメリット

イラストレーターとして案件を受けることになるため難易度が高く、安定して案件を受注できることも多くありません。

  • 得られる収入が不安定
  • プロレベルのスキルが求められる

6.医療系の講師

国家試験である薬剤師の資格と経験を活かし、医療系講師として副業することも可能です。実際に薬剤師として働きながら、薬剤師国家試験を控えた薬学生や受験生の専門講師として副業を行っている人もいます。

医療系予備校や専門学校での講師で、時給3,000円以上の高単価の求人も出ています。オンライン講師のプラットフォームを使って、自分で開講することも可能です。

メリット

自身の経験や知識をそのまま活かして、効率的に働ける点がメリットといえそうです。

  • 時給は高め
  • 業務経験や専門知識を活かせる
  • 場所や時間を選ばないオンライン講師も可能

デメリット

ただし、経験やスキルをわかりやすく伝えるための「講師としてのスキル」が必要になる点に注意しましょう。

  • 教える技術を要する
  • 講義の事前準備が必要
  • 専門学校や資格スクールの講師求人は少ない

7.翻訳

語学スキルがある人は、医薬品や薬剤に関する翻訳がおすすめです。さまざまなジャンルがある翻訳業務の中でも、医療翻訳は特に専門性が求められます。薬剤師としての経験や知識と語学力を掛け合わせて、海外の医薬品添付文書や研究論文などの案件も受注できるでしょう。

目安報酬としては、英文和訳あるいは和文英訳は文字単価5〜10円ほどですが、難易度や緊急度などによって変わります。英語以外の外国語は習得している人が少なく、単価がアップする可能性もあります。

メリット

語学力を活かしながら、海外の論文を読むことでスキルアップにつなげることが可能です。在宅で完結できる点も魅力的な副業といえるでしょう。

  • 語学力を活かせる
  • 業務を通じてスキルアップできる
  • 在宅で取り組める

デメリット

高いスキルが必要な仕事でありながら、募集自体が少なく、安定して稼ぐのは難しい点がデメリットです。

  • 募集自体が少ない
  • 薬剤師の知識と語学力両方で高いレベルが必要

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薬剤師が副業を探す方法

薬剤師向けの副業を知ったところで、実際に仕事を探す方法を紹介します。初めての副業では特に、どうやって案件を見つけるのかわからない場合もあるでしょう。時給や勤務時間、業務内容など希望する条件の仕事を見つけるために、次の3つの方法をおすすめします。

薬剤師専門の求人サイト

「薬キャリ」「ファルマスタッフ」など薬剤師専門の求人サイトでは、病院や調剤薬局での求人を多数扱っています。「マイナビ薬剤師」では、業務委託やメディカルライターなど副業しやすい案件を検索可能です。

また、パートやアルバイトなどの案件も豊富なので、希望する条件での副業先を見つけやすいでしょう。

クラウドソーシング

メディカルライターやメディカルイラストレーターの仕事を探すなら、クラウドソーシングサイトを利用しましょう。クラウドソーシングサイトは、仕事の依頼者と受注者をつなぐマッチングサイトで、さまざまなジャンルの案件が公開されています。

薬剤師の資格を持つ人なら、専門性の高い仕事を高単価で受注できる可能性があります。また、在宅でできる業務がほとんどなので、在宅副業を探している方にもおすすめです。案件数には波があり、常に仕事があるとは限らないため、複数のクラウドソーシングサイトに登録しておくと良いでしょう。

知人からの紹介

知人からの紹介で仕事を受けられる場合もあります。医療業界や薬剤師のネットワークを通して、薬剤師が活躍しやすい副業情報を得られる可能性が高いでしょう。また、求人サイトやクラウドソーシングなどでは紹介されない、非公開求人のような好待遇の仕事を受けられる場合もあります。

直接つながりがある人の紹介なら、信頼関係が裏付けされるため、迅速にスタートできる可能性が高いです。実際の感想や評判を聞きやすいため、副業をすべきかの参考にしやすいというメリットもあります。

薬剤師の副業についてまとめ

薬剤師の中でも、公務員や管理薬剤師のように法律で副業が禁止されている人や、勤務先の就業規則で副業が認められていない場合は、原則として副業できません。それ以外で副業を検討している方は、記事で紹介してきたおすすめの副業を参考にしましょう。

薬剤師という国家資格や専門知識を活かした副業案件は、高単価も狙えます。効率的に稼ぐために、医療系や薬剤系に特化した副業を探してみましょう。

公開日:2022年09月26日

よくある質問

Q 薬剤師でも副業はできますか? 回答を見る
Q 薬剤師が副業をするときの注意点はありますか? 回答を見る

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