立ち飲み屋の開業資金はいくら?内訳と意外とかかる費用を解説

最終更新日:2022年11月30日

立ち飲み屋は小さなスペースで開業できるため、初期費用を抑えやすいケースが多いのが特徴です。ただ、必要な設備や什器などにより金額は変わり、食材や備品を含めるとまとまった開業資金が必要になる場合があります。

この記事では、立ち飲み屋の開業資金や開業準備の手順、儲かるためのコツについて解説します。個人経営とフランチャイズにおける違いも紹介しておりますので、立ち飲み屋の開業を検討している方はぜひ参考にしてください。

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目次

立ち飲み屋で必要な開業資金とは

立ち飲み屋の開業資金を節約するコツ

立ち飲み屋の開業までに準備すべきこととは

立ち飲み屋を開業するの流れ

儲かる立ち飲み屋の共通点とは?

立ち飲み屋の開業資金についてまとめ

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立ち飲み屋で必要な開業資金とは

立ち飲み屋の開業に必要な初期費用は、400万円〜500万円前後といわれています。何にいくら必要になるのか、具体的な項目と大まかな金額を見ていきましょう。

店舗物件にかかる費用

店舗物件を借りる場合、半年から10ヵ月分の保証金や敷金が初期費用として発生します。
東京都内で10坪以下の店舗物件を探すと、地域によって差はあるものの賃料相場は月10万円〜30万円ほどです。家賃10万円の物件の場合は、100万円は必要と考えておくのが無難でしょう。

内装・外装工事費用

立ち飲み屋として使えるよう、内装や外装の工事が必要です。空調や厨房機器などの設備から壁紙などの内装、看板やのれんなどの外装まで合計で200万円ほど必要です。

ただし、飲食店向けの設備や厨房機器が残されている居抜き物件で開業する場合、クリーニングと看板の交換程度の簡単な工事だけで済むため、工事費用を抑えられます。

什器や機材などの準備費用

スタンドテーブル、レジ台などの什器や機材の準備費用は、10〜100万円前後です。具体的な金額は、店舗の規模やすでに揃っているものがどれだけあるか、什器へのこだわり方によって異なります。

居抜きではなく、物件だけを借りる場合は冷蔵機器や調理機器、収納などの家具までを揃える必要があります。

食品・ドリンクなどの仕入れ費用

食材やドリンクの調達費用は、店舗により大きく変わります。一般的に料理の原価率は30%ほどが目安とされています。最初はどの商品がよく注文されるのかわからないため、大量に仕入れないように注意しましょう。

また、洗剤や除菌用のアルコール、客席の調味料入れ、領収書やレシート用紙などといった備品も必要です。全て揃える場合10万円〜20万円前後とまとまった金額になるため、資金計画に組み込んでおきましょう。

その他

上記費用に加えて、広告宣伝費や人件費などが必要な場合があります。開店時の広告宣伝費は、通常約30万円〜50万円が目安です。

人件費には、従業員を募集する費用や開業準備中の給料などが含まれます。募集する方法や準備期間の長さにもよりますが、おおむね1.5〜2ヵ月分の給与を見込んでおく必要があるでしょう。

立ち飲み屋の開業資金を節約するコツ

立ち飲み屋をなるべく安価で開業したいと思う方も多いでしょう。
ここでは立ち飲み屋の開業資金を抑えるコツを紹介します。

居抜き物件を利用しよう

「居抜き物件」とは前に使っていた内装や家具を置いたまま利用することができる物件のことです。
不動産は撤去や修理費がかからないので、その分安く借りることができます。
ただ、自分がやりたい立ち飲み屋とかけ離れている内装や家具だった場合はリフォームが必要になってしまうので、なるべく立ち飲み屋のコンセプトと似た居抜き物件を探しましょう。

フリマアプリで安く家具や設備を手に入れよう

立ち飲み屋はテーブルやイス、キッチン設備などが必要となりますが、その家具や設備をフリマアプリで安く手に入れるのも節約のコツです。
また、フリマアプリで気に入ったインテリアがなかった場合はDIYすると安く自分にあった家具を手に入れることができます。

立ち飲み屋の開業までに準備すべきこととは

立ち飲み屋をオープンするにあたって、資金準備や物件探しに加えて、お店のコンセプトやターゲット層の決定、資金調達、開業届けなどの手続きが必要です。ここでは、立ち飲み屋の開業前に準備すべきことや準備段階のポイントについて見ていきましょう。

開業資金の準備

まず、開業資金を準備します。先述の通り、立ち飲み屋の開業資金は約400万円〜500万円が目安です。加えて、開店後の運転資金も考慮し1,000万円程度資金を用意するのが望ましいでしょう。

自己資金だけでは足りない場合、金融機関からの借入も検討しましょう。民間の金融機関のほか、日本政策金融公庫のような政府系の金融機関もあります。貸付額や金利を比較しながら借入先を選びましょう。

借入借入方法や注意点の詳細は下記記事で確認してみてください。

独立開業時の開業資金の借り入れ方法や注意点とは?

店舗物件を探す

希望するエリアや賃料などの条件に合わせて、店舗物件を探します。物件は開業後の集客や利益に大きく影響するため、妥協することなく熟考して検討することが大切です。しかし、良い物件はすぐに借り手が見つかってしまうので、判断力が必要な項目でもあります。

居抜き物件は、内装にこだわることは難しいものの、コストを抑えて店舗をオープンでき、立ち飲み屋で重要となる気軽さを確保しやすいといえるでしょう。

店のコンセプト・ターゲットを明確にする

開業資金の確保や物件探しと並行して、お店のコンセプトやターゲット層を明確にしましょう。立ち飲み屋のコンセプトは、お店の軸となる重要な部分です。主要となるお客さんの年齢や性別、嗜好などに合わせてコンセプトを具体的に決めていきましょう。

繁盛する立ち飲み屋にするためにも、開業準備段階からコンセプトとターゲット両方を明確にしておくことが大切です。

開業届・資格・免許の取得

立ち飲み屋を開業するにあたって、必要な届出や資格、免許の取得についてもチェックしておきましょう。個人店として居酒屋を開業する場合には、調理師免許は不要ですが、食品衛生管理者の講習が必須です。また、店舗のある市区町村の役所へ開業届を提出する必要があります。

深夜12時を超えて営業する場合は、深夜酒類提供飲食店営業許可も必要です。手続きや資格取得にはある程度時間を要するため、計画的に行動しましょう。

立ち飲み屋を開業するの流れ

立ち飲み屋開業までの流れ

ここからは、立ち飲み屋開業までの具体的な流れを解説します。個人経営の場合と、フランチャイズに加盟する場合とで必要な作業や手順が異なるので、それぞれのケースについて見ていきましょう。

個人経営での開業

個人経営は、物件探しから開業資金の調達、メニュー決めまで全て自分で行うスタイルです。自由度が高い分、作業負担が増え、時間やコストがかかります。

1.事業計画を立てる

まず、立ち飲み屋のコンセプトやターゲットを決めてから、事業計画を策定します。事業計画は金融機関から資金調達を受ける上で重要な情報であり、内容次第で融資が通るかどうかが決まります。売上高の予測や損益計算のシミュレーションを行い、事業の見通しを事業計画に落とし込みましょう。

2.開業の資金調達をする

続いて、開業資金を調達します。先述の通り、開業のための初期費用は約400万円〜500万円です。自己資金でまかなえる場合は不要ですが、多くの場合は金融機関に事業計画を提出して融資を申し込みます。家族や知人から資金を借りるという選択肢もありますが、信頼関係にも影響するのでよく検討しましょう。

3.仕入れ先の検討

仕入れ先となる業者を探します。立ち飲み屋では、食材やドリンクだけでなく、おしぼりや割り箸などの消耗品も必要です。仕入れ先は専門の卸業者だけでなく、業務用食材のオンラインショップや市場なども選択肢に入ります。複数の業者を比較検討しましょう。

4.メニュー開発

お店のコンセプトに沿って、メニューを組み立てます。メニュー数が多すぎると注文の少ない食品の廃棄リスクが高まり、逆に少なすぎる場合はリピーターが増えない可能性があります。メニューに幅は持たせつつ、数は増やしすぎないよう注意が必要です。

集客に必須の看板メニューは、納得いくまで試作を繰り返す可能性が高く、メニュー全体が決まるまでに想像以上に時間を要します。また、オープン後も常にメニュー開発や改善を続ける必要があります。

5.内装・外装の設計・施工

店舗の内観や外観は、集客や売り上げに直結する重要な部分です。個人経営の場合は、お店のイメージ考案からデザイン設計、施工業者選びまで多くの工程が必要です。飲食店や立ち飲み屋の施工実績が多い工務店や業者を探し、見積もりを依頼しましょう。

6.厨房設備・什器・備品を揃える

お店のインテリアや外装が決まったら、厨房機器や什器、備品を揃えます。厨房設備は、内装施工までに決めておくと、施工後すぐに設置して準備できます。立ち飲み屋で必要な調理器具や備品の種類は膨大なため、漏れがないように一覧リストを作成しておきましょう。

7.営業のための届出・手続き

営業を開始するための届け出や手続きの一例として、以下のものが挙げられます。

  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 食品衛生責任者資格の取得
  • 飲食店営業許可
  • 防火・防災管理者選任届
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書

営業内容や事業形態によっては別途書類を求められる場合があります。従業員を雇う場合には「労災保険加入手続き」や「給与支払事務所等の開設届出書」などの提出が必要です。それぞれ提出先や期限が異なるため、よく確認しましょう。

8.オープンの告知・開業

開業準備が整ったら、オープン日を決めチラシの作成・配布、SNSでの告知など宣伝を行いましょう。ここまでの多くの工程を経ることで、晴れて開業することができます。

フランチャイズでの開業

フランチャイズの立ち飲み屋開業では、物件探しから内装工事、メニュー決め、宣伝活動まで原則本部が担当します。開業時にかかるコストや負担が少なく、手厚い事業支援を受けながらスムーズに経営できるのが特徴です。

1.フランチャイズ本部を選ぶ

立ち飲み屋のフランチャイズから、自分の作りたいお店に近いものを探してみましょう。フランチャイズのポータルサイトや紹介サービスでは、ビジネスモデルや事業内容、収益シミュレーションができる資料が用意されています。説明会などを利用して情報収集しながら比較検討しましょう。

自分に合うフランチャイズを探してみる

2.必要な開業資金を準備する

フランチャイズの開業資金はある程度決まっているため、金額の目安をつけやすいでしょう。開業資金の中には研修費用や初回仕入れ、保証金などが含まれていることもあります。本部が融資サポートを行っている場合もあるので、資金については事前に本部へ相談してみましょう。

3.出店エリア・物件を決め研修を受ける

出店するエリアを決めた後の物件選びは、フランチャイズ本部が担当するか、本部のサポートを受けられる場合がほとんどです。フランチャイズでは、事業研修やマニュアルが完備されており、飲食店での業務経験がなくてもスムーズに開業が可能です。

4.開業

メニュー開発や仕入れ業者探しといった個人経営で必要な作業をほとんど省けるため、効率的に開業できます。加えて、広告宣伝も本部が担当するケースが多く、チラシの作成・配布、SNSでの宣伝などのサポートを受けられるでしょう。

儲かる立ち飲み屋の共通点とは?

儲かる立ち飲み屋の共通点とは?

儲かっている立ち飲み屋には、いくつかの共通点があります。一般的な居酒屋に比べて低予算で開業しやすい立ち飲み屋ですが、繁盛させるにはメニューのラインナップや価格設定などのコツを押さえることが重要です。

店内がよく見えて入りやすい

繁盛している立ち飲み屋は、外から店内がよく見える傾向にあります。店内の雰囲気や活気が外に伝わることで、入店しやすくなります。

ガラス張りの外装や大きめの窓の設置、簡易的なテラス席を用意するなどお店の雰囲気が伝わる工夫をすることで、お客さんを呼び込む効果が得られます。

コンセプトが明確

コンセプトを明確にしておくことも重要です。格安料金の大衆酒場やおしゃれなワインバーでは、ターゲット層や店舗に適した立地、メニューなどが大きく異なります。立ち飲み屋はライバルが多い業態のため、他店と差別化するためにもコンセプトをわかりやすく打ち出す必要があります。

たとえば、フランチャイズ展開している「お酒の美術館」は、コンビニで気軽に希少なお酒を楽しめるというコンセプトのスタンディングバーです。独自ルートで仕入れたお酒を良心的な価格で提供しており、ユニークなコンセプトが話題となっています。

フランチャイズ本部のサポートを受けながら、話題の立ち飲み屋を開業してみたい方は、詳細を確認してみてください。

看板メニューがある

少々原価が高くなったとしても、お客さんがわざわざ行きたくなる看板メニューがあることで、新規客・リピーターの獲得や売り上げの安定化につながります。

また、看板メニューに注文が偏るので在庫管理がしやすくなり、原価計算や発注管理も楽になります。お店のコンセプトに沿った看板メニューを作り、それを軸にメニューを揃えていきましょう。

お客さんを待たせない

繁盛店は、料理やドリンクの提供がスムーズで、スタッフも無駄なく動いている傾向があります。お客さんを待たせることなく料理やドリンクを提供できれば、注文数や回転率のアップによる利益向上が見込めます。

小スペースの立ち飲み屋の場合、什器や設備によって人の動きが限定されやすいため、少ない移動距離で商品を提供できるような配置を心がけましょう。

立ち飲み屋の開業資金についてまとめ

立ち飲み屋は、狭いスペースで気軽に始めやすい点が特徴です。お店のコンセプトやターゲット、看板メニューといった繁盛するコツを抑えることで、スムーズに軌道に乗せられるでしょう。

個人経営の場合、必要な開業資金が高額になりやすく、業者探しや届出など全て自分で行う必要があります。フランチャイズなら、開業に必要な作業のほとんどを本部が担当する上、集客や広告宣伝のサポートも利用できるため、未経験でもスムーズに開業できます。
ぜひこの機会に立ち飲み屋の開業資金を貯めて、安定した立ち飲み屋を経営してみてください。

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公開日:2022年11月30日

よくある質問

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